ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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備えが進む。


明日への備え

 自室のベッドで塞ぎ込んでいたリアスは、何とか立ち上がり自分なりに意図を整えていた。

 

 途中から危険と考えたが、結果として自分だけに集中する類いとも気付いた。

 

 自分はどう思われても良い、周りにどう思われてもシオンとの秘密がバレてもシオンさえ無事なら良いとした。打算的な事を除いても、非は自分にあるのだから最悪の場合はシオンの無事が確保出来る確率が高いと考えられたが、甘えと過信は禁物だ。シオンに助けられた日から何度も思い知ったからだ。

 

 まとめると、当面の問題は?これから起きるかもしれない戦いで仮に戦力を集中させて全面対決になったとする。その場合、短期決戦ならまだしも?睨み合いにでもなり、先日のサイラオーグのようにシオンの状態を感知されたとしたら?と言う危険があった。バレるだけなら良いが、その際に自分がシオンに悪影響を与える危険がある。単に自分とシオンの事しか考えていないと言われる有り様であろうが、その先に起こり得る『最悪の事態』だけはあってはならないのだとした。

 

 その危険を避ける為、これから向かう先にいる『自分の僧侶』が必要だ。そして、彼ならば気付くであろう事がある。その為にも。

 

(・・・・覚悟を決める。私には烏滸がましく生きていける理由が、シオンしか・・・・シオンにしか無いのよ)

 

 

 

 

 

 その頃、シトリー眷属とフェニックス家の二名にも動きはあった。

 

「共闘ですか?私とイザベラで良いのならば」

 

 正にとんとん拍子であった。

 

 サイラオーグとの対面でビナーが現れ、そのビナーは手合わせ等をしないならシオンと会わせると言う条件で学園に向かい、リアスが自室に暫く籠っていた経緯も聞いた。

 

 リアスに敢えて厳しい事をしてるとすればそれまでなのだが?そもそも、はぐれの中には旧魔王派も存在しているであろう可能性からリアスの暴走に一枚噛んでいたらしい件も問題である。義姉の双子の妹とは言え、ビナー・レスザンは旧魔王派の旧先方だった家の遠縁である。それらから生じる疑念を考えてみれば、唐突に現れて協力者になってくれたとして信用して良いのだろうか?

 

 しかし、その類いでは、冥界における内乱で勝者となり、現ルシファーとなったサーゼクスと敵対したが、内乱中の事を含めてのロマンスとされる形で戦後に結ばれたグレィフィアにまで懐疑的にならねばならないと、矢継ぎ早に自分達のような現魔王の身内である以外は駆け出し程度な若手には手に負えない問題に向き合わねばならない。

 

 その辺りに関してビナーの言い分は?

 

『旧魔王派は勿論、怨恨を残している現魔王派も冥界には多いですからね・・・・まあ、疑うのは自然です』

 

 飄々としつつ、実に現実を受け入れていた。

 

 兎に角、備えが重要だろう・・・・何度も考えたがリアスが複数掛かりだったにしてもアッサリ敗れるはぐれが出ただけでも元々非常事態であるのだ。

 

「会長、次はどうします?」

 

「そうですね、次ですか・・・・匙、貴方は確かシオン君の住んでいる場を教えて貰えなかった事がありましたね?」

 

「はい、あの時は・・・・まだ付き合いが短い時期だから、あまり人付き合いをしない傾向なあいつの性格じゃそんなもんだって思ったけど、リアス部長とアーシアちゃんは、一度だけ訪ねたらしいっすね」

 

「私や会長も同じ感じでしたが、有事に備えて試しに訪ねるのも考えますか?」

 

 匙を含めた自分達に来訪されたら困る理由でもあるのか?と、密かに抱いていた疑問が再浮上させていた。

 

「(・・・・後回しにしてた事が次々とツケになって来た?私にしても本家からはビナー様を回して貰っている程度の事しか言ってもらえない、ここは?)・・・・真羅?ここは慎重に行きます。私の眷属は明日には街に、生徒会メンバーで遊びに行く事で散策しましょう、何か手掛かりがあっても私達だけで当たらないようにします」

 

 恐らく、それが正解だろうとソーナは結論を出した。出遅れてたとしても直ぐに取り戻せる遅れではない程度は予感していた。

 

 

 

 

 

 顔見知り達も次々と有事の際に備え始めていた頃。

 

「ふぅ~~、日本の風呂は気持ち良いとは聞いてたが?至福とは良く言った」

 

「はあ~~、今回はシオン君の契約者様々ねえ~~?」

 

 イリナとゼノヴィアが広い湯船に浸かって身体を伸ばし、リラックスしながら洗い場に注目する。

 

『ごしごし・・・・ごしごし』

 

 主に置き去りにされて見知らぬ地を彷徨い、訪ねた先で泣き疲れて活力を無くしたロスヴァイセはイングヴィルドを除いた女性陣と共に大浴場で病人が介護職の人にしてもらうようにお風呂タイムであった。余りにも気苦労が絶えないなりに尽くした果てに哀れな扱いを受けた年上の才女は未だに呪詛のような呟きを洩らしてされるがままに小猫に背中を洗って貰っている。マンションの最上階近くにどのような原理か、あっと言う間に用意できる清潔で広い浴場とは・・・・理由を聞こうにも先ずは哀れなヴァルキリーを一息つかすのが先であった。背中以外も小猫が指示するか動かしてからされるがままである。この状況では、リアスや朱乃に迫るスタイルに羨む気にもなれない小猫はただ優しく身体を洗ってあげるだけである。

 

 ごしごし・・・・ごしごしと。




不安ばかりな面子毎のそれなりの現状、ロスヴァイセさんは疲れてるから、お風呂に入って寝ましょうな段階(涙)
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