Hololive Alternative ver.nu Side Marin   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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No.1 ナミ と マリン

「ホロライブッ、3期生ッ」

 

 ツインテールをたなびかせ、

 

「宝鐘海賊団ッ、船長のッ」

 

 態々後ろを向き、態々こちらに向き直し、

 

「宝鐘マリンですぅ〜」

 

 両手を重ねて、セクシーポーズを取る。

 

「キミたピ〜、元気ー?」

 

 そんな彼女は、今日も笑う。

 それは世界に発信され、見るものを笑顔に……

 

ーーーーーーーーーー

 

「船長! 船長! 起きてください!!!」

「なんですかぁ〜?

 今いい夢を見てたところなんですよォ……?」

 

 目覚めるのは、ツインテールの女性。

 自身の髪色に合わせたのか、赤を主体としたへそ出し足出しスタイルは、一見すれば欲情を誘うかもしれない。

 ……本人にはその様子が感じられないが。

 

 そんな彼女は、木造の一室で眠りこけていた。

 眼下には古めかしい地図がある。

 ……これには端の方にクマのデフォルメした落書きがあるが。

 

「あぁもうやっぱりあの人が言ってた通りだよもうっ!」

「へ?」

「今、向かおうとしている先に嵐があるんですよ!

 波が強くてもう引き返せないで大変なんですよ!」

「嵐のー中で輝いーて」

「呑気すぎますって! 早く来てくれないとみんな死にますよ?!」

「だーいじょうぶ大丈夫、船長に任せてみなさいっと」

 

 アラヨッコイ、と言いながら立ち上がるその様子は、外見年齢は見合わない。

 まるで大御所のようにこの部屋……船長室から出ていくと、そこには、

 

「え待って思った数倍チョベリバ?」

「だから言ってるでしょ!」

「なんでこうなるまで起こしてくれなかったんですか?!」

「だぁかぁらぁ! ちょっくらこの地図の謎といてくっから邪魔すんなよーってうちから鍵かけてた人が何言ってるんですか!」

「あそうだ! 鍵! 鍵はどうやって?!」

「ぶっ壊したに決まってるでしょ!

 後で直しましょう!」

 

 ワイワイと騒ぐ青年と船長。

 周囲にいる老若男女は、その様子に頭を抱えている。

 

「こらマリンさん、今ここで争っている時間は無いですよ」

「ネマちゃん!

 助けて一味のモブ青年が虐めてくるよォ」

「大事な一味を悪く言っちゃダメですよ」

 

 もぅ、と言いながら頬に手を当てるのは、一人の女性。

 可愛らしい声が特徴の女性だ。

 ネマ、と呼ばれたその女性は船長……マリンの肩を掴んで、

 

「あの、そろそろ危ないので早めに」

「スゥーーー、アッハイ」

 

 威圧的に言い放つ。

 これには流石のマリンも息を大きく吸い、短く返事をする。

 

 すぐさまマリンは行動に移る。

 現在いる場所……大きな木造船のデッキの中心に立ち、

 

「天光満つる所に我はあり!」

 

 片足を上げて荒ぶる鷹のポーズ。

 

「え、なんか急に始めたんだけど」

「今急いでるのに」

「あれ必要ないよね?」

 

 周囲の船員はその様子にヒソヒソと話し始める。

 

「黄泉の門開く所に汝あり!」

 

 片足を甲板に打ち付け、両手を胸の前に持ってくる。

 

「うわあれ傷ついた?」

「いや大丈夫じゃないかな? 前イジさんが歩いて壊したから結構丈夫に作ったし」

「まぁ、船長だったら壊れるわけないか」

 

 周囲では船の心配がなされていた。

 

「出でよ! 神の雷!」

 

 そのまま膝をつき、天に祈るようなポーズを取る。

 

「いやダメだろ」

「寧ろ避けてきてるんだけど」

「よく考えないで言ってない? あれ」

 

「もうみんな船長に厳しくない?!?!」

 

 もちろん、全てマリンに聞こえる様に話されている訳であって。

 ギャーギャーと騒ぎ立てるマリンを尻目に、唐突に船に変化が起きる。

 

 進路を変えたのだ。

 船がまるで誰かに導かれるように、進行方向を変え、嵐を避けていく。

 

 その様子に周りの船員はホッとした様子を見せる。

 

「どーですか船長の御業は、襲っちゃっても知らないですからねッ!」

 

「それじゃあ皆さん片付けよろしくお願いしますー。

 そろそろ食事なので、食材用意もよろしくお願いしますね。

 あ、進路再検討するのでイジさんお願いしますー」

 

「「「「「はいっ!!!」」」」

「了解した」

 

 ネマの指示により、二十数人の船員たちは勢いよく返事をする。

 それとは別に、老齢で髭を蓄えた筋骨隆々な男性……イジは了承の返事を返す。

 

「えっ船長は? 船長は何すればいい?」

「えっ?」

「えっ?」

 

 そんな最中、マリンは自分も自分も、と言いながらネマに話しかける。

 ネマはそんなマリンに素っ頓狂な返事を返す。

 

 固まる空気。

 

「あ、マリンさんは……そうですね。

 船員達と……いやダメだな。

 食事を……いやダメだな。

 私たちと………………」

「待って待って、船長に指示出すのそんな大変?」

「いや寧ろ船長に指示出すってのがおかしいのですが」

「へぇ」

「えっ、リアクション?」

「それは他所の話でしょ?! ウチはウチなのよっ!」

「いきなりオカンみ溢れるのやめて下さいよほんと」

 

 デッキ上でそんなやり取りをしながらも、周囲の人間たちはセカセカと動いてる。

 そんな様子にネマはいたたまれなくなったのか、

 

「まぁ、それじゃあ私たちと一緒に進路考えましょう。

 マリンさんがいないと私たち結構死んじゃってましたからね」

「そうだ、偉大なる船長のお陰でここまで来れてるんだからな」

「えへへー、船長ってそんな素晴らしくて美しくてビューティですかぁ?」

 

 そこに現れる渋い声は、イジのものだ。

 顎髭を撫でながら、デッキに立つ姿はまさに海の男。

 

「あぁもちろんだ、それじゃあ船長は先に行っててくれ」

「それじゃあネマちゃん行きますよぉー」

「あっ、ちょっと!」

 

 ネマはイジのことを睨みつける。

 マリンを調子付けてもあまりいいことがないからだ。

 そんなネマの視線に、イジは強面な容姿に似合わない、柔和な笑みを浮かべる。

 

 彼らが目指すのは、とある大陸。

 その名を、『drei kontinent(第三の大陸)』と呼ばれている。




まずは3期生編だー
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