幼馴染がヤンデレだったけど可愛いから実質アドバンテージ   作:夏之 夾竹桃

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第4話 そうじゃない

 はい、ピンチです。頼れる人がいません。どうすればいいでしょう?いろんな意味で逃げられません。とまぁ、心の叫びはこのくらいにしといてそろそろ真面目に考えましょう。

 

「ん?できないの?」

 

 できないでしょう、こんな状況なんだから。なんて本人を目の前にして言えるはずもなく。さて、僕は一体どうするべきなんだ?ふと、京介の方に視線をやる。まぁ、状況は一切の見込めてないって顔だな。そうだわな。僕だってそうなんだもん。

 

「なんて言うかな………時と場合は大切にしよう?こういうところでそんなキスなんてしたって悪い思い出にしかなんないだろうからさ。」

 

「そうかな?私はハルとなら全然いいけど?」

 

 違う、そうじゃない。これに関しては僕の問題だ。だって、教室ですよ?人気のない廊下や屋上なんかならいざ知らず、朝っぱらの教室ですよ?できませんよそんなこと。

 

「もうちょっと、他の人のことも考えたほうがいいぞ?そういうのが苦手な人だっているかもしれないじゃないか?ここは教室なんだから、いろんな人がいるだろ?」

 

さて、ヤンデレを諭す経験というのはこれが初めてである。て、言うかヤンデレって諭すことできるの?まぁそこは置いておいて1つ疑問だ、シノはどうして急に今まで隠していたこのヤンデレの本性が出てきたのだろうか?今までは、極度の心配性程度だった。それがどうしてこんな事態にまでなってしまったのだろうか?まぁ、今は知る由もないか。

 

「うん………じゃあ昼休憩?」

 

 まぁ、時間稼ぎにしかならんわな。でも実際、人がいないのであれば………さほど問題じゃないのか………?

 

「………あぁ、わかった。」

 

 結局僕はそう返事をしてしまった。僕も何やってんだかな。そうして、シノは自分の席へ戻っていった。結構上機嫌に見えたが、僕は違う。京介の視線が痛い。

 

「えっと………晴人?」

 

「違う………違う、そうじゃない!」

 

「まだ何も言ってないが?いやまぁ、許さんことに変わりはないが。」

 

 変わりはあってくれ。頼むから。

 

「いやだって………しょうがないじゃん。」

 

「どこがしょうがないんだよ?」

 

 さぁ、僕の頭働け。今までどおり打開策を導くだけだ。働け。

 

「えっと………そうだ。逆にだ、あの状況をお前と神田さんに置き換えてみろ?お前は断るか?」

 

「断らぬ。」

 

「そういうことだ。これは人として正常な判断なんだ。」

 

 さて、自らの行いを正当化しつつ、京介を静まることもできたので一旦は落ち着いたな。もっとも、解決はしてない。

 

「それもそうだな………俺のほうが間違ってたよ。」

 

 こんなことでつなぎ止められる友情なんて僕はちょっと嫌だぞ?

 

「まぁ、それはそれとしてなんだよな………なんであんなにヤンデレが発現しちゃったんだろうな。」

 

「今まではそんなことなかったのか?」

 

「少し過剰な心配性くらいだった。まぁ、そういう気質はあったんだろうけど、あそこまで露骨にっていうのは今までもなかったな。」

 

 取り敢えずは、様子見しか無いわけだが、本当困ったもんだよ。急に監禁したいっていうのはさ。

 

「まぁ、そういう兆候があったっていうのであれば全然おかしいってわけでもないのか。」

 

「まぁな。でも、悪化されたら生活に支障が出るかもしれないからな。注意はするよ。」

 

 これは本当に注意しなきゃいけない。監禁なんてされたら堪ったもんじゃないからな。せいぜい拉致されないようにはしておかないとな。

 

「それでも好きなんだろう?」

 

「あぁ、それには変わりない。」

 

「それはどうしてなんだよ?」

 

「………別に。特に何もない。ただ、隣にいてくれた人のことを好きになった。それだけの話だよ。」

 

 こういう話はあまりしたくない。過去は僕にとって地雷なんだ。もっとも、それはシノにとっても同じこと。それがシノの心配性の原因でもあるからな。

 

「ん?なんかあったのか?」

 

「別に?そろそろ時間だから、お前も席についたらどうだ?」

 

 僕は、京介をそう誘導する。京介が素直なやつで本当に良かった。そうだ、これでいいんだ。目を瞑っていれば過去は襲ってこないんだから。暗い過去の話なんて、誰も求めちゃいないんだから。

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