木場祐斗は自分を救ってくれた存在を見上げていた。
実際に目の当たりにしたのは初めてだが、この戦士が先日に自分の主を救ってくれた赤い鎧の戦士と何故か納得しが、皮肉な事に調べてしまったのがこうなった原因・・・・用意した資料を読んだリアスしかわからない何かが記されていたのは明らかだが、今は詳細を知る術は無い。
「詳細を手短に聞かせてくれ、ああなった原因に心当たりは?」
「わからない、君に関心を持った部長の為に用意した資料の中に何かあったのかもしれない・・けど、資料は部長が放った気で燃えてしまった」
「わかった。此方にシトリー眷属が何名か向かって来てるから、お前は其方に合流して倒壊した部室跡に倒れてる二人を安全な場に運べ」
「うん、こんな形で会ったばかりの身だから言える義理じゃないかもしれない・・けど、どうか頼むよ・・部長を止めてくれ!」
必要なやり取りを交わし、佑斗はシオンの言葉通りにした。リアスを止めるにはシオンに後を託すしかない。
ーーーーーーーーー。
グレモリー眷属の騎士・・・・確か、名前は木場祐斗と覚えていた男が合流して来たソーナに匙と一緒に部室の残骸に埋もれた二人を救い出して離れて行くのを何故か自分に妙な気を向け始めていると感じるリアスと向かい合いながら詩音は確認したが?
(まあ・・・・良いか)
離れた場所でソーナ達が結界を張って、真羅と一緒に来たアーシアが傷を負った三人の治療を始めている事に関しては・・・・生徒会室に残って流れ弾にやられたり、この機会に誰かが隙を見てアーシアを拐う事を危惧が無くなっただけ良いとしたのとまとめて当面の驚異に対抗するとした。
そして、豹変したリアス・グレモリーを目の当たりにしたドライグが語りかけて来た。
(ほお・・・・大したものじゃないか・・・・腐っても鯛ならぬ魔王の妹か?)
(ああ、自分の中の力を無意識なようだが、ありったけに引き出してる。けど、あれじゃ負荷がデカすぎだ。当人には、今の時点で荷が勝ちすぎた力みたいだしな・・・・て、言うか?)
(眼福か?)
(っ・・・・そんっっな、余裕があるか!!ボケドラゴン!)
そう、確かに目の前の女性は誉められた形ではないにしろ、ドライグが言うように魔王の妹として相応しい力を放っていた・・・・しかし、普通の人間が着る服では耐えられなかったのかリアス・グレモリーは強大な気を放ち続けながらも・・・・。
『全裸』
そう・・・・『全裸』である!!
「まあ良い・・・・今は奴を止めるのが先だ!後で逆セクハラ呼ばわりしてやる!」
こうして、今世の赤龍帝たる詩音は記憶にある内で魔王級の次の存在と感じる力を持つ悪魔と、多種多様にしたくない形の対峙をしたのであったと嘆く間も無く、リアスの姿が視界から消えたと思ったら、凄まじい殺気を真横から感じて一歩後退した瞬間、拳を突き出したリアスが詩音のいた位置を高速で通過した。
「速い・・・・っ、また来るっ!」
死角へ・・・・死角へ・・・・詩音でさえ追うのに難儀するスピードで高速移動しながら、拳に滅びの力を纏わせた一撃を繰り出し続けるリアスだが、感心しても狼狽える程ではなかった。
「乱雑なようで規則的に過ぎる。さては訓練はしてるが実戦経験が無いな!」
その推測は正しい、体術において正面から戦うには非力なリアスは魔力による加速で死角へ回り込んでの滅びの力を込めた一撃の訓練を重ねはしたが、実戦経験が無く実用性に欠けていた。先日に助けられる前に、対峙したはぐれ悪魔の群れに完敗した時は使う間すら無かった。自我を失って尚もその欠点が出てるのを見抜いた詩音は反撃に出た
「っ・・・・ホーロド・ニー・・・・」
赤龍帝の籠手の力を使い、力を倍増させつつ、籠手の付いてる左手に力を込める。次のリアスの一撃が来た時に勝負を着ける。そして、リアスの右の一撃を上体を斜め後方に屈ませて避けた反動を使って、その技を放った。
「・・っ、スメルチ!」
スクリュー・アッパーの形で繰り出された拳から氷の竜巻が放たれる・・・・某白鳥星座の原作序盤最大の拳、アニメではわかりやすい名前の技に改変された拳を参考にした技だ。これでリアスを一旦氷漬けにして暴走を止めようとする目論みである・・・・だが?
