ガンバライダーロード外伝〜消えた幻想と学園のお話 作:覇王ライダー
"xx地区に怪人出現、至急現場に急行せよ"
またか。とため息をついた少年にしょうがないよ。ともう一人の少年は言い返す。ここ最近事件が増える中で解決しない問題というものにどうにもむず痒く感じてしまう
自分達がいた世界とは全く別の世界だが彼らはこんなことに巻き込まれすぎてもう慣れっこだしむしろこうして他の世界にいる方が居心地がいいまである。しかしこうも戦乱が絶えない世界に何度も呼ばれてしまうと彼らも気が滅入るというもの、と言いたいが自分たちの指名は戦うことでそれが存在意義でもあるのだから少し複雑な気持ちだ
確認してみると現場まではそう離れていない、向かえば文字通り瞬きする間もなく着く。少年は息を整えて向かおうとしたその時だ
「・・・ねぇ」
「・・・何だ?」
今から向かおうと言う時に何だろうかと少年は問いかける。少年たちを月が照らし、映す影はまっすぐに一本伸びている
「今回の事件、君はどう思うんだい?」
唐突だし今聞くことなのだろうか。少年は問いに対して静かに答えを出す
「知ったこっちゃねえな。敵がなんであれ怪人ならぶっ潰すし人は守る。俺たちが追い求めているものの時は消し去るだけだ」
少年はそっか、と言い静かに彼の意識から離れる。長話が過ぎたかと少年はすぐさま助けを求める声の方へと向かった。
"至急向かってください"
ごちゃごちゃうるせえな。少年は通信を切り更に速度を上げる
飛び去る時に見えた残像は赤い光を放ちまるで血の道のようだった
朝日が上り朝が来る。地球が回り続ける以上当たり前のことではあるが朝が来て欲しくないなぁ、と言う人も少なくはないだろう。このまま眠っていたいのに朝になると仕事や学校に行かねばならないということからヴァンパイアでもないのに朝に対してちょっとした嫌悪感を覚えたりする。そう、彼女もその一人である
「あぁー眠い」
-博麗霊夢-普通の高校に通う高校一年生だ。九月に差し掛かるこの時期はやけに風も涼しい。もう少し寝ていたいのだが、それを許さんとする者もいる
「もう霊夢さん!早くしないと学校に遅刻しますよ?」
-高麗野あうん-霊夢と共に住む居候だが父母がいない霊夢にとっては家族に近いのかもしれない。
はいはいとあうんの言葉を受け流しながら食事していると門の前から聞き慣れた声がしたのでどうぞ、と霊夢が迎え入れる
「霊夢ー!一緒に学校いこうぜー!」
-霧雨魔理沙-彼女の同級生である。霊夢はちょっと待ってとすぐに支度を済ませてあうんに声をかける
「んじゃあ行ってくるからお留守番お願いね」
「はーい!」
門を出て少しすると霊夢と魔理沙はたわいのない話を続ける
「しかしお前んとこの神社ってデッカいよなぁ。参拝客は見たことねえけど」
「それはアンタが朝にしか来ないからでしょうが」
霊夢は苦いものを噛んだかのように魔理沙にそう返す。しかし霊夢の住んでいる神社-博麗神社-はここ一帯では三本の指に入るくらい立派な神社で霊夢も学生の傍ら巫女をすることでそこに住ませてもらっているのだ。魔理沙は笑いながら霊夢に言い返す
「ほーんとかぁ?毎晩おさいせーん!って夢にでも出てきそうだけどなぁ?」
おうおう喧嘩か?買うわよ?いつやる?そう魔理沙の煽りに乗っかろうとしたその時だ
「・・・ん?」
霊夢と魔理沙は異様な光景を見かける。長くこの道は歩いているが見たこともないものだったので二人は困惑を覚える
「木に登ってるな」
「登ってるっていうか座ってるわね」
「すげえ遠く見てんな」
「何でなんでしょうね?」
