あなたとは終生のライバルでいたかったけれど、それがかなわないのなら   作:大風22号

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夢見心地三ハロン

 

 

 

「スペシャルウィーク限界か!? 掲示板外し…………かあってなこと言ってくれちゃってさあもう」

 

 速報のネットニュースから目を離し、真正面を向いた。そんなことを言われてほしくないから、セイウンスカイはもう我慢ならなくなった。

 そうして今が好機だとも。

 時刻は夕暮れ、太陽が傾いて同じく影も増しそこかしこ照らされ温かい。

 夕日と、それに陰る美浦寮を背負いながら、門前にてセイウンスカイは仁王立ちしていた。

 

 向かいの離れから、スペシャルウィークが俯きながらゆっくりゆっくりと歩いてくる。

 セイウンスカイには気付いていなかった。

 

 セイウンスカイは瞬きのみで身じろぎもせず、釣りをするように辛抱強くその瞬間を待った。

 スペシャルウィークの靴音が迫る。

 このままであれば、いずれスペシャルウィークはセイウンスカイと接触する。

 

 もう誇張なしに目と鼻の先となる直前に、カラスが大きく鳴いて電柱から飛び立った。

 

「ぇうっわぁっ!! ごめんなさい!!」

「いいよ」

 

 意気消沈のまま近づいたスペシャルウィークは鳴き声に起こされて顔を上げた。そうして目前の人影に驚いて体をそらすも胴体がそのままぶつかる。急いで謝ると、スペシャルウィークは分かりやすく一度目を丸めた。

 

「やっと捕まえた」

「うぁ……セイちゃん」

 

 セイウンスカイがスペシャルウィークの腕をつかむ。スペシャルウィークはその逆光の中で見えた表情から、要件を察したようで顔色が優れなくなった。

 

(これが変化、よくない変化。私がだめだめな走りをしたから……? でも、逆だっていっつもそう)

 

「スぺちゃん、逃げの才能がありますねえ。私自信なくすところだったよ」

「そんなことない、セイちゃんのほうがすごいもん……みんなだって。むしろ…………私だけが」

「やめて。私のスぺちゃんをバ鹿にしないでっ……ほしい、よ」

 

 語気の強まったその言葉にスペシャルウィークがおびえたのを見ると、セイウンスカイは急ぎ取り繕って声色を緩める。

 

「……ねえ、スぺちゃん。なんで走ってたか覚えてる? なんのためにトレセンに来て、なんのために速くなるか」

「にっぽんいちに、なるために」

「…………ほかには? スぺちゃんを突き動かす、ほかの理由は?」

 

 努めてやさしくセイウンスカイは問いかける。スペシャルウィークは聞きたくないといった様子で首を細かく何べんも振った。

 

「しらない」

「わからないわけじゃないんだね。それはよかった。私は分かるし、知ってる」

「わかんないっ……」

「うそはだめ。私たちライバルなんだ」

「でも……!」

「へーんなスぺちゃん。ライバルだって叫んだのに、走りたくないの?」

 

 セイウンスカイは一度空を仰いで笑った。

 

「でもね、スぺちゃんは、私よりずっとそう。気付いたのは遅かったけど」

 

 正式なレースならば二勝三敗。模擬レースやその他の勝負も含めるならば、その数は相当になる。

 スペシャルウィークには似つかわしくない表情だと何度も思ったのだ。けれど、誰よりも負け、誰よりも勝ったセイウンスカイ(ライバル)だからこそ理解し得、言えることがある。

 

 いたずらをするように、と言えばその表情は穏やかで。

 威張るように、と言えばその瞳は柔らかで。

 

「スぺちゃんの、負けず嫌い」

 

「っちがう!!」

 

 スペシャルウィークはいままで恐るおそるという様子で一度もしなかったが、セイウンスカイの腕を一気に引っぺがした。

 

