~イゼルローン放送プレゼンツ『イゼルローンから愛をこめて』~
「はぁい! リスナーのみんな、おはこんハロチャオ~! いつもニコニコ貴方の背後に這い寄る混沌ヘルベルト・フォン・シュタイナーです!」
「なんかsan値がピンチになりそうな自己紹介だね。あ、リスナーの皆さんどうもおはこんハロチャオ。イゼルローン士官や市民から『威厳のない将官ランキング』で二位にトリプルスコアをつけて優勝したヤン・ウェンリーです」
「軍人だけじゃなく市民からも威厳がないと思われているヤンで草」
「いや、確かに私も威厳があるとは思ってないけど、二位のシュタイナーも似たようなものだと思うんだけど」
「甘い奴だな。いいか? 俺が威厳があるところをみせてやる。まず立ち上がって背筋をしっかりと伸ばして立ちます。足幅は肩幅な。そして刀を床に立たせるように立て、柄の部分に両手を置く。そして真面目な表情……はい!」
「ば、バカな!! シュタイナーに威厳があるように見えるだって!?」
「大事なのはメリハリだよヤンくん。お前さんは常に空気が弛んでいるのがよくない」
「じゃあ、もし私の空気が張り詰めて緊張した雰囲気をだしていたらどうする?」
「敵襲を疑う」
「つまり私がこうしていることによって軍人や市民に緊張を与えないようにしているのさ」
「物は言いようだな。あ、やっべ、まだオープニングやってなかった」
「おっと、いけないいけない。それじゃあ行ってみよう」
「「イゼルローン両大将によるラジオ放送『イゼルローンから愛をこめて』スタート!!」」
~この放送は皆様の自由と権利を守る自由惑星同盟軍の提供でお送りいたします~
「そんな感じで始まりました『イゼルローンから愛をこめて』。いやぁ、久しぶりの放送になるなぁ、ヤン」
「私たちの放送をすると政治家に逮捕者が出るとこの番組は話題らしいよ」
「そのせいでしばらく放送自粛になってたからな。俺達が揃うとノリが軽くなるのが悪いな」
「なんていうかあれだよね。ジュニアスクールの男子学生のお昼の放送の悪乗りって感じがするよね」
「放送しちゃいけないことまで言っちゃうところとかもな」
「そこで私たちも考えました。私たちはだいたいノリで喋っているので後のことを考えないのがよくない。そこでやばい話題になりそうになったらマイクの電源を切る要員として十三、十四艦隊の外付け良心回路のムライ少将に入ってもらっております」
「今日はやばい発言ないのかぁ、とがっかりしたリスナーのみんな、安心してくれ。そのムライ少将を止めるために俺の部下で同盟でも『ミンチメーカー』と呼ばれた白兵戦闘の神・オフレッサーにも待機してもらっているぞ!」
「もうこの時点でムライ少将のストッパーがさよならしたね」
「普通の放送なんて誰も望んじゃいないからいいだろ。というわけで放送してなかった間のイゼルローンニュースにいくぜ」
「まずは新年会だね。いやぁ、シュタイナーのキレッキレのダンスをまだ見ていない人は是非一回みたほうがいいと思うよ」
「ダンス動画は同盟軍の公式HPにあるから要チェックだ!!」
「次にシュタイナーの結婚式。まさか帝国の良将として知られるロイエンタール提督とミッターマイヤー提督も参列するとは思ってなかったよ」
「オスカー……あ、ロイエンタールな。曰くラインハルト……ローエングラム伯は自分で来ようとして部下に止められたそうだ」
「ねえ、シュタイナー。その話を聞いた時から思ったんだけどローエングラム伯ってシスコ」
「それ以上いけない」
「……」
「……」
「よし、話題を変えよう」
「積極的賛成」
「これは同盟全土にもニュースになっているからリスナーも知っているよね。帝国軍から捕虜交換の話を持ちかけられて同盟側もこれを承諾。久しぶりの捕虜交換となるよ」
「捕虜交換で帰ってくる家族もいるだろうからこれはいい話題だな。だがな、ヤン。いくらハイネセンから任されたからってキャゼルヌ先輩に捕虜交換事務総長とかいう肩書でっちあげて丸投げするのはどうかと思うぞ」
「適材適所って奴さ。自慢じゃないが私が指揮したら来年になっても捕虜交換終わらないよ?」
「本当に自慢じゃない話が来たな」
「まぁ、いいじゃないか。キャゼルヌ先輩のおかげで捕虜交換の式典の準備は滞りなく進んでいるんだから」
「キャゼルヌ先輩の何が可哀想ってこのイゼルローン放送の責任者もやらされている点。ヤン、お前キャゼルヌ先輩に仕事させすぎじゃない?」
「じゃあ代わりにシュタイナーがやってくれるかい?」
「働きたくないでござる!! 絶対に働きたくないでござる!!」
「トップ二人がこのざまなので下につく人間は苦労する。キャゼルヌ先輩頑張ってください」
「可愛い後輩二人は応援してますよ。何せ応援だけだったらお金かからないんで」
「あ、カンペでたね。なになに『せめて誠意をみせろ byキャゼルヌ』だってさ、シュタイナー」
「今度キャゼルヌ先輩の可愛い娘二人にアンナの作ったアップルパイでも差し入れするか」
「要求しているキャゼルヌ先輩にはあげないクズの鏡」
「そういうヤンはどうするんだ?」
「私は如才ない男だからキャゼルヌ家の絶対権力者たるキャゼルヌ夫人に何か送るよ」
「汚い、流石はヤン汚い」
「君も人のこと言えないだろう。ほら、次のコーナーいくよ」