彼女たちの思う日常とはかけ離れたような雰囲気を漂わせていたのはひとりの少年だった。少年とは言っても背丈は霊夢や魔理沙たちより高いし恐らく彼女たちよりも年上なのだろうと判断した。それより気になるのは長く住んでいる彼女たちでさえ見たことない顔ということだ。そんなに広い世間じゃないし見たことあれば声もかけるはずなんだが・・・。思いついたかのように魔理沙は霊夢にコソコソと話し始める
「霊夢、話しかけてこいよ」
「はぁ!?」
霊夢は驚きのあまり威嚇のような声をあげる。魔理沙もそこまでビックリするとは思わず少し後ろにのけぞった
「いいだろ?お前どうせ男と話す機会なんてないんだし」
一言余計じゃないか?霊夢は色々言おうとしたが魔理沙の目を見て呆れたような声を出す
「はぁ、分かったわよ行けばいいんでしょ?」
霊夢は恐る恐る少年へと近づく。少年もその気配に気付いたのか霊夢に視線を向ける
「あ・・・あのー・・・」
髪はウェーブのかかったような癖っ毛だが目は赤く、髪の色は綺麗な黒色をしている。少年は黙っていたが霊夢にずっと視線を送り続けていた。霊夢の顔は徐々に赤面してごめんなさい!と一言だけ残して魔理沙のところへと走っていった
「なーんだよ根性ねえなぁ。それでも巫女さんか?」
「巫女関係ないわよ!いやあんなの緊張するでしょ!」
霊夢も意外とシャイなんだなぁ。そう思い見てろと魔理沙は少年へと近づき声をかける
「おーい!」
少年はまた少女に視線を向ける。どこか圧のような強い視線だったが彼女は臆さず話を続ける
「お前どこ中だ?ここら辺は私らの庭だぜ!」
古いな!いや古いだろ!霊夢が言いに行こうとしたとき少年は口を開く
「あぁ、それは悪かった。ここからは見通しがいいもんだから登ったんだが庭の主とありゃあ従うしかねえな」
少年はスッと降りると魔理沙にすまないと声をかける。魔理沙は更に会話を続ける
「いいんだいいんだ!私は霧雨魔理沙、お前は?」
「俺はチヒロ。それしかねえけど気にすんな」
少年は少し笑いながらそう答えた。魔理沙もそうかそうかと頷く
「チヒロはここら辺に最近きたのか?」
チヒロはあぁ。と頷き少し考えたような表情で話す
「ちょっと野暮用でこの辺に来ることになってな。まだちょっと長くもなりそうだ」
彼にも彼なりの理由があるようだ。霊夢を紹介しようと後ろを向いた時に魔理沙は異変に気づく
「あれ?霊夢?なあ、さっき後ろにいた奴なんだが知らねえか?」
そこまで見ていなかったのだろうチヒロは横に首を傾ける。そう二人が話していた時だ
「霊夢!?」
「ッ!?」
叫び声が聞こえて二人はすぐさま動き出す。声は間違いなく霊夢の声だ。身の危険を案じながら二人は走り出し現場へと向かう。着いた光景を見て魔理沙は腰を抜かした
「離してよ!!」
「ダーメだ!貴様はこれから我々と同じになるのだからなぁ?」
霊夢の体を化け物の腕が拘束して霊夢がどれだけもがいても引き離せない。チヒロが魔理沙の方を見たが彼女は見たこともない異形の存在に声も出ず震えることしか出来ない。チヒロが動き出そうとした時に霊夢が怪人に問いかける
「アンタたちと同じってどういうことよ!?」
「言葉の通りだ!偉大なる改造手術を受けて貴様らは強大な力を持つ怪人となるのだ!」
怪人がそう言って抵抗する霊夢を無理矢理連れ去ろうとした時に動き出したのはチヒロだった
「何だ!?グハァ!!」
怪人の脳天にチヒロの飛び蹴りが炸裂、その一撃は重く霊夢を拘束していた腕を離してしまう
「大丈夫か?」
「え・・・えっと、はい」
チヒロは霊夢をすぐに化け物から引き離すと化け物も起き上がりチヒロへと怒りを立てる
「許さんぞ・・・このスペースイカデビル様に人間ごときが攻撃を与えるなど!」
スペースイカデビルはその長い腕でチヒロに攻撃するが間一髪のところで全て回避されてしまう。魔理沙に声をかけようとしたが魔理沙は震えて動ける様子でもないようだ。チヒロは霊夢に指示するように話す
