サブタイについては、今までのも兼ねた。
珍客。
そう言うに足る場違いな格好な客人である。
知ってる側を除けば、ゴスロリ姿の美少女等は人間世界でそれらしい場と無縁な箇所では見かけない。ソーナ・シトリーの姉ならばともかくとか、ギャスパーのような女装男子と良い勝負と、知らぬが花要素満載の考えを珍客の姿を目にした約半数がしていたが、この少女はどこから入って来たのだ?と考えた時点で只者ではないと気付き始めてはいる。言うまでも無いが、ここに来るまでの入り口はどこも外敵用の類いな結界等は張られている。本来ならば部外者が入った時点で反応があるハズだ。
ともかく、取るべき行動は?と考えを及ばせた瞬間である。
「あら、『顔を合わせるのはお久し振り』ですね、昼間はお世話になりました」
「『お知り合い』ですか?」
当たり前に挨拶するビナー、知らない側の中で唐突な事柄と珍妙な格好には『姉で多少耐性がある』ソーナが先に冷静さを取り戻して訪ねたので、『多分嘘ではない』事をビナーは並べ立てる。
「ええ、此方は『フィリス』さん。『以前の大戦』で何度か・・・・学園でコカビエルの結界に閉じ込められた時に、この御方の気を感じたお陰で比較的早目に脱出できたのです。リアス様達に合流が先決の身でしたので、後で会えたらお礼をと考えてたのですが、まさか自分から来るとは」
ビナーは我ながら白々しいとした。後に得た情報を入れてまとめると?
『そもそも、ドライグすら今回この姿になったオーフィスとは今日の昼に初めて会ったばかりと、自分のオーフィスとの関係は全ては知られてないとする計算に加えて、何よりも万が一戦闘になったら皆殺しにされていたからやむ無く彼女が実はオーフィスだと知らない振りをした』としている。
オーフィスとの関係についての真相を除けば、これに異を唱える事等、各界の誰にも不可能とした算段だらけだが、少なくとも実際に彼女の気を感じて、コカビエルの結界の構造と出口がわかりやすくなったのは事実ではある。
一方で他の大半はビナーが口にした事にハッとなった。
『以前の大戦』
確かにビナー・レスザンは知るだけで新旧魔王派の戦いを経験した歴戦の戦士。そんな彼女には平然とこの場に現れるのに驚きもしない知り合いがいても可笑しくはない。
(と、若い者達は考えているであろうが、この女性はそんな次元ではないのだ・・・・それにしても想定範囲内で一番の存在が早速に来てしまうとはな・・・・ビナーにしても、何処まで把握しているかはともかく、刺激したらこの場にいる者達は皆殺しにされていたで済まされてしまうから間違ってはいない対応だ)
バラキエルは自分なりにビナーの算段とかなり似通った考えを及ばすが、『フィリス』とは恐らく以前に使った偽名で、来客の狙いは恐らくは?・・・・と、何となく察した。それに関してはビナーが語り始めた。
「ああ、それと重大な事ですが?このフィリスさんはですね?嘗ての赤龍帝、おっぱいドラゴンと呼ばれた御方のお友達だったのですよ」
周りはざわめいた。今代の赤龍帝たるシオンのある意味で一番頭痛の種になっている存在のお友達だった?昼間に会っている者達は必死に顔に出さないよう警戒していたが、ビナーが言う通りならばシオンに会いに来た理由の一つには繋がった事になる。わざわざ自分達が思う不調を確認したり意味ありげな事を言いに来た理由が気にはなっていたのだ。
「え~と、ちょっと良いですか?」
レイナーレが口を挟んだ。シオンに出会う前までの乾いた日常で、どこか諦観に慣れた彼女は見方によっては度胸があるともなるので真っ先に敢えてするべきな質問に入った。
「根本的に何処から入って来たんです。て言うか途中にはリアス・グレモリー様が眠ってる部屋がありますけど?」
何名かはハッとなった。確かにレイナーレが言うようにビナーの知り合いだからだけで済ませるべきではないし、途中にはリアスの寝ている部屋がある。この少女が何かしてない保証は無い。
「リアス?あの女、寝てる・・・・夢の中で、赤龍帝・・・・」
「ど、どうしたんです?」
アーシアは夢と赤龍帝と聞いて、リアスが自分が席を外した間に、また悪夢を見始めてしまったのではと思った。
「・・・・みっちゃく?して、赤龍帝から?おしおき?・・・・されて、脱がされてたり?」
「へ?」
・・・・・・・・。
そう、リアスの夢の中では、回想の佳境が近付いていた。
オーフィスがリアスの眠る部屋に通り掛かり、ドアの向こうから探った時の内容は?
リアスはシオンと抱き合い、両手が目指す場にもうすぐに近付いて・・・・女のわかりやすい箇所に触れてもらえるのを期待した時、突然シオンがリアスから離れてしまった。
「えっ・・・・」
反応が遅れ、力の抜けた両手が床に落ちてしまう。膝立ちのシオンを両手を床につけてリアスは目を丸くしながら見上げた。わけがわからずに身体を離された寂しさに震えるリアスにシオンは告げた。
「裸・・・・」
「え?」
「部長、服着て・・・・ます。裸で『勉強』」
リアスは状況を理解するのに暫く掛かった。そう、自分の『裸』でとも言ってしまっていたのだ・・・・だから、この先に入るには?
(裸・・・・私、シオンに裸を・・・・見せ、見・・・・?見せ?)
そう考えて、リアスが余りにも重大な事を見落としていたのに気付いた。暴走し、あの過ちを犯した事で気にしてなかった。いつからかはわからなかったが、考えが正しければ自分は?
