ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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ドライな日常って、そう悪いものでもない気もする。

それと、私作の問題児オリキャラは少しカルシウムが足りん感じになった。


切っ掛けと序曲

学校……正直、良い事ばかりじゃない。

 

俺は、この世界で高校2年になった。進級しての新学期が始まって間も無い、学校はそれなりにやっている。と言うのも、小学校に入る前りまで?あのヤンチャ娘の化身みたいなのに振り回され、何故か馴染んだと言うより、そいつ絡みだけではなく、いつからか色々厄介な事柄を任されて片付けたりする内に周りに受け入れられたと言うか、変に宛にされたと言うかだ。

 

……何で、時々考えちまうんだ。

 

正直、問題はそれなりにあっても?良く言えば道徳を大事にしながらテストで良い点取って部活とかで成果を残せば将来の選択肢が多くなるし高望みも出来る。それがこの『日本』って国だ。俺みたいなのには場違い感が半端じゃない。

 

とにかく、セラフォルー様が縁で知り合った生徒会長の頼みで予備役員みたいになり雑用やら何やら、果ては戦闘訓練に付き合うをやりながらそれなりに処世術を大切にして、はぐれが出たら始末してるのが俺の日常……そう言えば、あの会長は冥界に学校を作るのが夢らしい、人間世界の学校に何か得たものがあるのかな?

 

この日は学園が騒がしかった。

 

例のリアス・グレモリーが体調がすぐれないだそうだ。すぐれないどころか死にかけたばかりなんだがとか考えながら仕事の確認あるから帰宅途中に何やら転んで荷物をバラけさせちまった娘がいたから、何となく手を貸したが?

 

「あ、あの…私は気にしてないです」

 

「……」

 

寄りによってバラけた荷物の中にあった『下着』……しかも、上下をまとめてを手に取ってしまった……消え入りたいとはこの事とか思ってたら、転んだ子供のとこに駆け寄って治療しちまってる。気味悪がった母親を責めるより、その娘の迂闊さが腹立たしい……俺は『行き付け』の喫茶店に娘を連れ込んで事情を聞き出した。

 

 

 

『アーシア・アルジェント』

 

 

 

元は癒しの力を持つ聖女だったが、悪魔を治療してしまったが為に追放され、日本の教会を訊ねて来て先程のやらかしだ。

 

「アホ」

 

「……っ」

 

バッサリと罵倒してしまった。

 

流石にアーシアは泣きそう、だが言わざるを得ない!そもそも普通の治療で治るケガに咄嗟に使ってしまうようで秘匿とかが概念にないのか?と続けた。

 

実際、それは危険だ。追放や気味悪がられるどころかアーシアを利用しようとする奴等に目を付けられる。そうなったらどうなるか?場合によっては拉致されて良いように利用されてしまうとか、考えつくのは最悪の流ればかりだ。そもそも人間は都合良い存在を利用したり頼るだけでは駄目なんだ!って事を適当に言った。

 

アーシアは素直に頷いてくれてたが、果たしてどうなる事やら……で、何故か俺に礼を言って教会に行こうとしたアーシアを俺は思わず引き止めた!

 

……不味い。

 

不味い。

 

不味い。

 

不味い不味い……不味い!

 

行かせたら不味い!

 

俺は説明は後だと言い聞かせて、アーシアを生徒会長のいる学校に連れて行く。素直に着いてきてくれた。

 

『騒ぎを起こす可能性があるのは排除も辞さないって路線で良いよん♪』

 

『場合によっては、私の妹頼ってね♪』

 

『只し、ソーナちゃんの安全は確保しないとヒドいよ♪』

 

 他にも似たようなのが続く内容な契約以前に能力の秘匿を怠ったアーシアは下手したらこの街くらい簡単に消しかねない火種になる。

 

先程、何となく思った事が…アーシアが教会に向かおうとした瞬間に恐ろしく現実味を帯びて警鐘が鳴り始めている。自分の勘を信じなかったばかりに後悔した事がある俺は半ば衝動的にこんな選択をした。

 

……これが、本格的に悪魔と関わる俺の日々の序曲……けど、知らん!アーシアの安全が先だった!それだけで充分だ。

 

 

 

 

 

詩音がアーシアを連れて行ったのを確認した女性は自分が出向く事は無いと判断した。最近はどこも組織だ正しさだの慌ただしいのだと、冷めた考えであった。

 

 

 

 

 

「ま、当たりを引かせてもらった私が言うのは複雑でしょうね……」

 

組織とは?正しさとは?

 

別に考えなくても責められない、それが『下っ端』と言うものよ。

 

でも、ほんの些細な幸せってものを求めても別に良いでしょ?私の場合は……そうね、人間界で出会ったじゃなくて?

 

『殺されに行かされた』

 

そんな相手との縁ね。

 

私、レイナーレ……堕天使の端くれよ。

 

平たく言うと、神器回収の仕事で使い捨てにされた。相手は、女みたいな外見だけど私が確認する限りでバアルの獅子王の次くらいに強いであろう赤龍帝、戦うには無理だから私を捨て石にして上が何をしようとしてるのかはまだしも、やるからには堕天使らしく懐柔しようと人間名と姿で近付いた。好きになったので付き合って下さいなんて有りがちだけど多分正道な事を言った。交際のフリして探り入れてるにすれば時間稼げるし、少なくともその間は死なずに済むし、何か対策立てられたりもあるかもだし?

 

『事情次第では殺す。洗いざらい言え堕天使』

 

バレバレ……驚く気力も無い、私は死を覚悟した。で、駄目元で正直に洗いざらいに言ったら?

 

『わかった。付き合ってる振りしてれば作戦の途中に見てもらえるから貴女は安全ってワケだ。契約相手の『ツテ』で便宜を図ろう』

 

目が点になった。

 

で、この喫茶店で住み込みのバイトやりながら学生やっている。

 

名前は伏せられてるが、大層な大物が背後に居るらしいから探りを入れますで時間は稼いでる。

 

彼に、姉ヶ崎詩音に何があるか知らない、けど命を長引かせて貰ったんだから、それなりに感謝はしないとねで食事や衣類に関して口を出させて貰ってる。義理よ義理……彼は料理は何故か達人級なのに自分の食べる物には栄養補給感覚だけだし、衣類は最低限しか気を使わないし……それから、それから……もう良いわ!

 

時々はぐれが来て戦闘になった後に自宅じゃアレだから、この喫茶店にあるシャワールームで返り血や汗を流しに来てる彼とはそこそこ交流はある。

 

表向き『平穏』ってのを満喫出来る日々は私なりの幸せ……。

 

さてと、これからどうなる事か…で過ごした私の後悔、何か出来たかなんて保証は無い……寧ろ、足を引っ張ったかもしれない……けど、私は……私は、この後に起きた事に何もせずにいた私を……一生、許さない!




やはり別格になり易いアーシアと組織人の悲哀体現系に寄ったレイナーレ登場な回でした。

……そもそも、アーシアは善意で秘匿を怠ってしまうのは場合によっては洒落にならんのと、原作でレイナーレを性悪ではなく、良い意味で味のあるキャラにすれば初期の批判ってかなりの割合で無かったようなものばっかりな気分の産物。

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