ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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今回は生徒会メンバー視点。


気付いた事

 生徒会室で表向きの仕事を終えたソーナ・シトリーとその眷属達は落ち着かなかった。

 

 先週末の夕方に顔を合わせた『最上級悪魔』が何を思ったのか突然に学園の保険医として再び自分達の前に表れた。本来は歓迎すべきなのだろう・・・・正直、自分達の協力者としてはビナーより番外の悪魔の一角の気まぐれだからで来た存在の方が波風は立たない、ましてロイガンの目的は『婿候補の品定め』とも取れる。

 

 尤も、当の婿候補?は冥界・・・・しかも、自分の実家であるシトリーの領に赴いている。聞いた話だがサイラオーグに協力の見返りとして、シトリー領の医療施設で眠り続けているミスラ・バ・・・・『ウァプラ』と言った方が良いのだろうか?と考えてしまう・・・・目覚めてもバアルに帰るかはわからない・・・・否、わざわざ危険な場所には帰らない方が良いだろう、先日に特注リムジンでサイラオーグ達を送って来た執事のように『もしもの時の為』の備えすらしているのだから。

 

 ソーナとて、リアスだけでなくサイラオーグの境遇も他人事ではなかった。場合によってはリアス同様、サイラオーグとの落差を散々に言われていたのだろうと・・・・。

 

「しかし、どうやってミスラ様を治癒するつもりなのでしょう?」

 

 真羅が当面の疑問を述べたお陰で嫌な思考を中断出来た。それについての鍵は先日にシオンと同行してサイラオーグと交渉しに行ったというイングヴィルドだ。彼女の事はミスラ婦人と同じ眠りの病に・・・・しかも、百年も掛かっていたと聞かされた。何故そのような存在が?と思ったが、当面はミスラ婦人が無事回復する事を祈る事にしようとしていたのだが?

 

「問題はあのイングヴィルドさんと姉ヶ崎の関係っすよね、レイナーレさんと違ってアレじゃあ、生徒会の何名かは気が気でなくなっちまいますよ」

 

「元ちゃん・・・・シオン君にお熱な子達の前で言ったら駄目だよ?」

 

「そうそう、姫島さんもかなり気にしてたしね?」

 

 年相応な話題になった・・・・そう、あの食事会?で、やや人見知り気なイングヴィルドと極端なギャスパーを気遣うシオンに対して?

 

 

 

『私やギャスパーさんに構ってばかりじゃなくて、シオンもしっかり食べなきゃ駄目!』

 

 

 

 あまりにも馴染んでいた。アレはお互いにそうするのが自然としているような形だ。

 

「しかし、あの姫島さんが完全に気圧されてましたからね・・・・」

 

 結果的に父と和解を実現させるのに一役買ったからか、姫島朱乃のシオンを見る目はこれ迄とは一変していた。だが、何名かが見たのだがシオンに近付こうとした朱乃はイングヴィルドの一睨みで止められ、搭城小猫に手を引かれてその場は引いた。

 

 彼女と別場所で共闘した小猫に状況を聞いた限りだけでイングヴィルドの戦闘力はとにかくデタラメであり、若手の内のメンバーが単独で挑む場合は、少なくともサイラオーグかシオンが殴り合いに持ち込みでもしなければ勝てないとまでしているのを聞かされた側は戦慄するしかなく、更に自分達も感じたように小猫自身はその場でイザベラの戦闘力が近接戦闘限定であるが、初めて見た時のシオンに匹敵しかねない域に達していた事にも注目していた。

 

「けど、小猫ちゃんならどうなんだ?あの娘のもパワーも半端じゃねえだろうに」

 

「それが、聞いたんだけど?小猫ちゃんが言うには明らかに自分よりは上のパワーを持つ旧魔王派の悪魔が懐に飛び込んだけど、大気中の水分から作った防御壁で阻まれ、次の瞬間には水分を結晶化させた氷の槍を近距離で無数に放たれて瀕死に追い込まれたと・・・・」

 

 生徒会メンバーは青ざめるしかなかった。

 

 ロイガンに聞いた事からしても、何度か聞いた嘗ての赤龍帝の宿敵であった白龍皇は今の現魔王の基準で考えてもバケモノ染みた天才だったと記録されていたのだが、その白龍皇を女にしたらこうなるかもと言う程に破格の評価をしていた。

 

 改めて今の駒王学園に滞在する若手悪魔が気にするのは後回しにせざるを得ない事と消去法を入れた末にイングヴィルドとイザベラ関連になっていた。

 

 突如表れて力を示した側と唐突に力を増した側と・・・・自分達だけでなく、各勢力から注目されてしまうだろう・・・・更に奇妙なのは、小猫の目撃した通りとすると二名は初対面なのに自然に打ち解けていた事、お世辞にもそんな社交性は無いとすべきなのだ。

 

 次に『フィリス』についてだが飛躍し過ぎも禁物なので真羅が話の方向を修正した。

 

「待ちなさい、キリが無いから一つずつ片付けましょう?先ずはあの二名の強さについてからで」

 

「え~と?・・・・例えば私達じゃ気付かれないように元ちゃんに『血抜き』でもしてもらうくらいしか無い・・って、別にあの娘やイザベラさんと近い内に『レーティングゲームで戦う』ワケじゃないわよね・・・・ど、どうしたの?」

 

「いや、気にすんなって?『レーティングゲーム』くらいなら可能性はあるからちょっと気にしただけだ。流石にグレモリー眷属にあの娘が加わってしまったら洒落にならねえしな」

 

 不意に女子の一人が出した言葉に匙がギクッとした表情をしたが、何とか返した言葉に納得した。戦術面を地道に進めていたがグレモリー眷属のような粒揃いは難易度が高い・・・・まして、シオンとイングヴィルドが加わってしまってはと考えたのだ。そもそもシオンが相手では此方の手の内は知られていると・・・・だが、匙が考えたのは違う方だ。

 

(『戦う』・・・・『レーティングゲーム』で?その手があるっ・・・・!)

 

 匙なりの考えだが、冥界の上層部は今の自分達が不安にしている要素で手を出そうにも現魔王達の妹であるリアスにソーナ・・・・これだけで不用意に手が出せないだろうが・・・・『レーティングゲーム』ならば?仮に若手の腕試し感覚で自分達にレーティングゲームをするよう仕向けられたら?

 

(・・・・そうなりゃ、俺達はともかく?リアス部長は・・・・)

 

 そう、リアスは悪意は無いにしても後ろめたい事をしているのは明らかだ。

 

 考え通りにレーティングゲームを組まれたりして、その最中に探りを入れられたとしても大抵はサーゼクスやセラフォルーが有耶無耶にしてしまうだろうという甘い考えもある・・・・だが仮に?仮にだが、リアスが隠している秘密だけで現魔王の二名ですら庇い立てが出来ない真相があったとしたら?

 

 断るにしても、自分が慕う会長の目標は何かがこの際は仇になりかねない。

 

(・・・・ま、不味いかもな・・・・今の俺の立ち位置で出来る事は・・・・)

 

 危機感の賜物なのか、匙も自分なりに危険域に近付いてしまった。




徐々に周りが埋まっていくのう?

その探知機みたいのの表現は趣味悪いし、いきなりな事態があるもんだからやめい!!
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