「あいよ。それじゃあ次は『イゼルローン両大将にお手紙送ろう!』のコーナーだ」
「今回も番組宛に送られてきたメールを態々紙に印刷して大きな箱にいれてあるよ」
「俺とヤンが交互にこの箱から手紙を取り出して送られてきた質問などに答える形式だ。んじゃまずは俺から……」
「何がでるかな」
「それじゃあこれで! 『ヤン提督、シュタイナー提督、おはこんハロチャオです』!」
「「おはこんハロチャオ~」」
「『私はシュタイナー提督のバンド『高級士官バンド』の大ファンです』。お、ありがたいね~」
「ハイネセンでも大人気らしいね」
「クブルスリー提督とビュコック提督も正式に認めてくれたしな。あ、続き読むぞ。『シュタイナー提督の被保護者が歌う『祝福』とっても良かったです!』。お、これは嬉しい反応。何せ俺の被保護者も心配していたからな」
「被保護者をみる保護者って感じでカリ……げふんげふん。シュタイナーの被保護者の感情こもってて良かったよ」
「ヤン……お前芸術理解できたのか……」
「くっそ失礼だなシュタイナー」
「はい続き続き。『高級士官バンドの新曲の『THE WINNER』もとってもかっこよかったです』嬉しい反応感謝感激雨嵐」
「タイトルがWINNERなのに歌詞で『勝利者などいない』って言っちゃうのいいよね」
「戦争になった時点ですべからくみんな敗者なんだよ!! はい、続き。『そこで質問なんですが、高級士官バンドはライブの予定などはないでしょうか? あるなら是非行きたいです!!』。う~ん、とても嬉しいお言葉なんですが、実は我々本業別にやっているんですよ。軍人っていうクソみたいない仕事なんですが」
「ほんと……なんで私たち軍人なんてやっているんだろ……」
「はぁい、ヤンが鬱モードになりそうなので次の話題行くわよぉ。ほれ、ヤン。引け」
「ああ。よし、それじゃあ……これで。『ヤン提督、シュタイナー提督、おはこんハロチャオです』」
「「おはこんハロチャオ~」」
「『僕は軍人を志しているんですが』。いやいや、やめたほうがいいよ。軍人なんて人を殺す仕事だよ? ろくでもないって」
「ヤン、ムライ少将が渋い顔してるぞ」
「おっといけない。こほん。『他にも軍人を志している友人達と帝国との戦いの想定をしたりしているんですが、僕がどれだけフェザーンからの侵攻の危険をといても友人達は相手にしてくれません。同盟の軍人であるお二人から見てもフェザーンからの侵攻は僕の妄想でしょうか?』。……あ~、いや。人はいるもんだねぇ」
「ヤン、一人で納得するな」
「あ、ごめんごめん。え~と、結論から言うとフェザーンからの侵攻は充分にありえると思います。私とシュタイナーの連名で統合作戦本部長のクブルスリー大将と宇宙艦隊司令長官のビュコック大将に訴え続けて、お二人もその危険性を承知して議会にかけあってくれた。そのおかげでガンダルヴァ星域の惑星ウルヴァシーに基地を建設して、その司令官にアップルトン提督が駐留されることになった。ウランフ提督もウルヴァシーに駐留してガンダルヴァ星域方面艦隊司令官に任じられたね。つまりイゼルローン方面には私とシュタイナー。フェザーン方面にはアップルトン提督とウランフ提督。この配置が同盟軍が現状できる帝国軍からの」
「なぁ、ヤン」
「ん? なんだいシュタイナー」
「あれ見てみ?」
「あれ? ……ムライ少将がオフレッサー客員大将に抑えられているね……」
「おらぁ、バカだからわからねぇけどよぉ!! ひょっとしてヤンがいっちまったのはまだ一般には知らされていねぇ、軍事機密って奴じゃねぇのかよぉ!!」
「何キャラだよ……え? この情報ってアウトだった……? あ、プロデューサーのシュタイナーのお爺さんが電源ボタンに」
~この放送は皆様の自由と権利を守る自由惑星同盟軍の提供でお送りいたしました~
ヘルベルト・フォン・シュタイナー
市民から人気のあるバンドリーダー(本業・軍人)
ヤン・ウェンリー
威厳のないことに定評のある失言王
イゼルローンから愛をこめて
同盟だけじゃなく帝国辺境にも人気のラジオ番組。軍人とは思えないシュタイナーとヤンの漫才のような掛け合いが話題。
なお、番組内容によっては逮捕者がでる模様
高級士官バンド
新年会で組んでいたシュタイナー達のバンド名決定!(今後でるかは知らん
高級士官バンドの新曲
祝福:もしかして? 水星の魔女
THE WINNER:もしかして? 0083
同盟軍の現状の配置
イゼルローン方面 ヤン シュタイナー
フェザーン方面 アップルトン ウランフ
なお、この番組の直後に軍部から発表があった模様
そんな感じで今月は以前にちょろっとだしたラジオ番組風に作ってみました。
会話だけで書くと読むの大変ですかね。
そしてギャグをやっている背後で進んでいる時。この後は一気に捕虜交換まで飛ばすか悩んでます。
そして感想にてそう突っ込みを食らったアップルトン提督の行方。作者的に殺したつもりだったんですが、作品見直していたら見事に生き残っていたのでフェザーン方面基地司令官に任命。そして最初の予定でウルヴァシー基地司令にする予定だったウランフを方面艦隊司令官に。
これでイゼルローン回廊とフェザーン回廊への防備は完璧だ!!(なお、内乱