花音の弟がハロハピのメンバーになった話(完結)   作:春はる

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終わりの方を少し文章を書き加えました。

では、本編をどうぞ。



本編
第1話


 

数年前に共学なった羽丘学園に入学してしばらくたった頃、俺は演劇部の部室に顔を出した。

 

夏輝「失礼しまーす」

 

麻弥「あ、待ってましたよ。夏輝くん」

 

部室に入った俺に声をかけてきたのは、一年上の先輩で裏方をしている大和麻弥先輩だ。そういう俺も演劇部に入ったが裏方をしている。

 

今日、さっきまで薫先輩主演の演劇をしていたので、部室に戻した大道具や衣装などを保管している定位置の場所に、片付けをするために部室に来たのだ。

 

麻弥「では、早速片付けましょう!」

という麻弥先輩の一声で、俺も含め裏方担当の部員が片付けを始めた。

 

夏輝「今日も薫先輩の演技は凄かったですね」

 

麻弥「はい、完璧でした。見に来てくれた皆さんが満足していただいたので良かったですよ」

 

夏輝「でも見に来た人が倒れちゃうのは、全然慣れませんけどね……」

と、麻弥先輩の言葉に俺はそう言った。

 

今回の演劇でも、観客達の何人かが倒れた。だが倒れる所を見るのは、これが初めてではない。

 

演劇部に入部した頃から、顧問の先生や先輩達から薫先輩にファンがいること、演劇やそれ以外で喋るとファンの人が倒れると聞かされていた。

 

最初の内は、俺を含めた1年生(新入部員)達は信じてなかった。けど、薫先輩が校門近くでのゲリラ演劇があった際に、ファンが倒れたのがあり1年生組は信じるしかなかった。

 

その後も、ちょくちょくゲリラ演劇が開催される度に、演劇部総出で倒れた人のフォローをしていた。そして今回の薫先輩主演の演劇でもファンの人たちが倒れたのでフォローした。

 

そんな事が、今日もあったけど"慣れない"と麻弥先輩に言ってしまった。

 

麻弥「まぁ、それはそう簡単に慣れないですよ……。ジブンも最初は慣れませんでしたからね。でもちょっとずつ慣れて、観客の皆さんの介抱するのも頑張っていきましょう」

 

夏輝「あはは……。頑張ります……」

 

俺が言ったことにそう返してくれた麻弥先輩に、苦笑いしながら返事をして劇の片付けをしていた。

 

そしてしばらく片付けをしていると、声が聞こえた。

 

「花咲川女子学園の弦巻こころよ」

 

「こころちゃん、いきなりは……駄目だと思うけど」

 

聞こえた声は二人分だった。しかも二人目の声に聞き覚えがあった。

 

夏輝「え?……お姉ちゃんの声?」

 

麻弥「夏輝くん、どうかしましたか?」

 

夏輝「いや、お姉ちゃんの声が聞こえたので……」

 

麻弥「確かに二人分の声がしましたけど、確か夏輝くんのお姉さんは花女の生徒さんなんですよね?薫さんのファンじゃなければ来ないと思いますけど……、お姉さんって薫さんのファンなんですか?」

 

夏輝「薫先輩のファンではないですね。でも、薫先輩の事は、俺が話したりしてるからお姉ちゃんは知ってますけど……。でも確かに、お姉ちゃんの声だったような気がするんですけど……。でも気のせいかな」

 

麻弥「どうなんでしょうね……」

ということを麻弥先輩と話をしながら、少しモヤモヤしながら片付けを続けた。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

そして、片付けが終わったので、麻弥先輩に挨拶してから学校を出た。

 

夏輝(あ、そうだ。ショッピングモールで買っときたいのがあったんだ)

と、通学路を歩いて家に帰ってる時に、ふと思い出したので、ショッピングモールに向かった。

 

少し歩いてると商店街が見えてきた。ショッピングモールに行く時は、商店街を通っていった方が近いので通ろうとした時だった。

 

前方にいる、とある三人組が目に入った。しかもよく見てみると、三人の内二人は薫先輩とお姉ちゃんだった。それを見た瞬間に驚いた。

 

夏輝「え、お姉ちゃんと薫先輩!?」

 

花音「ん?……あ、夏(なつ)くん。部活終わったんだ」

 

薫「やぁ、夏輝じゃないか。劇の片付け終わったんだね」

 

夏輝「う、うん。劇の片付けが全て終わったから今日の部活活動は終了したけど……。二人……というか三人で何してるの?」

 

俺に気づいた二人に部活の事を聞かれた。俺はそれに答えてから、お姉ちゃん達に質問した。

 

花音「えっと、今やってるのは「あら?あなたは誰かしら?花音の知り合いなの?」……こ、こころちゃん……!」

 