「ちがう! 勝ったら、いっつもそれで変わる。なにかがなくなる! 全部悪化してく。なのに負けてもそう! わかんないよどうしたらいいかなんて!!」

 

 紛糾してそう叫びきるや否や、スペシャルウィークは全力で明後日の方向へと駆け出して、きらりと窓に反射した光を浴びてはっきりと姿を映す。

 

「……私だって、だから差しの練習したんだよ。スぺちゃんに追いつくために。スぺちゃんに、勝つために」

 

 

 

 

 

夢見心地三ハロン。

 

 セイウンスカイは一度止まった。レースをすることが彼女にとってどれだけつらかったのかと、想像して苦しく、やるせなくなったからだ。

 

 およそ三時間して、再び二人は相対する。

 美浦寮の目の前で。

 セイウンスカイは止まり続けたままだった。

 スペシャルウィークが叫んだ不安はどうでもよかったからだ。

 

「アップお疲れさま、スぺちゃん。正直眠いよ」

 

 スペシャルウィークがいくら逃げたとしても、外で一晩を明かすとはセイウンスカイには到底思えなかった。つまりは、寮へと帰ってくる。

 セイウンスカイは、だからいくらでも待っていた。

 

「ずるいんじゃないの」

「やっとわかってくれた? そ、私はずるいの」

「ちがう……ずるなんてひとつもない」

 

 まるででたらめなことを言うから、セイウンスカイは少し笑う。

 

(そういえば、いっつもそうだったなあ…………「勝負じゃない」って「正々堂々じゃない」ってみんなが言って私でもそう思う私の走りを、スぺちゃんは「つよい、すごい」ってくくる…………それがどれだけ嬉しかったか)

 

 夕日はすでに姿を隠し、あたりは暗くなりはじめて赤にも近しい色の残光も水平線に沈んだ。二人から見えるのは夜の深さだけであって、一番星も見ることができる。風は、黙っていれば冷たいほどに鋭い。

 

「いつも追いかけてくれたじゃん、差してくれるんじゃなかったの?」

「敵わないもん、いまは」

 

 セイウンスカイはいつもよりも幼げなスペシャルウィークの口調に気が付くと、また口角を上げた。

 

「観念してくれた?」

「………………ずっと、ここにいたの?」

「もちろん」

「ほんとに?」

「うん」

「……ぅ……っく…………なんで、ぇ。おいてかっ……ないで、くれるの?」

「私が、スぺちゃんのライバルだから」

 

 一番星が煌々きらめいているのだ。だからじきに、二番星が現れる。

 

 セイウンスカイはスペシャルウィークに近づいて、嗚咽に丸められた背中に腕を回して頭を置いた。

 何度かさすると、スペシャルウィークの両腕がセイウンスカイを力強くつかんで、顔を胸へ預ける。

 

 まるで子守でもしている気分でセイウンスカイは、けれどきちんと意思を伝えた。

 

「スぺちゃんが、まだ、走りたいって言うなら、今だけでいい今回だけでいい。一回だけでいいから、私と走ろう」

 

 どうしようもなくすべてが変わりゆくことを、スペシャルウィークもわかっていた。

 レースがなくとも花はいずれ枯れ、星は気まぐれで消え隠れることを知っていた。

 今という時間がたったの一秒でも止まってくれることはないとも。

 

 けれどセイウンスカイは待っていた。

 

 背中を二度たたいてから、セイウンスカイもより近づけるように腕に力を籠めさらに抱擁を固くする。

 

 スペシャルウィークは夏にその言葉を聞いた。そしていま、行動でもって示された。

 

 スペシャルウィークは時間を要しその返事をする。

 

 *

 

 セイウンスカイは玄関横の壁にもたれかかって、スペシャルウィークの着替えを待っていた。

 秋の夜長の空気は乾き冷えていて少しばかりセイウンスカイの眠気を誘う。

 

(たぶん燃え尽き症候群ってやつなんだ。つまり、悩みに対する解決方法は一つもない)

