銀河英雄伝説~転生者の戦い~   作:(TADA)

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銀河の歴史がまた一ページ……


003話

やあ、諸君。時代は流れて792年まで進んでしまったよ。俺が辺境任務に着いている間にアルフレッド・ローザス提督が亡くなってしまった……ミリアム嬢から連絡を受けて、世話になったから葬式には参加したかったんだが、いかんせん辺境任務に着いていたために参加できなかった。これは申し訳ないことをしたと今でも悔やんでいる。ミリアム嬢はフェザーンに婚約者がいるらしいから心配しないでくれと言われたが、ヒマを見ては連絡を取っている。可愛い妹分だしな。

ちなみにアルレスハイム星域会戦にも幕僚の1人として参戦し、艦隊統率や作戦提案をしたらそれが上手くはまってしまい戦功をたててしまった。その結果に少佐に昇進、今は第五次イゼルローン攻防戦である。ここで久しぶりにヤンと後輩のアッテンボローに会った。俺たちは総司令であるシドニー・シトレ大将の参謀チームとして働くことになっている。

 「我が軍は四度にわたって眼前のイゼルローン要塞攻略に挑み、四度にわたって敗退をした。まさに不名誉な記録と言えるだろう」

ちなみに今は会議の真っ最中だ。アルレスハイム星域会戦から帰還したらすぐさま転属、出陣はないわ。校長、ドン引きですよ

 「今回の遠征は、この不名誉な記録を中断させるのが主目的である。記録の更新を防ぐため、各艦隊指揮官および参謀陣には作戦を完遂できるよう最大限注力して欲しい。ヤン少佐、資料を」

 「了解しました」

そういって資料が表示される。ここはやはり原作通りに進むらしい。帝国艦隊にコバンザメのようにひっついて動き、要塞主砲を封じる手段だ。確かにこれなら要塞主砲は撃てないだろう。ただし、普通の感性の持ち主なら、だ

