ヴァンガード・ゴシック   作:栗山飛鳥

7 / 25
第7夜「深淵をどよもす鎮魂曲」

「このファイトで僕が勝ったら、僕のおねがいをひとつ聞いてもらえませんか?」

 口に出してみて、少し唐突だったかなと如月(きさらぎ)リュートは少し後悔する。だが、一度放たれた言葉に、もう取り返しはつかず、それはすでに夜色のドレスを着た白髪の女性に届いてしまっていた。

「構わないよ」

 こういう時の鈴導(りんどう)カミラは必ず即答する。負けず嫌いなのだ。

 正直、危なっかしい悪癖だとは思うが、それは彼女が大抵の難題は自身の器量でどうにかできると考えている自信の表れだ。

 事実、それを裏付けるかのように、カミラはすぐさまこう返してきた。

「では、私からも提案だ。このファイトで私が勝てば、君に私の望みを叶えてもらおうか」

「……!?」

「どうしたのかな? まさか嫌とは言うまいね。人に賭けを要求しておいて、自分が同じ条件を突きつけられるとは思わなかったのかな?」

 思わなかったこともなかったわけではないが、それ以上に、健康面以外では自分よりよっぽど恵まれた立場にいるカミラが自分にしたい願いごとなどというものが想像つかなかったのだ。

 彼女のことだから、からかっているだけという可能性もあるが、ひょっとしたらファイトに無粋な賭けを持ち込んだことを怒っているのかも知れない。その場合、相当の無理難題を吹っ掛けられることは覚悟しておいた方がいいだろう。友達を100人作れとか言われたら、カミラどころか、自分の一生を賭けても叶えられる気がしない。

(……いや! 何を弱気になっているんだ、僕は! 別に勝てば済むことじゃないか! 今日ばっかりは絶対に勝つ! そして、このおねがいだけは、カミラさんに叶えてもらうんだ!)

「……問題ありません」

 自分に言い聞かせるように。それでもカミラからはけっして目を逸らさずに、リュートは賭けに同意して頷いた。

「そうこなくてはね。それでははじめようか」

 いつもの公園のベンチの上では、すでにカード達がファイトをはじまるのを今か今かと待ち詫びていた。

「「スタンドアップ! ヴァンガード!」」

「《九尾の妖狐 タマユラ》!」

「《ゼロから始める体力作り ルーテシア》」

 

 

 ――時は少し遡る。

教授(プロフェッサー)っ! ダイナミックの本戦権利獲得おめでとうっ!!」

 カードショップ『ニアミント』のフリーファイトスペースで、まだ伸びきっていない短い髪をサイドテールにした女の子が、正面に座るスクエアフレームの眼鏡をかけた男性を祝福した。もしも手元にクラッカーがあれば派手に鳴らしそうな勢いだ。

 少女の名は高槻(たかつき)メイ。『ニアミント』常連の小学4年生だ。

「おや? もうその話が伝わっているとは。さすがはメイちゃん。情報通ですね」

 読んでいたカードゲーム雑誌から顔を上げ、眼鏡の男性が穏やかな笑みを浮かべる。

 白髪混じりのボサボサ髪に、白衣のようなよれよれのワイシャツ。身なりこそイマイチだが、それを補って余りある人の好さが、その笑顔から滲み出していた。

 男性の名は(たちばな)キョウジ。『ニアミント』最強のファイターである大学1年生だ。

「……だいなみっく?」

 聞きなれない単語を耳にし、リュートは首を傾げた。

「やだ。リュート知らないの? (おっく)れてるー」

 ここぞとばかりにメイが煽ってくる。

「こらこら。ダメですよ、メイちゃん。

 ダイナミックは、ヴァンガードの全国大会ですよ。今月から各地で予選が開催されています」

 メイをたしなめながら、キョウジは読んでいた雑誌をぺらぺらとめくり、そのダイナミックという大会が紹介されているページを広げてくれた。

「すごい……。全国4か所で権利戦を開催。権利を獲得したファイターで決勝大会か……!!」

「それだけじゃないよ? 会場ではいろんな催し物が行われるんだから! 物販では限定商品も販売されるし、対戦コーナーでは知らない人といっぱいファイトできるし、ステージにはゲストとしてプロファイターが招かれることだってあるの!」

「なるほど。本戦に出場する人じゃなくても楽しめるわけか……。決勝大会は12月開催。場所は…………!?

 ここって『ニアミント』から電車ですぐじゃないか!!」

「そういうこと! 教授! あたし、応援に行くね!

