兄・子世代ifチート能力を駆使して転生人生謳歌します!   作:八重歯

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ホグワーツ一年目
08 未成年のブラックジョーク


 

ホグワーツに到着した俺は、大きな城を見上げる。

この前来た時は城を外から見てなかったから──こうやって見ると、マジで感無量。俺のサンクチュアリー。…ああ、ここに来るために、ここで過ごすために、()()()()()()()()()()

 

 

コンパートメント内で制服に着替えた俺は、どこからどうみても男子生徒の制服を着ている。まぁ、当たり前だが。──だが、汽車を降りた途端めちゃくちゃざわつかれたし、今でも「男の子なんて…信じられない…」という囁きが聞こえてきている。

 

 

俺たち新入生を案内する役割のハグリッドが大きな扉を3度叩けば、扉がぱっと開く。

その先にいたのはエメラルドグリーンの綺麗なローブを着ているマクゴナガル先生だ!おお、ハリポタ一巻みたいだ!

 

 

引率者はハグリッドからマクゴナガルに変わり、俺たち新入生は玄関ホールを歩き、大広間につながる扉を通り過ぎて──中から沢山の生徒のざわめきが聞こえたし、もうみんな集まっているのだろう──その脇の小部屋に通された。

 

 

「ホグワーツ入学おめでとうございます。新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、その前にみなさんの寮を決めなくてはなりません。寮の組分けはとても大切な儀式です。ホグワーツに居る間、同じ寮生がみなさんの家族のようなものです。教室でも寮生と一緒に勉強し、寝るのも寮、自由時間は寮の談話室で過ごすこととなります」

 

 

マクゴナガルは、俺たちを見回しながら四つの寮のことや、規則に違反した場合寮から点数が引かれることを静かに伝える。

その目がなんか最後俺を見たままなのは気のせいか?いや、気のせいではないなこりゃ。この前ホグワーツに姿現ししたせいで、要注意人物だと思われてるのかな?

 

 

 

 

俺たちはマクゴナガルに指示されるまま一列に整列し、先程の廊下へ出た。

大広間に続く二重の扉をマクゴナガルは両手で押し開け、その先に沢山の生徒達の頭が見える。

 

大広間の天井付近には何千という蝋燭が煌々とした灯りを燃やし全体を暖かく照らしている。天井には夜空が映し出されていて、沢山の星が瞬きなかなかに幻想的で、美しい。

 

 

俺が大広間に足を踏み入れた途端、テーブルに座っていた上級生達がいきなりざわめいた。

 

「ノア!ノアだよ、ほら新聞で…」「う、美しすぎる…!」「スネイプの愛人ってマジ?」「えっ!?あ、あの制服…男子なの!?」「天使がいる…」「いや、あの輝きはヴィーラだ…」

 

 

色んな声がざわざわと響き、俺をよく見ようと立ち上がる生徒までいる。

ハッフルパフとレイブンクローの机を通り過ぎながら、俺の事を見つめる生徒達に向かってにっこりと笑みを浮かべ手を振れば──ばたばたと机に伏せていく者の多いこと多いこと。

ハッフルパフ生とレイブンクロー生はほぼ全滅だな?こりゃ。いやーたまたま近くに座っていたから仕方がないとはいえ、この子達が宴が始まるまでに復活してくれることを祈ろう。

ついでにスリザリン生とグリフィンドール生にも向かって視線を投げ、微笑めば──面白いくらいにみんな顔をりんごのように真っ赤に染めて恍惚とした表情を浮かべる。

うーん!俺の美貌はすごい!

