ガンバライダーロード外伝〜消えた幻想と学園のお話 作:覇王ライダー
それはある日のことだった
突然現れた少年は私たちの元に現れてその後からこの世界で様々な異変を目にすることとなる。人を喰らう蜘蛛の噂、人間を襲う化け物の出没、そしてそれを倒す戦士の存在
御伽噺のような話が行き交い実際に自分も見かけた。白く大きなイカの化物、あんなものが世に蔓延っているなんてそれこそSFのような本当の話である
妖夢や鈴仙を助けたのは誰なのか。彼かもしれないし彼じゃないのかもしれない。彼は関係があるのかは私には分からないが本当に関係があるとするのなら私は知りたい。彼のこともこの先にある真実も
・・・彼のことも?本当にそうなのだろうか。もしそうなのだとしたらなぜ?出会ったばかりの人間にこれほど興味を持つことなんてあるのか?もし興味を持ったんだとしたらなぜ?友人だから?いや本当にそうか?自身さえわからない
彼は一体何者なのだろうか。私たちがそれを知る日が来るのだろうか、もし知った時それを受け入れる覚悟が私に
「霊夢ー!霊夢!」
ハッと見ていた青い空と別れを告げて黒板に目を向ける。少女を呼び続けた女性は不思議そうに苦笑いする。霊夢は慌てふためいた動きで教科書をパラパラとめくる。落ち着きのない動きに女性はまあまあと宥める
「いつも落ち着いてる霊夢にしては珍しいわね。何かあった?」
「い、いや何でもないわ。それよりどこ読むの?」
指差された部分を少女は淡々と読む。そこにはこう書いてある
嘆けとや 月やは物を 思はする
授業が終わり昼休みになると霊夢は階段を登り上の階へどんどん上がっていく。皆が降りていくのをよそに一人上がって行きその足音はだんだん消えてやがて自分の足音だけが聞こえる。そして上がり切って屋上のドアを開けて外を見渡す。見渡す限りいつもと変わらぬ風景が広がる。真下を見ると楽しそうに話している人や急いでいる人などを見かける
忘れようと思っていたふと先ほどのことが頭を過る。なぜ彼のことをそんなに考えているのか分からない。知りたいのは真実か?それとも別の何かか?もし彼が真実に近づくことで危険に身を晒していたとしたら?それに対して私が出来ることがあるか?
普段の自分ならこんな危険なことは放っておくのが吉とさえ思ってしまうかもしれない。しかしなぜか衝動に駆られる、誰のため?自分のためか?
いけないと再び空を見てぼーっとしていると後ろから声がかかる
「霊夢にしては珍しいわね。一人でぼーっとするなんて」
「あんたも珍しいじゃない。こんなところに来るなんて」
紫に対して霊夢がそう言うと、また空を見返す。雲の流れは緩やかに動いていく
「最近何かあったの?ぼーっとすることが多いみたいだけど」
何でもない。とそっけなく返して彼女の横を去る。紫は彼女の表情を見つめる。その表情はどこか険しく何かに物思いにふけてるようだった
-博麗神社-
山の奥に聳える大きな神社の一つ、飛び越えてきた先に辿り着いたのがここでありここから様々なところへと歩いていく
思えば何故ここに辿り着いたのかはよくわからないし皆がそうであるかは不明だ。この神社に何か不思議な力でもあるのかそれともただの偶然か、彼がそれを知る由はない
チヒロは再びこの場所を訪れて鳥居をくぐる。人気は少なく自分が踏んでいく石段の音も風の音もよく聞こえる。神社の前まで来ると一人の少女がチヒロの元へと走ってくる。碧い髪の少女は笑顔で少年を出迎える
「参拝客の方ですか!でも見ない顔ですねぇ」
「あぁ、最近越してきたもんでな。参拝にでもこようと思って」
それはよかった!と少女は嬉しそうに手を握る
「私は高麗野あうんといいます!普段は巫女の霊夢さんが出迎えるのですが今日は留守でして」
「その霊夢と知り合いでね、俺はチヒロ。霊夢にもよろしく伝えといてくれ」
わかりました!と元気に返答したあと、思い付いたようにチヒロへと問いかける
「霊夢さんのお知り合いですしお茶でもいかがですか?美味しいお茶淹れますよ!」
そこまでしなくても、とチヒロは引き気味にそう伝える。あうんもそうでしたかと元気よく返す
