転生先は競走馬 え?ウマ娘も?   作:ちょこ@みんと

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ウイポ10 1973年シナリオより
前話の「イチフジイサミ」と「タカエノカオリ」は譲渡馬として使用していました。
イチフジイサミは海外GⅠは無理でした(国内GⅠ5勝)が、タカエノカオリは海外GⅠ4勝して国内と合わせてGⅠ9勝という快挙。
前話の2着? あれは結果を反対にしました。ゲームしながら書いてましたし、なんなら4馬身差で勝ちましたが?

などと、どうでもいい事を書き連ねて強いましたが、あまり気にしないように。

つらつらと冠名を上げていますが、あまり関係ないので気にしなくても大丈夫です。


13 把握

シロと連れ立って校舎を出ると、まずは状況整理のために落ち着ける場所を求めて、カフェテリアに向かう。

今年からトレセン学園の中等部に入学することになっているが、既に欧州と米国でのトレセン学園のトレーナー科を飛び級卒業したことになっているので、義務教育として中等部卒業までここに縛られる以外の理由はない。

なんならトレーナーとしての籍があるので、学業そっちのけで働いてもいいと、理事長からお墨付きも貰っている。まぁ、トレーナーという立場よりも学生の立場の方が未デビューウマ娘と接する機会が多いので、学業を疎かにする理由は無い。

 

入学式前の春休み。校舎はがらんとして遠くのグラウンドからトレーニングをしているであろうウマ娘の声が聞こえる。

シロと一緒にテラスの席に着き、アイスティーとサンドイッチを2つずつ注文する。さて、一つずつ情報を整理していこう。

 

まず、目の前にいる幼馴染こと、ホワイトロリータ。彼女は私と同じで今年からの中等部新入生でありながら、私のサブトレとして正式にトレセンに雇われている。

私とシロ。新入生同士でありながら新人トレーナーと新人サブトレーナーと言う立場。意味分かんないね。

 

「えへへぇ~♪ ネコちゃんと一緒だぁ~♪」

 

両頬を抑えクネクネ動く幼馴染を一瞥して次の事を考える。

すっ、と手提げカバンから取り出したのは通帳。全国どこでも使える銀行の通帳で、ページをめくり一番新しい場所に記載されている総計額には、3億と記載されている。これも意味が分からない。

シロの持っている通帳にも同じく3億と記されており、2人合わせて6億と言う大金を持っていることになっている。本当に意味が分からないし覚えがない。

 

「なんだろうね? このお金」

 

シロの言葉はもっともだ。後で銀行に行って実際に使えるのか確認してみよう。

次に、タブレットを取り出す。まず、前世も含めてこんなのと盛った覚えが無い。両手サイズのタブレットに赤いカバーが付けられて? はめられて? いる。カバー横の電源を押すとロック画面に行かずにトップ画面が表示される。

情報を見るとちゃんと私名義のタブレットのようだ。購入した覚えは無いが後でロックをかけておこう。トップ画面にあるメールアイコンが点滅していたから、タップして開いてみると2件受信してあった。『君へ』と『情報』の2つの件名があったのでまずは『君へ』を開く。

 

『このメールを見ているという事は無事に転生で来たんだと思う。まずはおめでとう。このタブレットは私からのプレゼントだ。決して壊れず劣化もしない私謹製だからね。このタブレットではおススメのウマ娘情報や、管理しているウマ娘を数値化できるから、色々と参考にして欲しい。先にも言ったが、君にはとにかくGⅠという舞台で勝ってほしい。どのレースとかの条件は無いが出来れば海外にも進出してくれると嬉しい。そうすれば元の世界に戻そうという力が強くなり、君にとっても過ごしやすい世界になると思う。完全に元の世界に戻ることは無いけど、限りなく近い世界に修正されていくから、君の活躍に期待している。無事に世界の修正が終われば後は君の好きな様に生きてくれて構わない。とりあえずの活動資金として、銀行の通帳にお金を入れてあるから好きに使うといい。返す必要も無い。じゃあ、頑張ってくれ』

 

