火種はレユニオンと共に   作:ゲイツ

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『このスープを見ていると婆さんと爺さんを思い出すな、あの二人は元気にやっていけてるのだろうか』


                  ――タルラ 塩のスープを食す前に


共に行く(前編)

 その日はとても澄んだ青空が広がっており、ノレットは心地よい日だと思いながら薪を纏めていた。数週間前はもたついていた作業も今では手際よく遂行できるようになっている、その事の満足感も噛みしめながらのんびりとやっていた作業を終えた。

 

「今日は多くの薪が取れたね、おばあさんとおじいさん、それにアリーナもこれなら喜んでくれるだろうさ」

 

 纏めて積んだ薪を見ながらノレットは保護してくれている人達との出会いを思い出して、ふと笑った。

 

 

 コシチェイ公爵を殺害して逃走したが行く当てもなくさまようノレットとタルラを保護して快く家に置いてくれたのはおじいさんとおばあさん、そしてアリーナと言う少女ともう一人の女子だ。

 彼ら彼女らによって今、ノレットとタルラは一時の平和と平穏を得られている。だがもう一人の女子の方には大分警戒されているが。

 

「好意で置いてくれてるおじいさんとおばあさんに恩を返すのと、あの子の警戒を解くために今日みたいに働かないとね」

 

 呟きながら纏めた薪を籠の中にいっぱいになるまで入れた後に籠を背負った。華奢な体の見た目通りなら持ち運べない量の薪が入っているが、ノレットはグレズである、故に問題なく持ち運びが可能だった。

 

「さてと、そろそろ帰ろうか、二人も心配してるだろうしさ」

 

 心配なんて不要なんだけどと嘯き歩き出した、今の自分達が住み、帰る場所へと、いずれ離れるだろうがそれでも大切な場所へと。

 

 

 

 

 

 ◇────────◇

 

 

 

 

 

 ウルサスでは特に目立つこともない小さな村、その村を巡回するかのように歩いている一人の女子がいた、その姿を見た村人たちは笑顔でその女子に挨拶をすると女子もまた挨拶を返した。

 それがこの村で行われている朝の日常の一つだった。

 

「ふふ、相変わらず続けているのねファルネール」

 

「マスター」

 

 柔らかに笑う声の方をファルネールと呼ばれた女子が見れば、そこに立っていたのはアリーナ、ファルネールがマスターとして認定している女性がいた。

 

「これが私のできることですから、勝手にやっていることとは言え定期的にやるから意義のあるものですし」

 

「相変わらず真面目ねファルネールはけれどそのおかげで助かっているのだけれど、偶には休んでいいと思うわよ」

 

「いえ、私に休息は不要ですマスター、それよりも今度は村の周囲の巡回を行いますので家に戻るのは遅くなるかと」

 

 そう言って見回りを続行する気満々のファルネールを見て、アリーナは悩んだ、休まず使命を優先し自身の事に無頓着なファルネールをどうすれば休ませられるのかと。

 

(初めて会った時からこんな感じ、どうにかしたいのだけれど)

 

 初めてファルネールと出会った時、アリーナを一目見てマスターとそう言い主として見定めた彼女はアリーナの為にとすぐに自分の身を顧みずに行動を始めた。

 出会ったときのアリーナは危機的な状況に陥っていたためファルネールの自信を顧みない利他的行動によって助かり、その事には感謝もしていた。しかし、そのような利他的行動を常に行おうとしたのだ、それを何とかアリーナは今のようにファルネールの行動を落ち着かせた。

 

 だが、それでも完全に止められたわけではなく、油断をすればすぐにでも無茶をしかねないので、アリーナは悩んでいるのだ。

 

(その行動自体が悪いわけじゃないのだけれどね)

 

「どうしましたマスター?」

 

 しばし、ファルネールの事で思い悩ませていると、先程から返答がなかったためファルネールがアリーナに声をかけてきた、それに気づいたアリーナはようやく返答の言葉を出す。

 

「いいえ、なんでもないわ、それよりも巡回に行くのなら夕飯までには帰ってきてちょうだい、もっと早くでもいいけれど」

 

「はい、努力はします」

 

 その言葉を聞いたアリーナは苦笑して、こくりと頷いた。ファルネールの言葉を承諾したように。

 