 「難しそうな顔をしているな、シュタイナー少佐。何かあるのかね?」

どうやら顔に出ていてしまったようだ。シトレ大将が楽しそうに俺を見ている

 「いえ、今回の作戦なら要塞主砲を封じることができると思われます。ただし……」

 「ただし?」

俺の言葉に参戦していたボロディン中将が尋ねてくる

 「要塞防御司令官がまともな神経でしたらです」

俺の発言に会議に出席していた全員が腑に落ちない顔になる。それはそうだろう。俺も急にそんなことを言われたら返答に困る

 「イゼルローン要塞は2人の大将により守られています。1つは駐留艦隊司令官、もう1つは要塞防御司令官です」

そこまで言って俺はベレー帽の位置を整える。

 「2人の関係が良好なら何の問題もないのですが、実を言うとその両名の仲が良好だというのは過去にありません」

 「……我々が食らいついて要塞に取りつこうとすれば、味方諸共吹き飛ばすということか」

 「その可能性は高いかと」

シトレ大将の言葉に俺は頷く

 「ふむ……その情報の信憑性は?」

 「私が銀河帝国にいたころに、実際に要塞防御司令官の任についていた大叔父の言葉なので信憑性は高いかと」

 「なるほど、内部情報のようなものだな」

ボロディンの楽しむような発言に、俺は苦笑で返す

 「よろしい、ならばそれに対する作戦をシュタイナー少佐とヤン少佐の両名で考えてみてくれ」

 「「了解しました」」

俺とヤンは同時にシトレ大将に敬礼を返す。学生時代の俺とヤンが組んだ時の作戦成功率を考えての編成だろう

 「以上だ、詳しいことが決まりしだい連絡する。解散」

シトレ大将の言葉に各艦隊司令官や参謀チームも部屋から出て行く。俺もヤンとアッテンボローと並んで部屋を出た

 「でもシュタイナー先輩も要塞防御司令官と駐留艦隊司令官の不仲なんてよく覚えていましたね」

 「な〜に、滅多なことでは怒らない大叔父がぶちぎれていたのが印象深くてな。子供心にそれでいいのか帝国軍と思ったもんさ」

俺の言葉にアッテンボローは面白そうに笑い声を挙げた

 「しかし、そんな話しを聞くと相手も人だって感じるね」

 「当然だろ。ヤンには俺がエイリアンに見えるのか?」

 「エイリアンには見えないけど、人類に分類していいかは迷うところだね」

 「……言ってくれるじゃねえか」

 「くっくっくっ。相変わらずですね、お二人は」

俺とヤンのやり取りをアッテンボローは楽しそうに見ている

 「さて、俺とヤンは修正案を考えなくちゃいけなくなった。アッテンボローはどうする?」

 「お邪魔させていただきますよ」

 「おまえも相変わらずだね」

そういいながらヤンは執務室を開ける。参謀長には個室だが、参謀チームには2人で一室の執務室が与えられる。ここは俺とヤンの部屋だ。俺はソファーに座り、ヤンは机の上に座る。アッテンボローは入り口近くのところにたっていた

 「さて、ヤン。どうするね」

 「シュタイナーに案は?」

 「なくもない。おまえは?」

 「同じさ」

 「是非とも拝聴したいね」

俺の言葉にヤンは疲れたようにため息を吐いてくる

 「やれやれ、どうせ考えていることは一緒だろ?」

 「念のためさね」

 「ふう、僕が考えたのは要塞主砲が発射されたとしても被害をどれだけ少なくできるかってことさ」

 「同感だ」

ヤンの言葉に俺も頷く。すると今度はヤンが俺に話すようにふってきた

 「俺なら艦隊をいくつかに分散させる。4つに分けたら一艦隊あたりが少なくなるからな、3艦隊くらいがベターってところか」

 「そこにさらに最初に要塞主砲の射程に入る部隊を無人艦艇中心にして編成したらいいと思うんだけど」

 「ああ、そりゃあいい。それならさらにリスクも少なくなる。ならそれで出しちまうか」

 「そうしよう」

 「……相変わらずお二人とも脳の回転が早いですね」

 「「ありがとう」」

アッテンボローの褒め言葉に俺とヤンは同時に返すのだった

 

 

 

 

第五次イゼルローン要塞攻防戦は、結果から言うと敗北した。艦隊を分散したおかげで、被害はそこまで大きくなかったが、発射された要塞主砲が艦隊旗艦に直撃して消滅してしまったのである。そこから帝国の反撃が始まってしまい。二発目の要塞主砲で止め。ボロディン中将のおかげで、被害は最小までとどめられたが、それでも受けた被害が大きい。

 「ま、しばらくイゼルローン陥落は無理かな」

 「暢気だね」

ヤンは苦笑しながら俺に言う。こいつが4年後には目の前のイゼルローン要塞を落とすってんだから驚きだ。俺とヤンは紅茶を飲みながら星を見ている

 「シュタイナーならイゼルローンをどうする」

 「無視する」

俺の発言にヤンは驚いたように俺を見る。そんなおかしいことは言ってないだろ?未来でおまえがこれに近い発言をするぜ?

 「どういう意味だい?」

 「帝国に行く道は一本じゃないだろ」

俺の言葉にヤンは納得したように頷く。これだけで納得しちゃうんだからこいつはすごいよな。原作を知らなかったら俺は気付かないぞ

 「なるほどね、それは盲点だったよ」

 「それじゃあおまえさんはどうやってあれを落とそうと考えているんだ?」

 「シュタイナーはどうだい?」

ヤンの言葉に俺は黙って紙とペンを用意する。これに自分達が考えているものを書いて同時に見せるのである。学生時代からやっている1つの遊びだ

 「それじゃあ」

 「せ〜の」

ヤンの掛け声と共に2人同時に書いた紙を見せ合う。そこには同じ単語が書かれていた。それを見て俺たちは笑い合う

 「同じ考えか」

 「そうみたいだね」

俺たちが書いた単語。それは『内部』であった。




シュタイナーくん
シトレに気に入られているので色々なところに飛ばされて昇進速度も早い

ヤン
原作主人公。公式チート

シドニー・シトレ
シュタイナーとヤンを気に入っているので色々贔屓している模様

ボロディン中将
同盟が誇る名将の一人



そんな感じで第三話です。ほとんどヤンに寄生している主人公くん。だってこの辺はあまり原作改変したくないんや

そして突っ込みされまくった階級問題ですが、この作品ではそういう設定ということにしておいてください。だってこの作品はSF(少し不思議な)小説ですから

さらっとでてきてさらっと活躍しているボロディン中将。作者の推しなので今後も機会があったら贔屓していきます(予告
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