昔の遊戯王のゲームで2種類のパーツを合わせてカードにするやつ好きでした。
攻撃力2000の星四が最強だった記憶。
デッキキャパシティは…ある意味召喚コストみたいなものですかね。
ボクは……ボクは、誰だろう。
思い出されるのは、暗い海と、痛み、憎しみ、絶望。
ああ、そうだ。ボクは艦娘…駆逐艦皐月。
艦娘とは、かつて戦った艦の記憶と、海の上で戦う力を持った少女。普通の生物とは異なり、海や工廠で発生…生まれる。
艦娘はいずれも"艦装"を付けている時と外しているときで、その力が大きく異なる。
艦装を外しているときの艦娘は、人間ともそう変わらない。人より多少力持ちで、人より大分頑丈ではあるが、基本的に人間と同じだ。人間と同じものを食べ、同じように寝て、同じように感情を持っている。
しかし"艦装"を付けている時の艦娘は、人間の体の部分ですら全く別の特性へと変わる。そのあり方は、まさに戦闘艦船。海の上を走り、砲を撃ち、そして沈めば死ぬ。その体は燃料によって駆動し、皮膚はライフルの弾すらはじき返す。
重量が大きく増すため、陸上での活動は不可能ではないが、極めて困難になる。土の上を歩こうものなら足から陥没してしまうだろう。それ故に艦装の装着は海の目の前で行われる。
人間なら死ぬような怪我をしても、沈没していないのであれば、入渠すれば治すことができる。ただし、沈むのだけは致命的だ。軽傷だろうが浅瀬だろうが、沈んでしまえばまず助からない。
だからこそ、皐月は不思議だった。
間違えようもない、自身の轟沈は明確で…言い訳のしようも無い、忘れることもできない感覚だったからだ。
頭が働かないままぼーっとしたまま目を開けると、横に座ってボクを見ている男の人がいた。
「大丈夫だ、ゆっくりお休み」
誰かも分からないその人の言葉に、少しの安心を得られたのか、ボクの意識は再び沈んでいった。
~
さて、困ったことになった。俺は草と苔の絨毯の上で眠る皐月を見ながら考える。
いや、無人島で大けが人を抱えている時点で困ったという次元じゃないのだが、艦娘は生命力も強いらしく傷は少しずつ癒やされている。
最初は焼け焦げて無くなった服の中が焼け焦げて黒ずんでおり、もう二度と元に戻らないんじゃないかと思わせられた。決闘者ならともかく、普通の人間だったらそのまま死んでただろう怪我をしていたんだから治る方向に進んでいるだけですごい。
しかも意識がほとんど戻らないので、この数日水しか飲ませられていない。一応木の実をすりつぶしてほんの少しだけ混ぜた水を飲ませているが、ほぼ何も食べていないのと変わらない状態だ。
いや、本当にすごいな!もちろん喜ばしいのだが。
俺とヲ級と二人で彼女に付いているが、もう七日になる。
最近はヲ級がいくらか意思を見せるようになり、多少のコミュニケーションが成立するようになっていて助かった。俺から片時も離れようとしないヲ級だが、皐月の看病だけは俺が離れているときでも頼むことができたからだ。何か変なことになるんじゃないかと少しだけ心配したが、結局それも杞憂ですんだし。
それで何が困っているかというと、服がないことだ。
スカートはまだ使えるのだが、皐月の上半身の服は半分しか残っておらず、使い物にならない。いや何もないよりはマシなのだろうが、大事なところが隠せていないので服としては落第だった。しかもいくら良くなっているといっても完全に治っているわけではなく、服がない、つまり焼け落ちた部分から覗くのは、主にグロ注意的な意味で目をそらしたくなるものだ。
だから何でも良いからとにかくまともな服を着せてやりたいのだが、当然無人島に服があるわけもなく。まだ俺が上半身裸になる方がマシなので俺の服を着せる手もあるが、普通に寒いんだよな。
仮にも決闘者なのだから数日くらいは問題ないのだが、恒常的に裸で無人島生活はヤバい。つーか俺は腹が弱いんだよ、服着てても腹が冷えて調子悪くなるのに、裸じゃ体調が持たない。ディスカバリーチャンネルでやってたって?うるせぇ!俺は元軍人でもサバイバリストでもないんだ!
ちなみに洗うときはエリアが水を渦のようにして、セルフ洗濯機をしてくれている。いつもありがとう。
こうなったらバーナーを出しっ放しにして腹巻き代わりに貼り付けておこうか。コスト的には無しというわけじゃない、問題なのはさすがにバーナー本人が納得してくれるか分からないところ。風呂のヒーターから夜の湯たんぽまで気にせずやってくれているので、多分やってくれるだろうけど。
改めて所有カードを確認する。カードは少しずつ増えているが、うまく使えるかというとそうでもないのよな。
人食い植物、スピック、サイガー、マンモスの墓場、ドラゴン・ゾンビ、ゴースト王-パンプキング-。ローの祈り、ゼラの儀式、闇の破神剣、天狗のうちわ、あまのじゃくの呪い、偽物のわな。
こんなんばっかである、というかそれこそ最初期の頃のカードばかりだ。
マンモスの墓場とか、パンプキングとかは陸上戦なら大量召喚して物量戦という選択肢もあるが、戦場が海と空だけなんだよな。
ティオの蠱惑魔は……一瞬可能性はあるかと感じたが、まあ服にはならないな。
あ!ヤマタノ竜絵巻じゃん、これだ!!
服を脱いで召喚したヤマタノ竜絵巻を体に巻き付ける。絵巻に書かれたドラゴンが出てくるというモンスターなのだが、ドラゴンにはそのまま絵の中にいてもらって、開いてみたら超長い絵巻を問題なく巻き付けることができた。
上半身と肘くらいまでとは言え、思ったよりも悪くない見た目と着心地だ。想定外なほどに普通に服として成立している。
なんとなく自分自身がモンスターになった気分も味わえるし、我ながら良いアイデアだ。名付けて竜絵巻の怪人、攻守は1100/400。ちなみにヤマタノ竜絵巻が攻守900/300なので、単純計算で俺個人の攻守は200/100である、黎明期の遊戯王でも見向きもされないな。
「セーヤ、ぐるぐる」
「あ、ヲ級。どうだ、まあ変だろうけど、悪くないんじゃないか?」
「ヲ。悪くない」
ヲ級もかなり話せるようになったが、抱きついてくるのは変わらない。この光景を皐月に見られて大丈夫なんだろうか?人間に味方する深海棲艦もいるのか、完全な不倶戴天の敵なのか、一度も人類と接触していない俺には分からない。
まあ、ふたを開けてみなければ分からないことか。
・足から陥没
エンヴィー人間体で起こってたやつ。アレって日常生活ヤバいのでは???
・竜絵巻の怪人
手榴弾を1つを持った新兵の価値を10とすると、手榴弾を2つ持った新兵の価値は18だ。
次回、自然な流れだから見とけよ見とけよ~。
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両方知ってるが、征竜のことはよく知らない
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両方知っているし、征竜のことも知ってる
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実は両方よく知らない