兄・子世代ifチート能力を駆使して転生人生謳歌します!   作:八重歯

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05 人助け!

ホグワーツに行くまでにまだ1ヶ月程度ある。

教科書はある程度読んだし、ぶっちゃけ暇人な俺は──ノクターン横丁を訪れていた。

 

何処にあるか、その場所がわかれば姿現し余裕な俺は、興味本位でなんとなくそこを訪れた。

いやーダイアゴン横丁は映画や小説内に出てきてたけど、ノクターン横丁ってあんまり出てきてないからなぁ。どんな店があるのか純粋に興味がある!

 

 

一応、俺の美貌があまりに最高級すぎて人攫いや変態さんに会いすぎるのは嫌だったから、大きなローブを着てフードもしっかりと被っている。まぁ、俺の素晴らしい美貌はフード如きではなくならないかもしれないが、曝け出すよりはマシだろう。

──嫌ってかあしらうのが面倒なだけだけど。世界最強の魔法使いである俺に、敵などいない!

…ただ、ホグワーツに入学した後って、マグル界で魔法使えないんだよな?それはめんどくさいなぁ…。

 

 

「あ、明日ハリーの誕生日だし。何かプレゼント買わないとなぁ」

 

 

流石にノクターン横丁の物はちょっとアレだから、後でダイアゴン横丁にでも行こうかな。魔法界のお菓子とかあげたら喜ぶかな?

 

 

ボージン・アンド・バークスの店の前に立ち、ショーウィンドウに並ぶ干からびた手やフラスコに入った複眼の瞳、なんか奇形っぽい動物のミイラ、大きな宝石のついた呪われてそうなネックレスをまじまじと見る。

 

うーん、全く使用方法がわからないものばかりだ!

けど、ここは若きヴォルデモート卿が働いていた場所であり、ハリポタファンの俺としては聖地のようなものである!

 

入ってもお金無いからなーやらせ客でも受け入れてくれるかな?

 

とか考えて入るかどうか悩んでいたら、小さな悲鳴が聞こえてきた。

 

 

「──触るなっ!」

「…んん?」

 

 

この場所には似つかわしく無い幼い子どもの悲鳴に、俺は声のした方へと向かう。もし迷子とか、人攫いに連れ去られそうなら助けてやった方がいいだろう。

ハリーみたいに煙突飛行してうっかり咳き込んでしまった可哀想な子どもかもしれないし。

 

 

ボージン・アンド・バークス店から三つほどさらに曲がり角を行き、かなり暗く汚く、下水のような悪臭が漂う路地の──行き止まりに追い詰められている子どもがいた。

 

 

「んっ──!」

「五月蝿い口は閉じねぇとなぁ?」

「傷モノにするなよ?ここまでのプラチナブロンドは珍しい…高く売れるぜ?」

「──っ!!」

 

 

 

その子どもの前には大きな魔法使いが2人立ちはだかり、行く手を邪魔している。

あれー?こいつらこの前のアレじゃん。俺に壁アートにされた奴らじゃね?ただの変態さんじゃなくて、人攫い屋さんだったのか。

 

 

「おじさん達、そんな子と遊ばないで──俺と遊ぼうぜ?」

 

 

後ろから声をかけ、振り向いた2人ににっこりと笑いかける。

フードを目深に被っているから、多分俺の口元しか見えないだろう。

しかし、俺は鼻の下から口元にかけても完璧であり、すぐにおっさん達は俺に狙いを定めた。

 

…お、今日は手に杖を持ってる。

 

 

 

「懲りないねぇ、あんたらも」

 

 

 

腕を左右にぱっと広げれば、その動きに合わせておっさん達は壁に激突し、また壁アートになった。

 

 

「こんなとこで何してんの?」

「んんーっ!」

 

 

壁に追い詰められていた子どもは、その場に座り込んで蒼白な顔をしてガタガタ震えている。あーこれ動けないように呪われてるな、口も閉ざされてる。俺が後少し来るのが遅かったら薬漬けコースだったんだろうな。…ノクターン横丁治安悪すぎじゃね??

ハリーも速攻で魔女に連れ去られそうになってたよな?──いや、なったというか。将来的になるというか。

 

 

俺の事を怯えた目で見つめる少年。

ま、たしかにいきなり知らない人に助けられて──しかもなんかめちゃくちゃ強いっぽいってわかったら、感謝するって言うよりも別の人に攫われるのかって不安になるかな?