 その頷きを見てファルネールは一礼をしてから外に向けて歩き出していく、それをある程度まで見守ってから近くの自分の家に戻っていった。

 

 

 

 

 数分後、自分の家に戻ってきたアリーナ、その家の前で自身と三人の保護者であるおばあさんが作業をしていて、その作業がひと段落したのかおばあさんが顔をあげてアリーナが帰ってきているのを見た。

 

「おや、アリーナ戻ってきたのかい、ファルネールはいないようだね」

 

「今日も村の周囲を見てくるって」

 

「そうかい……あの子は相変わらずだねぇ、働いてくれるのは助かるけど働きすぎはよくないんだから」

 

 と言って老婆が悩ましい顔をして溜息をついた、それにアリーナは同調するように苦笑する。ファルネールの働きすぎる姿勢はその保護者まで悩ませているのだった。

 

「悪いことではないのだけれどねぇ……」

 

 そう言ってファルネールが行ったであろう場所を老婆は見つめてから改めてアリーナに向き直った。

 

「まぁ、あの子の働きすぎをどうにかするのはまた考えるとして、アリーナ戻ってきて早々悪いけど、塩を分けてもらってきてくれないかい、もうあと一食分しかなくてねぇ」

 

「分かったわおばあさま、ちょっと家の用事を済ませた後に行ってくるわね」

 

「ありがとうねえアリーナ、まったくアリーナや他の子たちはちゃんと働いてるのにタルラと来たら!またどこかに出かけて帰ってこないんだから」

 

 手伝いをしてくれるアリーナに感謝を伝えて、仕事は手伝うには手伝うがそれ以上に家にいない日の多いタルラの事を思い出し、老婆は腹に据えたのか怒るようにしかし叫ばぬようにタルラの名前を言った。

 それに対してアリーナは再び苦笑するしかなかった、タルラが何か目的があってやってるのは察しているが老婆の言うこともあまり否定できないからだ。

 

 だから苦笑したままアリーナは老婆に一声かけて家に入り用事を済ませ始めたのだった。

 

 

 

 

 

 ◇────────◇

 

 

 

 

 

 ザク、ザクと雪にを踏む足音を聞きながらノレットは村に戻る道を歩いている、その足取りはまるでこの日常を楽しんでいるようだった。

 

「~~~~♪」

 

 さらには歩きながら鼻歌も歌いだし、帰路を謳歌しているのだった。

 

(すっかりボクもこの時間を楽しんでるなあ)

 

 そのように一人心に呟きながら、しっかりと家に向かって歩き続け、道中にあるちょっとした障害物を避けたり、見つけた動物を観察しながらも進み、村の近くまで来た頃には時間も大分進んでいた。

 

「んー、結構帰ってくるのに時間を食っちゃったな、大分遠出してたから仕方ないけど」

 

 今回、ノレット薪を多めに見つける為に村から遠くへと足を運んでいた、だから普段の場所なら数分で村につくが遠くに行っていたため、時間がかかったのだ。

 

「機能を使えばすぐ戻れるけど、後々面倒だしなーしばらくここで過ごすと決めたんだし地道に歩くしかないよね」

 

 そう、やろうと思えば早く戻ることも出来たが、無暗にその事を開かせば碌なことにならないという判断からそれらを使わずに普通に歩いて帰路についていたのだった。

 

「さて、お家まで後少しだし頑張ろうか」

 

 背負っている荷物を背負い直し、もうすぐそこまで迫った村に向かって再び歩き出す。

 

 歩いて歩いてふと、顔をあげた時、見慣れた人物が目の前を歩いているを目撃した、その人物はちょうど村の辺りを見回りしていたファルネールだ

 

「ファルネールじゃん、今日も精が出るね」

 

「ノレット、ですか、普段の時間よりも遅い帰還ですね」

 

「ちょっと遠出をしていたからさ、最近ここの近くだと薪が取れなくてね」

 

 飄々と答えるノレット、その彼女をファルネールは苦手としていた。まずその飄々とした態度で真意が読みにくく、誰とでもすぐに打ち解け、警戒する自分にすら親しくなろうと話しかける、それによってファルネールはどう対応すれば良いのか分からずに警戒を続け、何時しか苦手な人物となったのだ。

 

 とは言え普通に応対できる程度には親しくなっていたのだが。

 