「霧雨も連れて早く逃げろ!コイツは俺が引き受ける」
霊夢は頷くと魔理沙を背負ってすぐに走り出した。スペースイカデビルが霊夢と魔理沙に攻撃をしようとした時チヒロはその足で踏み込み宙に飛び、そのまま足の甲でスペースイカデビルの脳天を蹴飛ばした。脳天に攻撃を喰らったスペースイカデビルはふらつきながらも立ち上がる
「逃げようとしても無駄だ・・・このスペースイカデビルの力は空間移動。こちらに呼び寄せることも向かうことを容易いのだ・・・!」
"魔術回路 高速化"
チヒロが一気に走り出すと目にも止まらぬ速さでスペースイカデビルの脳天、そして触手を切り裂くように動き回る。その攻撃に狼狽えて倒れ込んだ。イカデビルは確信して男へと問う
「貴様・・・やはり普通の人間ではないな?何者だ!」
名乗る名前なんてねえよ。と巻き付けられたベルトにカードを挿入する。少年の周囲には鎧のような部位が広がっていく
「やっと見つけた手がかりだ。しっかり情報収集させてもらうぞ!」
"Ganba driver stand by ready"
変身。の一言と共にチヒロは赤い鎧を纏い先ほどの少年とは全く別の戦士へと姿を変える。スペースイカデビルはまさかと驚きの声をあげる
「貴様が我々の邪魔をしているガンバライダーか!!!!」
戦士は一気に加速して近づくとスペースイカデビルを殴り飛ばしてそのまま吹き飛ばす。衝撃でクラクラしているともう一撃の攻撃がスペースイカデビルへと襲いかかる
"Ready exceed chage"
剣から放たれた光はスペースイカデビルを拘束して完全に身動きを封じる。もがいて逃げようとするがそれも叶わず戦士が近づいてくることを待つしか出来ない。戦士はスペースイカデビルへと問いかける
「この一連の事件、黒幕はどこのどいつだ?財団Xか?アクートか?それとも・・・」
「そ、そんなこと話せるわけが」
その次の言葉を言おうとした瞬間一閃、スペースイカデビルは灰と青い炎なり完全に消滅した。戦士は変身を解き灰を踏み躙る
"死んだ土産に教えてやるよ。俺の名前はロード、ガンバライダーロードだ"
学校に着くとぐったりした魔理沙と少し滅入ったような表情の霊夢に周りは何かあったのかと少しざわついている
「霊夢、私は」
「分かったわよ。ゴメンってことはこの登校中に何回も聞いたから」
何も出来なかった。怖くて足がすくんで動くことすらままならなかった。情けないとしか思うことができない
今ももっと怖い思いをしたはずの霊夢にこうしておぶられているのだから、情けないったらありゃしない。そんな念に駆られていると遠くから声がする
「おはよう霊夢、遅かったじゃない」
担任である-八雲紫-にそう止められるが霊夢は少しバツが悪そうに彼女に言い返す。紫もおぶられている魔理沙の状態を見て唯事ではなかったのだろうとすぐに察した
「ちょっと色々あったのよ。」
「霊夢、私はいいから下ろしてくれないか?」
魔理沙がそう小さな声で返すが霊夢は嫌だと言い返す
「あんたその顔色の悪さでよく言うわね。今にも倒れそうじゃない」
魔理沙が大丈夫と言っていると通りかかったのは-鈴仙優曇華院イナバ-だ。彼女はすぐさま顔色の悪い二人に寄り添う
「大丈夫二人とも!?保健室で横になった方がいいんじゃ」
「大袈裟よ鈴仙、私は大丈夫だけど魔理沙は」
魔理沙は声に出すか出さないかくらいの声量で大丈夫と霊夢に伝える。その状況を見て魔理沙が完全に大丈夫じゃないのは火を見るより明らかだ
「取り敢えず魔理沙を運んであげて。事情は後で話すわ」
そう伝えて魔理沙を鈴仙に託して足早に教室へと向かった。何かあったのだろうが誰にもそれは分からない
