ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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幕間から細部埋めが多い気がするが、個人的に好きなんですよね。


思案

 季節は人間界で言うと、春爛漫?地球温暖化とやらの影響もあって、私達みたいに昔の情報しか知らない異世界に居たのからしたら戸惑うものよね?気温からして資料が古いと首を傾げるわ、さて休日ともなれば店も多少は客が来るもの・・・・店の者から見ても?喫茶店でティータイムやランチもオツなものよ・・・・けど?

 

「全く!やってらんないすよ!?」

 

「上の判断だろうと?折角、上手く行ってるものをブチ壊してどうすんの!?」

 

「レイ・・じゃなくて、マスター!コーヒーもう一杯!」

 

「こっちはカレーのおかわり!」

 

何でコーヒーやカレーで酔うのよ!?

 

 これも私の日常よ・・・・赤龍帝の神滅具を奪う為に捨て石になりに行かされたハズな私は相手が相手だったお陰で組織からしたら大層美味しい立場になったのはともかく?人間の世界で姿やら名前を変えて活動してる同僚や部下が、いつの間にか店の常連となって頻繁に来店して飲んだくれみたいになってる。真昼の酔っ払い共ってどうなのよ。

 

 少し前の私が大量に居る。

 

 組織への不満タラタラっぷりは、誰も彼も他人事ではないけど、比較的ひがみは向けられてはいないのは嬉しいけど?ある意味で一番危険な立ち位置よね。

 

 おこぼれ貰おうって意図も無下にするには・・・・ねえ?とにかく、シオン君に迷惑描けなければ好きにして良い・・・・まあ、迷惑掛けたらどうなるかわからないなら死ぬだけ、集まってる堕天使の皆はシオン君が多分サイラオーグさんの次くらいには強い程度は理解しているから下手なちょっかい出せないだろうし・・・・改めて?場合によっては、私達は今頃はシオン君やグレモリー眷属に全滅させられていたのは想像に難しくないわ、そんなノリだったのは最近までだ。

 

「で、どうなの?コカビエルの動向は?」

 

 空気がそれなりに張り詰めた。そう、聖剣の件でこの近辺に潜伏したらしいけど?問題は、私達にどんな影響があるかだ。同乗して本来の任務通りシオン君に何かを仕掛けるよう指示が来るかもしれない。

 

「音沙汰無しですよ、結論を言えばわざわざ他に情報漏れてるのに意に介さず何か仕掛けるような無差別テロに走る算段って考えもありですけど、それよか他に関心を持つ要素が急に出来ちまったとかじゃないですか?」

 

 皆の視線が私に集まる。

 

 そう、他に関心持つ要素・・・・私の偽装作戦のお相手よ。シオン君が何故リアス・グレモリーの眷属となったか?場合によっては単に無差別テロみたいに暴れて魔王の身内を害するよりも冥界を大いに揺るす事に繋がる大チャンスかもしれない、それを下手に逃したないって意図の可能性が大いにある。

 

 私から見てもシオン君は以前のシオン君じゃない。何か仕掛けるとしたら今が絶好の機会だ。だから、騒ぎを起こしたがるのが狙うのはリアス・グレモリーやソーナ・シトリーではなく。だからこそ、先日に木場祐人にサイラオーグさんの滞在場所を教えた。

 

「そうね、慎重になりたいとこだけど?寧ろそんな状況でも動きたがるバカがいるのが悩みどこって仮説もあるわ、ね・・・・っ!?」

 

「どうしたのです?」

 

『バカ』

 

 自分はとんでもない見落としをしていたのではないか?

 

 組織の中にはバカが何名かは出るものだが、仮に・・・・仮にだが、今悪さをしようとしているのがバカばっかりと考えた事はあるが、自分の考えるそれは幹部達の話ではなかったか?

 

 仮に・・・・組織の中の幹部だけでなく下っ端まで大多数がバカばっかりだとしたら?更には、そうではないのだとしても敢えて・・・・『みんなでバカになる』を選択したとしたら?

 

 

 

・・・・。

 

 

 

 学園のオカルト研究部部室では、他が席を外してアーシアとギャスパーだけになっていた時である。アーシアはギャスパーにある質問をしていた。先日にギャスパーの言葉の中に聞き捨てならない言葉があったのだ。

 

『僕のせいで部長は・・・・』

 

「じ、実は僕もパソコンで調べたんです。そのシオンさんって人のことを・・・・そうしたら、聞き慣れない言葉が沢山あって・・・・それを部室の方に送った後に部長が、その・・・・アーシア先輩も居合わせたんでしょ?」

 

「は、はい・・・・」

 

 アーシアは身震いした。リアスには明かしていないが、あの時のリアスは自分から見ても正に人間が恐れる悪魔を体現した存在の一例であったのだ。

 

「・・・・調べ直したら、その時のデータ・・パソコンからはアクセス出来る場所が全部、消えてしまってる上に僕のパソコンからも送った記録から消えていたんです」

 

「つまり、誰かがギャスパーさんのパソコンに何かをやったのですか?」

 

「あ、あうう・・・・データがもう無いからわからないんですぅ・・・・」

 

 詳細をプリントした資料はリアスが暴走した気で燃えてしまっている。リアスにその時の事を聞くのは何処か危険な気がする。

 

 二人はビナーかシオンに、ギャスパーが覚えてる事から相談してみようかと結論づけたが、世俗慣れしてない二人は現代社会においてパソコンに外部から罠を仕掛けたりできる手腕の恐ろしさがまだ理解出来てはいなかった。尤も下手人達が当にお縄になっていたのがせめてもの幸いではあったのだが。




主戦力以外の動向ってやってみると色々やれる。

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