大嫌いな幼馴染みと一緒に、セックスしないと出られない部屋に閉じ込められた   作:和鳳ハジメ

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クエスト17/心の証明

 

 

 初めてのキスは、とても柔らかかった。

 互いの唇を軽く触れ合わせるだけの、稚拙なキス。

 でも不思議と、心は満たされて。

 

(もっと……コイツと、オレはずっと、こうしたかったんだ)

 

(キス、ぁ、今、わたし……キス、されてる――)

 

 とくんと、お互いの心音が重なるような錯覚。

 思考が感触に支配される、今まで考えていた葛藤が吹き飛ぶ。

 一秒、二秒、三秒、時が過ぎる、あるいは永遠にキスしていたのだろうか。

 ――二人は、そっと顔を離して。

 

「理子……」

 

「……アキラ」

 

 名前を呼ぶだけで通じ合った、いつの間にかアキラと理子の指は絡み合い。

 瞳の中にはお互い以外、何も写っていない。

 そっと顔を近づけて、もう一度。

 

「――――――まだ」

 

「聞かないで、ばか……」

 

 二度、三度、四度、五度、それ以外のやり方なんて頭に無い。

 ただ、唇の先に相手の温もりを感じたくて。

 ――最後に一度だけ強く押しつけ、二人は顔を離した。

 

(言わないと、オレの気持ちをお前に……)

 

(アキラ……)

 

 期待に濡れた理子の瞳、彼女は無意識に胸の前で祈るように手を組む。

 その手をアキラは、宝物を扱うような手つきで優しく両手で包み込み。

 

「好きだ、愛してる理子。……オレの恋人になってくれ」

 

「~~~~ぁ、う、そ、そんな、急よ、そう急なの、アンタは、いつも……」

 

「オレは言った、だから答えをくれ」

 

「わた、わたしは、わたしも――――っ」

 

 耳まで真っ赤にした理子は、ぱくぱくと口を動かした。

 声は出ない、出すことが出来ないのだ。

 

(こ、こんなにっ、言うだけなのにっ、好きって、はいって、恋人になりますって、そう言うだけなのに)

 

 胸がいっぱいで言葉が出てこない、どうやって声を出していたかさえ分からない程、甘く苦しい。

 

「ぁ、うう、そ、その、……う゛う゛ぅ~~~~」

 

「ゆっくりで良い、素直な気持ちを聞かせてくれ……照れてるお前が可愛すぎてオレは何時までも待てる」

 

(なんでそんなにサラっと言えるのよアンタはっ!!)

 

「言えないか? なら言えるようになるまで、落ち着くまでキスするぜ」

 

(それでどうやって落ち着けって言うのよおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?)

 

 うーうーと唸りながら、これ以上キスされるなんてと理子はアキラに抱きついて。

 そんな彼女の頭を、彼は微笑みながら撫でる。

 

(どうして、いきなりキスなんか……それに本当に? わたしをす、好きだって、愛してるって)

 

 信じられない訳じゃない、だがアキラからの告白は想像していたよりもっと威力があって、破壊力抜群で。

 ドキドキと胸のときめきが止まらない、バクバクと息苦しいぐらい心臓の音がうるさい。

 

(――――嗚呼、素直になっただけでこんなに幸せだなんてな。まったく、何でコイツは可愛いんだ? 天使のオッサンより天使だろ、理子マジ天使、オレだけの天使、ぜってー誰にも触らせねぇ、こんな理子は誰にも見せねぇ、オレだけのモンだ)

 

 この可愛い生き物を、どうやって愛でようか。

 アキラはニマニマと幸せを噛みしめながら、ふと気づく。

 そう言えば、便利な物があったじゃないかと。

 

「――ぁ」

 

 彼女から少し離れた瞬間、その寂しそうな表情にアキラは愛情を高ぶらせ。

 テーブルの上にある天使の薬を、相手の心が伝わる薬を手にとって。

 

「ちょっと待ってろ、お前にはオレの気持ちの全てを伝えたいからな、――――ごく、ごく、ぷはッ」

 

「っ!? ぅ、ぇっ、~~~~っ!!」

 

「そんで、だ。――――ん」

 

「~~~~っ!? んんんんんっ!? ん゛ーーっ!!」

 

 アキラは己の分の薬を飲み干すと、理子の分を口に含み。

 彼女の所に戻ると、有無を言わさず口移しで飲ませる。

 

