ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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今更ながら、ビナーの外見。

グレイフィアと瓜二つは勿論だが、湯煙グレイフィア回のような髪型を時々更にアップにしたりポニーテールにでもして、ノーメイクで表情はその時並にお茶目さや妖艶さが出るもので、プライベートは姉同様なスーツ姿主体。

一応、最後の一幕には私的に一番のリアスアンチ要素封じを兼ねてます。




オッス!オラドライグ。

 

何でか知んねえが、こんな風にハッちゃけたい気分なんか?

 

サプライズってのは、多種多様・・・・立食なパーティー染みた?食事会に最強のラスボス様なんか突然来たら例外と知らないのを除けばビビるもんだよなあ・・・・バラキエルなんか心臓に悪い思いしてるのは明らかだ。あのギャスパーってのも知らない奴にはまだ怖がりを隠せてないとばかりに物陰に隠れてるが・・・・正直、マンションでの一件を考えるに何となく察してるとした方が良いか・・・・ところが、実際に皆が目にしているのはそんな危なっかしい光景じゃねえ・・・・俺の相棒はと言うと?

 

「フォークでこう巻いてだな?」

 

「ん・・・・クルクル、で・・・・パクっ」

 

素直に頷いてるオーフィスにナポリタンパスタの食べ方を教えてあげてら、こいつみたいなのは勿論、箸を初っ端から上手く使えないのは人間の間でも定番だからフォーク使わせてあげながら鶏肉と筍の炊き合わせやらスコッチエッグやら生春巻やらをパクパク食べてる。

 

アーシア嬢はケチャップで汚れた口を拭いてあげてるし?

 

イリナ嬢は飲み物を薦めてやがる。

 

・・・・面倒だ。呼び捨てにしよう、事実を知らない中の側なアーシアはまだしも、イリナには目的があるんだろな。相棒の状態を看破していると思われるオーフィスならば、先程の異常な状態についての何かを得られるかもしれないのだと、その度胸にはゼノヴィアは素直に感服していた。俺も褒めてやりたい。

 

全く・・・・この光景を見たら、各勢力はどう思う事やらだ。以前の相棒が女性限定の破廉恥な読心術を初披露した時と別種類な口ぽかーん?になりそうだ。

 

「我、次・・・・あれ」

 

オーフィスは唐揚げに興味を持ったようだがシオンはそれを制した。

 

「待て、野菜も食べなきゃダメだ」

 

「野菜?」

 

「そうだ。ナポリタン大丈夫だったからトマトのサラダ試すか?」

 

コクコクと素直に応じて、参戦した朱乃が皿によそったトマトのサラダを食べ始めた。心配と言えば心配なバラキエルだが、シオンに歩み寄る方法として慎重にああやって細かい事から始めた娘には一安心した。嘗ての赤龍帝の周りにいた女達のようなやり方は噛み合わせが不安になるからだ。

 

(何だろう?昼間のような圧力が無い、寧ろ見た目の通りに、ただの子供?・・・・どうしよ?)

 

イリナは目的を忘れはしないが、単に純粋な子供の相手をしてるだけにしか感じらずに流されるしかなかった。

 

「平和ですね、どれだけの大物かは知りませんが・・・・」

 

「ふん・・っ、世話焼くより焼かれる側の癖に・・・・っ」

 

生徒会や堕天使の面子は少女の世話を焼くシオン達のほのぼのした光景に対して一人むっとするレイナーレを含めてほんわかする始末である。

 

見た目に加えて邪気が感じられないせいであるがどうも違和感が幾種類かある。その中の一つに気付いて、大人しくしている者に質問した。

 

「ねえ、元ちゃんは大人しくしてるけど?あの中に入らないの?可愛い子だから、興味を持つと思ったんだけど?」

 

「いや、その・・・・何かわかんねえけど、任せるしかないと思うんだ。姉ヶ崎の方が世話上手ってだけじゃない何かがありそうだし・・・・」

 

「ふーん?」

 