「そうか……ご苦労でしたね、この数だとあの二人も喜ぶでしょう」

 

「でしょでしょ、いやぁ、頑張ったかいがあるよほんと」

 

 ハッハッハとノレットは自分の仕事を誇らしそうに笑い後ろの籠を一回叩いて見せた、そして笑い終えた頃を見計らってファルネールは声をかけた

 

「さて、戻るのでしたよね、でしたら私はこれでもう少しこの辺りを見回りますので、また後で」

 

「うんうん、りょーかい」

 

 軽く返して来たノレットに頷いて再びそれぞれが行く道に行こうとするが、ふとファルネールがあることを思い出し、足を止めてノレットの方に振り向いた。

 

「そういえば、タルラさんも戻ってきていましたよ」

 

 ファルネールのその言葉を聞いた瞬間、ノレットは立ち止まりゆっくりとファルネールの方へと向いた、動作に驚くファルネールをよそに向いた顔はとても笑顔であった。

 

「そうかそうかーようやく帰ってきたんだー!遅くて随分と心配したもんだよ、これなら早く帰って無事な姿を是非ともこの目で見ないとね!」

 

 早口でまくし立て、ルンルン気分になったノレットが再びクルリと村の方へと向き直り、歩き出す。その様子を面倒くさそうに嘆息一つはいて、ファルネールは再び見回りを再開したのだった。

 

 

 

 歩いて歩いて遂に村の入り口が見えるとノレットは更に笑顔を深めて村に突っ込んだ。静かで何もないがそんな村を気に入っているノレット、だが今日は少し様子が違った。

 ノレットが目にしたのは村人達がそれぞれ集まって何やら深刻そうに話し合っていたのだ。そこにノレットは聞き耳を立てて目を丸くした。

 

(監視官の部隊がやって来てるって!?ちょっとまずいなこれは)

 

 そう不味いのだ、監視官は強欲だ、この様な辺鄙な場所にわざわざやって来て何かしら要求してくる、そして何も無ければ彼らはその職務を遂行する、だからこそそれが不味い。

 

(絶対タルちゃんが力押しで撃退する)

 

 タルラは正義感が強い、強者が弱者に暴虐を振るうことなど絶対に許しはしない、そしてその方法は荒っぽい傾向があるのだ、それで監視隊と揉めれば一時的に追い返したとしても次は更に部隊を増やしてやってくる、それだけは阻止しなくてはならない。

 何故ならこの村の人達にもおじいさん、おばあさんにも迷惑が掛かってしまうからだ。

 

 だから目標を穏便に帰ってもらうと決めノレットはすぐさま駆けだした、聞き耳を立てて揉めていた場所を聞いていたため、すぐに目的の場所へと到着し、そこに目を向けた。

 そして揉めている人物の片方を見て、アチャーと言う表情を作った、片方の人物は自身が世話になって家のおじいさんだったからだ。

 

 おじいさんはどうにか監視隊を帰らせようとこの村の窮地を訴えているが監視隊は聞く耳を持たず、押し入ろうとしている。そこに相手に警戒を与えぬように落ち着いた歩きでノレットは揉めている中心へと足を踏み入れた。

 

「やあやあ、お仕事お疲れ様だね」

 

 フレンドリーに監視隊に話しかけるノレットに、二人とも言い合いを一時おさめてノレットの方へと振り向いた。

 

「何者だ貴様は」

 

「ノレット!?こっち来てはいかん!」

 

 いきなり現れたノレットに監視隊の隊長は警戒し、おじいさんは慌てたような動作をしながら叫び、ノレットが近づかないように祈った。

 しかし、ノレットはおじいさんに向かって人差し指を唇に縦に当てて安心させるように微笑んだ。そして警戒する隊長の方に目を合わせた。

 

「ボクはこの村で世話になっている者だけど、こんな辺鄙な場所に部隊を率いて何か用でもあるの隊長さん?」

 

「そうだが、何の用だ?」

 

「いやぁ、できれば早く用を済ませて元の所に戻ってもらいたいお願いかな」

 

「ならお前がその爺さんを素直に説得してくれ、こっちは二年に一回の定例調査をしに来ただけなんだからな」

 

