Transformers-What If 作:AlexGarcia
今回からトランスフォーマーの二次創作小説を書かせていただきます。
是非お楽しみいただけると幸いです。
※このストーリーはオプティマス達が地球にやってくるシーンから始まります。サムとミカエラの出会いやバンブルビーとの出会いなど映画の前半部分はカットしてありますのでお許しください。
彼らとの出会い
太古の昔よりそのキューブは存在した。どこから来た物だか不明だが、そのキューブには世界を生み出し、生命で満たす力が秘められていた。我々の種族もそうやって誕生し、調和して生きていた。だがこの強大な力をある者は善のために、ある者は悪のために使おうとし、戦争が始まった。精算を極めた戦いで我々の星は破滅し、キューブは遥か宇宙の彼方に消えた。
我々は故郷を甦らせようとキューブを探して銀河に散った。あらゆる星、あらゆる世界を探し……望みが潰えたかにみえた時、新たな手がかりを得て我々は未知の惑星へと向かった。
地球へと……
だが時は既に遅かった……
Earth &*/:(+=)¥@¥/ーー惑星)=@/%)¥’”@:-)¥/+
「ブレーカーをセット。非常用動力スタンバイ」
「フライデー、座標をセット」
『処理中です』
囲われた装置の外で男性と無気質な機械の声が聞こえる。そして離れた場所からは多くの人が見ているのが分かる。
「上手くいくと思うか?」
自分の向かいに立っている男性が声をかけてくる。
「大丈夫だウィル、リンディ」
そしてその隣にいる男性が宥める様に話す。
「そうね。私達なら大丈夫」
もう一人の女性も反応する。
「ああ」
「俺達が行くのは未知の世界だ。何が起きるか予測はできない。気をつけろ。これは命をかけた戦いだ。必ず勝つぞ。何を犠牲にしても」
自分の名前を呼んだ人物が話す。
「ああ、何を犠牲にしても」
「「何を犠牲にしても」」
「幸運を」
「じゃあまた後でね」
「そうだな」
そして、四人全員は透明な床の指定された位置に立つ。
「よーし準備はいいか?ブルース入力してくれ」
「追跡装置作動」
「転送まで3、2、1!転そ……」
『異常発生。異常発生』
「スタークマズい!今すぐその装置を止めるんだ!」
そう誰かが叫んだその瞬間、大きな爆発音が響き、彼の意識はそこで途切れた。
ーー惑星地球ーーアメリカ・ロサンゼルスーー2007年
この日、ロサンゼルスに四つの隕石が墜落した。
一つは山の上に落下した。木を降り、藪を燃やし、土と石を四方に飛び散らせながら。
他の三つはスタジアム、そして住宅街、最後は大きな家の庭のプールに。
そんな中、住宅街に墜落した隕石の現場ではさらに摩訶不思議な出来事が起きていた……
墜落した隕石はただの隕石では無く、金属でできた大きなポッドの様なものだった。そしてそのポッドは白い煙を上げながら徐々に開いていく。なんとも言えない心地の良い変形音をさせながら。
その中から現れたのは巨大な金属でできたロボットだった。
そのロボットは起き上がり、ポッドの外へ出る。そして、少し離れた場所にサイレンを鳴らしながら止まった救急車をこっそりとスキャンする。すると彼の体はスキャンしたハマーH2をモチーフにした救急車へと変形を始める。完全に変形を終えた彼は墜落現場からいち早く離れるためにエンジンをかける。
その時、彼の目の前で信じがたい事が起こった。超高度な地球外生命体である彼でさえ、理解するのに時間がかかる程だった。
彼の進行方向の空間に光り輝くヒビが入ったのだ。初めのうちは小さな穴程度しかヒビが入っていなかった。しかし、そのヒビはどんどんと大きくなり、人間一人くらいの大きさと同じくらいになった。
そのヒビに興味をそそられた彼は救急車から再度ロボットの状態へと変形し、自分の金属でできた指で触れてみようとした。だが、ヒビは彼の指を弾いてしまった。それと同時に彼の指には電流が流れた。突然の事に驚いた彼だが、このヒビをもっと詳しく観察したいという気持ちが溢れてきていた。
そしてもう一度ヒビに触れようと指を近づけた時、ヒビから眩い光が溢れはじめ、彼を含む辺り一体が真っ白になった。
墜落現場の近くまで来ていた消防隊や野次馬達もこの光を直視してしまい、現場は大混乱に陥った。