匙は違和感から抜け出せない、当のオーフィスが別に隠そうともしてないのもあるが『龍』に関わる者ならではだ。気を表面化させない事が造作も無い相手にしても本能で感じ取れてはいるのだ。只し、オーフィスに元から害意は無いので踏み込めないのだ。

 

「やっぱり、あの子の事以前に目覚めてないリアス部長との件があるから・・・・姉ヶ崎絡みな何かを考えるならそっちから整理を・・・・いやっ!?今目覚めたら妙な流れになりかねねえ・・・・」

 

「確かに・・・・」

 

生徒会のメンバー達は匙の考えを察した。確かに二名の謎は恐怖心を抱くべき方向すら考案するべきとしているが、別の不安もある。

 

 

 

 

・・・・・・・・そう、学園の日常の一例を匙は思い返していた。

 

 

 

 

漫画の中の飯とは形だけなら再現は可能な例は多い・・・・知ってるのなら、尚の事に心が引かれるものだ。

 

「味も良かったが・・・・味噌ラーメンライスに餃子に麻婆豆腐、お新香にはしば漬けまで付いて『470円』とは、部活帰りか生徒会関係までな学生限定メニューにしても安いよなあ?大丈夫なのか?」

 

「まあ、薄利多売だろ?つか、細身なのに良く食うお前には丁度良いんじゃね♪♪」

 

今日のシオンは生徒会の表向きの手伝いから戦闘訓練で、帰りに生徒会唯一の男子な匙元士郎から飯を奢って貰った。生徒会関連で会長から日頃のお礼がどうとかな話があるが、時々飯でも奢って貰うくらいで良いって形になってる。住んでる場で作る場合にはイングヴィルドがいるから何か参考になるものもあるし、逆にイングヴィルドと一緒の場合だからこそ作らないものについても参考になる。それ無しにしても特に穴場と言うべき場の飯は実に味わい甲斐がある。

 

「三大欲求の一つ目の次って知ってるだろ?」

 

「『性欲』だろ」

 

「機械的過ぎだぞ?お前はオカルト研究部も兼ねてるけどよ、どうなんだ?あそこは美女美少女だらけだけど?」

 

「そんな関係なのはいない」

 

「・・・・」

 

話を振った匙はシオンには思うところが多々あるが、やはり掴み所が見当たらないとせざるを得ない・・・・生徒会の何人かはこいつに御執心だが、他にも複雑な出会いをした女性・・特に偽装交際をしているレイナーレだけならまだしも、複雑な状況下の出会いでは多分正統派なアーシアはまだわかるが、問題はリアスだ。

 

周りからしたら、シオンとリアスはどうなっているのかわからない関係だが、匙の想い人のソーナが度々気にしていた事・・・・幼馴染みであり親友であるリアスは日常でもシオンに執着して騒動を多々起こしてしまっている。見方を変えれば規格外な身内を持つ者としては凡庸な身として生まれてしまった者同士として自分の有り得た苦境で育った親友であるリアスが一見は前向きになる切っ掛けを作ってくれたのもシオンだ。だからと言うワケではないが・・・・匙は思い切り踏み込んだ。

 

「なあ、姉ヶ崎?お前は・・・・リアス部長の事をどう思ってんだ?」

 

賛否あれど、友達と思ってる相手だからこそ危険な話題に踏み込むべき時もあるという匙なりの善意であった。

 

「そうだな?俺が言えた事じゃないが?」

 

「っ・・」

 

手応えあった!有益な情報が欲しいと思っていた。だが、シオンが出したのはドライグが把握しているのとは別の部分だった。

 

「もっと恥じらいを持って もっと他人や周りの事を考えて もっと明確な方向性の働き者になって もっと下僕達に空気読んだ形にやさしくなって欲しいね」

 

