ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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後半は木場視点になる理由は?


混沌の始まり

直感のままにシオンの手を握ったが、上手く理由が語れない、アレを見たから?どう説明すれば良い?

 

「あ、あの……何を」

 

「い、いやな……その?」

 

勢いのままだが、とにかく冷静、冷静に考えて……考えてみれば?これは……な、何を考えている?私は別に異性にするよう事で……い、異性?

 

待て待て待て待て待てっ!

 

わ、私はこのどこか頼れるようで危なっかしい坊やの……。

 

 

『な、なんですってええぇぇっ!!』

 

 

リアスの声が響くのに二人は驚いた。あの部室は簡要な結界で外に声等が響く事は……以前のように暴走したリアスの気で破壊された風でもない、実際はつい魔力を出す程に驚愕したリアスのミスだが。

 

何事かと部室に入ったシオンに皆の視線が集中した。

 

そして、矢継ぎ早に批難に近い目と声がシオンに集まる。

 

「シ、シオン……貴方……」

 

「はぅぅ……シオンさん……」

 

「あらあら♪」

 

「先輩、場合によっては最低です」

 

「…あはは、シオン君、道理で最近は複雑そうにしてたワケだよ…」

 

この場で、一番話が出来そうな相手に問い掛ける。

 

「おい木場?何があった?」

 

「あはは♪」

 

そう、シオンとイザベラが一旦退室した後の事。

 

「実は、赤龍龍帝の事で貴女に許可を頂きたい事が……」

 

「許可?」

 

「はい、グレモリー家とフェニックス家の党首間にも、話が通っています…けど、貴女の眷属である以上は先ずは貴女に話を……」

 

「家の事は良いわ…許可と言うのは?」

 

「はい、先程話した過去の縁で……本日は私、レイヴェル・フェニックスは赤龍帝、姉ヶ崎詩音様に……こ、婚約を見据えたお見合いを申し込みたいと希望している旨をお伝えしたく、参りました……」

 

………。

 

婚約を見据えたお見合い、しかも貴族からの?

 

家出娘同然とは言え、グレモリー家という名門の跡取りとして一応は過ごしていたリアスとその眷属となって数年の者達、世俗慣れしていないアーシア以外はその意味の大きさは理解している。

 

「は、話しはわかりましたが?シオンはこの国ではまだ結婚は出来ない年齢ですよ?いえ、だからこそ婚約を見据えたと言った話しにしても、彼はまだ悪魔として転生したばかりです。幾ら顔見知りで命の恩人で?嫡男の一人たる御方を立ち直らせた縁があるにしても、その……貴族からの話である事を除いても性急過ぎるのでは?」

 

自分なりに正論と思う事を何とか平静に努めるよう並び立てるリアスではあるが、レイヴェルの返しは彼女の想像を越えていた。

 

「わ、わかっております。私は自分なりに?卑しくも思いますが、やるべき事を……せめて、当人に直接申し込む事を一番にやりたいと思ったのです!!」

 

「直接?一番?何の事です?」

 

「はい、私も母に聞いたのですが、あの御方には悪魔になる前からそのような話が各勢力から何個か、この情勢ですからか直接ではなく手紙等で来ていて……悪魔に転生したと知れ渡ってからは数日で五十を越える話がシオン様には届き、取り合われてはいないと……」

 

『な、何ですってええぇぇっ!!』

 

 

これが先程のリアスの叫びであり、部室に戻ったシオンに注目が集まるまでである。

 

だが、それに対するシオンの反応は?

 

「ああ、レイヴェル様から聞いたのか」

 

事も無げに答えるシオン、彼の察しの良さを知る者ばかりであるから、先程までの会話は瞬時に想像出来たのであろうと理解して、その温度差に皆は押し黙り、レイヴェルはどこか納得出来ないようだが、直ぐに覚悟をした範囲内だと仕切り直したような顔をする。

 

その光景にイザベラは本能的に理解した。

 

今、シオンはそれに付き合う余裕は無いのだと……そして『アレ』を感知してしまった自分は少なくとも、この場で一番に近い立ち位置に入れたのだと、卑しい満足感を得てしまう自分に戸惑ってしまった。そうしている内に話が進んでいるが、何故か気にはならなかった。

 

 

…………。

 

 

 

改めて、レイヴェル様がシオン君にお見合いを希望していると伝えた。それに対するシオン君の反応は?