「霊夢は元気にしてるのか?普段は割とおとなしい人っぽいけど」
え?とあうんは驚いた表情を見せる。チヒロもその表情に疑問符を浮かべる
「霊夢さんは普段明るい人ですしあんまり態度を変えるような人でもないと思うんですが・・・。何ででしょう」
チヒロが見る限りはものすごい人見知りしてたように見えるのだが・・・。何でだろうなと少し不可思議そうな表情を浮かべると後ろから男の声が聞こえる。その声を聞いた瞬間チヒロは目の色を変えたように男を睨みつけた
「仲睦まじそうで何よりです。いやはやしかし我々の邪魔は良くない」
「お前・・・誰だ?」
男は不敵な笑みを浮かべてチヒロへと近づく。あうんに離れてろとチヒロもまた近づく。殴りかかるも男はそれを透かして背に蹴りを入れる。バランスを崩しながら仰向けに倒れ込むがそのまますぐ立ち上がる。コイツもショッカーの一員?いや違う組織?様々な考えが巡っていたとき男はポケットからガイアメモリを取り出した
"Whether"
首元に刺すと男は禍々しい怪人へと変身してチヒロへと襲いかかる。放たれた光弾を避けながら怪人へと近づき足を払う。そのまま胸ぐらを掴んで門前へと投げ捨てるとあうんを背にチヒロは一気に怪人へと走っていく
「あうん!神社の中に隠れろ!コイツは俺が引き受ける」
あうんは震えた足を動かして恐る恐る神社へと足を伸ばす
「庇うとはなかなかの度胸ですねぇ」
雷雲から放たれた稲妻はチヒロを襲い周囲を煙で包む。心配になってあうんが走り出そうとしたその時動いたのはチヒロだ
「この程度の攻撃でやられると思ってんじゃねえぞ?」
一気に怪人へと近づき蹴飛ばしてそのまま階段から突き落とす。チヒロはそこへ飛び込み顔面を殴り再び首元を掴む
「ウェザードーパント、お前の知っていることを洗いざらい吐いてもらう!」
「さあ、私の知ることをあなたが知ることができますかねぇ?」
チヒロの腹に光弾を撃ち込むと吹き飛ばされて石段に叩きつけられる。チヒロは周囲を見て光弾を避けながらベルトを装填する
「変身!」
赤い鎧を纏った戦士はウェザードーパントを掴んでそのまま空へ駆ける。ある程度のところで叩き落としてロードはゆっくりと降り立つ
「さあ、尋問の時間だよ」
学校が終わり霊夢は神社の石段を登る。先ほどと同じく何処かぼーっとしているがまっすぐ帰れているみたいだ。夕暮れを見ながら神社を見つめる。今日は何かどっと疲れた日だったのだが
「ほんっと、今日は大丈夫だって言ったでしょ?」
「いやあ今日のお前見てると何か悩んでるんだろ?吐いちまえ吐いちまえ」
「私と魔理沙さんも心配なんですよ?同じ巫女ですし話も聞きますし!」
悩んでいるわけではないんだがなぁ。一緒に帰っていた早苗と魔理沙が一緒であること以外はいつもと何も変わらぬ風景のはずだが今日は違って見えた。石段が焼け削れて明らかに何かが起こった痕跡のようなものが見える。霊夢はすぐに石段を駆け上がり神社へと辿り着く。後ろからついてきた魔理沙と早苗も霊夢に追いつくと涙ぐんでいたあうんが三角座りしていた
「あうん!大丈夫!?」
「おいおいどういう状況だ!?」
削れた道を見て困惑する魔理沙たちに縋りついてあうんは霊夢たちに伝える
「ここに来たチヒロって方が化物に・・・」
「チヒロが!?」
それを聞いた霊夢は後ろを向いてすぐ走り出した。魔理沙はあぁ、と後ろを追う
「早苗はあうんを見といてやってくれ!私は霊夢を追う!」
早苗は頷いてあうんを抱きかかえる。嫌な予感がする、何なんだろうかこの感覚は
あうんは早苗に抱きついて強く握りしめる。震えた足を必死に強張らせて力一杯早苗に引っ付いていた
「私のせいで・・・私のせいで・・・」
早苗は頭をそっと撫でて優しく抱きしめる。あうんが決して悪いわけじゃない。偶然折り重なって何かがあったのだろう。しかしあの人なら大丈夫、確証はないがそんな気がする
ロードはエンジンブレードを振るいウェザードーパントへと斬りつける。ダメージを受けて怯むがすぐさま氷の粒を飛ばしてロードへとぶつける。エンジンブレードで弾き返して一気に斬り込む
「その程度ですかぁ!?」
