これは夢
歴戦の戦士達が倒れていく
幾度となく爆発が起き、灰色の煙に包まれ、亡骸のなれ果てが転がっている
そんな荒れ地に一人立つ者
マゼンダ色に縦縞模様の黒い装甲をつけた緑の眼を持つその戦士は。
「ディケイド。」
「!?」
「どうした?なつみかん。」
「士くん…」
士はため息を一つつく。
「士!なんだよため息なんかついて。」
「ユウスケか、どうやらまた面倒くさい世界に来ちまったらしい。」
「それって?士くんの世界はあの館じゃなかったんですか?」
「いや、あそこは紛れもなく俺の世界…に似たような世界だ。だがあれはアナザーワールドだ。空気が違う。それにあの背景を見てみろ。」
写真館の背景がいつの間にか切り替わっている。
割れた鷹のメダル、何者かの赤い右手が落ちている。
そしてそれに手を伸ばす恐竜のような生き物。
そして砂浜の背景にはなぜか木にくくりつけられたパンツ。
「何あの派手なパンツ!」
「そんなことに注目してる場合か?なんでこの赤いメダルだけ割れてるんだ?」
「士くん、行きましょう!まずはこの世界でやるべきことを見つけないと。」
「ああ、それしかなさそうだ。」
「士、どこ行けばいいかわかってるのか?」
「それがわかれば苦労しないんだがな。」
「ハッピーバースデイ!!」
大声が町中に響き渡る。
ビルに取り付けられた巨大なディスプレイに映る人物。
「何が誕生日なんだ?」
「ハッピーバースデイ。グリード!」
「うわ、なんなんだあのケーキ!」
「ユウスケ!何か来るぞ!」
緑色と黒色を中心としたクワガタのような怪人。
そして黒いネコのような顔に鋭い爪を持つ怪人。
「君、面白い欲望を持っているね。自分の世界を見つけたい、か。」
ネコのような怪人が嘲笑う。
「おまえ何言ってるんだ?」
「おまえの欲望、開放してみないか?」
怪人の手のひらに灰色のメダル。
それを額に近づけられる。
「ぐあ!」
顔に火花がほとばしり、怪人は倒れた。
「カザリ、なぜおまえが・・・。」
「こいつがいるってことはこりゃ厄介なお仕事になりそうだな。後藤ちゃん!」
突如現れたその二人も手に灰色のメダルを持っている。
「変身!」
二人は声を揃える。
ガシャを引くような動作をし、装甲を纏う。
「あいつら、ライダーなのか?」
「士!俺たちも行くぞ!」
ユウスケが飛び出した。
「変身!」
赤い戦士、仮面ライダークウガ。
「貴様!変身できるのか!」
ウヴァの矛先がクウガに向く。
「士くん?」
「下がってろなつみかん。厄介なのに目をつけられてる。」
「やあ士!」
「また邪魔しに来たのか?海東!」
「違うね、君が僕を邪魔しに来たんじゃないのかい?」
「関係ないな。それよりも…」
「君だけ戦わないのはズルいだろう?」
「変身」
カメンライド ディエンド
赤、青、緑の残像が重なり、青い板状の装甲が縦方向に並ぶ。
「そっちがその気なら倒すまでだ!変身!」
カメンライド ディケイド
透明に透けた人型の残像が重なり、マゼンタ色の戦士へと変化する。
「兵隊さん、いってらっしゃい。」
ディエンドはカードを2枚銃に挿し込む。
カメンライド レイ ビースト
3色の残像が四方八方に飛び交い、2体のライオンのような戦士が現れる。
その直後、眩しい光と空中を踊り狂う雪。
アタックライド インビジブル
「待て!海東!」
突如吹雪が吹きつける。
そして吹雪の中から拳が飛んでくる。
「氷には炎だ。」
カメンライド 竜騎
フォームライド サバイブ
赤いドラゴンの鎧を纏う戦士へと姿を変える。
ビーストが剣を振り下ろす。
すぐさま身をかわすがすかさずレイの拳が振るわれる。
竜の口の形をした左手の装置から火炎を吹き出す。
吹雪とぶつかりあい爆発を起こす。
アタックライド リュリュリュ竜騎 ドラゴンファイアストーム
熱風が吹き荒れ、竜がどこからともなく現れる。
ディケイドは空高く飛び上がり、竜にまたがる。
竜の口から火炎弾がまき散らされ、炎の中へと突っ込んでいく。
「おまえの欲望はありきたりだな。つまらん。」
「なんだと?」
クウガの怒りの拳がウヴァの顔面を直撃する。
灰色のメダルが数枚飛び散った。
「なんだこれ…」
バースはバックルにメダルを入れる。
クレーンアーム
カザリはワイヤーに巻き付かれ、動けなくなる。
「後藤ちゃんナイス!」
プロトバースの胸部辺りに巨大な砲塔が出現。
セルバースト
赤いエネルギー砲が真っすぐに発射される。
「このメダル戦いの役に立つのか?」
ユウスケはメダルを拾い上げ、バースに手渡す。
「危ない!」
その直後、クウガは何かで叩かれるような衝撃を転がって受け身をとる。
ゴルフクラブを持ったウヴァが迫ってきている。
ウヴァの右腕の攻撃を抑え、腹に拳をうちこむ。
そして怯んだ隙を見てゴルフクラブを奪い取った。
「超変身!」
クウガの身体が青色に変化。そしてゴルフクラブも青色の棒へと変化する。
「ゴルフクラブは人を殴るものじゃない!」
クウガは棒を薙ぎ払う。
ウヴァの体内からメダルが飛び散る。
「うッ…ここは退いたほうがよさそうだな。」
ウヴァは緑色の稲妻を角から放電した。
「クッ…逃がしたか。」
「ま、しょうがねぇ。助かったぜ!…その」
「あ、僕ユウスケって言います。」
「サンキューユウちゃん!」
急に士が割って入る。
「ちょっと聞きたいんだけどいいか?」
「誰だあんた?」
「あ、この人は世界中を旅してる写真家の…」
「ハッピーバースデー!仮面ライダーディケイド!」
大音量で声が響き渡り、巨大なディスプレイに男性の姿が映し出される。
「会長…」