主人公のブラックエメラルドをしゃぢーさんに書いていただきました。ありがたや…。
https://twitter.com/v0w_g/status/1521112269077237760
「んぅ…。」
目を覚ますと病院特有の薬のにおいが鼻を突きます。そういえば昨日はここで寝ちゃったんだっけ…。少しの違和感を感じて下を見ると、二人とも服がはだけて…。な、なにもやって…ない…よね?顔に一気に血が集まっていくのを感じます…。
「ん…おはよ…。ちゃんと眠れた?」
「あ、スターさん、おはようございます。」
「眠れたみたいでよかった。着替えとかはたづなさんが持ってきてくれるって。」
「はい。ありがとうございます。」
「昨日はごめんね?恥ずかしい所見せちゃった。」
「いえ…きにしないでくださいよ…。」
「本当にありがとうね。エメラルドちゃん。」
スターオー先輩に抱きしめられ、押し倒されるような形になります。あ…。なでなですき…。いいにおい~。
私は今、たづなさんと一緒にタクシーに乗っています。昨日の夜、スターオー先輩から来たLINEを見たときには心臓が止まるかと思いました。すぐに電話して元気そうな声を聞いたときは安心しましたが…。
たづなさんからスターオー先輩に渡す荷物を受け取り、スターオー先輩の病室に向かいます。聞いたところによるとダービーに出るのは厳しそうですが…。落ち込んでないでしょうか…心配です…。
「失礼しまーす…。」
病室のドアを開けると、窓際のベッドにエメラルドちゃんを押し倒してるスターオー先輩が…。え…?どういう状況…?
「あ、チヨノオーせんぱぁい…。たすけて~…。」
「チヨちゃんいらっしゃい~。おいで~」
「スターオー先輩…?エメラルドちゃんに何を…?足は大丈夫なんですか?」
「エメラルドちゃんあったかくていいにおいで最高なんだよ~。なんだか猫みたい。チヨちゃんもおいで?」
「あ、はい…。」
ベッドのわきに座ると、もみくちゃにされていたであろうエメラルドちゃんが抱き着いてきます。あ、あったかい…。
「私の足なんだけど…。」
スターオー先輩も座りなおして、優しい声色で私に語り掛けます。
「繋靭帯炎…だって。ダービーは無理だし…京都も、厳しいかもしれない。」
繋靭帯炎、ウマ娘にとって不治の病と恐れられている病気。あのシンボリルドルフさんだって引退を余儀なくされた病気…。
「チヨちゃん、そんな悲しい顔しないで?私は、走るよ?」
「っ…!」
うつむいていた顔を上げると、スターオー先輩の深い蒼の瞳に炎が宿っているのに気が付きます。
「私は待ってるからさ、チヨちゃん。おいでよ?」
「…はい!ぜったい…絶対勝ちますから!」
「チヨちゃん、楽しみにしてるから。負けないよ?」
「えへへ…はい!」
「すたーさん、そういえばいつまで病院にいなきゃなんです?」
「ん、今日も何個か検査しなきゃだけど、明日には退院できるって。」
「ならよかったです!病院ってなんか窮屈で…。」
「私にお手伝いできることならなんでもしますから、何でも言ってくださいね!」
「チヨちゃんもエメラルドちゃんも本当にありがとうね~。いい後輩を持てて幸せだよ~。」
「えへへ…。」
そのあとやってきたスターさんのトレーナーさんに挨拶をして、たづなさんが用意してくれたタクシーで学園に戻ります。
「そうだエメラルドちゃん。帰ったらヤエノさんにごめんなさいしたほうがいいかもですよ~?」
「え…?私なんかしちゃいましたか…?」
「昨日の夜、エメラルドちゃんが帰ってこない…。ってすっごく心配してたんですよ?」
「あっ…。それは…謝んないとですね…。」
メディアが殺到しているらしい正門を避けて裏門から学園に入ります。何かあったときはメディアがすごい集まるって聞いてはいますけどいざ目にすると怖いですね…。
「おかえりなさい。エメラルドさん。」
「ヤエノ先輩~…。昨日は本当にごめんなさい」
「気にしてませんよ。エメラルドさんに何もなくて安心しました。」
「えへへ~。チヨノオー先輩、ありがとうございました!」
「ふわぁ…。なんだか疲れちゃいました~。」
「気を張ってたでしょうからね。無理しないで寝るのがいいですよ。」
「じゃあ今日は寝ちゃいます~。ヤエノ先輩、一緒にお風呂行きましょ~?」
「ええ、行きましょうか。」