そんな中一番に視力が回復したのはもちろんロボットの彼だった。彼は自分の視力に関する部分に異常がないか瞬時に調べ、特に何も異常がない事を悟った。その後、彼は次にヒビのある場所を見た。だがそこにはもうあの光り輝くヒビは入っていなかった。
その代わりヒビがあった場所に一人の青年が倒れていた。
青年は気を失っているようで地面に倒れたままピクリとも動かなかった。
「これは興味深い匂いがする…」
彼はそう呟きながら目の前の青年から感じ取れることのできるエネルギーに感心していた。
青年のエネルギーは今現在、彼がいる地球や地球人が発している物と同じように見えて所々が違っていた。また、彼の匂いはこの世界で嗅いだことの無い匂いをしていたのだ。
だがそれを解明する時間は彼にはもう残されていなかった。なぜなら辺りの人間達の騒ぐ声がまた聞こえ始めていたからだ。
「もう目が見えるようになったのか……」
彼はそう呟きながら何かを悩んでいた。
「本当ならこんな事許されないのだが…」
独り言を言いながら彼は青年の体を片手で優しく持ち上げ、そのまま救急車へと変形し青年を自分の車内のベッドに乗せた。彼はこの青年を調べたいという誘惑にどうしても勝てなかったのだ。
そしてそのままエンジンをかけて猛スピードで発車し、現場から去り、道路へと走り出していった。
救急車ロボットと青年が出会う前、隕石が墜落する瞬間、ロサンゼルスのグリフィス天文台近くでは空を見上げる一台のストライプが入った黄色いカマロと二人の人間の姿があった。
その二人の名はサム・ウィトウィッキーとミカエラ・ベインズ。
言わずと知れた映画トランスフォーマーシリーズの主人公達だ。
だかそんな事をこの世界の二人が知るはずもなく、二人はただ空からの落下物を不安げな表情で見つめていた。
そして二人と一緒にいるカマロはもちろんバンブルビーだ。
隕石の墜落による衝撃で二人の足元の地面も震え、ミカエラは思わずサムの腕にしっかりとしがみついた。そしてサムも反射的に抱き寄せる。
少しの時間が経過してから、ようやく二人は自分達の状況に気がついた。同じ考えが同時に浮かんだらしく、慌てて腕を解いてパッと離れてしまった。
「ごめんなさい」
ミカエラは小声で言いながら、なぜ自分は謝ったのだろうと思った。
サムは彼女と目を合わせられなかった。とても見たかったが、できなかった。彼女の腕の感触がまだ腕に残っている。
「なんでも無いから」
サムはドキドキしながら答えた。
二人が今起きた事を考え、これからどうしようと思案している頃、カマロのドアが開いた。
ビーは特に何も音を発しなかったが、サムとミカエラは彼の意思を理解したようで、黙って車に乗った。二人が乗り終えるとビーは走り出し、山の上に墜落した隕石の現場方向に向けて走り出した。
その頃、道路を猛スピードで走る救急車は目的地への最短ルートを検索しながら、自分の車内で気絶している青年をスキャンしていた。
「健康状態に問題は無し。だがどうなっている……記憶に重大な欠損部分がある…それにこの血液は…」
そんな独り言を言っていると青年が意識を取り戻した。
「ん……んん…ここは?」
目を覚ました彼は明らかに混乱していた。
彼は痛む体を抑えながらゆっくりと起き上がり、辺りを見回した。そして自分の状態を理解した。
「まさかあの爆発に巻き込まれて無事だったなんてな…」
彼は自分の最後の記憶を思い出しながら運転席にいると思われる救急隊員に自分が無事であると伝えに行こうと起き上がった。しかし、彼が運転席のバックミラーを何気に見るとそこには人の姿が見えなかった。彼は自分の見間違えだろうと思ったが、嫌な予感がしたため急いで運転席まで向かった。
そして、大体こういう時の間というものは当たるものである。
彼が運転席まで辿り着くとそこには驚きの光景が広がっていた。
彼の乗っている救急車は完全な無人だったのだ。
「なんだこれ、急いで降りないと…」
怖くなった彼は急いで救急車の後ろの扉へ向かい、開けようとした。
しかし、薄っぺらくそこまで強度も強くなさそうな扉は、全く開く気がしないほど固く閉ざされていた。
「どうなっていやがる……」
彼は扉から手を離し、もう一度車内を見回した。
「そろそろ落ち着かれましたかな?」
突然車内に声が響く。
彼は正体不明の声を聞いて驚きながらも警戒する素振りを見せた。
「そんなに警戒なさらないでください。私はラチェット、あなたと同じ地球外生命体です」
