幼馴染がヤンデレだったけど可愛いから実質アドバンテージ   作:夏之 夾竹桃

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決めた

 なんだかんだバタバタした今日この頃。僕は独り、湯船に浸かりシノのことを考えていた。シノはまだ僕の部屋にいる。

 

「ハル?入ってもいい?」

 

 ごめん。嘘ついた。何故かシノはドア1枚挟んだ向こう側にいる。

 

「入っちゃ駄目!」

 

 駄目でしょう?僕だって年頃ですよ?その………反応くらいしてしまいますよ?それはちょっと駄目なんじゃないだろうか?

 

「えぇ、どうして?」

 

「どうしてって………駄目でしょうに。」

 

「私は見られたって構わないよ?」

 

「僕は見られるのはちょっと嫌なんですよ。」

 

「大丈夫だからさ。入ってもいいでしょ?」

 

「駄目です!何が大丈夫なの!?」

 

「だって、幼馴染だし。彼女だし。このくらいなら普通かなって。」

 

「言うほど普通じゃないって!僕はそういうの意識するタイプなんだって!!」

 

「えぇ………つまんな。」

 

 どうしてこういう時は引いてくれないのか。疑問ではあるが、性格から鑑みるに当然とも言えよう。とはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしい。見られたくない………でしょ?

 

「逆に、どうしてシノはいいんだよ………。」

 

「だから言ったでしょ?幼馴染だし、彼女だから。ほーら、私もう脱いじゃったよ?裸の彼女を放置してもいいのかい?」

 

 うぅ………本当にもう何なんだよ。

 

「タオル………。」

 

「ん?」

 

「タオル持って入って!!」

 

 駄目だ。欲望に負けてしまった。だってあんなの受け入れるしかないじゃん………あぁ、僕ってなかなか精神力弱いんだな………。

 その後結局2人してタオルを巻いてお風呂に入った。

 

「顔、赤いよ?」

 

「知ってるよ………。」

 

「のぼせちゃった?」

 

「なわけないじゃん………。」

 

「じゃあどうしてそんなに顔が赤くなったりするのかな?どうしてかな?」

 

「あぁ!もう!シノ、わざとだろう!?ちょっとづつ近寄ってくるんじゃない!理性が………吹き飛ぶ。」

 

「吹き飛ばしに行ってるんだから。」

 

 全くもう、困った彼女だ………。まぁいいけどさ。こういうあたり僕も甘いってことを自覚したほうがいいのではないだろうか?

 

「本当にもう………。」

 

「えへへ………。」

 

「………とか笑いながら、シノだって顔真っ赤じゃん。」

 

「そりゃあ………ね?だって、何年ぶり?一緒にお風呂入るの。それに関係性だって変わったしなんか………今までと全然違う。」

 

「僕だって全く同じ気持ちなのに………どうして一緒に入ろうなんて言ったのさ?」

 

「だって………ハルが全くそういうことしてくれないし、私のこと興味ないのかなって。」

 

「あぁ、前も行ったとおり怖いだけだよ………。」

 

「じゃあ、はっきり答えて?そういう事って興味あるんだね?」

 

「は、はっきり………興味は、あるよ………。」

 

 あぁ、僕も何言ってんだかわからない。

 

「なんか、それ聞いたらちょっと安心した。ハルもちゃんと男の子なんだなって。」

 

「僕だって、ちゃんと男子だよ………恥ずかしいからこんなこと言わせないでよ。」

 

 本当にもう………2人してお風呂場で顔真っ赤にして………何なんだよ………。

 

「なんかこういう空気感味わってこなかったから新鮮だな………もどかしいけど。」

 

「本当、そう。なんか、なんて言ったらいいかは分からないけど………なんだろうな、これ………。」

 

 それから、少しの沈黙。気まずい訳ではないが、心地良いものでもない。あぁ、ただただ恥ずかしい………そんなとき、ぴとっと肩が触れ合った。一瞬2人共がピクッと反応する。

 

「ごめん………。」

 

「こっちもごめんね………。」

 

 また沈黙。でも今度はすぐに破られた。響いたのは2人の笑った声だ。なんだか、今更になっておかしくなってきてしまった。

 

「はぁ、なんだろうね。本当、不思議。」

 

「ホントだよ。膝枕されたり、抱き合ったりしたのにそれでもまだ慣れないことがあって………2人きりの時間が、まだ恥ずかしくて。」

 

「何ていうか、私、無理してたかもしれない。ハルが誰かに取られるんじゃないかって。ちょっと怖かったもん。」

 

「どこにも行かないけどさ………束縛は強めでいいぞ?そっちの方が………可愛いし。」

 

「ほーう………マゾいですな。」

 

「そ、そういうのじゃないから!!」

 

 僕は今日、1つ決めたことがある。責任でも何でもないただの自分の意志だ。ずっと、シノと一緒にいよう。そのほうが、僕は幸せなのだ。縛り付けなくていい。幸せでいれるなら。

 

「全くもう、シノは………そういうとこも好きだからな?」

 

「そういうの、ズルいと思うな。」

 

 ズルいのは、そのシノの笑顔だよ。

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