 厄介そうにおじいさんを一瞥する監視隊の隊長にハァと思わず嘆息が漏れそうになった、だがそれをノレットは押さえつける。挑発したと捉えられたくないからだ、捉えられてしまえば事態は悪化してしまうからだ

 故に相手の態度を悪化させない様に注意するようにノレットは次にいう言葉を決めた。

 

「困ったね、とは言え私達にはもう出せるものなんてないんだけど」

 

「そうは言われてもな、俺達もやらなきゃ処罰されるからな、最もお前が『話の分かる奴』なら別だがな」

 

 

 その露骨な言葉をノレットは理解した、要するに袖の下を渡せば監視隊は引くと言外に言っているのだと。だがその言葉におじいさんが何か言いたげだがノレットの事を信じているのか口を挟まなかった。

 

(ふむ、露骨だけれど分かり易いね、なら必要分渡して今回は引き揚げてもらうか)

 

 秘密裏に作っていた情報収集型ユニットにより集めていた情報から、賄賂に必要な分の金を胸ポケットから出すように見せかけて精製する。ウルサスの通貨を確認していたことによりこの程度の芸当は簡単に行えるのだった。

 

「はい、これくらいで良いかな?」

 

 そして精製を数秒で終わらせ、必要分の金を胸ポケットから取り出し隊長に見せた、隊長は差し出された札束を受け取り、数え始めた。

 

「ほう、どうやらそれなりにはあるようだな」

 

「とは言えそれ以上はないんだけどねーでも隊長さんと部下の人達も満足できる分はあると思うけど?それに、これ以上渡して隊長さんたちの上役に目を付けられても厄介でしょ?」

 

 その一言に隊長が数えるのをやめて、ノレットの方を見た。

 

「減らず口をよくもまぁ、叩けるものだな」

 

 憎まれ口を叩かれても特に応えていないように肩を竦ませるノレットにジロリと目を向ける、しかし彼女の言ったことを無視まではできなかった。取りすぎれば自身の上に睨まれる可能性があるのは事実だからだ、故にチッと舌打ちをしてから徴収した札束を懐に入れた。

 

「……良いだろう、今回も特に問題はなかったということにしておこう」

 

「それは良かった、何事もなく終われてホッとしたよ」

 

「二年後にまた来るからな、その事を忘れないことだ」

 

「その時はお手柔らかにね」

 

 ノレットを一瞥し去っていく隊長達を笑顔で手を振って見送る、その様子を黙ってみていたおじいさんが隊長達が去っていったのを確認しノレットに慌てて近づいた。

 

「の、ノレット……!折角、お前が蓄えていたお金をワシらの為に……!」

 

「気にしないでよおじいさん、ボクたちはおじいさん達にとってもお世話になったんだから、このくらいどうってことないさ」

 

 かなりの金額を隊長達に渡したというのにあっけらかんとした笑顔をするノレットに申し訳ない気持ちがおじいさんの心に溢れた、それを察したノレットは何か言おうとしたとき、誰かが走ってくる音が聞こえた。その方向に振り向けばノレットがよく知る人物がこちらに向かってきていた。

 

「あっ、タルちゃん」

 

「ノレット!無事だったか!」

 

「無事って、大げさだなタルちゃんはさ」

 

 慌てて走って来ながらこちらの無事を確認してくるタルラに、ノレットは苦笑で答える

 走ってきたタルラがノレット達の隣へ到着くしなにかを探すように辺りを見回した

 

「監視隊の奴らは?」

 

「お話をして帰ってもらったよ、特に事を荒立てる事もなくね、いやぁ、話が分かる人で良かったよ~」

 

「なに?アイツ等がそんな話を聞くような奴らじゃ……まさか!」

 

 監視隊の事を良く知っていたタルラはすぐにノレットが言った話し合いの真相を察し、ノレットを見た。ノレットは気まずそうに肩を竦め、おじいさんは帽子を深く被って悔しそうにしていた。

 それを見たタルラはすぐに監視隊が去っていった方角へと顔を上げ、睨むと同時に追いかけようと動きだした。

 

「なっ、いかんタルラ!」

 

「やれやれタルちゃん、そうやって直情的に動くのは悪い癖だよ」

 

 しかしノレットは先手を打って動き出したタルラにすぐさま足を置き、走ってすぐの所で足を引っかけた、足元に注意が向いていなかったタルラは見事に引っ掛かり、転んだ。

 それを確認したノレットは転んだタルラの前にしゃがんだ。一方倒れたタルラは勢いよく顔をあげて

 