 

 

マクゴナガルは俺たちを他の先生達が座る上座のテーブルの前に1列に並ばせると、上級生達の方を向くように指示する。

だが、彼女は何百人もの生徒が胸を抑え机に突っ伏しているのを見ると僅かにうろたえ、どうしたものかと思ったが──とりあえず儀式を進める決断をしたらしい。

まぁ、生徒達の方を新入生が向いたところで、何百もの目はただ、熱っぽい目で俺だけを見ている。

 

 

組分け帽子が俺たちの前に出され、寮の特性を歌った。まぁ、特に変わり映えのない原作に似た歌だったが、気絶していない上級生達は組分け帽子が歌い終わると大きく手を叩いて拍手をした。

 

 

「ABC順に呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組分けを受けてください」

 

 

マクゴナガルが長い羊皮紙を取り出しながら、俺たちを見る。

 

 

ついに、組み分けが始まった。

…あ、気絶してた奴らもなんとか意識を取り戻してるっぽいな、よかったよかった。組分けの儀式も見たいやついるだろうしなぁ。

 

 

マクゴナガルに名前を呼ばれた子どもたちはぱっと列から出ると椅子に座り帽子をかぶる。すぐに組分け帽子が寮の名前を叫び、初々しく頬を紅潮させた子どもたちが跳ねるようにそれぞれの寮へ向かっていく。

 

 

「ディゴリー・セドリック!」

 

 

セドリックは静かに椅子に座る。

そのイケメンさに何人かの女生徒が顔を合わせこそこそと囁き合っていた。

 

 

「──ハッフルパフ!」

 

 

ハッフルパフ生が歓声を上げセドリックを歓迎する、セドリックも嬉しそうに微笑みながらあいている席に座った。

 

その後、組分けされたフレッドとジョージは勿論揃ってグリフィンドールだった。

次々と組分けが終わり、最後に残ったのは俺だけだ。Zだから最後だろうとは思ってたけど、やっぱりかー。まぁ、全校生徒から注目される俺が真ん中あたりだったら、その後名前呼ばれる子は残念ながら注目されないだろうし、最後で良かった!

 

 

「ゾグラフ・ノア!」

 

 

俺の名前が呼ばれた途端、生徒たちは今までの騒めきをぴたりと消し食い入るような目で俺と組分け帽子を見る。中には祈るように指を組みぶつぶつとる念仏のように何かを唱えている子もいた。

 

セドリックとジョージとフレッドも、皆と同じように真剣な目で俺を見ている。

 

 

椅子に座れば、すぐに帽子が乗せられた。──うっ、ほのかに暖かくて嫌だな…。毛じらみ持ってるやついねぇよな?

 

 

「ふーむ…」 

 

 

頭の中に低い嗄れた声が響く。

おお!生組分け帽子の声!いやーどこの寮なんだろ。

 

 

「…さてはて──どうしたものか…何も見えん」

「え?何でまた」

 

 

困惑したように帽子は言う。

何だよ!楽しみにしてたのに、なんで何にも見えないんだろ?

 

 

「見えなかったら決められないのか?」

「必ず、相応しい寮を選んでみせる!…だが…むむむ、心が隠されておるようじゃ…」

 

 

隠されて…?

ああ!閉心術を使ってるからだな、人に心を悟られるなんて嫌でついついかけていた。成程、この帽子は開心術を使ってその人の性格や心をみているのか。

 

 

「俺、ハッフルパフがいいなー」

「何?ハッフルパフ?それは──何故じゃ?」

「どの寮のどんな奴とも友だちになりたいから!」

「ふむふむ…まさに、ハッフルパフの精神じゃな…よしよし

 

──ハッフルパフ!!」

 

 

「ありがとう!」

 

 

帽子はハッフルパフを高らかに宣言した。

その後に続いた俺のお礼の言葉は誰の耳にも届かなかっただろう。いや、言った本人の俺ですら聞こえなかった。

 

大広間を震わせるほどの歓声と怒号と悲鳴が上がり、窓がガタガタと揺れる。

ハッフルパフ生なんかは足を踏み鳴らし手をちぎれそうなほど叩いている。…中には嬉しすぎて気絶してる奴もいるな?

