銀河英雄伝説~転生者の戦い~   作:(TADA)

4 / 25
銀河の歴史がまた一ページ……

シュタイナー家に家族追加

ちょっと無理矢理感は否めませんが細かいことは気にしないでください


004話

さてさて、第五次イゼルローン要塞攻防戦から帰還したら、ヤンと一緒に中佐への昇進を果たした。ヤンと組むことが多いせいか出世スピードが早い。なんというチート。

そして帰還してからおかしな通知がきた

 『トラバース法に関する規定での子供の養育について』

どういうこっちゃね。これは結婚家庭に行くべきことではないのか。とりあえず思いつく限りの悪態を吐き、中身を確認する。すると俺が保護者になる被保護者の情報が入っていた

 『カーテローゼ・フォン・クロイツェル

  母親は帝国からの亡命者。同盟軍に所属していたが病死』

俺は一陣の風となってキャゼルヌ先輩に襲撃をかけた

 

 

 

俺の言葉をどこふく風。気がついたらシェーンコップの娘を引き取ることになっていた。『おまえなら亡命者の苦しみがわかってるだろう?』なんて言われたら否定できないよ。同盟にも地味な差別ってあるからな〜。亡命者だからこそ、俺も英雄としては扱われないわけだし。ま、それで助かっているけどな

そんなこんなで、俺は急ピッチで部屋を片付けている。流石に俺にもプライドがあるので、原作のヤンのように汚い状態で迎えられはしない。あの状況で迎えたヤンはおかしいよ。可憐な少女に有害なデータは何重にもプロテクトをかけて簡単には開けないようにし、さらにパスワードを間違えると自動で消滅するようにしておく。さらに室内に散乱していた本などもすべて片付ける。

部屋の整理整頓を終え、本人が来る当日になって、俺は重大なことに気がついた

 「女の子の必要な物や、必要になる物なんかわからんぞ。俺は」

さてどうするか。ここで助けを求めるとしたら3人。1人目はこの状況を作り上げた張本人の奥方であるオルタンス・キャゼルヌ夫人。2人目は友人の恋人であり、本人とも友人であるジェシカ・エドワーズ。3人目は妹分であるミリアム・ローザス。このうちミリアム嬢はハイネセンにはいない。ジェシカはデートだと昨日、俺の家に来たラップが言っていた。そうとなるとキャゼルヌ夫人か。そう思って俺がヴィジホンを取ろうとすると、それより先にヴィジホンが鳴り始める。俺は内心、首を傾げながら電話を取ると驚くべき相手だった。

 

 

 

 「しかし、ミリアム嬢がハイネセンに来ていて助かりましたよ」

 「私も驚いたわ。ヘルベルトさんに私の結婚相手の紹介に来たはずなのに、急に『女の子の生活に必要な物の買い出しに付き合ってください』だもの」

ミリアム嬢はそう言って楽しそうに笑い、俺は苦笑した

 「ヒューガーさんもすいませんね」

 「あ、いえいえ。こちらも楽しくすごさせていただきました」

俺を見て微笑しているイケメンはスレイン・ヒューガー氏。フェザーンのやり手商人で、俺とたいして年は変わらないが、すでに財を築き始めているらしい。性格も温厚で人の良さそうな好青年である。さすがはローザス提督。人を見る目は確かだったようだ

 「でも、ヘルベルトさんが子供を引き取るなんてね」

 「私も驚きですよ。急に8歳のパパになれって言うんですから」

ミリアム嬢の言葉に返すと、ミリアム嬢はさらに楽しそうに笑い、ヒューガー氏も楽しそうに微笑んだ

 「せっかくだから、お二人も彼女の歓迎会に参加していきませんか?」

 「私はいいけど、スレインは?」

 「ええ、是非参加させてください。シュタイナーさんの娘さんなら、私達にとっては姪のようなものです」

ヒューガー氏の言葉に俺は優しく微笑むだけだった

 「他に誰が来ることになっているの?」

 「そうですね……ヤンにアッテンボロー、それにラップとジェシカのカップルに、来れたらキャゼルヌ一家ですね」

 「あら、意外と多いのね」

 「ヤンとアッテンボローは俺をからかいに来るだけでしょう。『相手もいないのに娘ができた』とか何とか言いにね」

 「仲が良いんですね」

 「否定はできませんよ」

ヒューガー氏の言葉に俺は疲れたように頷くのだった

 

 

 

 