俺が質問したことに、お姉ちゃんが教えようとしてた時に、お姉ちゃんにこころと呼ばれた金髪の女子が会話に割り込んできた。

 

こころ「それで、この人は誰?花音の知り合い?」

 

花音「う、うん。私の弟なんだ」

 

こころ「あら、そうなのね!あたしは、弦巻こころよ」

と、弦巻さんが顔を近づけながら自己紹介をしてきた。俺は一歩だけ後ろに下がってから、自己紹介をした。

 

夏輝「う、うん。俺は松原夏輝です。そこにいる松原花音の弟です」

 

こころ「夏輝ね!あたしの事は、こころでいいわ!」

 

夏輝「分かった、こころ。よろしく」

と言うと、こころも"よろしく"と笑顔で返事をして来た。

 

夏輝「(お姉ちゃんの言う通りで、無邪気な子供が大きくなったみたいな人だな……)それで、お姉ちゃん達は商店街で何してたの?」

 

こころの印象を少し考えてから、お姉ちゃんに商店街にいる理由を聞いてみた。

 

花音「えっと…、前にこころちゃんに誘われて、バンドに入った事を言ったの……、覚えてるよね?」

 

お姉ちゃんの言葉に俺は頷いて、続きを促した。

 

花音「それで、その時はこころちゃんはバンドの事を知らなかったんだ。だから、他にもギターとかベースとかの楽器を弾く人が必要だよって、教えてあげたの。それで羽丘の演劇で薫さんをギターとしてスカウトして入ってもらったんだ」

 

夏輝「あ、じゃあ学校でお姉ちゃんとこころの声がしたのは、気のせいじゃなかったんだ……。じゃあ今はベースを探してる感じなの?」

 

花音「うん、そうだよ。……夏くんもメンバー探しに手伝ってほしいんだけど、いい?」

 

夏輝「(ショッピングモールで買いたいのがあったけど、急ぎじゃないから手伝ってもいいか……)うん。手伝うよ」

 

花音「あ、ありがとう!」

 

お姉ちゃんから頼まれて"どうしようか"と少し考えたが、手伝う事にしたので、"手伝う"とお姉ちゃんに伝えた。

 

夏輝「じゃあ俺は何をすればいいの?」

 

花音「えっと……、今チラシを配ってるんだけど、そのチラシがこれなんだ」

と、お姉ちゃんから手伝う内容を聞くと、チラシを配ってると言ってチラシを何枚かの束を渡された。渡されたチラシを見てみると、薫先輩が写ってるチラシだった。

 

それを見てから、お姉ちゃんの顔を見ると苦笑いしていた。そういう俺もチラシを見て少し困惑してると、薫先輩が声をかけてきた。

 

薫「夏輝にお姉さんがいるとは聞いていたが、まさか花音だったとはね。さっきまでのやり取りを見てて驚いたよ」

 

夏輝「そ、そう?……それよりこれって……」

 

薫「ふふ、また儚い私にファンが増えてしまうかもしれないね」

 

夏輝「そ、そうですね~……」

と、薫先輩の言葉にそう返事をした。俺の返事を聞いた薫先輩はポーズを取りながら配り始めた。

 

こころ「来たれーい、ベーシストー!」

 

薫さんに続きこころも大声を出してチラシを配り始めたので、俺とお姉ちゃんも配り始めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

皆でチラシを配り始めてしばらくしたが、誰もチラシを受け取ってくれなかった。

 

こころ「何で皆、受け取ってくれないのかしら?」

 

薫「あぁ……、私が儚すぎて受け取りづらいのかもしれない……」

 

夏輝「……まぁ、薫先輩がポーズを取ってる姿のチラシなんて、受け取っても分からないよね……」

 

花音「そうだね……。学校で印刷した時も、生徒会の人達困惑してたもん」

 

こころと薫先輩の二人の会話を見ながら、お姉ちゃんと話をした。

 

その後も受け取ってもらえず、"どうしようか"と悩んでいると、いきなりこころが走り出して言ってしまった。

 

こころが走っていった先を見てみると、熊の着ぐるみがいてその着ぐるみにチラシを渡していた。そしてそのチラシを子供達が受け取っていた。

 

夏輝「……着ぐるみの方が受け取りやすいかもね……」

 

花音「……確かに…、ずっと子供達から囲まれてたもんね」

と、こころ達と着ぐるみの光景を見ながら、お姉ちゃんと話してると、オレンジ髪の子が着ぐるみに突進してきた。

 

制服を見ると、お姉ちゃんとこころと同じ学校の花女で、しかも俺とこころと同じ一年生の子らしい。……けど、熊の着ぐるみ……ミッシェルにアメフトとかラグビーとかの選手顔負けの突進するという普段見ることがない光景に困惑してしまった。

