ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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シオン達のまとめ方は真相がまだ知らないから仕方ないが今は消却法だらけ。


計画

 何か、脱線したが?話はまとまった。

 

 イングヴィルドが感じた事、俺が部長に完全に取り込まれてしまうに関しては?解明されてはいないが・・・・要は無理矢理な悪魔の駒や不備だらけの輸魂法を使ってしまったのが原因の一端として、俺と部長の間に何かしらの繋がりが出来てしまっていた事を『最低限』として考えて置く事にした。現にサイラオーグさんと顔を合わせた時の違和感からして間違いではないだろう。

 

 旧魔王派の狙いにしてもイングヴィルドが眠りの病に掛かる前の時期の話と近年の情報からの仮定でも間違いではないと思う、一度ビナーさんに改めて話を聞くべきだろうな。

 

 問題は、真っ先にサーゼクス様やセラフォルー様が来ても大戦のキッカケになれば良いと考えているとしたら、恐らく一番の危険思考だろう事。

 

 教会の二人は取り敢えず協力はしてくれる事になった。上層部にはイザって時は俺に対する探りにすれば良いとレイナーレと似た発想での事だ。

 

 搭城も部長の負荷を減らし、木場が戻ってくれれば良いとして、このまま此方と行動を共にする事となった。

 

 さて、当面の行動基準である。俺とイングヴィルドの契約者との非常時の取り決めについてだが?

 

「随分とタイミングが良いわねえ?」

 

「うむ、呪いでも掛けられてるか?」

 

 そう、二人が言うように都合良すぎるんだよなあ。

 

 つまり、自分達だけでどうにもならない事態になった時の手段の一つ。

 

 もしも都合良く話し合えたりしたらだが、イザとなったらイングヴィルドの素性を知らない、記憶からして不完全なふりをしてサイラオーグさんを訪ねるよう言われたのを実行するのだ。

 

 実はサイラオーグさんの母がイングヴィルドと同じく眠りの病に掛かっているので何かしらの同調術で繋がれば目覚めるキッカケになるかもしれないと言うより、セラフォルー様がそれを知っているらしい、必要な時に仲介してあげるとまで言われているのだ。少し前のイングヴィルドでは負荷が心配だから、サイラオーグさん達には悪いが少し様子見と言われていた。今は多少リハビリが進んでるからとしてのイングヴィルドの提案だったのだ。

 

 そして、間の良い事にサイラオーグさんがまだ人間界に滞在しているので、コカビエルと戦う事になるかもしれないし、無茶をしては危険な状態の俺には絶好な機会であるからだ。

 

 正直、あの誠実気な男に都合良く頼るのは気が引けるが、この際はやむを得ない、セラフォルー様から?その時用にもらった暗号込みなサインを見せればあちらは立場上で従わざるを得ないのだと都合良すぎる展開にまでなる。

 

「とにかく、明日に交渉に行く。搭城と教会の二人にも同行はしてもらうぞ。イングヴィルドはまだ外を上手く動き回れるか怪しいから、悪いがサポートしてくれ」

 

 俺のまとめを四名が了承したと頷く、取り敢えず今夜の事だが?何故か泊まって良い?なんてイリナが言うから?

 

「もう夜の9時近くになるからな、このマンションはここ以外の部屋以外は空き部屋だから、同じ階の部屋を好きに使って寝てくれ、俺の契約者が昔は顔見知りと溜まり場にしてたらしい場だから必要なものは揃ってる。許可は出てるから好きに使え」

 

「やったわ!久々にベッドで寝れるわね!」

 

「うむ、身体を休めるのも大事だ!」

 

 やっぱり、教会の仕事場は難儀なんだろうなあって思った時だった。

 

「待て、マンション内に誰か入ったぞ?」

 

 簡単な人避けの結界はあるから、セールスとかはまず来ない、と言って敵ではないみたいだ。説明は受けている四名も事態は察したようだ。

 

「もしや、フェニックス家の二名ではないのか?聖剣の事を聞いたから冥界にはまだ帰ってはいないようだしな」

 

「いや、それにしては違うようだが・・・・っ!?此方に向かってる!後、二分くらいで部屋の前に来るぞ!」

 

「まさか、敵ですか?」

 

「わからん・・・・普通に訪ねて来たら俺が出てみよう、皆は念の為にイングヴィルドを守りながら此処に待機しててくれ」

 

ピンポーン♪♪

 

 普通にチャイムが鳴ったから、俺が指示した流れで全員が動く、出来れば敵じゃない方が良いが。

 

「はい、どちら様ですか?」

 

 普通に応対しながらドアを開ける前に、ドアスコープから見えたのは?以前、確か送られてきた写真で見た顔?兎に角、ドアを開けたら?

 

「こ、こんばんは・・・・あははは・・・・良かったです。藁にも縋る思いだったんですよぉぉ?私の顔に見覚え、あるなら嬉しいですよぉ?出来ればあると言って欲しい、欲しいですうぅぅ・・・・っっ」

 

 此方は肯定する為に頷く、正直・・・・言葉が選べない、パンツスーツ姿の銀髪の美女・・・・しかし、その美貌は全身から溢れる幽鬼のようなオーラと、悲しみに加えて万が一の希望が叶った涙で顔をくしゃくしゃにしてる有り様で台無しだ。

 

「うぅぅぅえぇぇぇんっ!酷い!酷いんですよぉぉ!知ってるでしょ!?あの御老人のいい加減さをぉぉっ!?お出掛けのお供してたら置いてかれてて、漸く連絡ついたと思ったら?『忘れてたわい♪♪』と、貴方の?『赤龍帝の住居が近いから?取り敢えずは、そこに世話になっとれ♪♪』だけなんですよおおぉぉっ!?」

 

「あ~、わかりましたから、兎に角?中に入って落ち着いて下さいよ?確か・・・・『ロスヴァイセ』さん?」

 

 

 

・・・・。

 

 

 

「あの、オーディン様?確信犯なのはわかりましたが、幾ら何でも酷すぎでは?」

 

「構わん構わん、ビナー・レスザンだけでなく北欧の主神なんか居合わせた日には、かえってあの辺りが危険じゃからのう」

 

 一理あるが、流石に知らない者の心中には同情するしかないやり口と言い分、流石にロスヴァイセに気の毒になるしかない彼女の先輩なヴァルキリー達であった。




早目にロスヴァイセを回してやりたいと考えてたオーディン様が唐突に手っ取り早くやらかしやがりました(汗)

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