 ああーっ! 今から12月が楽しみーっ!!」

 メイが待ちきれないとばかりに、きゅーっと小さな両拳を握りしめる。

「ねっ! リュートももちろん見に行くよねっ!!」

 さらに話を突然振られて。

「……えっ? ……う、うん。……もちろん、行きたいな」

 それに即答できなかったリュートがいた。

 本当は行きたくて仕方がないはずのに、それでいいのかと、心に引っ掛かりを覚えた。

「……リュート?」

 メイが訝しみ眉根を寄せる。

 ――とそこで。

「ショップ大会をはじめまーす! 参加者はこっちに集まってくださーい!」

 若い女性の声、『ニアミント』店長の声がファイトスペースに響き渡った。

「あっ! いけない!

 今日は教授も参加していくよね!?」

「……そうですね。今は大学の課題も少ないですし。ダイナミックに向けた練習として参加しておきましょう」

「あはは! あたし達が全国大会権利獲得者の練習相手になんかならないよー」

 すっかり大会モードに頭が切り替わったメイは、リュートの不審な言動など完全に忘れ去ってしまったようで、これ以上の追及をされることは無かった。

「…………」

 だが、自分でも正体不明は感情は今なおリュートの中で蠢き、不自然なしこりを残していた。

 なお、ショップ大会は当然のことながらキョウジが圧倒的実力を見せつけて優勝した。

 

 

 ――その次の日

「ねえ、リュート。今年のダイナミックはどうするの?」

 ゴス高カードファイト部の部室にて。目の下にどんよりとしたクマを作った、クセのある長い黒髪の少女にそう尋ねられた。

 彼女の名は雨宮(あまみや)ジュジュ。リュートと同じゴス高カードファイト部の、数少ない部員のひとりである。

「……え?」

 この時もまた、リュートは返答に窮してしまった。

「あら? ダイナミックを知らなかった? ダイナミックと言うのは……」

「そ、そのくらいはもちろん知ってるさ!」

 知ったのは昨日で、それも他人から教えてもらったのだが、見栄を張って、昔から知っていた風を装う。

「……ふうん。じゃあそのダイナミックだけれど、ゴス高カードファイト部として見学に行くのはどうかしら?

 今年は部の設立が遅くて大会には出場できなかったけど、活動実績的なものを作っておかないと、先生方や生徒会がうるさいのよね」

「そ、そうなんだ……」

 それじゃあ行かなくちゃねと出かかった言葉が、何故かまた詰まる。

 しばらく不自然な沈黙が狭い部室を満たした後、ジュジュの大げさな嘆息がそれを吹き飛ばした。

「当ててあげましょうか?

 あなた、本当はカミラさんとダイナミックに行きたいんでしょう?」

 ジュジュの指摘に、リュートの心臓がどくんと高鳴る。

「……それは無理だよ。ダイナミックにはたくさんの人が来るんだよね? 体の悪いカミラさんが行けるはずない……」

「私はあなたの気持ちを聞いたのだけれど?」

 言い訳するように言葉を並べるリュートをぴしゃりと黙らせる。

「カミラさんにダイナミックの話はしたの? 本当に行けないのか、どうやったら行けるようになるとか相談はした?

 たしかにデリケートな問題かも知れないけれど、そんな話をしたぐらいで崩れるほど、あなた達の絆は脆いものだったのかしら?

 私は一夜だけ、近くであなた達を眺めていただけだったけれど、それでもそんなふうには見えなかったわよ?」

 その言葉を受けて、カミラの病気を理由に、無意識に蓋をしていた感情が決壊した。

(……僕は、あの人と。カミラさんと、ダイナミックに行きたい)

 ショップ大会でもあれほど楽しかったのだ。全国規模の大会となれば、どれだけだろう。

 あの夜、カミラが最後に告げた言葉を思い出す。

 

 ――これからも頼りにさせてもらうよ……リュート

 

 彼女の信頼に応えるのは、何をするのが正解なのか。

 彼女の体を気遣い、残りの時間を無難に過ごすことか。

 それとも――

「ごめん、ジュジュ。今日は早退してもいいかな?」

「ええ。後片付けはやっておくわ。……ひひっ」

 いつもの調子で、少し嬉しそうにジュジュが笑った。

「ありがとう! それじゃ、また明日!」

 リュートは出していたカードを片付けると、足早に部室を飛び出して行った。

 

 

「……まったく、世話が焼けるわねえ」

 誰もいなくなった部室で、ジュジュは独りごちた。

「本当に鈍感なんだから。自分の気持ちにも、他人の気持ちにも。ねえ?」

 誰もいなくなったはずの部室で、問いかけると、その言葉が向けられた先で、ぼんやりと人影が浮かび上がる。

 それは比喩でもなんでもなく、本当に半透明になって透けており、文字通り宙に浮いた少女であった。

 彼女はゴス高を彷徨う自縛霊であり、ゴス高カードファイト部の一員ではあるが、リュートは断固として否認している。

 なので、こうしてジュジュが部室でひとりになった時、もといふたりきりの時に限り、ジュジュが話し相手になってあげているのだ。

「最初に会った時はあなた、リュートの前にも姿を現していたと思うのだけれど、最近はまったく姿を現さなくなったわよね」

「…………」

「『私が姿を見せると、リュート君が怖がるから』? ……健気ねえ」

 幽霊少女がぱくぱくと口を開き、ジュジュが読唇術でそれを翻訳する。

「それにしても、リュートを唆した私の自業自得とは言え、今日はずいぶんと時間が余ってしまったわねぇ。

 ……そうだ。あなたも一度、ヴァンガードをやってみない?」

「……?」

 幽霊少女がきょとんとした顔で、自分を指さす。

「ええ。ずっとここにいて、さすがにルールは覚えたでしょう?