「鈴仙、魔理沙は頼んでいいかしら?私も授業に戻らないと」
鈴仙はわかりました。と魔理沙と共に去っていった。しかし何があったのだろうか、教師として人として気になるところだ
昼休みになると戻ってきた魔理沙と霊夢は鈴仙やその他の人たちに朝に何があったかを話していた・・・のだが
「うーん、怪物に襲われてそこに現れた男が助けたなんて話、信じるのも難しいわよね」
同じクラスである-十六夜咲夜-は少し言いにくそうに霊夢たちにそう言い返す。嘘じゃないと机を叩くほど言い張る二人に更に他者が話を飛ばす
「でもそんな男の人がいたらロマンチックですよね〜!まるで運命の人じゃないですか!」
違うクラスの-東風谷早苗-は霊夢と魔理沙にそう言う。霊夢ははぁ!?と早苗に返す
「そ・・・そんなんじゃないでしょ!?運命の人だなんてないない!!」
なんでコイツこんなに必死になってるんだろう・・・。全員が思っていることを言ってしまうものもいる
「霊夢さんそんなムキにならなくても・・・」
「妖夢シャラップ!!!!」
-魂魄妖夢-の発言に魔理沙が制止をかける。霊夢には聞こえていなかったのか特に妖夢に対して何か言ってくることはなさそうだと魔理沙は安堵の声を上げた
「そういえば鈴仙は?保健室で勉強してるの?」
そうみたい。と咲夜は答える。鈴仙は医者の勉強もしていて保健室で八意永琳から色々医学的な知識を学んでいるらしい。その中で薬剤師なども目指すと言うのだから本当にすごいものだ
「化け物・・・ですか」
「証明できる人がいればねぇ」
その言葉に霊夢と魔理沙は食いつく
「何よ」
「私たちじゃ証人じゃないみたいじゃないか!」
咲夜と妖夢の言葉に霊夢と魔理沙はハッと気づく。そうか-証明-できれば皆が信じてくれる。自分たちが見たことやあの化け物が嘘でないと言うことに
別の場所にて鈴仙も永琳とその話をしていた。未知の怪物となると信じ難いともあるようで二人は疑問符で沢山なのだ
「でもさモグモグ霊夢と魔理沙が見たってことはさモグモグわたしたちが知らないだけのこともあるんじゃね?モグモグ」
「妹紅・・・取り敢えず食べながら喋るのやめようね」
鈴仙は-藤原妹紅-にそう返す。しかし妹紅の言う通り自分たちの知らないことの方が多いのかもしれない。妹紅に対してまた別の者が話しかける
「へぇ、そんなこともあるのねぇ。私ちょっと興味深いかも」
「うっせえうっせえうっせえわ」
-蓬莱山輝夜-に対して妹紅がそう返すと輝夜は一気に血の気が立ったのか妹紅へと飛びかかる。永琳は笑いながら見ているがおそらくこの二人の喧嘩は誰がどう見ても殴り合いのそれだ。そんな二人をさておいて永琳は話を続ける
「調べる価値はありそうね。その怪人とその男の子について」
永琳はそう鈴仙へと言う。鈴仙もそうですね、と小さく頷く
「魔理沙さんたちがもしこれで怖い思いをしているなら私は何かしてあげたいです!」
妹紅、永琳は頷く。この世界に知らないことがまだあるのかそれとも・・・
週末になり咲夜、妖夢、鈴仙、早苗はとある場所へと呼び出された。四人は先に集まり向かったのだが、そこにいたのは木の根元で佇む一人の少年だ。咲夜たちはこれまでの話と今の状況を見てそれが「彼」なのだと察する。少年もまた彼女たちに気付くがまた違う方を向いてしまった。ここは私がと咲夜が声をかけに行った
「あのー、すいません」
「あぁ、俺に用があるのか。何だ?」
少年は咲夜たちが自分に対して何かの行動をすると思っていなかったのか少し驚いたような表情にも見える。咲夜は話を続ける
「以前私たちの友人である博麗と霧雨を助けていただいたと言うことだったのでお礼に参りたいと思いまして」
「おーう!!先に着いてたのかお前ら!」
