ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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私作のリアスが◯てると?なお約束。


アーシアの念願

さて、やはりこの状況は何事?と言いたい。

 

レイナーレの喫茶店を目指すにせよ、流石に大人数だから時間差を付けて発進したり、降りる場所をズラしたりと、移動から合流を細かくやるのはわかる。学校の方はビナーさんがコカビエルを倒して、お縄にして転送したと言ってたが半壊状態なので却下はやむ無しだ。

 

「あ、あの・・・・本当に・・・・その?」

 

アーシアが再三こんな事を言ってくるが、予定では出発が一番後だから数十分はこのまま?まあ、仕方ないか。

 

俺が宛がわれたのは通常のタクシー、随員は抱き抱えたリアス部長にアーシア、なのだが?

 

後方の客席の端に座らせた部長と、俺に次いで入ったアーシアなのだが?俺に何か言いたそうにしてるが言えずに部長の方を見たアーシアは顔色を変えてあたふたしながら、運転席の方が、こちらの様子をわからないように出来ますか?とか言って来て、ドライグがいきなり表に出てきて何かの処置をして戻っていった。何事かと思った俺は右側に座らせたリアス部長に思い切り抱き付かれてしまった。横から俺の顔を胸に抱き抱える部長だが、左肩辺りを掴む部長の手にアーシアは素早く両手を添えた。真意はともかく?何かを察して、心底部長を気遣ってるのだけはわかる。

 

アーシアは自分の危惧が当たっていた事と、近くにいたのがシオンで良かったのか?と複雑な心境であった。

 

今のリアスは力を使い果たして意識を失っていると知った時、見方によっては疲れきって眠っているのだと考えた時にある事を危惧した。それは短期間ではあるが、突如悪夢に苛まれて泣き叫び、自分に縋りつかなければ寝られないリアスを知っている為に皆の前でそうなってしまうのではないかと?自分はわからないが、仮にその姿を目の当たりにされたら何かに気付くかもしれないのはシオンにビナーと、今日初めて顔を合わせた者達も其方寄りがいるかもしれないのだ。リアスが悪夢に苦しみ始めたらどう説明するか考えた時、リアスの手は力が抜けていたのだ。初めてのパターンであり、リアスの顔を覗き見たようとしたらアーシアの頭もリアスに抱き寄せられて体勢が崩れ、シオンの胸に寄り掛かるような形となってしまった。これでは二人して中央のシオンを抱き抱えて寄り添う状況だ。

 

(わ、私・・・・シオンさんに寄り掛かって、これは・・・・い、いえそれより)

 

危うく、浮わついた考えに身を任せ掛けてしまうが、この状況を冷静に判断しなければとしてリアスの手が僅かに震えたのを察した。

 

(い、いけない・・・・っ!)

 

事情を話せば聞いてもらえるだろう、しかし?まだ早い気がする。その為には?

 

「シオンさん!リアスお姉様のどこでも良いからなでなでしてあげて下さい!説明は後でしますから!」

 

「?」

 

シオンは言われるがままに右手で背中から後頭部辺りを出来るだけ優しく撫でた。まるで自分に抱き付いた小動物にしてあげるように。

そうしている内にリアスが寝ながら安心している時の感じになったのを見届けたアーシアは、体勢を整えようとするがリアスが離してくれない、否・・・・非力な自分でも引き離せるであろうが、それをしたら?

 

「シオンさん・・・・お願い、です。このままで、いて・・下さい・・事情は・・・・後で、その・・・・」

 

どう言えば良いか?リアスが毎晩どうなってしまっているのを言うべきなのか?と苦心し始めた時にアーシアは自分の後頭部を優しく撫でるシオンの手の感触を感じた。

 

「別に良い、このままでいるから・・アーシアも少し休んでろ」

 

「~~っ」

 

察しの良いシオンに感謝するアーシアだが、ある意味で、毎晩思ってしまって『念願』となっていた事が叶ってしまった事に夢見心地であった。出来ればリアスと慰め合うのではなく、シオンに慰めて欲しいと・・自分もだが、リアスも願ってしまっていたであろうが僅かに叶ったのではないか?と。気恥ずかしさを何とか払拭したくてもシオンに要領悪くしかものを言えずにいる以上に少しでもこの時間が長く続く事を願っていた。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

(アーシア・アルジェントか・・・・逸材ではあるんだが、リアス・グレモリーに引っ付いていてくれた方が良いかもしれんのかどうかが悩みどこなんだよなあ)

 

ドライグは考えていた。

 

アーシアは相棒の情操教育には丁度良いが、如何せん人間の身だ。このままでは不安が多すぎる。

 

例えばリアスが自分の悪魔の駒で転生悪魔にして眷属とするような可能性があるとする。

 

リアスが自分からそう持ち込むのは不可能だ。リアスにとってアーシアはシオンに匹敵する心の支えである為に、そんな発想は出来そうにない、安全の為とか言おうにもグレモリーやシトリーの眷属達は決して承知しまい。

 

かと言って、自分がグレモリーとシトリー眷属達を狙う側になったつもりで考えた場合、真っ先に狙うのはアーシアだろう。希少な回復要員である以上に身内の良心、それを害された時の崩れっぷりが目に浮かぶようだ。だが、転生悪魔になったとしても戦闘力に不安が残る。間違っても孤立させてはならない。

 

(って、何考えてんだかなあ?俺は赤龍帝だぜ?ってとこなんだが、以前の相棒の二の舞にするだけじゃ済まないからだろが・・・・はあ~~っ、今の相棒がもう少し欲を出してくれりゃわかりやすくなるんだがなあ?)

 

老婆心なのか否か、恐らく真っ当?な類いの気苦労が段々と増えていくドライグだったのである。




男の夢だな? おとなしくてかわいくて自分に従順な・・・・。

妙な事を考えてるように言うのはやめい!!


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