どうやらあの神様からのメールのようだ。で、このタブレットはプレゼントという事か。あ、あと銀行のお金も使っていいみたいなのでありがたく使わせてもらおう。

ウマ娘の能力の数値化は有り難い。管理や育成がしやすくなるし、指標としても役に立つだろう。で、とりあえずの目標は、何をどのくらいかは分からないが、海外も含めてGⅠに勝つ必要があると。

 

まぁ、こうなった以上は頑張るしかないので、頑張るけど……。

とりあえずもう一つの『情報』をタップする。中にはこの世界で名門とされる『冠名』の一覧があった。この世界ではURAの一部のお歴々が、この冠名持ちの一族を優遇というか色々便宜を図っているみたいだ。私がGⅠを勝つ上で確実にぶつかるであろう者たちである。

 

・シンボリ

・メジロ

・アドマイヤ

・マチカネ

・ナリタ

・トウショウ

・メイショウ

・テイエム

・ヤマニン

・アグネス

・エア

・サクラ

・サトノ

・エイシン

・シチー

 

以上の15があるそうだ。長い歴史もそれなりにあるようで、分家の分家の分家になると一般家庭と何ら変わりない所もあるみたい。だが、名門の一族というくくりには入るみたいで、レースに活躍すれば一般家庭出身でも十分にその後の暮らしが安定するらしい。そうでなくても基本的に彼らが少なからず優遇されているようだ。

前世を思い出すと冠名以外でも活躍している馬、もといウマ娘はいるがそれらは没落扱いや籍を外れた者たちと言う形になっているみたいで、それなりの資産を持っていても名門では無いと言うのが、今のURAの意志だそうだ。あ、各家はそうは思っていないようで、URAの対応にウンザリしているんだとか。主に互いの意見をぶつけあい『URA vs 名門』という構図で見えない場所でもヤリ合っているらしい。

 

そんな中に割り入るように入る必要があるんだが……怖いなぁ。

まぁ、時期にもよるが手薄なGⅠとダートをメインにして、合間で海外に出て行く方向で進めよう。

 

……なんか途端に面倒くさくなってきたぞ?

 

ウマ娘管理画面を開いてみよう。アプリをタップして開いてみると、私とシロの能力が数値化されていた。スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さに加えて健康・瞬発・柔軟があり、他に適正距離・適正馬場・適正脚質も明確に記録されている。あとはゲームチックな感じで所有スキルに発動条件もあった。

 

「これが本当なら管理しやすいな」

 

「ネコちゃん? どしたの? サンドイッチ食べよ?」

 

いつの間にか来ていたサンドイッチを頬張りつつ、タブレットのトップページから『おススメウマ娘情報』を開く。情報一覧には『1987年 クラシック世代』というメタな見出しがある。

今日現在の年月は知らないが、今年ジュニア期としてデビューするのは、ここに書かれている1987年世代ということになるんだと思う。

 

『朝日杯3歳ステークス 優勝:サクラチヨノオー』

『阪神3歳ステークス 優勝:サッカーボーイ』

 

ジュニア期においてはこの2名が特におすすめとの事。だが、こちとら未デビューウマ娘&新人トレーナーなんだが? 2重の意味で実績の無い私にスカウトなんて無理ゲじゃね?

 

実績……

あれ?

 

今思ったんだけど、これ私が走ればいいんじゃないの?

実績を積み上げることにもなるし、私がシロをスカウトして、シロが私をスカウトしたことにすれば、スカウトした事にもなるし、万事解決になるんじゃない?

 

いける……と思う。私もシロも未デビューウマ娘だ。トレーナーは未デビューウマ娘をスカウトして、トレーニングやレースに出走をしていく。

未デビューウマ娘であれば問題ないはず。未デビューかつトレーナーの扱いがどうかは知らんが、少なくとも私とシロは未デビューに間違いは無いのだ。

 

うん。行けそうな気がしてきた。

いける。

うん、いけるいける!