 あそこに余ったカードがいっぱいあるから、試しにデッキを組んでみたら?」

 ジュジュが視線を向けたのは、部屋の一角に置かれてあるストレージボックスだ。ジュジュのオカルト趣味が反映された内装にはやや不似合いな代物だが、リュートとジュジュがこれまで買ってきたパックの余りがまとめて置かれてある。ふたりともパックはよく買うので、この3カ月余りでも十分な数が貯まっていた。

 幽霊少女がふわふわとストレージに近寄り、カードを吟味し始める。リュートがこの場にいれば、「カード、手に持てるんだ」と指摘していたに違いないが、残念ながら(ツッコミ)はこの場にいない。

 それから1時間足らずで、彼女はデッキを組み終えた。ひょっとしたら、既に構想はあったのかも知れない。

「準備はできた? それじゃあ、はじめましょうか。……ひひっ」

「…………」

 少女がおずおずとファーストヴァンガードを置き、カードを引く。

 ジュジュも慣れた調子でそれに続いた。

「スタンドアップ! ヴァンガード!」

 部室にジュジュの掛け声だけが響く。

「《夢齧り》!」

 そして、幽霊少女がめくったカードも、同じく《夢齧り》であった。

 

 

「《怨念鎖》にライドして、そのスキルで2枚ドロー。手札から《混濁の瘴気》を捨てるわね」

 後攻のジュジュが慣れた手つきでいつも通りに動き出す。

 当然と言うべきか、ライドラインが同じなので、前のターンの幽霊少女も同じように動いていた。

(さてさて。彼女のデッキはゾルガかしら? 私と同じ《鉄錨の憤竜》? それとも――)

「このアタックで確かめさせてもらうわ。《怨念鎖》でヴァンガードにアタック」

 幽霊少女は(ヒール)トリガーでガード宣言。

「……そういうこと。ドライブチェック……(クリティカル)トリガーだけど、アタックは通らないわね」

 幽霊少女がカードを引き、《黒涙の骸竜》にライド。ドロップゾーンからオーダーを手札に加え、続けてヴァンガードでアタック宣言を行う。

「ノーガードよ」

 幽霊少女のドライブチェックでトリガーはめくれなかった。

「私のターン。スタンド&ドロー。私も《黒涙の骸竜》にライドして、ドロップゾーンから《混濁の瘴気》を手札に。

 そしてその《混濁の瘴気》を手札から捨て、オーダーカード《寄る辺亡き魂よ、我が身に集え》! このターン、骸竜のドライブ+1!

 さらにドロップゾーンから《彷徨の獄竜》をコール! パワー+10000!」

「……!?」

「『いつの間に?』って言いたげな顔ね。もちろん最初のライドコストでよ。

 さあ、ドライブ2の骸竜で、ヴァンガードにアタック!!」

 幽霊少女はノーガードを宣言する。

「ツインドライブ!!

 1枚目、トリガー無し。

 2枚目もトリガー無しよ」

 幽霊少女もダメージチェックではトリガーは引けず、続く獄竜のアタックは治トリガーでガードした。

「さあ、あなたのターンよ」

 ジュジュが促し、幽霊少女は小さく頷くと、ライドデッキに残されたカードに指をかけ、青白い唇がその名を高らかに叫ぶように動く。

「『ライド! 《廃滅の虚竜》!!』」

 遥か彼方の水平線に望む幽霊船(リグレイン)から巨大な影が飛び立ったかと思うと、骨だけとなった虚ろなる竜が水飛沫を上げながら海面すれすれを飛翔して迫り来る。

 幽霊船の船長であり、稀代の死霊術師でもあるゾルガが、偉大なる竜の亡骸から生み出した、最強最大たる船の守護者。

 僅かばかりに翼膜の残された翼を、まさしく幽霊船の帆の如く広げ。胡乱な眼が生ある者の気配を感じ取り、その奥底に灯る蒼白の炎が、獲物(ジュジュ)の魂を捉えたとばかりにゆらりと揺れた。

