シオンが小猫と教会の二人をマンションの自室に迎えた頃だった。リアスは意を決して自分なりの計画を動かし始めていた。
「サイラオーグさんとは組まない?」
自室から出て来て、学園へ残った部員とビナーを夜の部室に集めたリアスに対して、朱乃は事前に聖剣絡みで起きるであろう戦い、まだこの付近で起きるとは確定はしていないが情報を得ている教会の関係者が来た以上は大いにある有事の際に備えてフェニックス家は勿論、サイラオーグと組むべきとしていたが?リアスはそれを否定して、ビナーは問うべき事を述べた。
「理由は?」
「私の噂は相手も聞いているでしょう?近くにいるとして仮に私がサイラオーグと組む気配を見せなければ私情を優先させる愚か者として甘く見る。罠と見なす。シオン達が別行動しているから眷属が分裂してると思う等で相手の行動が多少は特定できます。逆にビナー義姉様を含む戦力が固まり過ぎていては、相手が何をするかが不安になってきます」
ほぅ・・・・と感心した声をビナーは漏らした。リアスは更に自分の青写真を開かす。
「更に、別行動をしているシオンなら多分、佑人を探したり、教会組やフェニックス家の二名にサイラオーグと組む路線を取るでしょう、そうなれば?」
「なる程、例えばリアス様をコカビエルが狙って来たとしたら、シオン君達が背後を突くであろう。逆にシオン君達の方が先なら私達が背後を突けると見なしますか、自分の恥部すら構想に組み込むとは考えましたね」
リアスの考えにビナーは感心し、朱乃も目を見張る。朱乃から見たリアスは・・・・シオンに助けられた日迄は少なくともプライドを優先させる傾向があった。『凡庸』と言われても、それは身内と比された限りであり、それを除けば自分なりの力を持ってはいる意地を保ちたがるのがリアスのイメージであったが、やはり今のリアスは何もかもをかなぐり捨て始めていた。それが朱乃の中にあるものを揺さぶり掛けていたのだ。
「で、でも?それではリアスお姉様が囮になる可能性があるという事です。幾らビナーさんが居ても堕天使の幹部が攻めて来たら危険なのでは?シオンさんも必ず気付いてくれるとは限りませんし・・・・」
「そうね、そこで私は『切り札』を使うわ、それを使えば、少なくともシオンは必ず異変に気付くから」
「決意なさいましたか。使い方によっては、此方が危なくなりますよ?それに、やってくれるかと言う問題もありますが?」
「大丈夫です。『彼』には頑張ってもらえる理由はあります。皆、ついてきて!『許可』は、ビナー義姉様が来た日に貰っているから・・・・早速、封印を解くわ!」
アーシアは事情を知らないが、説明はしてもらえるだろうとして他の二名同様にリアスの指示に従った。だが、ビナーはシオンを盲目な迄に宛に出来てしまえるリアスを見逃さなかった。
(付き合いが短いのにシオン君が自分の意図通りに動くと確信している。やはりですね・・・・ですが、自分なりにやるだけやろうとしてるのは悪くはありません、今回の切り札にしても逆に危険になる恐れはありますが、このまま行けば揺さぶりを掛けられ続ける危険があるから、やむを得ないと踏んでいるようね・・・・まあ、良いでしょう)
ビナーの観察眼はシオンとは違った意味で若年組の比では無かった。更に、朱乃にしても不安要素が表面に出掛けてしまっていると踏んでいるが・・それについてはイザとなれば『大人しくして貰う』で考えていた。各々の考えが動き出して、起結迄の段階が整い始めた。
一応、肝心な時にふさぎ込んだままにはならないリアスにはなってます。