「っ!脱出された・・・・?」
遥か上空で氷の竜巻から離脱したリアスは地上に降り立ち、再度詩音と向き合う、その光景に見守っているメンバーが驚愕していた。
「まさかっ?アレは詩音君の技の中でも、かなりの威力なのに・・・・っ」
「今のリアス部長は、姉ヶ崎でも一筋縄ではいかないのかよっ!?」
「いえ、違います・・・・」
「えっ、違う・・・・?」
アーシアの治療で意識を取り戻した小猫が状況を看破していた。
「え、と・・・・赤龍帝の姉ヶ崎詩音、そう。詩音先輩の技は恐らく、本来ならば勝負が付くまでは行かずとも、足留めは出来る威力です・・・・ですが、先輩は最大限に技の威力を発揮できない理由があるのです」
「り、理由?」
小猫の言葉に全員の注意が向くが、次に発せられたのは何ともやるせなさを感じる声色だった。
「その・・・・私の目が良いから、わかってしまいました・・・・先輩は、部長の姿を見るのを無意識に避けてしまっているのです・・・・だから不自然な体勢になる上に躊躇してしまって、技の威力が激減しています」
「見るのを・・・・避けて、いる?・・・・っ!あ、嗚呼・・・・」
「そ、そう言う事・・・・まあ詩音君は・・・・匙のようなのと逆で免疫が、無いみたいですし」
「か、会長に副会長。まあ、仕方無いっすけど俺を引き合いに出さんで下さい・・・・」
「あらあら。ウブなのですわね・・・・ですが年頃の殿方では、それも有り得るのですわね?詩音君は・・・・【女性の裸姿をまともに見れない】のですね」
戦いを見守る側の空気が激変してしまった。
ーーーーーーーーー。
それを気付いてしまった側の空気もである。
(・・・・おい、相棒?観戦してる奴等にも気付かれたぞ・・・・この際、割り切れ!)
(・・しかし、だな・・)
(男なら覚悟を決めろ!何もセラフォルーの口から聞いた奴のようになれとは言ってはねえだろ!)
(極端な対象出すなっ!)
詩音が思い浮かべたのは、セラフォルーが出会ったと言う何代か前の赤龍帝・・・・ドライグ曰く?
『歴代で最も弱く、最も優しい最高の赤龍帝』
【只し、度が過ぎたスケベ!】
否、それすら超越した性欲の権化であり、単に特に大好きな女性の胸への執着で強制武装解除やら読心術やらと、犯罪的ではあるが冷静に考えたら単純なパワーのみで戦える者がこんなのを使えるのは反則とすべきな技を破廉恥な欲のみで編み出し続けた天下無双のバカ者!
そのような宿主に付き合う状況下で開き直らざるを得なかったドライグはボケを乱発するようになったと言う・・・・因みに、セラフォルーが詩音に近付いた原因でもある。天地が引っくり返っても『ぼくにはとてもできない』事の要素やら因子を受け継いでる期待をしての事であって、初対面ではいきなりこの世界の魔王級に出会ったとは思えない緊張感の無さだった。
「このままでは、詩音君もだけど・・・・リアス部長が危ないかもしれません」
そう、真羅の言うように今のリアスでは荷が勝ちすぎる力を放ち続けているのである。戦いが長引いたら何がある事か・・・・と、ソーナ達が考えた結果?
「姉ヶ崎君!気の毒ですが猶予はありません!不本意でありますが・・・・先ずは戦いの基本に立ち返りなさい!だから見るのです!リアスを正面から!」
「そうだ!姉ヶ崎!見るんだ!リアス・グレモリー部長を正面から!」
「詩音君!頼む!部長を止めて欲しいんだ!だから先ずは見てくれ!」
「詩音さん!私、貴方とまだ色々お話ししたいです!だから、見て下さい・・リアス・グレモリーさんが、その・・な、姿でも!」
各々が真剣な声を送る。今の彼らには託すしかない、だからこそ今の状況を打ち破る最初の一手を期待する声援を送る。だが、即ち?ハッキリと見ろと言う事なのだ。揃いも揃って・・・・バイザーの下で瞼を閉じ掛けている詩音に・・・・禍々しい気を纏った狂態ではあるが、見るように叫んでいる。
『リアス・グレモリーの裸姿を!』
「見るしか・・・・ないのか・・・・」
(そうだ相棒!しっかり見ろ!そして戦え!それが出来ないのならば、何が起きるかわからんぞ!)
状況が状況である・・・・只し?
『『最低だ(です)!』』
詩音と小猫の心は確かに一つとなったのだ。
他を含めた原作のような場合は、何かしらの処置を服にしてるものと思いたい・・・・。
因みに、技名は何となくで決めている。