「《廃滅の虚竜》のスキル。それは……」

「『登場時、ドロップゾーンから《死招きの黒呪術》をプレイします』」

 言いながら、幽霊少女がカードを2枚引く。

 ドロップゾーンのオーダーカードをノーコストでプレイできる。文章にすればそれだけで、ともすれば地味にも見えるスキルだが。

(レギュレーションによっては《廃滅の虚竜》の投入枚数に制限がかけられるほどの、強力かつ、可能性に満ちたスキル。

 実際、このゲームで2枚ドローしようと思えば、カウンターコストにして2枚は必要なところをノーコストでやってのけた。それだけでも厄介なのに……)

「『さらに、オーダーがプレイされたので《腐滅の纂竜》2枚をスペリオルコールします』」

 これらはライドコストでドロップゾーンに送っていたのだろう。

「人の獄竜には驚いていたのに、あなたも抜け目無いじゃない。本当にヴァンガードは初めて?」

 ジュジュが賞賛すると、幽霊少女は照れたように微笑み、すぐに表情を引き締めると、次の手を繰り出す。

「『《パフォーミングペタル ディアンサ》をコール。ディアンサのスキルでドロップゾーンから《夢齧り》をスペリオルコール。

 バトルフェイズです。

《廃滅の虚竜》でヴァンガードにアタック!』」

「《深淵誘い》でガードよ」

「『ツインドライブ!!

 1枚目……(フロント)トリガー! 前列すべてのパワー+10000します!

 2枚目……こちらはトリガーではありません』」

「ひひっ……貫通してしまうんじゃないかと、少し焦ったわ」

「《夢齧り》でブーストした纂竜でアタックします」

「ノーガード。……トリガーは無しね」

「ディアンサでブーストした纂竜でアタック」

「これもノーガード。……トリガー無し」

 幽霊少女はターンエンドし、ジュジュのダメージ3に対し、幽霊少女のダメージは未だに1である。そればかりか、5ターン目にも関わらず少女の手札は9枚。

「そうこなくてはね。……ひひっ」

 それでもジュジュは嬉しそうに笑った。

「我が魂を喰らい、蘇れ! ライド! 《鉄錨の憤竜》!!」

 深淵の底から水柱をあげて飛び出した腐れし竜が、ジュジュの魂を一口で呑み込んだ。

 全身に鎖を巻き付けたその腐竜は、その先端にある錨を振るい、涎を撒き散らしながら吠え猛る。

 虚竜もそれに応じて、怨嗟にも似た雄叫びをあげた。

 同じ主から生まれた兄弟とも言える2体の死竜が、今、絶海の果てで相争い、喰らい合う。

「まずは《鬼首狩り》をコール。続けて《粘糸怪人 アクチアスティッキー》をコール。そのスキルで《鬼首狩り》と《彷徨の獄竜》を退却。1枚ドロー。

 さて……私達のファイトをずっと見てきたあなたなら、墳竜のスキルはご存じでしょう?

《鬼首狩り》のスキルでコスト軽減! 手札とドロップゾーンの《混濁の瘴気》を二重魔合成!!」

 墳竜が錨を海面に叩きつけると、そこから瘴気が膨れ上がり、爆発した。

 生者であれば、触れるだけで腐り落ちて骨も残らないような嵐の中で、死者は力を増し、水底から新たな命を得て蘇る。

「ドロップから《鬼首狩り》をスペリオルコール! 前列ユニットに+5000するスキルを墳竜に与える!

 さらにドロップから《深淵誘い》をスペリオルコール! 同じパンプスキルももう1回! これで前列ユニットに合計+10000!

 そして、オーダーが魔合成によりプレイされたので、ドロップから2体の《彷徨の獄竜》が蘇り、パワー+10000! ★+1!

 さぁて……バトルよ」

 ジュジュが舌なめずりをしながら告げる。

「《深淵誘い》のブースト! 《鉄錨の墳竜》でヴァンガードにアタック!」

 幽霊少女はノーガードを宣言。

「ツインドライブ!!

 1枚目……★トリガー! 効果は右の獄竜に!

 2枚目……前トリガー! 前列にパワー+10000!」

 幽霊少女のダメージゾーンに2枚のカードが置かれていく。そのうちの1枚は前トリガー。

「アクチアスティッキーのブースト! 獄竜でヴァンガードにアタック!」

 幽霊少女はそれを2枚のトリガーでガードする。

「《鬼首狩り》のブースト! 獄竜でヴァンガードにアタック!」

 それも完全ガードで防がれた。

(理想的な引きだったのに、2点しか与えられなかっただなんてね……)

 ターンエンドを宣言しながら、ジュジュは内心で舌を巻く。

「『《廃滅の虚竜》にペルソナライド!』」

 虚なる竜の内側に灯っていた蒼白の炎が燃え上がり、つんざく咆哮が空を裂く。その空虚な躰から放たれる絶叫は、まるで哭いているかのようだった。

「『《廃滅の虚竜》の効果で、ドロップの黒呪術をプレイして2枚ドロー』」

 幽霊少女はそのままユニットをコールせず、バトルを宣言する。

(8枚ある手札は温存。これはまずいわね……)

「『《廃滅の虚竜》でヴァンガードにアタックします!』」

「ノーガード」

「『ツインドライブ!!