 

 一度振り返るといままで失ってきたもの得てきたものがひどく目を奪って、自身の歩みを止めさせる。それを否定することは何によっても為されない。

 

 セイウンスカイは思い出していた。なぜ、夢に見るまで、珍しかった祖父の痛ましい傷心の表情を覚えていなかったかを。

 虚ろげながら寂しさの強かったあの瞳は、当時のセイウンスカイにはたしかに衝撃があった。しかし、まだ幼気でもあったのだ。

 そのとき大きく、知る限りではずっと大きく釣竿がしなって曲線を描くと、二人は飛び上がる勢いで驚いた。

 祖父は大層な技術を持ってはいたものの、それだけでは簡単にいかないほどその獲物は強大だった。大変な時間、力、技術を要して、それまでの興奮も相まって釣り上げた時の喜びが、セイウンスカイに全くそればかりを思わせるほどに。

 その次の釣りで、その衝撃に触発されたセイウンスカイは竹竿を握って見せた。だというのに釣果は以前と変わらず、もしくは上回る勢いなものだから、祖父は驚嘆と歓喜でもってその表情をやわらげる。

 祖父はそうして、別れの哀愁を風化させていった。

 

 セイウンスカイはあの大物がかかった瞬間に、振り返ることを忘れたのだ。

 

(思えばそんなことばっかりだ……獲物が目の前に来たら、他のことなんか考えてられなくなる)

 

「……いこう。セイちゃん」

 

 音をできるだけ立たせないように開けられたドアからジャージのスペシャルウィークが現れる。セイウンスカイも壁から離れて己の脚のみで立つと、スペシャルウィークに顔を向けわずかに微笑んだ。

 

(何が怖い? 自分を置いてってターフから去るライバル? レースが連れてくる変化? 全部どうでもよくなるよ。飼ってる闘志が違うんだ)

 

「うん」

 

 *

 

(スぺちゃんは目がいい。小さいころから何度もなんどもレースを見てたから、おかあちゃんも知らん間に恐ろしいほどの成長をした)

 

 二人に確実に風が吹いていた。スペシャルウィークはストレッチを、セイウンスカイはアップをしている。

 風がターフを過ぎると匂いを巻き上げて二人にまで届き鼻腔をつついた。

 

(だから私たち(ウマ娘)の走りに惚れ込んで、トレセン学園はスぺちゃんに言わせてみれば、さんざきらめく宝の山だった……けど、宝石を惚れぼれ見ていたら、それを目の前で砕かれた)

 

 照らされることなく夜と同じばかりの暗がりが広がっていて、耳にうるさいほど静かである。

 

(……かわいそうに。でも大事なのは、そんな恋しい想いでもスぺちゃんは「勝ちたい」って思ったってこと。愛していながら、それを[[rb:邪魔する > 汚す]]ことはいとわない。それはなぜかって──)

 

 セイウンスカイは減速して立ち止まると、瞼を落として残りの感覚を享受した。

 

「いい日だ」

 

 *

 

この(東京)コースの芝二千左……私とやろう」

「天皇賞……」

 

 スペシャルウィークは、戦々恐々とした様子を隠そうとしながら、寄ってくるセイウンスカイに呟いて返した。

 

「コイントスで」

「………………うん」

「まだ……こわい?」

「……うん。でも手加減しないから」

「嬉しいよ…………いまは、私だけを見ててね、スぺちゃん」

 

 ファンファーレはなくトレーナーも観客もいない、ゲートもなければ委員もいない、実況と解説もなく。二人以外には誰もいなかった。

 ただ金属が弾かれることだけがたった一つの合図だった。宵闇の静寂にどこまでも際限を知らず音が広がっていくのだと、中心の二人には思えた。上に舞うのを目で追って、そうすると風が一際強く吹きつける。ターフが揺れ髪は引かれ声をびゅうと鳴らしたが、硬貨は質量をもっていた。たとえ望まずとも、空気をもろともせずに落下を始める。

 風は追い風だったか向かい風だったか。一瞬のため判断はできなかったが二人には関係なかった。

 二人が風を巻き起こした。

 

 前にはセイウンスカイがつく。

 

(うしろにくるのはまあ当たり前。だから短いスパートでっ!)