『シオンに全裸で襲い掛かった』
凄まじい痴態を晒していた事を半ば確信して狼狽える内に、先に動いたシオンは上着の外すべきところを外した。何故か手慣れた迅速さに唖然としたが?
「はい、万歳・・・・」
「え?」
「万歳して」
思わず従って万歳したリアスの上着を当たり前に脱がしてしまう事にリアスは愕然とした。
(そ、そんな)
まるで、手馴れきっているような動きだ。
そして、当たり前にブラのフロントホックを外してしまう。リアスの豊かな乳房が零れて震わせる。思わず両手で隠すが、ブラを隣に置いて当たり前に押し倒されて、またも手馴れた手腕で両足を上げさせられてスカートも下着すらも当たり前に脱がしに掛かる。思わず抵抗するが自我を無くしていても圧倒的な身体能力の差がある為に意にも介されずに下半身を覆う者を全て脱がされ、生まれたままの姿にされてしまった。
「や、やああ・・・・」
全裸にされてしまった羞恥に思わず声を漏らすが、シオンは脱がせたスカートと下着に靴下を機械的に脇に置くのみだ。リアスは床に仰向けになり、両手で胸と下半身の恥部を隠しながら身体を震わせたが、震えには羞恥とは違う種類のものが混じっていた。
(て、手慣れ過ぎて・・・・る?な、何で・・・・ま、まさか?)
リアスは知らないが、イングヴィルドを目隠ししながら着替えさせてあげていた環境を3ヶ月も続けていたシオンには自我を失っている中でも視界が確保出来ている状況では迅速に脱がす程度は造作もない。だが、それを知らないリアスは誰かを脱がす事に慣れすぎている事で経験があるのでは?と思い始めている。
確かに目隠しをしながら3ヶ月毎日、脱がすどころか入浴の世話と、その後のケアから次の下着に寝間着を着せてあげ、朝には普段着をという普通では有り得ない程の次元違いに飛び抜けたものだが、リアスの考えている事とは余りにも違う。
必死にその考えを否定したがるリアスだが、疑念は止められない。
(誰?・・・・誰、なの・・?)
自分より前に、誰かにこんな事をした事がある?
心当たりはある。擬似的に交際している天野夕麻・・レイナーレ・・少なくともシオンはレイナーレを自分なりに気遣ってはいるし、レイナーレがシオンに向ける感情は偽装等ではないのは明らかだ。その可能性はあると思ってしまう。
最初の候補からの可能性を思い浮かべたリアスだが、表向き付き合ってはいるが、冷静な目で見ればそこまで進んではいない、それは事実。流石に百年の眠りから覚めて半ば本能で彷徨った後、シオンに出会って落ち着いたら身体がロクに動かせなくなった時期のイングヴィルドを私生活で助ける為にそうしていたとは想像出来ない。
そんな事を知らないリアスは激情のまま叫びたくなり、身が何かに引き裂かれてしまいそうな感覚に陥った。
(私の・・・・私の、なの・・シオン、シオンは・・・・私の・・・・)
嫉妬、それ以前に初めてシオンを欲した時の悪く言えば我欲。結果的にだが、それに付け入る形になった旧魔王派の工作が招いた結果が自分の最悪の所行だった事とそれへの罪悪感で考える余地を無くしていたが、本来リアスの独占欲は並大抵では無い。輸魂法で感応した時にシオンの何もかもを自分のものにしたい、それに負けないくらいに自分の何もかもをシオンにあげたいと思ったのは本心からの事だ。
何故、こうも自分の衣服を脱がせた手腕があまりにも手慣れてるものなのか、シオンに真相を問い質したい欲求が急速に沸いた。
それが擬似世界とは言え自分が考えているのとは違う展開に繋がるとは知る由もなかった。
・・・・・・・・。
オーフィスの言い方は良くわからないけどと付く言い方だが、『赤龍帝からお仕置き』から『脱がされて』で思い当たるところがあって、その場に居合わせた中の一名である真羅が推測される事を述べた。
「あの?もしかして、暴走した事へのケジメでシオン君にお尻百叩きされた時の夢なのでは?脱がされたりはアーシアさんに治療してもらう為にそうされたとか?」
「成る程・・・・まあ、そうしておきましょう。プライバシーの問題もあります」
既に知らないでいた側に知られた時点でプライバシーも何もない、夢の内容すら見れる能力持ちな少女も少女なのだが。
アーシアも流石に内容が本当にそれなのか?と疑問に思ったが、確かに悪夢の内容はシオンに泣きすがって、ひたすら謝罪していた時とは違うものが混じっていたのを直接目の当たりにしているので周り同様に暫定的な結論に従ったのである。
少なくとも、実際に夢の中で『赤龍帝に』密着したりお仕置きされているのは事実であった。
そうしている内に、突撃!隣の晩御飯とか言って入って来た為にシオンがまだまだ残っている料理をオーフィスに薦めていた。昼間にシオンと同行して出会っていた側は意にも介さない豪胆さとするべきか判断に迷い、バラキエル辺りからしたら今はビナーやシオンに任せるのが安全としていた。
リアス嬢の内面がうるさいのう?サブタイ通りに、この肝心な部分を見落としたり把握してない自覚が無いのを棚に上げた不安を後の爆弾にしながら自分と意中の男の関係が思ってる通りのものと信じて疑わない歪んだ関係を実践したがってるともわからん色ボケ半端娘がっ!
サブタイ長いわっ!それに、遠回しなようでストレートぉぉッ!!もっと言い方無いんかいっ!?