征竜の決闘者、ヲ級を拾う   作:バージ

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×アレキサンドライトドラゴン
○アレキサンドライドラゴン

この小説書くまで気づいていませんでした。


アレキサンドライドラゴン

 

ヲ級を見つけてから一週間が経過したころ、なんとヲ級が少しずつ人間らしい反応を見せるようになってきた。最初の内は俺を見て、俺の近くにいる以外何の反応もなかった。精々走り出すと同じ速さで付いてくるとか、寝るといつの間にか一緒に寝てるとかその程度だ。しかし今は幼児とする程度の意思疎通はできるようになった。

 

そんな日々の中、偵察のために召喚している風征竜ライトニングが、接近する深海棲艦を発見した。あの一戦の後は、常にライトニングを偵察のために上空に待機させている。知らぬ間に近づかれて空爆や艦砲射撃を受ける事態は心臓に悪すぎる。

 

できるだけ消費を押さえるようにしているが、一日中ライトニングを出しっ放しにするのは楽じゃない。しかしこの紙束征竜デッキにおいて、海の監視ができてかつ最も安いのがライトニングだったのだ。深海棲艦との戦闘はあれ以降これで三回目、一度も見逃したことはない。

 

今回の相手は重巡1、軽巡1、駆逐4という、どこにでもいる編成。それが2かける3、サイコロの六の目と同じ配置である複縦陣を組んでやってくる。

一方のこちらの前衛にアレキサンドライドラゴン(通常・ドラゴン・光・星4・2000/100)、後衛にメテオドラゴン(通常・ドラゴン・地・星6・1800/2000)の二体だ。青銀のウロコを持つ神秘的なドラゴンと、溶岩に似た見た目の甲羅を持つ亀のようなドラゴンのコンビ。

どうして親征竜を使わないのかって?あいつらコスト(生命力)が……。どうして子征竜を使わないのかって?あいつらって親征竜を呼ぶためにいるんじゃないの?というのは冗談だが、相手がたいしたことないから練習のためにこの二体を出したのもあるし、これでも割と過剰戦力だったりする。

 

しかし元から感じてはいたのだが、アレキを知って実感したことがある。それはカードにおける攻撃力と守備力が、そのまま実際の戦闘力を現している訳ではないという事実だ。アレキの守備力は100、遊戯王最弱クラス。ミリスレディエントやクリボー(どちらも攻撃力300)といった、海馬に雑魚モンスターと呼ばれたりするモンスターにすら殴り倒される貧弱さだ。これがそのまま実際の防御力だとしたら、アレキは対空砲で簡単にたたき落とされてしまうだろう。

しかし実際にやってみればどうだ。

彼ら(いや、彼女らか)が懸命に行う対空砲火は一発たりとも、アレキにかすりもしない。アレキの飛行速度が速いとかそういうことではなく、敵はアレキがどこにいるのか分かっていないのだ。今深海棲艦の周りを飛び回っているのは、幻。本体は対空砲の届かない上空に羽ばたくこともなく浮いている。

アレキサンドライドラゴンのカードテキストには、彼のウロコは古の王の名を冠し、神秘の象徴であると書かれている。要するに魔法みたいなことができる存在だったのだ、アレキは。アレキの光のブレスは重巡くらいならおそらくワンパン可能だが、それをする必要もない。後衛として配置したメテオドラゴンの遠距離攻撃で、すべて片付いてしまった。

 

上空に打ち上げた巨岩がメテオのごとく落ちてくるメテオドラゴンの攻撃は、投石と言うよりはもはやミサイルである。攪乱と遠距離火力の合わせ技で、想定とは異なる相性の良さだった。いやまあ、あの編成の敵6隻相手じゃそりゃ一方的な戦いにしかならないだろうけど。

 

しかし、こういう事態になるのだな。

100隻という大艦隊を一席残らず沈めたのは良いが、そんなことすれば当然目立つ。だから別の深海棲艦がやってくること自体は避けようがなかっただろう。だがそれにしたって散発的に、小戦力を突っ込ませるか?普通に考えればやらないだろう。

無秩序なように見えるというのが感想だ。

ここから分かるのは、深海棲艦は秩序だって統制されているわけではないという可能性。気ままに泳ぎ、気ままに行動し、気ままに人を襲うのがデフォルトなのかもしれない。……まあ、深海棲艦がただの理性なき怪物なのだとしたら、高度な秩序と統制を持たないことは当然ということになるが。隣に座るヲ級を見ていると、どうなんだろうなと思ってしまう。

他の人間と出会ったことすらない俺からすれば、この世界がどうなっているのかなど知りようがないわけだが。

 

ちなみに俺たちが座って飲んでいるのは空き缶を用いていれたお茶もどきだ。今時(?)浜辺に行けば漂着したゴミはいくらでも転がっている。この無人島も例に漏れず、漂流物の中からペットボトルや空き缶などをサバイバルに利用しているわけだ。

何かの果実がなっている木の葉を使ったお茶もどき。微妙に甘いにおいがして悪くないお茶だろう、火種はバーナー。

水霊使いエリアと人食い植物がどっちも大丈夫と言っていたから、多分食べても大丈夫だ。怖いからやりたくないが、最悪自分に魔法カード超再生能力を撃てばなんとかなるだろう、多分。ちなみに葉っぱを見たのが人食い植物、入れた後のお茶を見たのがエリアだ。なおエリアが無言で催促してきた、もとい飲みたそうにしていたので一緒に飲んでいる。

清冽の水霊使いエリアは結構コスト重いのだが、ただの水霊使いエリアならそこまで気にならないコストですんでいる。正直清冽の方は気楽に出せん…。

 

ヲ級は食べ物を渡せば食べてくれるようになった。彼女は感情というものが薄いように見えるが、微妙に喜んでいるっぽいことは分かる。お茶の時間中は特にそれが顕著で、今もヲ級の表情が微妙に緩んでいる。

湯気を立てている空き缶のお茶を、大事そうに両手で包み込み、目を細めている。そうして時折こちらを見つめるヲ級の姿に、なんとなくこちらの心も温まる。

彼女は動いていないときは必ずすぐ近くまで寄ってくるし、今も肩がぶつかるぐらい近くにいる。悪い気はしないが、この距離で見つめられるのは照れくさい。このお茶の時間は、正直かわいいを過剰摂取しているような気がしてならない。ヲ級とエリアの片方だけでも十分なくらいだ。

 

 

 

 





・アレキサンドライドラゴン
割とレギュラー枠というか、出番が多かったりする。遊戯王カードとしての性能とは全く異なる強さをしている。


・水霊使いエリア
出番はあってもセリフはない。今後もセリフはつけない予定。現状唯一の人型モンスター。戦っても強くはない。


アンケート設置しました。
現状見た目とかカード効果とかあまり説明していませんが、アンケートの結果如何によっては最低限の説明はした方がいいなと。
そんなわけでよろしくお願いします。

艦これ・遊戯王についてある程度知っていますか?

  • 艦これの方だけ知ってる
  • 遊戯王の方だけ知ってる
  • 両方知ってるが、征竜のことはよく知らない
  • 両方知っているし、征竜のことも知ってる
  • 実は両方よく知らない
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