大嫌いな幼馴染みと一緒に、セックスしないと出られない部屋に閉じ込められた   作:和鳳ハジメ

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クエスト13/ちょっと古くない??

 

 

 ――――セックスしないと出れない部屋・六日目。

 朝食後の二人の前に、天使のオッサンの姿があって。

 三人でテーブルと囲み、神妙な雰囲気が。

 

「どーもどーも、こうやって対面するのは数日ぶりでしたっけ? まぁそんな事はかまへんのや、今日はお二人にお話があって来たさかいに」

 

「もしかして、この部屋から出してくれんのか?」

 

「えっ、今日でこの部屋とはさよならなのねっ!!」

 

「そうやって勢いで流そうとしても、オッサンは流されまへんでぇ……。今日は他でもなく、――仕様変更とルール追加のお知らせに来たんやわ」

 

 不穏な言葉に、アキラと理子は目配せするとソファーから立ち上がり。

 

「疲れてるだろオッサン、肩でも揉むぜ? 今日はリラックスしていけよ」

 

「何飲む? ポイント余ってるから何でも注文してくれていいわ」

 

「ほな、お二人が今すぐイチャラブセックスしてくれまへん?」

 

「お帰りはアッチだぜ天使のオッサン」

 

「わたし、おまえ、ころす」

 

「お二人がセックスせーへんのが、いけんのでっしゃろう!?」

 

 手首をころころと回転させるアキラと理子に、それはそれとして尊みエネルギーを満喫するオッサン。

 天使は指ぱっちん空間転移で、二人をソファーに座らせ直すと。

 

「まず一つ目は、娯楽は一日三回、各一時間まで! それ以上はベロチューで実績解除でまんがな!!」

 

「非道ぇッ!? 天使のやる事かそれがッ!?」

 

「そーよそーよ!! わたしらを勝手に拉致監禁しといて娯楽まで取り上げるっての!?」

 

「いやね、オッサンは思ったんや。昨日の様なゆったりラブシーンも、その後のドタバタも悪うないけど……娯楽を制限した方がもっと楽しゅうなるって!! オッサン天使ぞ? 主導権はこっちにあるんや!! もっとオッサンにイチャラブとか嬉し恥ずかしとか見せてーやっ!」

 

「くッ……家主には逆らえん!!」「足下見やがってぇ……っ」

 

 悔しそうにする二人に、天使のオッサンは続けた。

 これは二人の様なケースが初めてだった事に起因する変更であるが、ある種、仕方のない事でもあるが。

 

「娯楽の使用制限はベロチュー、これが追加ルールや。んで次の仕様変更なんやけど……」

 

「ん? 何を見て――ッ!? くッ、オレの少女マンガは渡さんぞ!! 部屋から持って帰るんだ!!」

 

「残念ながら、部屋から持ち出せまへんよ? それはタブレットに最初から書いてあるで?」

 

「あれ? アキラ知らなかったの?」

 

「えッ、マジ!? 見落としてた畜生!! だからこんなに交換したのにッ!! 具体的には三分の一ぐらいは持って帰ろうとしてたのに!!」

 

「三分の二は読破するだったんですアキラはん?? まぁ、それに関係する事なんですがね。――本は基本的に電子書籍でおま、どうしても紙で欲しいなら倍のポイントになるんでよろしゅう」

 

「あー…………、そういや本棚無いもんなぁ。交換ページのリストにも無いし」

 

「それは仕方ないわね……」

 

「でっしゃろ?」

 

 二人が納得した所で、山になってる本をタブレットに収納。

 指先ひとつ振っただけで起こった現象に、アキラも理子もほへー、と感心したように眺めるだけ。

 もはや、奇跡のような技にも慣れっこだ。

 

「以上や! ならオッサンはこれで退散するでー、次に会う時は部屋から出て行く時だと嬉しいんやけど。――あ、そうそう、今日は特別に日替わりクエストかベロチューで娯楽解除かどっちかでエエで!! 選んでや!!」

 

「――――は??」

 

「なんですってっ!?」

 

 最後に小さな爆弾を一つ落とし、天使のオッサンはぱっと姿を消して。

 残るは綺麗になった部屋と、ベロチューというワードが頭を駆けめぐっている二人。

 

(べ、ベロチューだってッ!? そんな普通のキスだってまだなのにッ!! そ、そんな事…………してみてぇけどさぁ!! ちょっと順序とかあるじゃんかッ!!)

 

(ベロチューって、あ、アレよね、舌を入れる的な……~~~~っ、ううっ、す、するの? いやでも……)

 

(ッ!? こっち見てるッ!? なんで顔赤くしてんだよ!! そんな雰囲気!? そうなのか!? え? キスして舌入れる雰囲気なのこれッ!?)

 

(なんでジッと見てんのよっ!? まさかするつもり!? こんな理由で!? い、いえ落ち着くのよ、そういう雰囲気なってるのかもしれないし……い、いやでもっ!!)