 

俺は深く被っていたフードを外し、服の中に巻き込まれていた銀髪をさらりと手で流す。

 

途端に青白い顔をしていた少年はぽっと頬を赤らめ、呆然と俺を見た。

 

 

「不審者じゃねーよ。こんな所で子ども一人は危険だぜ?…俺はノア・ゾグラフ。君は?」

「…んん……」

「あ、そーか呪われてたな──はい、これでどうだ?」

 

 

なんか、見覚えがあるような少年の肩をポンと叩いて口塞ぎ魔法と拘束魔法を解呪してやる。

するとすぐに少年はぱかりと口を開けて驚いた顔をして自分の手足を見ていた。

よろよろと立ち上がると、服についた──なんか、上等そうな服だな?──砂を叩いた後、俺の顔を頬を赤らめたままじっと見つめる。

 

 

「僕──僕は、ドラコ・マルフォイ…助けてくれて、ありがとう…」

「ド…ドラコ?」

「そうだ」

 

 

……ドラコ!?

お、面影はある!可愛い…プラチナブロンドが眩しい!けど、オデコ出して無いじゃん…!そりゃわかんねーわ!

 

幼きドラコはオールバックではなく、普通にサラリとした前髪があった。オールバックドラコも可愛いけど、たしかに今の幼い顔つきにはこの髪型が似合うな…

 

 

 

「ドラコは迷子か?」

「…父上と、はぐれてしまっただけで迷子ではない!」

「人はそれを迷子と呼ぶんだぜ?」

「…うぐっ…」

 

 

迷子だと認めたくないのか。

まぁちっちゃいなりに男としてのプライドでもあるのかな?

 

 

「何処ではぐれたんだ?ボージン・アンド・バークス?」

 

 

もしボージン・アンド・バークスならすぐに場所がわかるし連れていけると思ったけど。そういえばここに来るまで誰かを探している人とは会わなかったな、なんて思い出す。

 

ドラコはちょっと言いにくそうに俯き、手をモジモジとさせながら呟いた。

 

 

「…ダイアゴン横丁…」

「……ノクターンに一人で来たのか?」

 

 

こくり、と頷くドラコ。

素直なのはいい事だが、バレたら拳骨で済むかな?

まぁ、この歳の男の子はちょっとアングラなことに興味があって踏み出したくなるものか?ちょーーっと、早すぎる気もするが。まぁ、マルフォイ邸には色々なり闇深い物がありそうだもんな。

 

 

「じゃ、ダイアゴン横丁まで送ってくよ」

「……ああ」

 

 

ドラコは安堵したようにほっと息を吐いた。

まぁ、ここで俺と会わなかったらまじでやばくなっていたって、自分でもわかっているんだろう。

 

俺はドラコに手を差し出す。

ドラコは青白い顔を健康そうな桃色に染めながらも、おずおずと俺の手を握った。

 

 

「路地には変態さんばっかだからさ──上から行こうぜ?」

「上?──うわっ!?」

 

 

ふわり、と身体が浮き、そのまま空高く舞い上がる。ドラコは慌てたような声を出して俺の腕に必死に捕まった。

おー空中浮遊、意外と出来るもんだなぁ。

 

 

ドラコのめちゃくちゃ細い腰に手を回せば、ドラコは顔を赤らめ、その綺麗な瞳を輝かせ俺を見つめた。

 

 

「す、凄い…!こんな魔法、僕…知らない…!」

「ま、ホグワーツで教わるさ──ほら、ドラコ?空の上を歩くように足を動かして?」

「う──うわ…!」

 

 

ハウルのようである。

空を歩くように足を一歩一歩前へ出すドラコの手と腰をしっかりと持って空を進む。

空から見ればノクターン横丁の暗い通りや、その先にあるダイアゴン横丁の明るく開けた場所まで一望出来た。うーん、空中浮遊って楽でいいなぁ。

 

 

「ドラコのお父さん居るかな?」

「……あ…あそこ…」

「ん?──おーおー、めちゃくちゃ心配してるんじゃねえ?」

 

 

ドラコが指差した場所を見れば、ダイアゴン横丁からノクターン横丁に入ったばかりのルシウスが見えた。きっといくらダイアゴン横丁を探しても見つからないから、まさかと思ってノクターン横丁を探しているのだろう。

必死に辺りを見渡し、早歩きで進んでいる。路地一つ一つを確認してる動きから、本当に必死になってドラコを探しているのがみてとれた。

 

そりゃ、大事で大切な一人息子だもんなぁ。

 

 

「降りるか」

「…ああ」

 

 

怒られるのがわかってるのか、ドラコは俺の胸元をきゅっと掴んで沈んだ声で答えた。

 

 

 