 

 スペシャルウィークは少し後ろを維持し距離を保った。先導はできるわけがなく、他の目安もないのだから先のペースに足並みをそろえることは容易だった。

 

(レースだったら先行集団あたりかな、スぺちゃんは後方。悪くない)

 

 ローペースで流れる。足音は余計に邪魔されることなく、互いが互いの場所をそれのみでも知れた。

 セイウンスカイのペースは安定している。もちろん逃げウマの素質は伊達ではない。

 

(誰もいないんだよ、本当に誰もいない。一緒に走ってるのは私だけだよ。いまは)

 

 レースのたびにスペシャルウィークがそこにいない、ほかのだれか(“みんな”)の姿を想像し幻視していることをセイウンスカイは知っていた。

 何回レースを共にしようが、何回併走でもしようが、何回レースを見ようが、それらは所詮移ろいを生涯とし、とどまり形を持つことのない記憶である。そして一つとして、同じ走りはない。だからこそ想像し難く、“複数人”のリプレイは異常なまでの集中を要求した。

 

(そんなの、どうやってできるっていうの。たった一人のウマ娘が)

 

 しかし不完全なれど、スペシャルウィークはやってのけていた。それが意味することは、スペシャルウィークは例えるなら幼児ほどの高い集中力を、走りながらでも発揮できるということ。ならばその集中のベクトルをもっと少なくあわよくば一つに絞ることができれば、より本人に似た、あるいはそれ同等に成り得る。

 

(それでも長くはもたない。全力だから、スぺちゃんの集中は短い)

 

 残り千を超えた。息は残っていた。お互いに。

 

 涼しさを覚える暗さは無限に広がっていくように依然として動くことはない。走っていて揺れる視界を見渡すことはできず、けれども空の星々の断片を映した。土や人工芝を跳ね上げる振動は鼓動のように心地よく、香りは不思議と暖かい。空気にぶつかり風を切る。肉体は熱く、けれど高揚により気分は澄んでいるように感じた。

 

 セイウンスカイが徐々に速度を上げる。

 

 スペシャルウィークもつられてわずかに。

 

 セイウンスカイも負けるつもりはなかった。回復の兆しでも見られれば十分だったからだ。

 

 ここだ。とセイウンスカイは思った。体力があるならば、考える間などなくスパートの場所。

 スペシャルウィークがそこを越える。星が黙っている。

 

(まだ怖いんだ?)

 

「──なら、この勝負は!」

 

 いいよ次からは私を追え。ペースメーカーにでもなってやる。

 セイウンスカイは叫ぼうとした。

 

 スペシャルウィークが咆哮したように感じた。

 

 線を踏み越えてから一拍子ほどで、大きな振動がセイウンスカイにまで響いた。

 

(そっか。怖くても、頑張ってくれるんだね)

 

 それから突風がセイウンスカイを過ぎるのに時間はかからなかった。

 まるで爆発でもしているのではないかと思うほどに空気と地面が揺れる。土埃を巻き上げて、踏みつける脚はターフを潰して切り散らした。

 

 セイウンスカイは引導を授けられた。

 

 三ハロンの地点でスペシャルウィークは全力を出した。

 けれど、負けん気というのは存在する。並ぶもの越えるものなしに、限界は遠い。

 だからこそ。

 

(いーや。引導なら、もう春にもらったんだった。未練…………ないよ)

 

 叫んだ。走りを辞めて。セイウンスカイはもう、スペシャルウィークに声が届けばいいと思って追った。

 

 瞼が熱かった。

 

「エルが! まだずっと遠く前に!!」

 