匙はアングリとした。幾ら何でもそこまで言うような筋合いは・・・・っ!・・・・あると思い当たってしまった。リアスが何かしらシオンを気遣ってはいるが、『コメディ』染みた流れになってしまい、挙げ句の果てはクラスメートの持ち込んだエロ本絡みな騒ぎでリアスの裸に狼狽えた落ち度を気にしているシオンの生真面目さが妙な方向に向き、更にはリアスの擁護たるや自分の裸を見たからと、二十を越える生徒達のいる場で言い放つもの・・・・それ以来、シオンとリアスの関係を思春期寄りに勘繰る空気があっと言う間に学園中に広まった。事情を知る匙は有りがちに『考え過ぎるな』としか言えなかった・・・・尤も、リアスがシオンに具体的な事を言わないようにしている弊害が含まれているとは理解出来ない故でもあるのだか。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

匙だけでなく、他の生徒会メンバーも思い当たる部分が多く、あの光景をリアスが見たらという珍妙な不安があるので一旦は様子見を決め込んだ一方?

 

「どう思われます?」

 

「知ってるようね、覚悟している貴方も大したものとしか言い様が無いけど、アレは更に驚いたわ・・・・」

 

知らない者の側として見てるサイラオーグとロイガンの感想は、赤龍帝ならば自分達のような予備知識無しに感知しているハズであるとした見方だが、まるで意にも介していない。力関係を理解した上であの対応としたら胆力が次元違いとして、それについては酔いから覚めたロスヴァイセを含む昼間に出会っている組はある事に気付く。

 

(先輩は・・・・オーフィスに出会った時にまるで動揺してなかった。ドライグさんが説明した時も・・・・)

 

(そもそも、一番危機感持つハズですよね。昼間の会話で至って冷静でしたし・・・・予め聞かされてたような感じは無かった)

 

単なる度胸とするべきか?

 

若しくは何かがあるとするべきか?

 

ロスヴァイセなりに昼間の状況から整理を始めた。オーフィスからシオンに念話を送ったらしい流れで結界の張られた公園に入って・・・・彼女から?

 

『ドライグ、何を宿主にした?』

 

(っ!?『何を』・・・・?確かに、そう言ってましたね・・・・無限の龍神がそんな言い、か・・・・)

 

ロスヴァイセの眼前にはいつの間にかイザベラとイングヴィルドが立っていた。二名の眼はロスヴァイセを見据えて、無言で語っていた。

 

『『まだ早いです』』

 

ロスヴァイセが素直に従うのを確認したが、イザベラはまだ恐怖心があった。何故、自分はこんな事がわかるのだ?と・・・・イングヴィルドよりも急速に過ぎる形で『至ってしまった』からである。そこがドライグやセラフォルーが歓迎する理由でもあった。

 

 

 

そして?

 

 

 

ビナーは悪戯っぽい笑みを浮かべながらリアスの寝室へ向かっていた。オーフィスの来報の影響で『予定』が早まるかもしれない、だが保険は掛けて置くべきだ。

 

「ふむ、異常は無いですね・・・・」

 

「・・・・」

 

念の為にリアスの様子を見に行ったビナーに同行したレイヴェルはリアスから微弱に感じる気に覚えがある。『相反と調和』バラキエルの内面に精神を入れた間のシオンから立ち上った気と同系統のものが感じられた。

 

(リアス様は女・・・・つまり?・・・・い、いえ駄目・・・・駄目なのですわっ!・・・・まだ早い、ですが遅かったになってもならない・・・・こ、こうなればっ!)

 

レイヴェルが自分なりの算段を立て始めるのを確認したビナーが微笑を浮かべる。シナリオ通りだとした・・・・が?

 

(全く・・・・近くにいるのに、もどかしい・・・・ですが、リアス・グレモリー?・・・・我慢出来なくなる不幸を痛感する瞬間が、貴女はどんな種類のものになるかの楽しみがありますから、暫くは静観して差し上げますよ・・・・)

 

果報は寝て待て・・・・されど、起きてれば良かったとする間に動く凶報はどうにもならない。

 

(敢えて借金みたいな事をしたシオン君も甘いですが、利益を生む為の借金とやらがあるとしたらどうなのか?はてさて?ですね)

 

踊ると良い、演者は多くても良い、されど方向性くらいは整えよう・・・・その果てに待つのが崩壊としても、それも一興・・・・そう、崩壊するのなら精々華麗に崩壊すれば良いのだ。

 

 

・・・・・・・・外の様子等はいざ知らずにリアスの夢はついに危険域に差し掛かった。

 

 

『勉強』とは何故やるのか?

