筆(?)が乗りました
調子に乗りました
ウェーイ!(∩´∀`)∩
なので、短いですが投げてみます
なんか、前話で数字表記がどうのこうのと書いた気がしますが……
統一して見たら違和感が……
もう、もう……もにょる!(悶)
というわけで、やっぱり統一はなしで。本当にすんません。そういう物と思って流して下さい。
彼と、彼と一緒にいた私が本当は特別だったって、理解した。
彼は速かった。誰よりも先に走り駆け抜けていく。私はそんな彼に追いつくので精一杯だった。っていうか速すぎじゃない?
産まれてすぐに彼と一緒に過ごすようになった。だからだろう。彼が普通じゃない事に気付けなかった。いつも一緒にいたからこそ気付くことが出来なかった。
始めて、『特別』が当たり前じゃないと気づいた時。
彼の側にいたからこそ気付かなかった。私と彼以外にも他にたくさんいたんだという事。
「行くぞー!」「ちょ、速い」「うぁー走りたくないのにー……」「待って、ねぇ待って!」「来るなよ! ぶつかって来るんじゃないよ!」「痛っ! なんでこっちに来るんだよ!」「ちょっと~、走りにくいんだけど~?」「前、邪魔。どいて」「お前こそ邪魔だ!」「うるさいよ? 皆うるさいよ?」
普段の彼と一緒だと聞かない声達。それはいつも後ろから聞こえるものだった。
だけど、この日は違った。彼がいなかったのに加えて、狭い中に押し込められたせいで気が散ってしまったのもある。一番後ろから彼と私以外を見て、とにかくうるさくてくて、とにかく怖かった。
彼ら彼女らはずっと言い合いをしていて、普段聞かない見ない光景に戸惑ってしまい、最後の最後までただ後ろを走って。
ただ怖くて
ただ泣き叫んでしまった
(うーーー……)
(あの? え? あのー……)
なんでか意味が分からないが、今の俺は唸るシロに鼻先をぐりぐり押し付けられている。力が入っていないからくすぐったいのでそろそろ止めてほしいんだけど?
(あの、シロ? どしたの?)
(ネコさんは普通じゃなかった……)
(シロ?)
(私、どうしたらいいんだろう……)
シロが負けて俺が勝った新馬戦が終わり1週間の放牧から帰ってきた。シロは母馬と話すことが出来たようで落ち着きを取り戻している。一、方俺の方の母馬はというと……
(いや、あんたと話す事ある?)
(いや~特に無いかな~)
と、実にハートフルに終始穏やかに話すことが出来た。本当だよ?
(お母さんに言われたの。ネコさんと同じじゃダメなんだって。私とネコさんは別、だから走り方も別。私は私の走りを探さないといけないの)
(言うても、逃げる俺に着いて来ているんだから能力はあるんだよ? まぁ、シロの走りが見つかる様に手伝うよ)
(? えっと?)
(もうそろそろ外に出る時間だ。一緒に色んな走り方を試してみよう)
「ああ、須田さん、どうも」
「宮間さん、お疲れさんです」
俺が主戦になるシュネージュネコと、宮間さんが主戦となるホワイトロリータが、大人しく鞍を付けられているのを眺めている。
「ん~、普段からシュネージュネコに着いて行ってるから先の方へと思ったんだけど、結局最下位だったなぁ」
「乗ってて思ったんですけど、いつもシュネージュネコと一緒にいるせいかは知りませんが、他の馬に怯えたような感じだったんですよね」
幸いと言えばいいのか、1週間の短期放牧で調子が落ちる事も無く落ち着いている。後は来週の7月第4週の未勝利戦を勝つことだけなんだが……
「どう思います?」
「何とも……。馬群は避けた方がいいのは確実か? ならいっそ、追い込んでみるか?」
「試してみるのもいいかもしれませんね」
馬群がダメとなるとある意味では気性難か? 当たって欲しくは無いが最悪は……
不安を感じつつも準備を終えたそれぞれの馬に向かい調教に向かう。今日は集団追い切り。実戦を想定した調教で勝負根性や馬自身に駆け引きを教えるのが目的なんだが、はてさてどうなることやら。
調教が始まった。今日の調教は集団追い切りのようで、俺の前方で群れと化した馬達がぶつかりひしめき合い駆けている。
俺とシロの上には屋根となる騎手が乗っている。手綱から伝わるサインも無く鞭が入るわけでもないので、前方の喧騒を気にすることなく2頭でのんびりと走っている。
(さて、走りながらで聞いてくれ。シロはあの中に突っ込むのはイヤなんだよな?)
