ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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失敗の修正と同時に諸事情で使わなかった内容をやはり使った回を投稿し直しました。

私作のイングヴィルドの辿った経緯の改編点を一部入れてます。

それに伴い、他の話も多少台詞を修正してます。


茶番とお節介

 イングヴィルドの言わんでも良い部分まで入れた発言に何故か憤ってる奴等に好きにしてくれと思っていたら、いかにもってのが来た。妙な流れにしびれを切らした奴等が呼び出したか?ケルベロスのようで、頭が龍みたいな形をしている。

 

『合成獣・・・・キメラ』か・・・・連中が造り出したんだろうが、これは『チャンス』だ!

 

 慌てるフリをイングヴィルドと目を合わせて了承の意を示した。皆が戦闘準備に入って、それを止めようとしたが?

 

「止めろ!イングヴィルド様を傷つける気なのかっ!?」

 

「黙れ、人間との混血等と悪魔にとって汚点以外の何でもないわ!しかも、偽りの魔王共に組している等、特に忌むべきものだ!連中もろとも消し去ってくれる」

 

「その考えが間違いなのだ!我等が血統を重んじるのは伝統と言うものを守る為だ!不備を理由に安易な軽挙に及ぶ事が許されると思ってしまうからこそ偽りの魔王共が台頭したのだ!!だからこそ、我等自らがイングヴィルド様に責任が無い不徳を攻めるような思考こそ否定するべきなのだ!」

 

 あのキメラは連中からしたら相当な自信作のようで、言うような事態になる攻撃力を誇る出来なようだ。イングヴィルドに歩み寄った側が此方に背を向けて待ったを掛けてるし間違いではない、しかし待ったを掛けた側の言ってる事も割と尤もな事だ。血筋を重んじている理由には多分なっているし、イングヴィルドには責任が無い事で消そうとするような事は否定すべきと・・・・いや、あいつら平和な時なら一人でもいて欲しい人材ってやつなんだろうなあ?

 

『どうしよう?』

 

 心底困惑したイングヴィルドが目でそう訴えて来た。

 

 嗚呼、わかるわかる。あの悪魔達は悪意が無さすぎる・・・・俺は右手で左肩を軽くさすった。言葉や念話を使えない時の為のものだがこれが答えだ。

 

 イングヴィルドは・・・・俺達に背を向けた自己陶酔組の手足を魔力弾で撃ち抜いた。撃ち抜かれた箇所が凍結しているが、感覚を無くさせて痛みを感じないようにする為だろうな。

 

「イ、イングヴィルド様・・・・何故?」

 

「静かにしていて・・・・私はシオンさえ無事なら良いの・・・・新旧魔王派の事なんてね?シオンに危害が及ばないかどうかしか興味は無い」

 

 薄紫色の粒子が立ち上って、その場の全員が気圧されていた。まあ、イングヴィルドの本気を目の当たりにすればこんなもんだ。身体が録に動かない間の付き合いがある俺以外はな・・・・敵側は勿論、サイラオーグさんにイザベラさんも目を丸くして戦慄してる。

 

「何故・・・・です!?何故、そこまで・・・・や、やはり誑かされて・・・・」

 

「だから、それはないの。寧ろ・・・・ち、違うのよ?言ったハズよ、私の着替えやお風呂手伝う時に目隠しなんかしてる時点でそれは無い!」

 

「目隠し・・・・し、しかし?布が透けて見える類いを使ってたかもしれないではありません!」

 

「それも無い!目隠しに使う布は、最初からやる度に私がちゃんと確かめて、途中から私が自分で手洗いしていたから!」

 

 妙な流れで手足が動かせないまま地面に這いながら尚も怒り始めたぞ連中。何が不満か良くわからん・・・・それはさておき?こうも拘るのはまさか・・・・『百数年前の事』を知っている奴等か?思っていたら?イングヴィルドには無数の火炎弾が着弾、イングヴィルドのいた場所から火柱が立った。後ろのキメラが放ったのだと理解して俺以外は慌てていたけど?