「ッ、何をするんだノレット!」

 

「穏便に引いてもらったのに、突っ込もうとするタルちゃんを止めたんだよ?今のタルちゃんそのまま行かせたら、絶対に力を振るって取り戻そうとするからね、それはねやっちゃいけないんだよ?」

 

 自身を見つめるノレットがタルラを見つめながら首を傾けて、タルラもまた仰向けになりながらノレットの目を見て話を聞き熱がこもった頭が冷えていっていた。

 

「もし、今タルちゃんが向かってボクが渡したお金を奪い返しても彼等はそれに怒って報復しに来るだけだよ、そうなったらどうなるかはタルちゃんなら分かるよね」

 

「……………」

 

 むぅとうねり声をあげながら不満そうな表情を顔に出すも、頭が冷えてきたタルラには報復によって起こされる被害が容易に想像できた。

 

「……分かってる、分かってるさ」

 

「うん、こういうのを不満に思うのはタルちゃんの美点さ、けど我慢することもちゃんと覚えないとね」

 

 不満を抑え込み、自分にも言い聞かせるようにして納得するタルラに満足した様にうんと呟き、頷いてタルラに手を差し伸べた。

 

「でも行動してくれるのは嬉しかったよ、ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

 伸ばされた手をタルラは掴み、再び立ち上がるその頭は冷えて冷静であった。それを見たおじいさんはふぅと安心したように息を吐いた、そしてタルラの隣にノレットが居たことに感謝した、そして二人の下へと駆け足で近づいて行った。

 

「ノレット何とかしてくれて助かった……これで暫くはこの村も安全じゃ」

 

「そうだね、あとは二日後の村の移動を無事に終えれば今年も無事にすごせそうだね、その日まで何事もないように祈るだけだよ」

 

「ああ、それで爺さんアイツらに何かされなかったかい?」

 

「奴らに何かされる前にノレットが来てくれたからのう、この通りピンピンしておるよ」

 

 言葉通り無事であることを示すように体を動かして見せる、だが心配させまいとしたからか年の割に無茶な動きをした、その結果鈍い音がおじいさんの腰から響いた。

 

「ぐおぉぉぉぉ……!」

 

「あーもう、無茶するから」

 

「まったく、爺さんは年なんだからあんまり無茶なことはしないでくれ」

 

 苦笑し腰をやったおじいさんをタルラが支える、おじいさんはすまんのぉと言い支えるタルラと一緒に歩き出した、その後ろに付いて二人を見守る形でノレットは歩き出した。

 

「色々あって今日はもうクタクタだよ、晩御飯は何だろうね?」

 

「恐らく何時ものスープだろうな、とは言え今回は少し豪華になると思うぞ」

 

「その口ぶり、何か婆さんに渡したのかタルラ?」

 

 おじいさんからの疑問にタルラは微笑することで答えた。それにお爺さんはタルラがしばらく家をあけてどこに行っていたのか察した。そして呆れたような目線をタルラに向けたのだった。

 

 その流れが面白かったのかノレットは静かに笑う、そして顔を見上げれば遠くにタルラを追って来たアリーナが待っているのが見えた。

 

 

「やれやれ、タルちゃんからは目を離せないなぁ」

 

 そう静かに独り言をノレットは呟いた。




NAME:「ファルネール」
〇クラス:執行者 ミーム:オルファン ブランチ:オートマタ
経歴:嘗て人を抹殺する目的で作り出された殺戮機械だったが偶然自我に目覚めた個体の一人。
   自我を得てから暫く、なぜ自分は自我に目覚めたのか自問自答しながら任務に従事していたがその任務の中で自問自答しつつ自身が仕える者であると自覚し、その時にカオスフレアとして覚醒、自身に命令を下す統括者をを自分の主としてふさわしくなく、自我に目覚めて利他的にもなったために殺戮機械としてもやっていけず、裏切り逃走する。
   逃走してからはオリジンにわたりつつダスクフレアと戦いながら自身に相応しい主を探したものの見つからず、旅を続けていた。


   テラに転移した際アリーナと遭遇、色々と慣れない地にて自身に親見に接してくれたアリーナを主として認定し、アリーナに仕えている

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