稲妻と氷を放ち突き飛ばしてさらに雷雲を生み出してロードを囲む。囲まれた雷雲からは電流が放たれてロードを襲う。痛みから叫ぶロードを無限の電流が襲いかかり、終わる頃にはロードは地に伏せた
太陽は落ちて夜が訪れる。影が少しずつ消えていく中、木陰からそれを見ていたのは霊夢と魔理沙だ。霊夢が向かおうとしたのを魔理沙が手を繋ぎ止める
「何よ!」
「お前死ぬ気か!?あんなの私たちじゃ相手にできないぜ」
じゃあどうすればいいのよ!と振り払おうとした時ガサッという音がウェザードーパントの耳に届く。音の方向を見ると少女二人がこちらを見ているではないか。おやおやと少女たちに近づく
「こんなところを見られては生かして返すわけにはいきませんねぇ?」
ウェザードーパントが少女たちへと近づく。まずいと魔理沙が霊夢の前に立つ。霊夢は押された勢いで尻餅をついて倒れ込む
「魔理沙!?」
「霊夢に手出しはさせねえ・・・。相手するなら私がしてやる」
友情とは美しい。しかしその友情が壊れ絶望する姿、それはもっと美しいのだ。目の前で死んだ時彼女はどんな表情を見せるか楽しみだ。ウェザードーパントが攻撃しようとした時、待てと後ろから声が聞こえて振り向いた。顔面を殴られてそのまま地に伏せる。すぐに立ち上がって光弾と炎を放つがロードはサヴェジガッシャーを呼び出して炎と光弾を弾く。炎を纏った剣はウェザードーパントの体を切り裂き火花を散らす。もう一撃を攻撃した時、ウェザードーパントは目の前で消えて周囲を見渡す。後ろを向いた時そこにいたウェザードーパントは炎と氷を放ちロードを吹き飛ばした
「今のは蜃気楼ですよ?」
もう一撃攻撃しようと近づいたその時、ファイズブラスターを放たれてウェザードーパントはまた消える。しかし
"ダイカイガン ムサシ"
風を切り裂いて衝撃波がウェザードーパントを襲う。怯んだ瞬間にロードは一気に距離を詰めてサヴェジガッシャーに力を与える
"Full Charge"
「ターミネイトフラッシュ!」
振るった炎の剣はウェザードーパントに傷を入れたのち串刺しにする。血反吐を吐いてもがく彼に赤い鎧の戦士は問う
「君たちの目的は何だ?この世界で何をしている」
「ふふっ・・・、さあ何でしょうね?」
答える気がないか。炎はウェザードーパントを爆発と断末魔へと変えて葬り去る。炎の中去ろうとした戦士に霊夢は走り寄る
「あの!」
戦士は立ち止まり少女の方を見る。緑色の複眼の奥の表情は見えないがどこか悲しみにも見える
「あなたは何者なの!?私は・・・」
戦士は霊夢の言葉を聞くことなく空へと去る。追おうとした霊夢を魔理沙が止める。赤い光が夜の空を駆けていく
何も聞けなかった、誰なのか、目的は何なのか、そしてその先にある謎や秘密。そして何故自分がこんなに知ろうとしているのかも
夜が明けて人里へと繰り出したチヒロは見慣れない街並みに困惑しながら見渡す。ロードは止めたのだがチヒロはどうしても行くというのだから止める余地もないのだろう。もしこんなところで怪人なんて現れようもんなら彼はどう対処するのか。狙われているという自覚があるのか?それとも馬鹿なのか?わからんがついて行くしかない
「チヒロ、何で街に来ようと思ったの?」
「情報収集さ。もしかしたらショッカーとかに襲われた人だっているかもしんねえだろ?」
そういうことなら構わんのだけれども・・・。そう歩いているとチヒロたちは一人の男に呼び止められる
「お、見ない人じゃないか。ここら辺は初めてかい?」
メガネをかけた男にチヒロたちはあぁ、と返す。手招きされて店に入るとそこには少し古い家電や骨董品などが並んでいた。奥には服を作るためのミシンなどが置いてある
「僕は森近霖之助、骨董品を扱っていて店を営んでるものさ。あとは趣味で服とかも作っていてね。お近づきの印におひとつどうぞ?」
男は一つ服を持ってくるとチヒロたちに笑顔で渡してチヒロはありがとう。と受け取る
しかし人里は平和だなぁ。街の人たちはこれまでの怪人のことがあったとは思えないほど穏やかな時間が流れている
「最近は物騒なことが起こっているらしいが君達も大丈夫かい?」
「俺たちはな。奇妙なことも起こってるみたいだし気をつけないと」
