ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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細部埋めを兼ねた幕間回。


盲点

 グレモリー領の屋敷の一室。

 

 休暇中のグレイフィア・ルキフグスは私服で自分のくつろぎ用に与えてもらった一室にてソファーに座りながら、何杯目かになる紅茶入りのブランデー・・・・否、ブランデー入りの紅茶を飲み干した。

 

 グレイフィアは僅かな酒で不安を沈めようとしていたのだ。人間界に居るリアスが自分も注目していた赤龍帝を何故か眷属にした事に端を発して生じた波紋に関してサーゼクスから提案されたのは?あろうことか、双子の妹であるビナーを人間界に送り、パイプ役になってもらうと言う事である。

 

 元々、彼女は夫であるサーゼクスと・・・・新魔王派と旧魔王派の構図で敵対していただけではなく、旧魔王派の最右翼であるルキフグス家の女である。

 

 それが、新魔王派のサーゼクスとロマンスとして語られる流れで結ばれたからには生き残っていた場合であるが、両親や家に仕えいた者達は勿論、養子に出されていた双子の妹に対しても顔合わせをし難い。まして、ビナーは昔から掴み所が無かった。あくまで自分を肯定はしていたが、戦の状況下の事情と言う以外は養子に出された理由は知りはしない。

 

 レスザン家に関しても精々遠縁としか知らされていない、但し?その点に関してはビナー本人が口を開かないし、夫や義理の両親ですら黙秘をしているのを密かに疑問には思っていた。結局、グレイフィアは今の生活を崩したくないだけという疑問が自他共にあるが、経緯が経緯なので、それを責められない日々ではある。

 

 

 

 

 

 

「父上、義妹に・・・・ビナーに話は通しました。今日にでも、サイラオーグをリアスと会わせるでしょう」

 

「そうか・・・・」

 

 グレモリー家、本家の屋敷においてサーゼクスが父ジオティクスと向き合っていた。

 

 ジオティクスは普段とは遠く掛け離れた長男の鋭い眼光に目を見張っていた。これが自分達が知らない最強の魔王としての息子の顔の一旦とせざるを得なかった。

 

 

『シオン・アネガザキ』

 

 

 ジオティクスすらが密かに注目してた赤龍帝に関して、リアスが眷属としてしまって以来、様々な波紋が広がっているが、サーゼクスはセラフォルーと話をして以来、自分なりに上記を考えて、ある結論を出していた。

 

 各勢力はリアスが何故シオンを眷属と出来たかに注目してしまっているが、寧ろ肝心なのはシオンがリアスと出会う前なのではないか?セラフォルーがどこまで関与しているかはまだ知らないが、何か重大な秘密があるのではないのか?と。

 

 そもそも、仮定ではあるが?リアスはシオンを眷属としてしまった経緯を自分に知られても構わないと考えてはいないか?とも。

 

 それに気付いたサーゼクスの思惑の一手こそがビナーである。グレイフィアに匹敵する戦闘力の持ち主がパイプ役になれば良いと言う都合が良すぎる発想であるが、逆を言えば都合が良すぎるからこそ打たなかった手を使えば事態を進展させる突破口になるのではないか?

 

(・・・・シオン・アネガザキ君か・・・・私が調べた君の功績は素晴らしい、だからこそリアスを君に近付けてしまった。これも賭けではあるが、君が人間界で他の世界で起きたような乱を起こしたくないと考えていると判断したからこそ、そして君の真意が私の考え通りと信じたからこその今回の件だ。有事の際は憎んでくれて構わない・・・・)

 

 サーゼクスは推測されるシオンの人格を信じてはいたが、まるで世界規模の危険物資の扱いに手出ししているような心境であった。それが間違いでは無い事は実証間近でもあったのだ。




何が細部かと言うと?

ビナーは本当にグレイフィアの双子なオリキャラ設定だったか?な答えの実証回。

レスザン家とは?

サーゼクス達が自分達なりに動いて、徐々に真相に近付いてはいますな回。

立場上で都合が良すぎる手に関してを物語に組み込む回。

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