「地球外生命体?俺と同じ?」
意味の分からない事を話す声に彼はただただ困惑していた。
「ええ、あなたの体をスキャンしたところ、この惑星の生命体では無い事が判明しました」
「何を言っているんだ?俺は地球人だぞ?それにさっきラチェットって言ったか?」
「はい、私は軍医のラチェットです。惑星サイバトロン出身の」
ラチェットの発言を聞いた彼はただただ口をあんぐりと開けたまま何も反応しなかった。
ラチェットと惑星サイバトロンという言葉を聞いた彼の頭の中はもうパンク寸前だった。
それも当然だろう。何らかの事故に巻き込まれて、意識を取り戻したと思えば、自分のいた世界とは違うところにいると言われ、しかもそれはあの有名なトランスフォーマーの世界だったのだ。
「あなたの考えていることは分かります。あなたは我々の事を知っていますね?」
「なぜそれを……」
「あなたの体をスキャンした際に記憶の断片を見る事ができました。お名前をお聞きしても?」
「あ、ああ……俺はウィリアム・テイラーだ。ウィルと呼んでくれ」
彼は自己紹介はしたものの、相変わらず混乱していた。また、どこに向かって喋っていいのか分からずとりあえず運転席の方を向いて立っていた。
「了解し、承知した。ウィル、あなたは我々の何を知っていますか?」
坦々と話を進めていくラチェットはウィルに状況を理解させる時間を与えてくれなかった。
「な、名前と性格くらいしか知らない」
彼の言った言葉は事実だった。トランスフォーマーの映画シリーズは元の世界で人気の映画であったのは間違いないのだが、自分の中に残っている記憶を振り返ってもそのキャラクターの名前や性格以外を思い出すことは出来なかった。だがその記憶も不確かで怪しいものだった。
ただ唯一完璧に思い出す事ができたのは彼が大好きだったアニメシリーズ・超ロボット生命体トランスフォーマープライムの記憶だった。
「そうか…」
彼は少し残念そうな声を出す。
「すまない……」
彼はラチェットの声を聞いて凄く申し訳ない気持ちになった。
「とりあえずもう少しで集合地点に着きます。それまで席に座ってお待ちください」
「ああ、そうさせてもらうよ」
彼はゆっくりと答え、自分の寝ていたベッドのそばの椅子に座って自分の状況を整理しようと努力した。
彼がハッキリと思い出せるのは事故直前の記憶とトランスフォーマープライムのストーリーのみだった。そして彼が一番悩んでいたのは今自分がどのトランスフォーマーの世界にいるのかという事だった。トランスフォーマーはいくつものストーリーがあり、映画、アニメ、コミックス、ゲームなど様々なストーリーが展開されている。そんな中、彼はできれば今自分のいる世界がトランスフォーマープライムシリーズの世界である事を切に祈っていた。
「あなたに一つお願いがあります。よろしければあなたの血液のサンプルが欲しいのですが…」
ラチェットが急にまた喋り出す。
「また、なんで?」
「いえ、単なる興味なのだが……あなたの血液には特殊な遺伝子が流れているようでしてな」
「俺の血液に?」
「ええ、そうです。どうやらそれはあなたの筋力を大幅に強化するようです」
ラチェットの言葉を聞いて彼はハッとした。
「あ、ああ、俺はただの人間じゃ無い。ミュータントだ」
どこからともなくミュータントという単語が頭に浮かび、それは自分を指した言葉であると脳が強く訴えかけたため、彼は躊躇いもなくそう答えた。
「ミュータント……ふむ。聞いた事がない種族だな」
「検査がしたければ別に構わない。これも何かの縁だしな」
ウィルは親切にそう答えた。
だが、実際のところトランスフォーマーの世界にいて彼らと関わらずに生きるのは命取りになるであろうと判断したからだ。
「感謝するミュータントの青年、ウィルよ」
ラチェットはそう答え、それ以降喋らなかった。
そしてウィルを乗せたラチェットは彼らのリーダーが待つ集合地点のすぐ近くまで来ていた……
このシリーズは私の描いている別の作品であるStarWars-What Ifと同時系列での展開となっております。
投稿頻度は現役大学生のため、かなり遅めになってしまいます。
今後の投稿に関する連絡はこちらの後書きで記載するか、活動報告にて行いますのでご理解の程よろしくお願いいたします。
また、24時間以内にもう一話投稿の予定ですので是非お楽しみに!