 1枚目、トリガーはありません。

 2枚目、こちらもトリガーではありません』」

(けど、手札に加わったのは3枚目の《廃滅の虚竜》と《四精織り成す清浄の盾》……。手札も10枚になった)

 虚竜が4本の腕を広げ、その先端から伸びる鋭い爪で墳竜を千々に斬り裂いた。

「ダメージチェック……治トリガーよ。ダメージ回復させてもらうわ」

 だが、腐れし墳竜は驚異的な再生力で、その肉体を復活させる。

「『《夢齧り》のブースト。纂竜でヴァンガードにアタック』」

「《深淵誘い》でガード」

(はっきり言って、この子のアタックは怖くない……)

 幽霊少女のアタックを捌きながら、ジュジュは冷静に状況を分析する。

「『ディアンサのブースト。纂竜でヴァンガードにアタック』」

「ノーガード。……トリガーは無いわ」

(けど、勝ちきれない。あの子のドロップゾーンには既に《ゴースト・ビルク》がある。やろうと思えば、廃滅の虚竜や完全ガードをデッキに戻しつつ、山札を回復することができる)

 そうなれば、デッキ切れで負けるのは自分の方だろう。

「スタンド&ドロー。《鉄錨の墳竜》にペルソナライド。

 アクチアスティッキーのスキルで、《彷徨の獄竜》2枚を退却させて1枚ドロー……!?」

 引いたカードを見て、ジュジュはほんの一瞬目を見開いたあと、楽しそうに口の端を大きく上げてにんまりと笑った。

「なら、このターンで勝ちにいくしかないわねえぇ。

 私は手札から《混濁の瘴気》と《四精織り成す清浄の盾》を捨て……」

「!?」

 今度は幽霊少女が目を見張る番だった。どちらもジュジュのデッキでは重要なカードのはずである。

「《寄る辺亡き魂よ、我が身に集え》を二重魔合成!! このターンのドライブ+2!! 2体の《彷徨の獄竜》も蘇る!!」

 数多の命を呑み込んできた海の底から、無数の魂が浮かび上がり、墳竜の全身に宿る。その腐り果てた全身が黄金色に輝き、誇り高き海竜だった生前の面影を僅かに覗かせた。

「ひひっ……ひっ、ひひっ……ひいひひひひひっ! バトルよ!!

《深淵誘い》のブースト! 《鉄錨の憤竜》でヴァンガードにアタック!!」

「『ブ、ブリッツオーダー《封じられし道》を使います! 墳竜の★を-1!』」

「そんなカードまで。つくづく守りに特化したデッキねえ……その守りを打ち破る瞬間は、さぞ快感でしょう!!

 クアドラプルドライブ!!!!

 1枚目、引トリガー! 1枚引いて、パワーはすべて右の獄竜に!

 2枚目、トリガー無し!

 3枚目、治トリガー! ダメージ回復し、パワーは右の獄竜に!

 4枚目…………届いた」

「!?」

(オーバー)トリガー!! 《天恵の源竜王 ブレスファボール》!!」

 赤い舌をべろりと出し、ジュジュが高らかに宣言した。

「このカードを除外し、1枚ドロー。左の獄竜にパワー1億!!

 さらに追加効果も発動! 1枚ドロー! 墳竜の★+1! 前列のパワー+10000! さらにダメージ回復!!」

 幽霊少女のダメージチェックでトリガーはめくれない。

「パワー68000になった右列の獄竜でヴァンガードにアタック」

「……!?」

 幽霊少女が手札にある1枚のカードに指を触れた瞬間、その動きが止まった。

「《四精織り成す清浄の盾》、かしら?」

 ジュジュがそのカードをぴたりと言い当てる。

「残念だったわねえぇ。このターン、あなたは既にブリッツオーダー《封じられし道》をプレイしている。清浄の盾は使えないのよ。

 土壇場でプレイング……いえ、構築にミスが出たかしら? 《封じられし道》を採用するなら、守護者はノーマルユニットにしておくべきだったわね」

「『……ノーガード』」

 幽霊少女の震える唇が悔しそうに動いた。

「『ダメージチェック……1枚目』」

 5枚目のカードがダメージゾーンに置かれるが、治トリガーは出ない。

「『ダメージチェック……これが2枚目』」

 墳竜が低く唸ると、それを合図に2体の獄竜が猟犬の如く虚竜に飛び掛かり、喰らいつく。墳竜はすかさず竜王の奇跡が宿る錨を頭上で回転させると、身動きの取れなくなっている虚竜めがけて投げ放ち、それは味方である獄竜ごと虚竜を打ち砕いた。