 

困惑している最中に、こころが一人話を進めてベースとしてバンドに入り、ミッシェルもくま枠(よく分からない枠)として、採用ということに話でまとまっていた。

 

俺とお姉ちゃんは、トントン拍子でメンバーが集まったことに驚いていたが、こころが俺の方を向いてきた。

 

こころ「あ、夏輝もバンドメンバーにならない?」

 

夏輝「……え、俺も!?」

 

こころ「そうよ!花音の弟だし、何よりメンバーはたくさんいた方が絶対楽しいわ!」

 

こころからメンバーとして誘われたことに驚きながら、一つ質問した。

 

夏輝「俺、ドラムはちょっと触った事はあるけど、殆ど楽器なんてやったことないけど……」

 

こころ「別にそんなのは関係ないわ!あなたが入りたいかどうかが大切だわ!」

 

花音「私も、夏くんが居てくれたら安心するし嬉しいかな……。それに入ったら楽しいと思うけど」

 

こころの後に、お姉ちゃんも"入ってほしい"と言ってきた。

 

夏輝(……さっきの見て驚くことも多いし、こころとか押さえるの大変そう。けど、楽しそうな事が起きる気がするから、入ってみようかな……)

 

こころ「夏輝?」

 

夏輝「うん、メンバーになるよ。でも楽器とか殆どやったことないから、演奏はしないで皆のサポートするメンバーでいいなら入りたい!」

 

こころ「勿論!それでいいわよ!」

 

俺は"入る"と伝えたことで、メンバーとなった。

 

その後、俺とオレンジ髪の子と自己紹介をした。名前は北沢はぐみで、家がこの商店街で精肉店をやっている事、コロッケが美味しいと教えてくれた。

 

こころと同じく、名前を呼び捨てでいいみたいで、はぐみと呼ばせてもらう事になった。

 

俺もはぐみに名前を教えると"なーくん"というあだ名で呼ばれた。別に嫌ではないので気にしなかった。

 

ただ、お姉ちゃんが、かのちゃん先輩と呼ばれた時は少しびっくりしたけど、本人は嫌そうじゃなかったので、こちらも気にしなかった。

 

お互いに自己紹介をした後に、解散となった。俺とお姉ちゃんは、はぐみの家でコロッケを買って食べながら家に帰った。はぐみが自慢したくなるのが分かるほど、美味しかった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

~翌日~

 

 

昨日の事が過ぎて翌日になった。

 

授業とホームルームが全て終わり、荷物をまとめてから花咲川女子学園に向かうために学校を出た。

 

 

花女に向かってる理由は、今日の昼休みにお姉ちゃんからスマホにメッセージが来たからだ。

 

今日の放課後(今だけど)に、こころの家でバンドの話をするから集まるという事になったらしい。

 

それでお姉ちゃんが俺もこころの家に行けるかどうかの確認の連絡してくれたんだ。

 

今日は部活もなく他にも特に予定がなかったので、俺は"行く"と返事をして、花女の校門前を待ち合わせ場所にしたという事だ。

 

同じ学校の薫先輩はファンに囲まれていたので、放っといた。

 

ーーーーーーーーー

 

しばらくして、花女の校門が見えてきた。その校門前には、お姉ちゃんとこころとはぐみがいたので、声をかけた。

 

夏輝「おーい!」

 

花音「あ、夏くん」

 

はぐみ「なーくん、やっと来たー!遅いよー」

 

夏輝「ごめんごめん。これでも急いだ方だよ」

 

はぐみに一言謝った。

 

こころ「薫は、家に直接来てくれるみたいだから、ここの皆は今から家に行くわよ!」

と、こころが言って歩き始めたので、こころの後ろを付いていく感じで、家まで向かった。

 

家に向かう時に、お姉ちゃんと手を繋いだ。

 

理由としてお姉ちゃんは極度の方向音痴で、学校までの登下校でも迷いかけた時があるぐらいだ。稀な事だと何人かで出掛けた時でさえ、いつの間にか迷子になってしまう時があるからだ。

 

だから、出来るだけ手を繋ぐようにしている。

 

そうして、皆と話をしながら家まで向かってる時に、ふと気になったことがあった。

 

夏輝(何か同じ壁がずっと続いてるんだけど……)

と、建物を囲う塀が続いてるにちょっと疑問に思ってると、こころが止まった。

 

こころ「皆、着いたわ!ここがあたしの家よ!」

と、止まったこころがそう言ってきたから、家を見てみた。

 

夏輝「……何……この家……」

 

弦巻家について外観を見た瞬間、俺はそんな言葉ぐらいしか出なかった……。

 





次の話は完成してないので、遅くなると思います。

今回はヒロインの美咲が出てきてないですが、次回には出します。
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