そう話していると街の中を走り回る少女たちの姿があった。青い髪をした少女はチヒロへと話しかける
「お、見ない顔だな!アタイはチルノ!天才で最強なんだ!」
話したこの数秒でわかる。幼いながらとんでもなく馬鹿だぞコイツ。付き添っていた少女はチヒロに謝りながらチルノを肩を持って後ろに引っ張る
「チルノちゃん急に知らない人に話しかけちゃダメだよ!」
「大丈夫だよ大ちゃん!アタイは怖くないもんね!」
チヒロはそうかそうか、とチルノたちに笑いかける。そうしているとチルノを追うように一人の女性が走ってくる
「チルノ!大妖精!お前たちは追試があるだろう!ほら早く戻るぞ!」
「げっ!慧音先生!逃げろー!」
女性の姿を見たチルノと大妖精はダッシュで逃げると女性はチヒロたちに話しかける
「すいませんうちの生徒が・・・。迷惑とかお掛けしてないですか?」
「ああ、楽しそうに話してきただけだし大丈夫だよ」
そうですか。と一礼して女性はまた二人を追うように走っていった。嵐みたいな人だなと思っていると霖之助は笑いながら話す
「彼女は上白沢慧音、寺子屋っていう塾みたいなものを営んでいるものさ。毎回チルノたちに手を焼かされてるみたいでね・・・」
「そ、そうか・・・。大変だな」
えらく大変そうな人だな・・・。毎回あんなのと相手しててチルノたちもよく逃げ続ける体力があるもんだ。いろいろそんなことを考えていると少女がまた霖之助の店を訪れる
「あれ?霖之助さんのお店にお客さんとは珍しいね!」
「小鈴ちゃんも辛辣だねぇ。うちの店は常に繁盛しているさ」
少女はそう言った後にチヒロに一礼する
「私は本居小鈴!すぐそこで本屋を営んでるの!霖之助さんとは仲良しなのよ!」
霖之助はどうも顔が広いらしく色々な人に好かれてるみたいだ。チヒロもまた一礼すると小鈴の元へもう一人の少女が寄ってくる
「小鈴ちゃん!お客さん来たから戻ってきてだってさー!」
「あー!ごめんね阿求!また今度話そうね!」
チヒロにそういうとすごい速度で帰って行く。霖之助は苦笑いしながらまたチヒロへと話しかける
「彼女は稗田阿求。彼女もよく遊びにくる店の常連さ」
ホントにこの里のコミュニティの広さを窺い知れる。というかこの霖之助という男が凄すぎるのかどっちだろうか
そう話していると一日が過ぎてチヒロもまた里から離れて帰っていく。しかし彼の思いは強く変わっていた
「守んなきゃな」
そうつぶやく。守らねばならない。彼らの笑顔も、この世界で平和に暮らす人々もすべて
ショッカーの基地内では改造手術や様々な実験が行われている。そのショッカーを統治するのはショッカー大首領である
大首領の元へと現れたシャドームーン、月影信彦は報告を済ませるとその場を去ろうとする。大首領は月影を引き留めてその影の奥から話しかける
「月影よ。我々の邪魔をするガンバライダーとやらの討伐はどうなっている?」
「現在奴の情報を収集している次第でございます。ウェザードーパント情報によればこの少女たちとの関連もあるとみて調査しております」
モニターに映された茶髪と金髪の少女、以前スペースイカデビルが誘拐を失敗したのもこの二人だったのだ。よく顔を覚えていた大首領は不敵な笑いをこぼして月影へと命じる
「月影よ、アリエスとリュウガ、カブトをここに呼べ。私直々に命を下す」
かしこまりました。と月影は大首領の部屋を出る。そこにいたのは仮面ライダーベルデだ
「・・・大首領様に用か?」
「いや、俺が用があるのはお前だ。月影」
男は月影の周りをゆっくりと回りながら話しかける
「お前は以前の調査で何の成果もなかったと言っていた。しかしここまでの情報を得ていること、妙だと俺は踏んでいる」
「私が何かを隠している・・・と?」
そうだ。と月影の胸ぐらを掴んで男は睨みつける
「大首領様に話してないお前の情報、あるんじゃねえのか?」
さあな、とその腕を振り解いて歩き去る。確実に何かを隠しているがそれが何かは分からない。まさか大首領様と組んで何かを知らずのうちに企てている?なら何故自分たちには知らされたいないのだ?奴が何を隠しているのか。知る必要がありそうだ