 虚竜と獄竜。飛び散った3体分の破片が怪雨の如く降り注ぐ。目に映るすべてを排除した墳竜は、再び深淵の底へと沈んでいった。

 

 

 幽霊少女が6枚目のカードをダメージゾーンに置く。

「私の勝ちね。まあ、こんなものかしら。……ひひっ」

 ジュジュが笑い、幽霊少女も悔しさを滲ませながらも微笑んだ。

「ずっと私達のファイトを見ていたとは言え、初めてのファイトでここまでやれるだなんて、すごいじゃない。

 どう? もう一戦……」

 ジュジュが尋ねるが、幽霊少女は悲しそうに首を振ると、使っていたデッキをまとめて差し出した。

「……あら? いいのよ、それはあなたが持っていて。この子達は、もうあなたのデッキなのだから」

 だが、幽霊少女はなおも首を振ると、ゆっくりと立ちあがった。

「……そう。もう、逝くのね?」

 いつになく神妙な顔をして、ジュジュが確認する。幽霊少女は静かに頷いた。

「最後にひとつ野暮を聞いてもいいかしら? あなたはどんな心残りがあって、この地に縛られていたの?」

 幽霊少女は答えるべきか少しだけ逡巡した様子を見せながらも、気恥ずかしそうに顔を逸らし、口をぱくぱくと開いた。

「『死ぬ前に一度だけ、恋をしてみたかった』……? ……あらあらあら、まあまあまあ!」

 ジュジュが口元を押さえて下世話な笑みを浮かべながらも通訳を続ける。

「『無視されながらも一生懸命にポスターを配り続けるリュート君に出会って、心を惹かれた。

 けど、私の想いはあの人に届かないと、今日、はっきりと分かったから。

 私が幽霊だからじゃなく、あの人の心の大部分を占めている女性がすでにいる。だから、私は身を引きます。

 ただ、最期にあの人があれだけ夢中になれるヴァンガードを私もやってみたかった。……本当に楽しかった』」

「……ええ、私もよ」

「『もっと早くに始めていればよかったなあ。そうしたら、あの人にヴァンガードを教えていたのは、私だったかも知れないのに……。なんて言っても仕方ないですね!

 短い間でしたが、本当にありがとうございました。私のことも部員として認めてくれて嬉しかったです。……さようなら』」

 もともと半透明だった幽霊少女の体が、さらに透けていく。

「あ、待って!」

 ジュジュは少女が使っていたデッキを掴み取ると、その消えゆく手の中に押しつけた。

 幽霊少女は驚いてジュジュとデッキを交互に見やる。

「やっぱりこれはあなたが持って逝きなさい。天国の神様も、地獄の鬼も、たった50枚のカードの持ち込みすら許してくれないほどケチじゃないでしょうよ。……ひひっ」

 幽霊少女は泣き笑いのような表情を浮かべ、大切そうにデッキを胸に抱いた。

 そして次の瞬間、少女の姿が溶けるように消え、宙空に残されたカードの束がばさりと地面にばら撒かれた。

「……やっぱり無理があったかしら?」

 ジュジュは無念そうに呟くと、丁寧に1枚ずつカードを拾い上げていく。

「……あら?」

 すべてのカードを拾い上げたところで異変に気付く。ジュジュの手の中にはカードが49枚しか残って無かった。

(……足りないのは《廃滅の虚竜》?)

「……そう。あなたは、あの子と逝くことを選んだのね」

 ジュジュが殺風景な天井を見上げると、気高き心を取り戻した竜の魂が、小さな魂を導くようにして共に天へと昇っていくのが見えたような気がした。

 これでもう彼女が彷徨うことはないだろう。

「さようなら。明日、リュートに会ったら、あなたの代わりにひっぱたいておくわ」

 いつまでも名残惜しそうに天井を見上げながら、黒髪痩身の少女はいつものように「ひひっ」と不気味に笑うのであった。

 

 

「《幻耀の魔導姫 ルーテシア》のアタック終了時、ソウルに呪術演出が4枚あるので、このユニットをスタンド!

 ルーテシアでヴァンガードにアタック!」

 ダークエルフの少女が指で無数の魔法陣を描くと、そこから色とりどりの紙吹雪が舞い散り、視界を鮮やかに埋め尽くした。

「……ノーガード」

「ドライブチェック! ……治トリガー! ダメージ回復し、パワーは右のノートリアに」

「……ダメージチェック」

 幾度となく繰り返してきた夜のように、今日もまたリュートの敗北が確定する。

「……いや! 治トリガーっ! 治トリガーですっ! ダ、ダメージ回復っ!!」

 めくれた治トリガーを見せつけるようにして、リュートが宣言した。

「《クーリング・ハート ユイカ》のブースト。《両手じゃ足りない幸運 ノートリア》でヴァンガードにアタック!」

「《ツインバックラー・ドラゴン》で完全ガードっ!」

「……ふむ。《授業はタイクツ モディート》でブースト。もう1体のノートリアでヴァンガードにアタック」

「《コンダクトスパーク・ドラゴン》でガードっ! リリミとララミでインターセプトっ!!」

 手札とインターセプトすべてを使いきって生き残ったリュートは、ドローしたタマユラにペルソナライドすると、バトルフェイズを宣言する。

 カミラのダメージは4点なので、あと2点を与えなければならないのだが、リアガード2体のアタックはあっさりと防がれ、続くタマユラのアタックにも完全ガードが繰り出された。

「ツインドライブ!!