その先を言おうとした時に遠くから走ってきたのは魔理沙だ。よそよそしい雰囲気の咲夜とは別に魔理沙は少年へと走り寄る
「チヒロだったよな!前は助けてくれてありがとな!」
魔理沙の元気そうな表情を見て安堵したのかチヒロは気にすんなよ。と返す
「それより怪我もなさそうで何よりだ。今日はあの赤いのは来てないのか」
あぁー霊夢か。と魔理沙は少しバツが悪そうに答える
「今迎えに行ったんだが心の準備ができてから行く。って言ってるみたいでな。ホントそういうところはそうなんだよアイツ」
そんな一面が・・・と驚く面々に対してチヒロはまた別の反応を示す
「まあ人の顔見て怪人のことを思い出すなんてあっちゃ嫌だしな。当事者は思うことがあるんじゃねえか?」
ツッコミを入れようと思ったが思った以上のぶっ飛んだ発言に全員の空いた口が塞がらない。魔理沙も苦笑いしながら話を続ける
「でもあのイカ野郎はどうなったんだ?アンタが倒したのか?」
チヒロは一瞬なんと言おうか悩んだが咄嗟に口が動く
「まっさかー!お前らが逃げた後俺も森ん中逃げて撒いたよ。あんなバケモンに立ち向かうほどの勇気はねえし」
妖夢がでも、とチヒロにまた言葉を投げかける
「霊夢さんと魔理沙さんが怖がってる時蹴りを入れたと聞いたんですが、格闘技か何かやってらっしゃったんですか?」
鋭いところを突かれたのかチヒロはうーんと少し間を置いて話す
「色んなところ旅しててな。その中で学んだのはあるけど護身レベルだよ」
「飛び蹴りって護身レベルなんでしょうか・・・」
「護身っていうか攻撃する側なのでは・・・」
鈴仙と早苗は小さく疑問を口にした。チヒロはそれに対しても偶然だよと笑いながら返した。そんな時後ろから足音が聞こえる
「あっ、霊夢ー!」
霊夢の表情は少し嬉しそう、しかし半ばバツが悪そうなそんな表情だ。人から見たら無理に笑っているようにも見えるかもしれない。チヒロは霊夢に声をかける
「うん、怪我もなさそうで何よりだ。あの後何もなかったみたいだし良かった」
霊夢はうん。と小さく頷いて小さな声で呟く
「あの・・・助けてくれて・・・ありがと」
チヒロは気にすんなよ。と笑い返す
「困ってたら助けるのはお互い様だしな。何よりあの後も何も起きてなさそうでホッとした」
仲睦まじい光景に各々笑みが溢れる。
「霊夢さん超デレですね」
早苗の一言に霊夢の火がつく。霊夢は真っ赤にしながら早苗へと走っていく
「なんつったよアンタえぇ!?」
「わわわ!!!ごめんなさいーーーー!!!!」
チヒロには聞こえてなかったのか笑いながらそれを見ていた。そんな時に一人の男がこちらへと歩いてくる。ただものではないという気配なのかチヒロの視線が先ほどより鋭く険しくなる
「スペースイカデビルを退けたこと、褒めて遣わす。彼は私の重要な幹部だったのだが・・・惜しいところだ」
チヒロは走り出し男の頭へと蹴りを入れ込もうとしたがその一撃はその直前で止められてそのまま足を掴まれてしまう
「なっ!?」
「しかし変身前とはいえこの程度のものに敗北したとなると消えても当然か」
そのまま投げ飛ばされて木の幹に叩きつけられる。鈍い声を出したままチヒロはたちあがることすらままならない。すぐに寄って行ったのは早苗、咲夜、鈴仙だ。それを見たが男はすぐに言葉を残してその場を去る
"私の名は月影信彦。時期に王となる者だ"
灰色の壁を抜けて消えていった月影を見ながらチヒロはゆっくりと立ち上がって軽く笑ってみせた
「やっぱ護身レベルじゃあああいうのには届かねえか。悪いな、守れなくて」
霊夢たちは首を横に振る
「今あなたは私たちを守ってくれたわ」
「そうですよ!今すっごいかっこよかったです!」
そうかい、とチヒロは返すがその表情はどこか不甲斐ないというかそんな気持ちが見え隠れしているように見えた