 

明確な目標の為にやるのだ。それはどうやるかは環境により異なる。

 

一例として、教師役も協力者もいない、若しくは助けになってくれない類いの者達しかいないのならば、自分なりにやるしかない・・・・『教科書』と予備知識があるならば、それを参考に手探りで少しずつ地道にやるのだ。教材があるのならば慎重にするしかない。頼るべきものが無かったリアスも自分なりにやったのだ。皮肉な事にその過程で得たものこそが自分の過ちへと繋がった。

 

そう考えてられる余裕すらリアスには失われつつあった。

 

『自分の身体で勉強』

 

シオンに瞬く間に衣服を脱がされ、裸で床に仰向けで寝る形にされたリアスは何故こうも手慣れているかの真相を問い質したくなるが、それを躊躇う内に自分を見下ろす少年に『教材の把握』と言うべき感覚で光を無くした瞳で胸と下半身の陰部を隠した裸体を観察され始めて震えが止まらなくなるが、そんなリアスに無機質にだが、無慈悲な事が告げられた。

 

「隠したら勉強になりません」

 

キッパリ言われた・・・・そう、これは勉強。苦手意識を克服する為の・・・・。

 

「見せて下さい」

 

「~~っ!」

 

声だけで、全身の自由が奪われた。夢の中だとすら忘れそうになる・・・・もしも・・・・もしもであるが、正気のまま『それが可能になった』状況でシオンに恥ずかしい部分を見せて下さい等と言われたら自分は拒めるのか?

 

 

・・・・否。

 

 

逆らえない。

 

 

絶対に逆らえない。

 

 

寧ろ言われるがままにされてしまう。

 

 

何故そう思ってしまうのかを考えるのを拒否してしまう、それは自分には許されないのだと・・・・必死に振り払って、他を考えようとしてしまう。

 

しかし、ただ言われるがままにそのような事ばかりの者となるのはどういう事か?と考えた結論は?

 

(そんな・・それじゃ・・・・わ、私はシオンの主でも先輩でもなくて・・・・奴隷、みたい・・・・に・・・・ど、『奴隷』・・・・?)

 

奴隷・・・・自分がシオンの奴隷に・・・・?

 

自分が、シオンに『隷属』する?

 

 

実家の風潮とグレイフィアの例があるので、言うことを聞くがままなメイド等の使用人とでも考えられる発想が出来ないのがリアスのやむを得ない部分、それだけならば簡単な路線だったかもしれない。シオンにとってそうなる事からである発想が出始めたのだ。

 

 

私がシオンに・・・・絶対逆らえないように?寧ろ結果的にでも今の自分達の状況は・・・・。

 

リアスは自分の発想が今の窮状への突破口になるか否かが頭によぎり始めた。

 

だが、不用意な算段は禁物とする理性もあったが、今はその状態にされてしまう事への予感に全身を紅潮させてぞくぞくと震わせてしまう浅ましい欲がリアスの中を占め始めていた。

 

複数の背徳感が沸き上がり、それに震えるリアスを見下ろすシオンは告げる。

 

「手をどけて下さい」

 

「っ、は・・・・い・・・・」

 

敬語ではあるが、リアスの中では実質命令だ。

 

命令に従わざるを得ない自分に怪しい感覚を覚え始めてしまって、声色に現れている。

 

(見られ、ちゃう・・・・私、シオン、に・・・・見せてって・・・・言われて・・・・全部・・・・あ・・・ぁぁ、見・・・られ・・・・)

 

歪みきった形であるが下僕とその主どころか先輩と後輩としての立場すら面影が無い、恥ずかしい部分を隠す手を言われるがままにおずおずと震わせながらどけて、リアスは床に寝そべる自分の裸体の前半分の全てをシオンに差し出すように晒け出した。




サブタイみじけぇは、我等が後書きに出る前の『夜』回の前例あるから言うでないぞ?

ツッコミ阻止!?

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