 1枚目、トリガー無し。

 2枚目……!? 超トリガー!! パワー1億をリリミに与え、タマユラをスタンド!!

 もう一度、タマユラでアタックだぁっ!!」

「……ノーガードだよ」

「ダメージチェック!!

 1枚目、★トリガー!! ★はタマユラに! パワーはララミに!

 2枚目、これも★トリガー!! ★はタマユラに! パワーはララミに!!」

「これは……まいったね」

 カミラが苦笑しながらカードをめくる。

「ダメージチェック。

 1枚目のトリガーは無し。

 2枚目、治トリガー。ダメージ回復」

 しれっと回復され、リュートの表情が強張る。

(大丈夫だ……! まだ1点ある……!)

「3枚目……」

 カミラがカードをめくり、先にそれを確認した。

「……おめでとう」

 彼女は祝福しながら、それをトリガーゾーンに公開する。《幻耀の魔導姫 ルーテシア》のカードを。

 九尾の少女が生み出した鬼火に竜神が宿り、業火となって紙吹雪を焼き尽くす。

 火柱が月へと届くほどに天を衝き、宵闇を暁に染め上げた。

 

 

「や、やった……」

 込み上げてくる感情と共に、リュートの口から言葉が漏れる。

「はじめてカミラさんに勝ったぞぉーっ!!」

 深夜にも関わらず大声をあげてしまったとしても、今回ばかりは誰もリュートを責められまい。あとでカミラには叱られたが。

「6点治に、手札0枚からのペルソナライド! 超トリガーに、ダブルクリティカル!

 できすぎた展開のオンパレードでしたけど、勝ちは勝ちですよ!」

「もちろん。言い訳はしないよ。すべては君が諦めなかった結果だ」

 カミラは心から嬉しそうに惜しみない拍手を送った。

「さて。それでは聞かせて欲しいものだね。ファイトに無粋な賭けを持ち込んでまで、私にお願いしたかったことを」

 と思いきや、半眼になってリュートを睨めつける。やっぱり快くは思われていなかったらしい。

 正直言って、カミラに勝つことができた喜びが大きすぎて、賭けと、その内容など頭から抜けかかっていたのだが、どうにか記憶を蘇らせて、持参してきたカバンから1冊の雑誌を取り上げた。キョウジが読んでいたものと同じものだ。

 折り曲げていたページの端を目印に、リュートは雑誌を開く。ダイナミックの特集が組まれたページを。

「カミラさん! 僕と一緒にダイナミックに行きませんか!?」

 ひゅっと音が聞こえるほどに、カミラが息を呑み、唇を引き結んだ。見たことの無いカミラの表情に、その感情が読みとれない。

(……もしかしたら、絶交されるかも知れないな)

 心の奥底から湧いてきた最悪の想像を振り払うように、カミラが次の言葉を紡ぐよりも早く、続けてまくしたてる。

「そのっ! カミラさんの体で大きな大会を観に行くのはとっても危険なことだっていうのは理解してます! けどっ! 僕は何も考えないうちから諦めたくないっ!

 どうすれば行けるのか、一緒に考えましょう! 僕にできることなら、なんだってします!

 だって、ショップ大会であんなに楽しかったんだ! 一緒にダイナミックに行けたら、想像もできないくらい楽しいに決まってる!

 もし……カミラさんに、本当に時間が無いのなら、せめて最高の思い出を作りましょう!」

「…………」

 カミラは唇を引き結んだまま、じっとリュートの主張を聞いていた。

 その言葉が途切れた後も、変わらずリュートの瞳をずっと見つめていた。

「…………ふっ」

 やがてカミラの薄紅色のが僅かに綻んだかと思うと。

「ふっ、ふふふっ、あはははっ! 何だ! そんなことか!」

 彼女は腹を抱えて笑いだした。

 想定外の反応に、リュートは雑誌を開いたまま何も言えないでいる。

「ああ、おかしい! 私が勝ったらリュートにおねがいしようとしていたことと、まるっきり同じじゃないか!」

「……え? ……ええ!? そ、それって……」

「すべて君の言う通りだ。何もしないうちから諦めることはしたくないし、残りの人生を悔いなきよう楽しんで生きるという私の生き方に反する。

 家に迷惑をかけたくないという一心から、どうもこの件には消極的になりすぎていたと、この前のショップ大会で思い知ったところだ。私には、こんなにも頼りになる友人がいたというのにね。