(うん、ムリ)
(じゃあ、俺みたいに前を走るか今みたいに後ろを走るしかない。で、前を走るのはどう?)
(ん~……走れない事も無いけど、なんか中途半端に疲れる? 走れそうで走れない?)
つまり、不完全燃焼? 走り切って体は疲れても走る余力、スタミナが余っている感じか? それなら取る選択肢は追い込みか。
(それじゃあ、試しに一番後ろから一番前に行く走りをしてみよう。着いて来てみて)
(うん、分かった。着いて行くね)
(とはいえ、今はまだかな? 今は徐々に加速をしていこう。ゆっくりから徐々に、少しずつ。全力を出せそう、って何となくでいいから感じたら一気に速度を上げるよ)
(ゆっくり……徐々に……ゆっくり……)
言ったことをそのまま受け止めて、言われたように徐々に加速をしていくのを横目に見る。集団追い切りは2000mのコースを1周する。2000mなら走り切れる馬を集めての追い切りなので、ある意味模擬レースみたいな感じでもある。
今、1000mを通過。シロの呼吸が速くなるが、加速もいい感じに乗ってきている。
(ん、行けそう)
(よし、じゃあ着いて来て。あの群れの外から回って一気に前に行くよ)
そう言いぐっと足に力を入れ一気に加速する。ワンテンポ遅れてシロが後ろから着いて来ているのが分かる。
逃げのスピードに何とか着いて来ているので、シロの元々の脚質は追い込みで間違いなさそうだ。後ろから聞こえる息遣いは速いがリズムが一定で乱れが無い。まだまだ余裕があるという事だろう。
(一気に外に出る! 馬群からはじき出されても当たらないように更に外を!)
(っ! 行くっ!)
これから加速を始めようとしている馬群を横目に、馬群から大きく離れる様に外を駆け抜ける。合わせる様に後ろから聞こえる足音を聞きながら、コーナーに入っていく。
(これじゃあ、まるでリュックだな)
馬群を横目に駆け抜けるシュネージュネコと、後ろを追いかけるホワイトロリータ。きっと宮間さんも驚いているかもしれない。馬群を避けようとそろそろか、と思ったらシュネージュネコが勝手に外に出始めて、追いかける様にホワイトロリータも外に出て来た。そして今、そのまま馬群の横を大きく離れる様に、大外に向かいながら第3コーナーに入ろうとしている。
(っていうか、こいつの走り……逃げじゃなかったっけ? なんで追い込みで走るんだ? ええぇ……?)
大外に膨らんでも関係ないと言わんばかりに加速し、馬群の横を通る。コーナーを出たらもう馬群は後方。唯一ホワイトロリータだけが着いて来ている。
(ははっ……、馬に競馬を教わる、なんて聞いたことあるけど、馬が馬に競馬を教えているってことか? 笑えんな)
ゴールを駆け抜け徐々に減速をする。横に並んだ宮間さんの顔を見れば……ああ、何となく考えていることが分かってしまった。
(本当、笑えんな)
ご機嫌に尻尾を振る2頭をが向かうままに歩かせて、俺は宮間さんと嘆息し肩をすくめるのであった。
(すっごい! すっごかったの! こう……すごく、すごかったの!)
走り終えてご機嫌に尻尾を振って寄ってきたシロに苦笑する。全部を出し切って走れて満足といった感じだ。ついでに語彙力も出しているような気がしないでもない。まぁ、自分の走りを見つけれたようでとりあえず安心か。
(シロはこんな感じで走ればいいと思う。スタート直後はゆっくりで、徐々に加速。最後のカーブに入る前ぐらいから大きく外を回れば、誰にも邪魔されずに走れると思うよ)
(うん! ネコさんしかいない、ネコさんとだけの走り! 楽しかった!)
