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エメラルド。
透き通ったグリーンの宝石は、見るものを引き込むような力がある。
生命の象徴ともいわれるエメラルドの深い緑。
エメラルド。
結晶になる際に様々な不純物を内包し、その鉱石は非常にもろくなる。神秘的な輝きの裏側には、無数の不純物が、小さな傷が隠れている。
「ついに…来ちゃった。」
東京都府中市、日本ウマ娘トレーニングセンター学園の正門前。満開の桜の下、青粕毛のウマ娘が大きな荷物を背負って立っている。
(うぅ…緊張するなぁ…寮の同室の子はどんな子だろう…)
「あの…ブラックエメラルドさんですか?」
「ひゃ、はい!あの…なにかしましたでしょうか!」
あ、先輩の人かな…。制服着ている…。え、私に話しかけている!?なにかやっちゃったかな!?
「あ…私はヤエノムテキです。寮までの案内をと思いまして…」
「ありがとうございます!よろしくお願いします!」
「ここまで長かったでしょう。荷物お持ちしますよ」
「いえいえ!悪いですから!」
「気にしないでください。これから同室でやっていくのですから、」
「じゃあお言葉に甘えて…。こっちのバッグを持ってもらっていいですか? 」
「…よいしょっと。では行きましょうか。」
「はい!」
私とヤエノムテキさんは、私たちの部屋がある美浦寮に向けて歩き始めました。ヤエノムテキさんとお話ししながらの寮への道は、なんだかあっという間!
「ブラックエメラルドさん。つきましたよ。荷物はベッドの上に置いておきました。」
「荷物まで…ありがとうございます!」
「いえ…私も去年大変だったので。手伝えることがあったら何でも言ってください。」
「ありがとうございます!ヤエノムテキさんは優しいですね。」
そのまま私は荷解きを始めました。なんだかヤエノムテキさんに頼りっぱなしな気がするので、一人で黙々と作業を進めます。
(かわいい…!)
学園の校門の前できょろきょろあたりを見回している同室になる新入生――ブラックエメラルドさんの姿を見つけて、自分の心臓が飛び跳ねているのがわかります。少し癖のついた真っ黒な髪の毛。ウマ娘では珍しい粕毛の毛先。後ろ姿だけでも見とれてしまいます。この激情、抑えなくては…。
…話しかけましたがかわいい。緊張してるのでしょうか。余裕がない感じがなんともいとおしい。それになんだかいいにおいが漂ってきます。…なんとかわいらしい…。
おっと。彼女と話していたらあっという間に部屋についてしまいました。…やはりまだ遠慮されてしまいますね。…でもまだこれから時間があるのです、もっと仲良くなれたらいいなあ…。
…彼女の荷解きも佳境に入ってきたようです。彼女のかわいらしい声で「ヤエノムテキさん」と呼ばれるのはなぜだかむず痒いものがありますね…。そのうちあだ名とかで呼んでもらえるのでしょうか。どのように呼んでくれるのか、今から楽しみでなりません。
…そろそろ夕食の時間ですね。友人とカフェテリアにいく約束をしているのでそろそろ行きますか。
「ブラックエメラルドさん。そろそろ晩御飯に行きませんか。」
段ボール箱がだいぶ少なくなってきたところで、ヤエノムテキさんから声をかけてもらいました。というか、いつの間に外がこんな真っ暗に…。
「はい!一緒に行きましょう!」
ヤエノムテキさんに差し出された手を取って一緒にカフェテリアに向かいます。ヤエノムテキさんの手があったかくて落ち着きます。初めての学校でのごはん、楽しみだなあ。カフェテリアへの道中、ヤエノムテキさんに寮にいろんなことを教わりました。
「チヨノオーさん、アルダンさん、連れてきましたよ。」
「…ひゃじめまして…!ブラックエメラルドです。」
「初めまして。メジロアルダンです。」
「サクラチヨノオーです!よろしくお願いしますね!」
4/28 19:22 おかしなところを修正しました 眠いまま投稿良くない…