 私からもお願いするよ、リュート。どうか私をダイナミックに連れて行って欲しい。そのためにできることを一緒に考えよう。私も足掻けるだけ足掻いてみようじゃないか」

「……は、はいっ!!」

 仰々しく差し出されたカミラの手を取ろうとして――。

「お待ちください」

 けして大きくはないが鋭い声音に、リュートの手がぴたりと止まった。まるで肉食獣に睨まれているかのような重圧を感じ、指先すらまともに動かすことができない。

「……やれやれ。やっぱり君は反対なのかな? ――ロウ」

 カミラが平然と、重圧が放たれている方向へと視線を向けた。そこにはいつの間にか、灰色の髪をひっつめにして束ねた、褐色肌の男が立っていた。

 リュートは首すら動かすことができなかったが、カミラの言い方からすると、そういうことなのだろう。

 そして、その男――鈴導家の執事である大神ロウが自発的に姿を現したのは、カミラが倒れた時を除けば初めてのことだとも思い至った。

「当然でございます。ダイナミックは、数あるヴァンガードの大会の中でも、もっとも人が集まる大会。考えるまでもなく、カミラ様には危険すぎるかと」

 放たれる殺気にも似た気配とは裏腹に、ロウはあくまでも丁寧に進言した。

「……それにその日、ダイナミックの開催日は、鈴導家にて名家を招き宴席が催される日。執事の筆頭たる私も参加しなければならず、私はカミラ様についていくことができません」

「へっ!?」

 素っ頓狂な声をあげたのは、リュートだ。

 リュートはロウのことをよく知るわけではないが、非常に優秀な執事だということは嫌というほど理解していた。

 口では格好いいことを言いつつ、カミラに万が一のことがあってもロウなら何とかしてくれるという打算があったことは否めない。

「……もちろん私はカミラ様の従者です。あなた様が望むのであれば、宴席よりもダイナミックへの随行を優先致しますが」

「いや。それはやめておこう。私がわがままを言って、迷惑をかけてもいいのは、君とリュートだけだと決めている。その日は、父上と母上を支えてあげて欲しい」

「承知致しました。

 では、改めまして私は、カミラ様がダイナミックを観戦されることに反対致します。私も無しにかの大会へと向かわれるのは、自殺行為に等しいかと。

 万が一、カミラ様が会場で倒れることがございましたら、鈴導家はもちろん、ダイナミックそのものに迷惑をかけかねません。最悪、大会が中止になることすらありえます。それこそカミラ様の本意では無いのでは?」

「……ふむ。ロウの意見ももっともだ」

 顎に手を当て言いながら、カミラの視線はリュートに向いた。

「僕にできることならなんでもする、と言ったね?」

「はいっ!!」

 リュートは即答した。ここで即答できなければ、たぶんカミラはロウの進言を受け入れただろう。

 内心ではロウを頼っていたとは言え、その覚悟も嘘ではない。

「では、こうしよう。

 ロウ。君は今から1ヶ月、君の知識と技術をリュートに叩きこんでくれたまえ。もちろん、私の健康に関する範囲だけでいい。

 私に処方する薬の説明や、私に何かあった場合の応急処置の方法とかかな?

 リュートがロウの代わりをできるようにね。

 ただし1ヶ月後、リュートが君の求めるレベルに達していないと判断した場合、この話は無かったことにしよう。賭けを反故にするのは心苦しいが、命とダイナミックがかかっているのでね」

「かしこまりました」

 今度はロウが即答して、深く頭を下げる。

「リュートもそれでかまわないね? ロウの授業は厳しいと思うが、頑張ってくれたまえ」

「は、はい……」

 放たれていた重圧が解け、リュートはようやくロウへと向き直ることができた。そこでぴたりと視線が合ってしまう。

「よろしくお願い致します、リュート様」

 必要以上に慇懃な礼からは拒絶が感じられたような気がした。




作中きっての何でもアリ! 雨宮ジュジュ回をお届けさせて頂きました!
さらに、リュートがカミラに(チュートリアルファイトを除けば)初勝利する重要な回でもあります。
本当はふたつに分けたかったのですが、尺の都合により、こうなりました。
ルーテシアもっと書きたかった……。
そして、特別ゲストとして登場した《廃滅の虚竜》!!
Pスタンで有名になりましたが、Dでも強いんです。
今も私が愛用するユニットです。

そして、ここからは次回予告。
次はいよいよ最後の国家、ダークステイツを使うキャラクターが判明します!!
ケイオスで間を繋いだりもしましたが、ずいぶんとお待たせしてしまいました。
ダークステイツ使いの皆様も、そうでない皆さまも楽しみして頂ければ幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。