『ひぎゃあああああああああああああっ、あ、ああっ、ううううううっ、飲んじゃったっ!? 飲んじゃったああああああああ!!』

 

『お、こんな風に聞こえるのか』

 

『なんでそんなに冷静なのよ!! というか口移しって、何処でそんなん覚えてきたのよ!?』

 

『少女マンガ』

 

『禁止ぃっ!! アンタ金輪際、少女マンガ禁止なんだからね!!』

 

 うがーと半泣きで睨みながら抱きつく理子、すると当然の如く巨乳も押しつけられる訳で。

 だからこれは、男として正常な心だ。

 

『うっほ、おっぱい!! 理子のおっぱい!! これから好きなだけ揉める理子のおっぱい!!』

 

『だれが揉ませるかバカ!! ――はぅあっ!? も、もしやアンタ、体目当てで……!!』

 

 後ずさって胸を腕で隠す理子、しかして平均よりかなり大きい乳房を隠せる筈がなく。

 むしろ反対に、強調させてしまう始末。

 そしてそれが、ストレートに伝わってしまって。

 

『変態変態変態!! ばかばかばか!! なんで発情してるのよスケベ猿!!』

 

『男として当然だが? テメェのような美少女のおっぱいだぞ?? しかも巨乳だぞ?? 愛しい彼女の巨乳とか発情するしかねぇだろ』

 

『まーだーでーすーーっ、まだわたしは返事してませーーん!! 超好きだし愛してるしキスしちゃったし恋人同然って思ってるけど、まだ返事してないもーーんっ!!』

 

『じーん、愛してるって、超好きだって、オレに人生の春が来たああああああああああああ!!』

 

『もおおおおおおおおおっ!! 何なのよこの薬!! 筒抜けじゃない!! 両思いで嬉しいけど!! い、いや違うから!! まだ両思いじゃないから愛してるけど好きだけど!!』

 

『うんうん、愛してるぞ理子、世界の誰より愛してる、――――恋人になってくれ、オレと一生添い遂げてくれ』

 

『一生とか重いっ!? でも恋人になる!! アキラと付き合うわよ!! …………だからああああああああああああああ、言っちゃったじゃない!!』

 

 崩れ落ちる理子、思わず万歳斉唱するアキラ。

 こんなの思い描いていたロマンチックな告白じゃない、でも嬉しくて口がニヤけてしまう。

 そんな顔なんて見せられなくて、彼女は衝動的にベッドに潜り込んで防衛体制に入った。

 

『おーい理子? オレの理子~~? 顔を見せてくれよーー』

 

『見せられるワケないでしょ!! 嬉しすぎて変な顔になってるから!! わたしもアンタの顔見たいけどそれ以上に見せられないから!! 見るなら強引にしてくれたら自分に言い訳できるから!!』

 

『いや可愛すぎないかお前?? 取りあえず抱きしめるぞ?』

 

『ひゃうっ!? なんで心と行動が同時なのよアンタ!! ドキドキしてときめき過ぎて死んじゃうわよわたしっ!!』

 

『あちゃー、すまんなオレが魅力的すぎてさ』

 

 伝わってくる、伝わってしまう、どうしようもなく。

 手遅れなほど、アキラの愛が伝わってくる。

 理子の愛も、彼に伝わって。

 

『ううっ、くらくらする……アンタの愛が伝わってくるのが伝わる、わたしの愛がアンタに届いてるって……わたしがアキラを好きだって気持ちが伝わってるのが伝わってくる』

 

『オレもだ、愛が伝わるのが伝わるなんてさ、以心伝心っていうか、これが相思相愛って事なんだな……』

 

 不意に、キスしたいと思った。

 だが、キスしたいと思ったのは果たしてどちらだろうか。

 そんな思考をする前に、自然とキスしていて。

 

『………………ん、ぁ……もう、アンタしか、アキラしか見えない』

 

『オレもだ、でも、もっともっとお前を感じて、オレを感じるお前を知りたい』

 

 こくんと理子は頷いて。

 ここから先は、もう一つしかない。

 もっとも原始的な男女の愛の情交、即ち。

 

『セックス……するぞ』

 

『うん………………でも、避妊はしてよね、コンドームあるの、こっそり交換してたのがあるから』

 

『え、ナマじゃダメか?』

 

『ナマとかあり得なくない?』

 

『えッ?』『えっ!?』

 

 コンドームを挟んで、理子とアキラは仲良く首を傾げた。

 

 

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