 体が熱かった。

 

「グラスちゃんが! スぺちゃんのこと越したんだ!!」

 

 燃えるような勝利への情熱も、まだ熱かった。

 

「リベンジしないとだろぉおーーーっ!!!」

 

 喉が熱かった。

 

 

 スペシャルウィークの行きどころのなかった集中が解放され、二人を形作る。

 エルコンドルパサーとグラスワンダー。スペシャルウィークがいまだに雪辱を晴らしていないライバル。

 

 数多の星々がきらめきを放ち、スペシャルウィークを魅了した。そうして目を潰されて、何もかもを見失った。

 

 本当にそうか。否。スペシャルウィークは瞳を閉じなかった。だからこそ手ほどきを経て、その宝石の山から一際大きな輝きと強い眩しさを見出すことができる。

 

 スペシャルウィークの双眼を前に、二つの星が走りだしていた。

 

「あ、ぁぁ……ぁあっ、う、追い、つきたい! うっく、くぅ…………っそぉおーーっ!!!」

 

 スペシャルウィークも走った。

 

 

(雪崩を割いて地面を踏んで。面白いくらいに飛び出していく。私のあこがれ、観客をより沸かすわかりやすいそれ。大好きなんだ)

 

「くっそお、私だってそこに、いたかったなあ」

 

 まるで夜の海に切り口をつける一筋の光は、流れ星のようだった。

 

 *

 

「…………復活だねえ」

 

 セイウンスカイはスペシャルウィークがゴールしたのを見ると、そこへゆっくりと歩く。望めば夜の底で数えられないほど多くの星々がそれを眺めていた。

 

「リベンジできた?」

 

 セイウンスカイが聞こえるように問うと、声は案外うるさいほどにまで。スペシャルウィークは俯きながらセイウンスカイのほうへ寄ってきて、二人は仮設のゴール板を挟んで止まった。

 スペシャルウィークが顔を上げるとそこに、上がった口元と鋭くされながらも潤んだ瞳、滲んだ汗の中で眉は困ったように下がっていて悔しさをセイウンスカイは見る。

 

「なら…………しなきゃ。ライバルに」

 

 セイウンスカイは握りこぶしを作ると、それでスペシャルウィークの肩をおした。燃えているとまで錯覚できてしまうほど、あたりは冷たく自身は熱い。

 スペシャルウィークはよこされた手を取ると、嗚咽を漏らした。すぐに怒っているような表情に変わったが、大粒の涙を頬へたくさん落とし、鼻をすするのだから恰好つかない。

 

「セイちゃん、レースしたのに、まだゴールしてない。ぅ、知ってるよ…………っふぅ、セイちゃんと何度も走ったんだもん、見たんだもんあの目なんかいも……ぁう。知ってるんだよ。セイちゃんが、ぁすっごく負けず嫌いなの……」

 

 セイウンスカイは穏やかに聞いていて、答えを待っていた。

 

「わたしは、ありがとう。セイちゃんのおかげで……進むから!」

 

 スペシャルウィークはそれでも涙を我慢しているように何度も上を向いて、堪らないようにこぼれないように努める。けれど全くの無意味だから、風がその涙をさらって落とし続けた。

 

「だから、セイ、ちゃんも……ぜったいに、ひ……っく、ふっかつして……!」

「ありゃ? 聞こえてたんだ………………うん。約束する」

 

 熱に浮かされた二人はどこか思考に現実味を欠いて定まらない。

 そこはおそらく、寒かっただろうか。誰も覚えていないけれどきっと暖かかった。

 

 一番星、二番星、三番星。さらに続く星々の中で、一瞬でも一番目を引くものがある。己を燃やし瞬く間に駆けてゆく流星。星の並びは変わらずとも、たしかに流星から見れば、それらばかりが変わり続けているのだ。

 わずかながらも変わりゆくすべての中で、何よりも変わっていたのは。

 

 

 




次回最終話です。
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