 

 

 

俺はハッフルパフ生達の歓声に応えるように両手を広げた後、こほん、と一つわざとらしく咳をこぼした。

途端に俺が何か話すに違いない、と察した生徒たちはぴたりと拍手や歓声や嘆きなどを止めて俺に耳を傾ける。

 

 

「えーと。ノア・ゾグラフです。この場を借りて皆に言いたい事があります!」

「「なぁにー!?」」

 

 

フレッドとジョージが囃し立てるように声を上げた。何ともタイミングのいい掛け声に、なんか未成年の主張みたいだな、なんてニヤリと笑う。

 

 

「俺は男です!」

「「ええーーっ!?」」

 

 

ノリノリでフレッドとジョージは返事をしてくれたが、あの2人は知っている筈だ。

だが他の生徒は俺が着ている男子生徒の服を見ても信じられなかったのか、信じたくなかったのか、フレッドとジョージ以上に大きな声で「ええーーっ!?」と叫んでいた。

 

 

 

「それと、日刊預言者新聞の件ですが、俺は──」

 

 

ちらり、とセブルスを見れば何を言い出すつもりなんだと言うような怪訝な目で見られる。

うん、関係なんて何にも無いよ!ただの付き添いだよ!って言おうと思ったが、なんとなく悪戯心がむくりと湧いた。

 

 

「──セブルス先生の愛人です!」

 

 

阿鼻叫喚。

死屍累々。

地獄絵図。

 

どの四字熟語が正しいだろうか。

口々にセブルスを罵倒する声──「変態!」「ロリコン!」「蝙蝠野郎!」──に混じって泣き叫ぶ声が聞こえた。

セブルスはぽかんとしてるし、上座に座る他の先生達は犯罪者を見るような目でセブルスを見ている。

 

ようやく、俺が何を言ったのか理解したセブルスは土気色の顔を怒りに染めて勢いよく立ち上がり俺を指差して叫んだ。

 

 

「ゾグラフ!ハッフルパフに300点の減点と罰則1ヶ月だ!!」

 

 

セブルスの怒号は大広間中に響き渡った。

 

 

「やだなぁセブルス先生、ジョークですよジョーク!──セブルス先生とは教師と生徒以外なんの関係もありません!…ハッフルパフの点数下げちゃった…ごめんね?」

「いいよーー!!」

 

 

ぱちんと完璧なウインクをして、舌をぺろりと出せばフレッドとジョージだけでなく、生徒皆がジョークだと知って大喜びしていた。

「ノアはお茶目だね!」「そんなところも素敵!」「小悪魔な天使だ!」「君の笑顔にハッフルパフに1000点!」──そんな声を聞き、声援と何故か再び沸き起こった大きな拍手に手を振り笑顔で応えながら、大歓迎するハッフルパフの上級生のそばを通り過ぎ、嬉しそうに笑うセドリックの隣に座った。

 

 

「同じだったな」

「うん、嬉しいよ!…けど…すごいね…きっと、組み分けされて数分で300点も減点されたのはノアが初めてだよ…」

「まじで?ホグワーツの歴史に名を残す事になっちゃったかー」

 

 

セドリックは苦笑していたが、他のハッフルパフ生は前代未聞の300点マイナススタートだとしても全然気にしてなさそうだった。

まぁ、ハッフルパフって寮対抗杯あんまり興味なさそうだしな?いつも負けてるんだっけ。だから落ちこぼれの寮だと言われているとかなんとか。

 

 

「300点くらいすぐ取り戻して見せるさ!だってほら、俺って最強の魔法使いだし?」

 

 

ニヤリと不敵に微笑めば、俺を見ていたセドリックだけでなく周りの生徒たちも頬を紅潮させ目を輝かせる。たまたま俺の前に座っていた上級生は胸を抑え「心臓がもたないっ!」と呟き、気絶した。

 

 

えーと、寮監は薬草学のスプラウト先生だっけ?

上座のテーブルを見れば、スプラウトは両手で顔を覆っていて、セブルス、フリットウィック、マクゴナガルはホッとしたように胸を撫でため息を吐いていた。いや、セブルスは俺をめちゃくちゃ睨んでる。うーん、ジョークのわからない大人にはなりたく無い!うん!

 

…スプラウトはこんな素晴らしい俺がハッフルパフ生になって感激して泣いちゃってるんだろうな!!

 

 

 

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