 

「イ、イングヴィルド様ああっ!!」

 

「馬鹿め!無駄話しているからだ!」

 

 まあ、正しいな・・・・戦闘開始手前だから。倒れ付した側やら俺の周りは憤っていたが?火炎弾の余波は紫色の粒子に消されて、そこからは無傷のイングヴィルドが姿を見せた。俺は周りが唖然としている隙に然り気無く臨戦態勢に入ったフリをしながら魔力で身体を覆った・・・・万が一があるしな。

 

「♪♪~~♪♪」

 

 イングヴィルドの歌が始まった。周りは何事か?と思っていたが、ロスヴァイセさん以外のマンションに泊まった側はピンと来たようだ。

 

 龍の類いも合成していたキメラはたちまち倒れ付し、後方の部隊も何名か影響を受けているな、その関連のが何名かいたようだ。

 

「ば、馬鹿な・・・・まさか?龍を無力化すると言うのか?・・・・」

 

「い、いや待て・・・・ならば、何故赤龍帝が平然としているのだっ!?」

 

 尤もな疑問が連中から飛び交ってるな、白々しい事この上ないけど・・・・これも『誤魔化し』の為だ。何故か俺の耐久性が落ちてるのをバレない為の布石。

 

「これが答えの一つよ・・・・シオンにはね?私の歌の力・・・・龍を無力化して操れる力すらも通用しないの・・・・だから、私はシオンとずっと一緒にいるの!シオンの傍でずっと・・・・ずっと大好き・・・・な・・・・の・・・・場所で、歌って生きて行く事だけが私の望みなの!」

 

 イングヴィルドはこの場にいる全てに向けるように力強く・・・・途中嚙んだか?まあ、これまでがこれまでだからな・・・・とにかく宣言した。正直、身体がいきなり動かせるようになってるから、俺なんか必要ないと思うのだが・・・・って、何だ?出そうともしていないのに左腕が変化した?

 

(相棒よ・・・・俺もこれ以上は耐えられん、だからな?)

 

 あ、ああそうか・・・・俺は何とかなったけど。ドライグに影響が出たか?悪いな・・・・変な茶番に付き合わせちまったな。歌はもう終わっているから、後は嘗ては力の象徴の一角だった存在として存分に力を振るわせてやる。

 

(・・・・全然、違うわ!・・・・まあ、良い。イリナは、ぐぬぬ・・・・っ!な顔になってたり、他は全然気付いてないのに呆れてるが・・・・それはリアス・グレモリーにああされる前の方がマシだから多分幸運か)

 

 何か引っ掛かるが、とにかく、本格的に戦闘が始まってしまった。無力化した自己陶酔組はイングヴィルドが出した小型の水龍に後ろに送られて拘束された。捕虜は使い道あるからだ。

 

『結界を張っているようだが、奴等の背後には人間達の街がある。流れ弾のような攻撃が届かぬよう気を付けろ?』

 

 森の中を移動中にサイラオーグさんが言った事だけど、味方側は貴方が一番心配な指示ですよと言いたい心境だろうな、それだけあの人の拳は圧倒的な威力である。

 

 イングヴィルドは先程の火事の消化と放火魔達を壊滅状態にした際にコツを掴んでしまったらしい、水や大気中の成分と自己の魔力からのやり方はリハビリを進める中では無理だった為に『歌』を兼ねたやり方で自分の力を少しずつ使えるようになれたが、不備を起こしている俺が近くにいるのと森を焼かせたくなかったから今まで出来なかったやり方を咄嗟に行い、成功させてしまったイングヴィルドは味方からしても驚異的だ。水龍ではなく水を高速回転させて例の地球人最強の男の技みたいに操作して敵を斬りまくっている。自転車に乗れなかった子供が、コツを覚えた途端、あっという間に乗り回すようなものかと言わしめるようなセンスには脱帽する他は無い。

 

 五分程経過して、此方は各々が迫り来る旧魔王派を含めた混成部隊員を次々と倒すが、違和感があった。後方で待機している側だ。様子見しているのか、此方を消耗させる気か?と、考えた時に、俺にはある可能性が推測出来た。

 

「イザベラさん?貴女は此方に連絡しに来たら奴等に襲撃されたんですよね?」

 

「ああ、バアル様の方面を担当してた連中の前に私がたまたま来たから、背後から矢を射掛けたようだが、その矢が来ないな?毒が塗ってある矢等は有効なハズだが?」

 

「と言う事は?手持ちが少なかった?温存するより、部長の方の状況を知らせないのを優先させたとかですかね?」

 

「かもしれん」

 

「毒か、それは厄介・・・・?待ってくれ!何故、貴女は矢に毒があるとわかったのだ?」

 

 ゼノヴィアが何気に鋭い事を言った。そういえばイザベラさんはそれ程に洞察力がある類いではない、初見でそんな事が可能なのか?ってとこだが・・・・何だろ?何か違和感があるようで考えてはいけないような・・・・。