 

 無言、火花は散らず。

 二人はもじもじと、視線を反らしたり合わせたり。

 数分ほど、とても焦れったい空気のままであったが。

 

「…………取りあえず、日替わりクエスト確認すっか」

 

「え、ええっ! そうしましょ!!」

 

「どれどれ、今日のは…………げッ」

 

「う゛っ、これするの……??」

 

 二人は思わず苦い顔、今日のは少し趣が違う。

 いつもなら双方向であるのに対し、今日のは。

 

『今日は男の方から迫ってみましょう! 壁ドンしてください、そして熱烈に口説くのです。※報酬ポイントは基礎報酬の10ポイントに、内容次第で上乗せボーナスがあります。是非とも高ポイントを狙ってください』

 

 そう、壁ドンで、しかもアキラの方から口説けときた。

 

「いやちょっと古くない?? 今、令和よ? 壁ドンって平成の時代じゃないの?」

 

「いや、少女マンガでも現役だぞ壁ドン」

 

「ああ、そんなもんなのね。確かに言われて見ればそうねぇ……」

 

「壁ドン……しかもオレから口説く……いや、どーすりゃ…………」

 

 頭を抱えるアキラの姿に、理子は悪いと思いつつも期待をしてしまう。

 どんな言葉で口説いてくれるのだろうか、どんな風に壁ドンするのだろうか。

 受け身で良いという点もあって、彼女としては傍観気分である。

 

「ま、わたしは何時でもオッケーよ、心の準備が出来たら言いなさいな」

 

「…………いや、今からやろう。壁ドンして口説けば良いだけだ」

 

「言っておくけど、変に暴走したら殴るからね」

 

「……………………わかった」

 

「即答しなさいよっ!?」

 

 何はともあれ、理子は壁際に移動しようとしたが。

 アキラの手によって引き留められる、いったい何だというのだ。

 そんな疑問の眼は、すぐに呆れの視線に変わった。

 何故ならば――。

 

「――これを着ろッ!!」

 

「え? 学校の制服じゃない、何で今更? アンタ、セーラー服が好みなの?」

 

「男としてそれは否定できないが――――、ちょっとお前の普段着、男の視線を意識しなさ過ぎで辛いんだが?? 確実に暴走するがよろしいか??」

 

「セーラー服で暴走しない可能性は?」

 

「…………………………少し?」

 

「だから即答しなさいよ断言しなさいよ!!」

 

 理子としては頭痛がしてきそうだ、だがアキラにとっても譲れない線であり。

 少しでも布面積や体の線を隠したい所存である、だって今日はパーカーを羽織っているとはいえ、巨乳を強調してしまうブラトップに短パンだ。

 

「なんでお前の部屋着はそんなんなんだよッ!! もうちょっとオレに配慮しろよ!!」

 

「はぁ~~?? いつもと同じでしょう、今まで何も言ってこなかったじゃんっ」

 

「そりゃこの部屋に来るまで恋愛対象から外してたから意識してなかっただけだろうが!! その時ですら体はエロいなって思ってんだが?? 多少は我慢してたんだが!? 夜遅くまでオレの部屋に居る時は泊まらせてたり家まで送ってたのはテメェが魅力的だからだろうがッ!!」

 

「~~~~っ!? うぁ、っ、ぁ、ご、ごめん…………」

 

「ッ!? ぁ、あ、ああッ、ちょっと言い過ぎたな、スマン……」

 

 理子とアキラは思わず俯いて、耳まで真っ赤に。

 顔を上げられない、向こうの顔を見れない。

 

(ず、ズルいわよ……そんな時からわたしを守って……少し、そう、少しは意識してたとか、今言うなんて…………)

 

(言っちまったぁあああああああああああッ、うわぁッ、なんで言ったんだよオレッ!? 言うつもりとか無かったのにさぁ!!)

 

(で、でも……そういうコトなら。セーラー服とか、他の服を着ても……)

 

(ヤベェ、ここでセーラー服をアイツが着たとして……今から口説くんだぞ? こんな気分でさぁッ、暴走しちまうだろうがッ!!)

 

 甘い胸の痛みが、ときめきが、ドキドキが止まらない。

 止まってくれない、心臓がばくばくと早鐘を打つ。

 何かを言わなくては、そうアキラは焦って言葉が出ず。

 

「…………ちょっと待ってて、その……セーラー服以外でも、いい?」

 

「お、おう、任せた……」

 

 何を着るつもりか、セーラー服以外って何だと、アキラが悶々とする中。

 タブレットを持って、理子は風呂場の脱衣所へ。

 ガラス張り故に、振り向けば見えてしまう誘惑を必死になって耐えながら十分後。

 

「――――おまたせ、どう、かな……?」

 

「…………………………なんで猫の着ぐるみなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! オレのときめきを返せええええええええええええええええええええ!!」

 

「いやどんな服でもアンタの前では怖くて着られないでしょーが、バカなの??」

 

 正しく自業自得、アキラはそれはもう見事な失意体前屈をみせた。

 

 

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