 

「わかりました。希望しているとの旨は確かに」

 

「はい、では今日は……この辺りで」

 

何故か用件は済んだとして立ち去ろうとするような流れのレイヴェルさんに皆は目を丸くした。

 

「へ?……あ…あの?」

 

アーシアさんが事態を呑み込めない声を出した。僕もだけど。

 

「私は直接希望していると伝えに来たと言いました。此度の件、シオン様ならご察しのハズです」

 

そして、シオン君は仕方ないとばかりに事情を説明し出した。

 

それに関して、自分が神器を目覚めさせて以来、数多の刺客に狙われ、悪く言えば考え無しに暴れて存在を知られてしまった。そこで各勢力がとった手段の一つは?

 

『女の人を絡めた籠絡策』

 

何でも、何代か前の赤龍帝が歴代で最弱だけど、最強と言うより最高のお人好し……只し、度が過ぎたスケベであり。女絡みと女の人の身体への執着絡みで数々の逸話がある為に、それを考えに入れての事らしい。シオン君が一時期姓名を日本でなく外国風な呼ばれ方をされたがった理由の一つらしい、詳細は伏せられたが、彼の性格的に相当きつい目に遭わされたと聞いた。

 

真面目に考えても悪魔になった途端に数が増えたのは何やら陰謀染みた予感はする。当面の疑惑は勿論、部長がシオン君にやった事を?僕達も把握していない事を勘繰る為でもあると考えた方が良い。

 

なる程、部長の実家のように慈愛のグレモリーと呼ばれるような家ばかりではないのを理解しているのだ。  

 

「まあ、流石ですわね……確認するまでもありませんでしたか」

 

リアス達はレイヴェルの意図の一つを察した。シオンは勿論、フェニックス家やグレモリー眷属達も何かしらの陰謀に巻き込まれるかもしれない、それについても自ら出向いての確認が必要だったのだ。フェニックス家としても恩人の安否は将来に関わるのだ。

 

「で、ではシオンさんへのお見合いの件は…その…」

 

「本気ですわ」

 

右往左往するアーシアさんへの答えとしてレイヴェル様は即答した。

 

「シオン様!私はまだまだ至りませんが、貴方に助けられたままの女でいるつもりはありません!ゆ、猶予は与えますのでくれぐれも、いずれ私からお情けで迎え入れてあげる形になる事のお覚悟をして、下さいまし!」

 

何やら、妙な決意の告げ方だがレイヴェル様が本気なのは疑いようがない……そして、目を丸くするシオン君に構わず引こうとする。

 

名将の戦いには、当初の目的のみを達成してそれ以上は求めないと言うのがあるらしいが、レイヴェル様は長期戦覚悟なのだろう、シオン君が簡単に受けない事も察しているのだ。

 

だが、僕達は見落としていた。レイヴェルさんの妙な言い分を除いて、ほぼ見透してたシオン君は何故複雑そうな表情をしていたか……それが頭によぎったのとほぼ同時に?

 

 

『『たのもおおぉぉぉっ!!』』

 

 

時代錯誤と言うか、場所を間違えているような呼び声が外から響いた。

皆は目を丸くしていたが、僕にはわかる。外にいる者達が何者なのか。

 

「な、何ですの!?この場違い感に満ちた蛮声は!?」

 

「何やら、道場破りか討ち入りと勘違いしてるような声色ですが……」

 

レイヴェルとイザベラが素直な感想を述べた。

 

部室内にいる者達が呆気に取られていたが、例外であったのは木場佑斗と嫌な予感的中と顔に出し、立ち上がろうとしたシオンであるが、一歩遅かった。

 

『シオン君!出てきなさい!女の好意を無にしまくる悪い子になったシオン君!神のお裁きの前に私から正義のお仕置きを実行しに来たわよ!』

 

女性陣は名指しで罵声を外から浴びせる声に目を丸くしたが、その時にはシオンがドアを開けて声の主に向きあっていた。

 

「出たわね!シオン君!女の敵!」

 

「所構わず大騒ぎするのはやめんかと何度言えばわかるんだイリナ!!」

 

背後にいたゼノヴィア・クァルタは正直驚いていた。向こうは面影を残しているからともかく、彼方から見たイリナは最後に出会った時より容姿は変わっているのだが、訪ねた相手は当たり前に自分の相方を久し振りに出会った幼馴染みと認識していたのだ。




レイヴェルとは真逆な刺客が来やがりましたからが答えな回。
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