Eの黙示録   作:Jeep53

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フロンティエール首都戦、始まります。

久々すぎておかしい所が多々あると思いますがお許しを。


首都進攻

 フロンティエールの首都、エグザゴーヌ。フロンティエール語で六角形を意味するその単語の通り、首都は六角形の城塞都市であった。周囲には深い堀、高い塀が張り巡らされており、陸路で首都へ入るには壁一面につき一つの入り口から入る他ない。だが、防壁はあくまでも貴族が住む首都中心部を守るためのものであり、庶民が住む郊外は普通の町と何ら変わらなかった。

 

「車長、先行爆撃隊の成果はどうなってるんです?」

 

 エグザゴーヌへ向かう道中、不意にギルベルトが尋ねる。首都まではあと少し、話しておくべきか。

 

「残念だが、あまり成果は上げられなかったそうだ。ディバイン王国製の霊導対空砲で被った被害の方が大きかったと聞くぞ」

「ディバインの支援がもう実用可能なレベルまで波及しているんですか!?それってマズいんじゃ…」

 

 揺れる車内で青ざめるギルベルト。それを見てラインハルトが笑う。

 

「大丈夫やで。この車両に限れば霊導砲なんざ防げる防げる。よほど大口径じゃなければやけどな」

「ラインハルト、残念なお知らせだ。確認できた霊導砲の口径は130mmらしい」

「ッスゥ…まずいねこりゃ」

 

車内に緊張が走る。

 

 その時、無線が入った。

 

『隊長車からアクセルへ。貴様らは本体とは別行動だ。都市を迂回して真後ろから叩け。後ろの戦力は多くないだろう。貴様らの車両で突破可能なはずだ。3号車と4号車、アクセルに続け。幸運を祈る』

『こちらアクセル。了解した。これより別行動に入る。…カール、左から回ろう」

 

ペリスコープの景色が45度変わる。今まではだんだんと大きくなってきていた白い城壁が横に流れていく。後続の味方車両は護衛の2両を除き列をなして城壁へと進んでいく。

 

『こちらアクセル。3号車と4号車、よろしく頼むぞ』

『こちら3号車アセッタ、了解した』

 

驚いた。3号車の車長は女性か。

 

『こちら4号車ロッツォ、露払いは任せてくれ』

 

4号車は元気そうな男性だな。2両ともE-60B、俺の車両の火力増強版だ。12.8cm砲を主砲とし、砲塔が肥大化している。居住性は割といいらしい。霊導型ではなく、通常型のE-60Bのため、最高速が中戦車の中では一番遅い。その分硬いのだが。…俺らが歩調を合わせなければな。

 

 ペリスコープから見える、森の木々越しのエグザゴーヌの庶民街は、あちこちで黒煙が上がっている。一方で城壁の中には煙は確認できない。何があったのだろうか。妙だな。水平爆撃を行ったのなら中心部にまで被害が行くはず…。いくら被害が大きかったからとはいえこれは…まぁいい。時期に分かるだろう。

 

「アクセル!裏手が見えてきたぞ。このまま街道まで突っ走るかい?」

「あぁ、それでいこう。…全車臨戦態勢、装填弾薬は対戦車戦闘を考えてAPもしくはAPCR、APDSを装填しろ。万一硬い戦車がいた時に対応できるようにしておけ』

『3号車了解』

『4号車もOKだ』

 

「街道に出るぞ!3,2,1…そいやぁ!」

 

 茂みを抜け、石畳の広い道に3両で躍り出る。庶民街の中を走る道は曲がりくねっているためここから門は見えない。どこに伏兵が潜んでいるかもわからない。

 

『隊列を整えろ!パンツァーカイルを組め!3号車が左、4が反対だ!』

 

 素早く陣形を整え、だだっ広い道で静止する。周りからの攻撃はない。不気味なほど静まり返っている。

 

「あ、あの車長…もし大口径霊導砲の陣地とかに出くわしたらどうするんです?」

「安心しろ。ちょっとした秘密兵器の権限を貰っている。いやまぁ、間に合うかは分からないが」

 

俺の言葉に半泣きになるギルベルトをなだめ、白亜の城壁を見据える。

 

「行くぞ!戦車前進!」

 

 

 


 

 

 

 「参謀!敵戦車3両を城壁Dブロックで確認したとの報告が!」

 

アクセルたちが見据える白亜の城壁の中、その最奥で慌ただしくドアが開かれ一人の兵士が駆けこんできた。

 

「…そんな慌てる事でもないだろう。たかが3両だろう?駐屯している守備隊で大丈夫だろう。それより敵主力が問題だ」

 

参謀と呼ばれた男はそれどころではないという風に返事をした。だが、兵士の次の一言で態度が変わる。

 

「視認車両はE-60A-L、先日傍受した無線の中にあった個体名ゼーベルティーガーとE-60Bの2両からなる小隊です!先日の戦いでセザール小隊長とアルベール小隊を丸ごと一両で捌ききったゼーベルティーガーですよ!?」

 

思わず男は立ち上がった。

 

「霊導戦車か…!よし、ソルシエール隊を出せ!補給は惜しむな!ゼーベルティーガーを倒せさえすればかなり楽になる!ディバインからもらった霊導砲も使え!少数の内に殺すのだ!」

「ハッ!了解しました!」

 

一通り指示を出し終えた男はまた椅子に腰を下ろした。指を組んで肘をつき、頭を手に乗せてため息をつく。

 

「ディバインの陸支援到着まであと一週間…なんとしてでも保たせねば…」

 

ーーー

 

 城門が開く。中からは7両の戦車中隊が出てくる。

 

「ソルシエール隊各車に告ぐ!事前に通達した場所で身を潜めて待つんだ!各個撃破を狙う!相手はアルベール小隊をやったゼーベルティーガーだ!」

 

重戦車4、軽戦車2、駆逐戦車1という構成。練度はフロンティエールの中でも指折りだ。中隊長のマティアスは前の大戦を傭兵部隊隊長として駆け抜け、その後フロンティエール軍に抜擢された人物である。

 

「久々の獲物だ!貴様ら心して掛かれよ!」

『オォォォ!』

 

そしてこのソルシエール隊は、彼が持っていた傭兵軍団がそのままフロンティエールに取り込まれたものなのだ。

 

「ソルシエール隊、アーバンス(前進)!」




次回の予定は未定。
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