そんなこんなで夜。もうすぐ俺の被保護者になるカーテローゼ・フォン・クロイツェルが来る時間である。キャゼルヌ先輩とヤン、ラップ、それにアッテンボローとヒューガー氏はソファーに座って談笑しており、それなりに盛り上がっているようだ。俺はミリアム嬢やキャゼルヌ夫人、ジェシカと一緒に台所で料理を作っていた。キャゼルヌ家の嬢ちゃんたちは野郎陣が相手をしている。最初は料理が出来ることに驚いていた全員だったが(文字通り部屋にいた全員。どういう意味だ)、1人暮らしなのだからできて当然と返すと、納得したように頷いていた。ヤンはダメージを負っていたが

料理が出来て机に並べていると、俺の被保護者になる娘が家にやってきたようである。手の空いていたミリアム嬢が、キャゼルヌ家の嬢ちゃん達を連れて迎えに出る。俺も手に持っていた料理を机に並べ終えてから迎えに出ようとすると、その前に部屋に薄く入れた紅茶の色の髪と青紫の瞳を持つ、将来は美人に育つことがわかる少女が入ってくる。

 「初めまして、ヘルベルト・フォン・シュタイナー中佐。カーテローゼ・フォン・クロイツェルです。ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします」

そう言って自分の保護者になると思われる人物に挨拶をしている。うん、お兄さんもきちんと挨拶できる子は好きだよ

……でもそいつは違うから

カリンが挨拶をしたのは、仕事帰りに直接来たために軍服姿だったヤンであった。ヤンは困ったように頭を掻いている。

 「え〜と、君の保護者になるのは僕じゃなくて、そっちなんだけど」

その発言に驚いたように、カリンはヤンの指のほうに振り向く。そこでさらに驚いた表情になった。

これから自分の保護者になる人は軍人で、その人物の家に行ったら見覚えがあって唯一軍服の人がいたから、その人だと思って挨拶をしたら人違いだった

で、本物の保護者になる人物は「イヌの絵が書かれているエプロン」をつけている人物だった。これは驚く。誰だって驚く。俺だって驚く。しかもその保護者は帝国では屈指の名家の貴族の生まれだったんだから驚きも倍増だろう。とりあえずは俺も置こうしていた料理を持った状態でカリンの前まで行く

 「え〜と、君の保護者になるヘルベルト・フォン・シュタイナーです。まあ、気軽にヘルベルトって呼んでくれるかい」

 「は、はい!! よろしくお願いします」

う〜む、固いな。余計に固くなってしまった気がする

 「とりあえず……一口どうだい?」

そう言って料理を進めると、最初は戸惑っていたようだが、覚悟を決めたのか乗っていた料理を一口食べる

 「あ……美味しい……」

 「それなら良かった。作った甲斐があったよ」

 「え!? て、手作りですか?」

 「うん、まあ。せっかく家族が増えるからね」

俺の言葉にカリンは恥ずかしそうに俯く

 「あ、ありがとうございます……」

 「うん、これからよろしくね、カリン」

そう言って恥ずかしそうに俯いているカリンの頭を、空いているほうの手で撫でてあげる俺だった。

 

 「いい親子になりそうだね」

 「そうだな。なんだかんだでシュタイナーも面倒見がいいからな」

 「言えていますね。シュタイナー先輩を慕っている奴って意外と多いですよ」

 「つまり、俺の目利きは正しかったってことだな」

 「年が近いのがちょっと問題くらいですかね」

 「確かに、親子にしては年が近いし、兄妹にしたら離れすぎてる」

そんな会話を男組はしているのだった




ヘルベルト・フォン・シュタイナー
原作キャラを引き取ることになって大混乱

カーテローゼ・フォン・クロイツェル
シュタイナーにとってのユリアンポジション。元帝国屈指の大貴族、現同盟軍の出世頭に引き取られて緊張

ミリアム・ローザス
婚約者をつれてシュタイナーに挨拶に来たら女の子の必要なものを買いにいくことになった

ヤン・ウェンリー
仕事が遅くまであって顔をだしたら保護者に間違えられた。全ては有名人なのが悪い

アレックス・キャゼルヌ
全ての元凶




そんな感じでシュタイナー家に家族追加。ロリカリンちゃん!!

ヤンにとってのユリアンポジションなので割と重要キャラになる予定。

カリンちゃんがヤンを保護者と勘違いしたのは『どこかでみたことがある→たぶんもらった資料の写真だわ=礼儀正しい挨拶』って感じ

まだ子供だからエルファシルの英雄って言われてもわからないのです(たぶん

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。