ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

98 / 161
ほぼ同時期?他はに加えて思い出は強し(笑)な回。




チャンスを活かしたイリナ

 私はグリゼルダ・クァルタ。

 

 

 天界の四大セラフの一角であるガブリエル様に使える『御使い』のクイーンに位置する『転生天使』なのですが、今回は事情が事情で頭を悩ませています。

 

 と言うのも?先週末に聖剣の破壊と回収任務を終えたのは、同じ施設で育って妹のように接してきたゼノヴィアと相棒のイリナなのですが?任務終了の報告だけでなく『神の死』を知ったとまで報告して来たのです。

 

 気持ちはわかりますが、隠していた側の事情も考えるべきですね。場合によってはその場で『口封じ』されると考えなかったのですか?

 

 そもそも、聖剣絡みの任務遂行に関して悪魔側に不干渉を持ち掛けるのはともかく?

 

 イリナの幼馴染みだからと言っても現在は転生悪魔・・・・になる前は?私達の側も注目していた分、何故転生悪魔になったか懐疑的になっている赤龍帝のみならず?

 

 若手悪魔最強と言われるバアルの獅子王や現魔王級と言われる最上級悪魔とまで共闘したと聞いた時には卒倒しかけました。

 

 それ等のせいか、悪魔側が成果を独占状態なのも問題になっていますね・・・・ゼノヴィアとイリナは何を血迷ったか何処かに飛び出したと聞きました。上層部はショックで飛び出したのだとしていますが、かなりの頻度で突拍子もない事を起こすゼノヴィアはそれだけで済ますとは思えませんが、流石に『資金』が無いので遠くには行けないハズとされています。それに、ひどい言い方したら外にいてくれた方が安全として黙認とやらです・・・・何故、あの二人は落ち着きが無いのか・・・・せめて相談くらいはして欲しい、言い方は悪いですが、あのアーシア・アルジェントのような形で騙される事も考慮して欲しい・・・・。

 

 そう思っていた私に冥界のゴシップ記事についての話が来たのですが、私には上層部が致命的な失敗をしていた事のせいで頭が回らなかったのです。知っていたら、ゼノヴィア達をグレモリー眷属に接触させるのだけは絶対に止めさせていた。

 

 あの地域に・・・・赤龍帝がいる場に・・・・『ビナー・レスザン』が滞在している等、各界の大量破壊兵器をぶつけ合うような事態になりかねないという事を知る者が少な過ぎた事がショックでした。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

「イリナ・・・・私は、お前を悪く言える立場ではないかもしれんが?やはり、これはあんまりだとは思わなかったか?」

 

「え~?別に『合意』だし?・・・・って!私だって断腸の思いよ!出来れば宝物にして一生持ってたかったわ!」

 

 号泣している。マジ泣きと言うものだな・・・・血の色になってておかしくない涙だ。

 

 日本に着いた私とイリナだが、当面の問題は何と言っても『資金』だ。元々教会の下っ端は見入りが悪い・・・・ところがイリナには秘策があったのだ。

 

 それは、先週末に私達がシオンに服を?今コートを兼ねたローブの下に着ているのを買ってもらった時だ。その時にイリナはシオンが財布からポイントカード?とやらを取り出す所を見ていた。

 

 自分に言い聞かせる意味でも敢えて内心で言っておこうか、イリナは決してやましい事を考えてはいない!・・・・ハズ。

 

 聞いた事だが、イリナが日本と言うよりシオンの家の近所に住んでいた頃だ。その頃から買い物までやっていたシオンはポイントカードの事まで考慮してた事や、同行した時に荷物持ちの代価としてお釣りでアイスとかを奢ってもらっていたと聞いた・・・・イリナにしたらシオンと一緒にいる時間目当てだがそっち目当てと思われて憤りはしたが、アイスには勝てなかったらしい・・・・それ等を思い出して懐かしくなったから見てたらしいのだ。

 

 そして、カードを出そうとしたところでソレを見て驚愕して?そのカードの価値を知っていたイリナは咄嗟にシオンがテレホンカードと勘違いしてたのまで理解して譲ってもらったのだと聞いた。

 

 イリナが日本にいた頃の前から流行っていたらしい『カードゲーム』とやらのもので?シオンが契約者から報酬として貰ったらしい、どうも契約者は都合上で人間界の珍しい物までやたらと集まるらしくて現金以外に色々オマケとして貰っているらしい、シオン本人はテレホンカードか何かと思っていて財布のカード入れに透明な包み?に入ったままな状態で入れていたらしいのだ。携帯が普及したが?電波具合や故障がタイミング悪く起きる時代を考慮しての事らしく、それに備えて今は殆ど見られない公衆電話用のテレホンカードも何枚か持ち歩いていたのだと言う・・・・現金はなるべく節約する為にもと・・・・成る程、流石は巷で噂の赤龍帝・・・・細部も考えていると思っていたが?

 

 実は日本のカードゲームは『レアカード』と言うものがあり、それは場合によっては億単位で買う者がいると・・・・次元が違う話なので理解が出来なかったが、とにかくイリナは知っている店にそれを売ったら・・・・流石に億とは行かないが、私からしたら凄まじい値段になった。シオンがカードゲームとやらには興味が無いのを知るイリナはチャンスを最大限に活かしたのだ。

 

 尤も?これは『ツテと保険』と聞いた事の一旦だが。

 

 そして、私達が向かうのは駒王学園ではないどころか、あの辺りの県外と言うより離れすぎた地域だ。あの学園の旧校舎と少し似たような時計台があるぞ?

 

 元々、任務への不干渉を頼むに関してとシオン絡み以外にはあの学園に用は無かったのだから別に構わないが・・・・これから私達は『偶然』を装って、ある人物に会う計画なのだ。

 

 非常に危険で、何より不味い結果になったらイリナが言ったように、私達は?

 

『シオンに殺される』

 

 イングヴィルドへの接し方で何となくだがわかった。あの男は身近な者には甘い・・・・と言うより?いや、これについては、よそう・・・・だからこそ考えている通りの場合、下手に勘繰るのは危険だ。私達は?

 

『北海道に降り立った』




事が終わったら、二名の背後には怒り心頭のシスター・グリゼルダ。

惨劇の未来確定みたいな言い方はよさんかい!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。