(おう。でも、今度からは俺はいない。本来走るレースでは俺はいない。だから)
(大丈夫。もう大丈夫。私はこの走り方で、勝ってくる。そして、いつか。ネコさんにも勝ちたい)
(ああ、待ってるよ。だから、いつかきっと。全力で勝負しよう)
じゃれ合い笑い合うようにのんびり歩く。今は同じ方を向いて歩いているけど、来年。きっとどこかで。俺とシロは向かい合う。
負けない。
未来のライバルに向けて、未勝利戦の勝利を願って。
「どうでした?」
「いや~、凄い馬ですわ」
調教も終わり宮間さんと柵にもたれて声をかける。苦笑いしながら答える宮間さんに、自分と同じことを考えていると思えた。
「オーナーがシュネージュネコは人の話を理解している、なんて言っていましたけど……」
「話どころか競馬を、走り方を分かっているよな? で、ホワイトロリータに教えていやがった。追い切りの調教中にだ」
「いやぁ、何かしそうな感じはしていましたけど、なんなら指示出す前に勝手に外に行きましたからね」
「こっちもだ。シュネージュネコの後ろを着いて行ったが、十分に走れるように徐々に加速をしていた。指示なんて出していないにも関わらずだ」
笑えんなぁ。と、苦笑いしながらこぼす。だがこれでホワイトロリータの未勝利戦の目途は立った。……と思えばいいんだろうか。
「……一応、報告しておきますか?」
「した方がいいだろうな……」
さて、なんて報告しようか? シュネージュネコがホワイトロリータに追い込みを教えていましたって? 病院を紹介されるのがオチかも知れんな。
本当、笑えないなぁ。
「大丈夫大丈夫。問題なし」
以上がオーナーの反応でした。適当すぎないかい?
「あの、オーナー?」
「言いたい事は分かるよ。大丈夫。何となくだけど、シュネージュネコは中に人が入っているんじゃないかってぐらい頭がいいからね。この前は一緒に週刊誌を見ていたんだけど、目線がね、ちゃんと追っているんだよね。文字や絵を順番に」
「え゛っ? ちょっとオーナー?」
「あの子は特別、っていうか異常。そういうモノと思って、一緒にいるホワイトロリータもそれに近いと思っていて欲しい」
何ともまぁ、楽観的というか何というか。でも、話が早くて助かる。正直、一から説明するとなると、どう説明した物かと頭を抱えていたのもあるからねぇ~。
「まぁ、何にせよ。ホワイトロリータの未勝利戦。よろしくね」
「任せて下さい。レースまでに追い込みの走り方を徹底的に教えますから」
宮間さんが力強く答える。これなら大丈夫そうだと、そう思いながら俺は宮間さんの肩を軽くたたいた。
7月 第4週(土) 福島
1R 2歳未勝利戦
負けたあの場所に昨日到着した。
私は、明日。
ここで。
勝つ!
『残り800mで宮間騎手が鞭を入れた。一気に加速を始めますホワイトロリータ。馬群を避ける様に外ラチに向かって行きます。馬群はそのまま第3コーナーへ』
『少し早い気もしますね。果たしてこれは作戦なのでしょうか?』
『第4コーナーを抜けて最内を進むオサフネグンターと大外を回るホワイトロリータが先頭。オサフネグンターに鞭が入りますがホワイトロリータが抜け出した! オサフネグンターは一杯か? 後方も追いつく気配はありません。残り100mでホワイトロリータが1馬身抜け出しました!』
『これはすごいですね。第3コーナー前からのロングスパートで、距離延長の大外を走っても関係ないと言わんばかりのごぼう抜きですね』
『ホワイトロリータが差を広げます。オサフネグンターは追いつけない。今、ホワイトロリータがゴール板を駆け抜けました! 2着は5馬身差でオサフネグンター。最後方からの強烈な末脚でトップに躍り出ました!』
『新馬戦では惜しくも最下位でしたが、それを覆すような凄まじいレースでしたね』
先頭。つまり、勝ちました。
一番後ろから、一番外を通って、一番前へ。
ネコさんに教えてもらった走りで、私は勝つことが出来ました。
(ネコさん……)
これで胸を張って帰れます。
そして、帰ったら一番最初に言いましょう。
『ただいま』って。
自分の作品の目次の下の方にある『読者層が似ている作品』
面白いのばかりで、つい読んじゃいますね。
面白い作品をありがとうございます。
果たして、自分の作品は面白いと思われているのか? 戦々恐々しながら身悶える日々です。
話は変わりますが……
来年の話なんですが……
私の大好きなゲームの発売日がっ!!
どうでもいいですね!
はい!
すんませんでしたーっ!!