 

 

 

「ということでいいでしょうか?」

 

「う~ん……まさかこういう風にしてくるなんて……」

 

「驚愕ッ! なんということを考えているのか!」

 

たづなさんは困り顔、理事長は呆れ顔。

いや、申請は通ったけどね。私とシロがお互いをスカウト。

こんな方法を取るとは思っていなかったようだ。

 

と、いうわけで。少なくと私かシロのどちらかが引退するまでの2~3年は、煩わしいスカウトに精を出す必要がなくなったわけだ。

 

「さて、そうと決まれば早速トレーナー寮へ……あれ? 学生寮? んんぅ?」

 

「お二人は栗東の学生寮とトレーナー寮の2か所の使用が可能ですよ。学生寮出は同室、トレーナー寮では隣室となっています」

 

「あ、じゃあ、日によって帰る場所はどっちでもいいって事?」

 

「ええ、学生とトレーナーと、どちらの立場を取るかでお好きな方と使えばいいと思います」

 

今後拠点とする場所が2か所になった訳だが、どっちも使うか片方だけ使うか考え……あ、なんか面倒。

 

「学生寮とトレーナー寮の生活環境ってどうなってます?」

 

「まず部屋の広さですね。個室か2人部屋か。トレーナー寮は少し広めのワンルームのマンションと思って頂ければ。生活環境が共同か個人かの違いですね。食事は学生・トレーナーともに食堂の利用が可能です」

 

「冷蔵庫とかの持ち込みはどうです?」

 

「学生寮はあくまで共同生活の場なので、いくつかある大型冷蔵庫を共同利用してもらっています。トレーナー寮の方は自己負担で好きな様に持ち込んで頂いて構いません。……こういうことを聞くという事は、両方利用するつもりではない。ということですか?」

 

「そうですね。管理が面倒なのでどちらかにしようかと思っています。考えてみてトレーナー寮がいいかな? なんて思っていますけど。後々は稼いだお金で近くで借りるかしますけど」

 

今すぐにでも近くに借りれない事も無いんだけどね。だけど、通帳のお金を使うとなれば、今の自分が持っているとおかしい額のお金が入っているからね。安易に使えそうにないから、とりあえずデビューしてから考えよう。

 

「では、学生寮は解約してもいいですか?」

 

「お願いします。さっそk「あ、トレーナー寮も一つ解約で」……おい!」

 

今まで黙っていたシロが突如、会話に割り込んでくる。そして意味不明な事を言う。シロはどこに泊まるつもりなんだろう? 嫌な予感しかしないけど……

 

「えっ……と? ホワイトロリータさん、それはどういう?」

 

「私、ネコちゃんと一緒に住むんで。それでお願いします」

 

予感的中! ほらね。やっぱりね。この幼馴染は……本当にもう!

家が近所で幼馴染という間柄のためか、四六時中かつ物理的に、側にいるのが当たり前になっているんだよね。

なぜか好意を寄せられているのは知っている。知っているんだけど、その思いが変な方向に突っ切っているせいなのか、常に視線を感じるし、息が荒いし、髪の匂いを嗅がれるし、洗濯物の衣類に頬ずりするし、なんか吸い付いて来るし、絡みついて来るし、離れても気が付けば後ろにいるし……

 

あれ? これ世間一般的にストーカーってやつでは? 

いやいやいや。いくらなんでも? 幼馴染で好意を寄せられているだけだよ? そのはずだよ? ストーカーなんて……

 

チラリとシロに視線を向けると……

目が合った! うわぁ…… なんで「にちゃあ」って笑うの? キモイよ? 変態なの? 一緒に住んだら私の貞操の危機じゃないの?

 

ブルリ

妙な寒気を感じる。

これは……身の安全のためにもシロのトレーナー寮の部屋の解除を阻止しないと!

 

 

 

 

 

 

 

……………………

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうわけでよろしくね♪」

 

「あれぇ?」

 

トレーナー寮の一室。

広めのフローリングの真ん中で、向かい合って座りニコニコ微笑むシロに対して、首をかしげる私の姿があった。

 

なぜに!




ウイポ10を3月30日に開始して
ウマ娘を放置して……
3ケ月が経ちました……

今日久しぶりに起動したら、更新データ1.1GBという、とんでもデータの更新ががが……
まぁ、PCだから通信制限に引っかかることはないから気にしないでのんびりと♪

ところで、例えばだけど……
90日ぶりの「おかえり」的なモノは無い? あ、無い?
ア、ハイ



作中に記載した朝日杯3歳ステークスは、2001年に朝日杯フューチュリティステークスに変更される前の名称です。
同様に阪神3歳ステークスも2001年に農林水産省賞典 阪神ジュベナイルフィリーズに変更されています。
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