 

「わからん・・・・」

 

「何?」

 

「わからんのだっ!何故か感じたままで・・・・いや、先程にイングヴィルド嬢が旧魔王の血筋だった事から、その・・・・シオンに?傍目には、その・・・・気恥ずかしい事をしてもらっていた事を聞いた際に、二名が本当にやましい事をしていないと『わかってしまった』・・・・身体が上手く動く事だけではないっ!何故か感覚も勘も怖いくらいに冴えてしまっているのだっ!」

 

 ゼノヴィアは、イザベラさんが本当に自分に恐怖を抱いている事が見て取れた。そう、先程から初めて共闘した者達からしたらイングヴィルドの次に畏怖を抱いたのがイザベラさんだろうな、流石にサイラオーグさんには及ばないが、身体能力と勘の良さが恐るべきレベルに映ってゼノヴィアだけじゃなくて、俺達の側の全員が何やら懐疑的になっていたのだ。言われてみれば先程の茶番染みたやり取りにも無反応だったか。

 

「すまない、失礼した。今はこの窮状を乗り切ろう・・・・それから考えれば良い」

 

「わ、わかった」

 

 今度はイザベラさんが懐疑的になる番だった。彼方の立場から考えるに、話しに聞いてるかもしれない『教会の斬り姫』とは思えないイメージだからか、ゼノヴィアも他に話せない事についてはオーフィスと出会って多少は考え方が変わっていたみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、おのれ・・・・完全に計算外だ!」

 

 シオン達と敵対する側の最後尾に位置する者達は心底から恐怖を抱いていた。

 

 魔力の火で撹乱する予定だったサイラオーグ・バアルが恐らくイングヴィルド・レヴィアタンの存在が一因で真っ先に此方に来た事、赤龍帝と共に来た女達にしてもイザベラの情報を遥かに上回る強さもだが、他が妙に連携が取れている。知る限りで相当にアクが強い面子ばかりで揺さぶりには弱いハズがその兆候すら無い。

 

「かくなる上は・・・・い、いやまだ早い!ここは無難な手で行く!」

 

 そうして、周りに目配りして予定した手段の一つに出た。

 

「やめい!」

 

 声に反応して混成部隊が戦いを止めて後方に下がる。何事かと身構えたシオン達と向き合いながら見せつけるように後方に手を向けて魔力弾を発射する姿勢を取る。

 

「見ての通りだ!結界の向こうの街を破壊されたくなければ我等を見逃せ!」

 

 古典的な手段と思うが、シオン達からしたら気になるのは?『見逃せ』と言う内容だ。実はその類いを想定した手段を用意してはいるが『投降しろ』等と要求しない意図は、何なのだろう?と冷静に向き合った時である。

 

 

『無駄な事はやめなさい、その攻撃は街には届かないから』

 

 

 全員が顔を見合せた。お互いに、直ぐには判別出来ない誰かが声をあげていた。

 

「『届かない』だと?な、何を戯けた事を言い出しっ・・・てっ!?」

 

 街の方を見渡した者達は驚愕していた。自分達と街の間に巨大な『裂け目』と言うべきものが無数に出来ている。それを知っている者からはわかる。アレには自分達程度では対処は出来ないのだと。

 

「余計な事だったかもしれないわね、けど私も身体を動かしたい心境でね?お節介を焼かせてもらうわね」

 

 いつの間にか、長い桃色の髪に角を生やし、大胆に胸を開いた妖艶なドレスを着て、いかにも女性悪魔と言うべき外見の美女がシオン達の傍に現れていた。何故かイザベラがシオンとその悪魔と思わしき女性の間に立つ。

 

「あらあら?私から赤龍帝を守るつもり?大丈夫よ、言ったように身体を動かしたくなったからと言うのが理由なんだから」

 

 敵側の方がどうかは知らないが、女性の顔を知っているのはイザベラの他はサイラオーグと木場にロスヴァイセだった。流石にこの場に現れたのは驚く他は無い。

 

 とにかくサイラオーグが掛けるべき言葉を発した。

 

「レーティング・ゲーム二位の実力者である貴女がわざわざそれだけで、いらしたのですか?『ロイガン・ベルフェゴール』様?

 

 聞こえていた者全てが戦慄した。言うとおりだとしたら、魔王級に匹敵する者が参戦してしまう意味は味方の方からも重大である。




改編点には、一応なフラグも入った内容。
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