俺はドラコを抱き寄せたまま、ふわりとルシウスの少し前に降り立つ。

ルシウスは突如現れた俺にびくりと肩を震わせ直ぐにステッキから杖を抜いたが──この腕に抱かれているのがドラコだと知ると、「ドラコ…!」と小さく呟いた。

 

 

「ち…父上…」

 

 

ドラコを離してやれば、ドラコは泣きそうな顔ですぐにルシウスの元に駆け寄り、その胸の中に飛び込んだ。いやー9歳くらいの子どもだもんな、攫われかけたのがよほど怖かったのだろう。

ルシウスもしっかりとドラコを抱きしめて、長い息を吐いていた。

 

 

「父上…ごめん、なさい…僕──僕…ノクターン横丁に、行ってみたくて…!」

「…ドラコ!あれ程駄目だと…!…無事で、良かった…」

「いやぁあんまり無事じゃなかったですよミスター?ドラコにちゃんと言いつけてないと、人攫い屋さんに連れて行かれそうでしたよ?」

「なっ…ほ、本当か?ドラコ…」

「…はい…ごめんなさい、その…あの人が、助けてくれて…」

「君が…?」

 

 

ルシウスは俺を信じられないような目で見下ろす。

まぁ、見た目11歳のなによりも美しい少年が人攫いを生業とする魔法使いなんかに勝てたなんて、信じられないのかもしれない。

ルシウスは驚愕しながら俺を見ていたが──はっと息をのむと、「ノア…?」と呟いた。

…え?何で知ってるんだ?

 

 

「何で俺の名前知ってるんですか?」

「…1週間ほど前、日刊預言者新聞の…見出しになっていただろう。…ホグワーツ教師禁断愛…セブルス・スネイプと密会デートだとかいう記事で」

「えっ何それ読みたい」

 

 

孤児院はマグル界にあるから読めないんだよなぁ!やっぱあのコガネムシは記者だったか。

そして、セブルスとのデートがパパラッチされていたのか!日刊預言者新聞がそんな教師のプライベートな事書くとは思えないから、間違いなく俺の美貌のせいだろう。

つまり、俺の美貌は少なくともイギリス魔法界に広まったのか!

 

 

セブルスはその記事読んだかな?ビリビリに破ってそうだなぁ!なんてにやにやしながら考えてたら、ルシウスは杖をステッキに戻してゴホンと一つ改まったような咳をこぼした。

俺を見下ろすその頬は、なんかドラコと同じで赤い。…ま、俺の美貌は世界一だからな?

 

 

「…息子を助けてくれて…ありがとう。私はルシウス・マルフォイだ。…君の保護者はいるかね?礼をしなければ」

「あー。両親は死んでる。そのセブルス先生との写真撮られたのは、ホグワーツに必要なもの買う時ですね。俺マグルの孤児院暮らしなんで付き添ってくれたんですよ」

「…君は……君の両親は、マグルだったのか?」

「──そうだったら、お礼してくれませんか?」

 

 

怪訝な顔をしたルシウスに、悪戯っぽく笑いかければ──ルシウスは暫く沈黙した後首を振り、内ポケットを探り大きな皮の袋の中から数十枚のガリオン金貨を取り出した。

 

 

「…受け取りたまえ」

「どーも」

 

 

受け取った金貨をポケットの中に入れて、その場からふわりと浮遊する。

フードを深くかぶりなおし、長いローブがはためく。

 

 

「──本当は、あなたが持ってる黒い日記が欲しかったな?」

「──何、を」

 

 

高い位置から見下ろしてニヤリと笑えば、ルシウスはさっと顔を青くさせた。俺が何の日記を示しているのか直ぐにわかったのかも、しれない。隣にいるドラコはきょとんとして俺とルシウスを見ていた。

 

いやーだってリドルの日記だぜ?

マホウドコロオンラインショップで売られていたやつじゃなくて、マジモンの!!

いやー欲しいよな!普通に。もらえるタイミングあったら貰いたい、ってか、リドルが見てみたい!

 

 

「じゃーな!ルシウスさん!…ドラコ、ホグワーツでまた会おう!」

 

 

俺はそのまま孤児院まで姿くらましをした。

 

 

 

「…あ、ハリーの誕プレ買うの忘れてた」

 

 

 

せっかくかっこよくキめて退場したのに、後でダイアゴン横丁でばったり会うのも…ダサいよなぁ。

 

ハリーの誕プレは明日朝イチでもう一度ダイアゴン横丁に買いに行こう。

そう決めた俺は鳥籠の中で大人しくしていたシロに鳥用のクッキーを放り投げた。シロは器用にキャッチすると美味しそうにクッキーをまぐまぐと食べた。

 

 

──ネーミングセンスがないとかは、言ってくれるな!

 

 

 

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