ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!? 作:ひいちゃ
こんにちは、ストーカーです。
さて、ドモンはアナザー・デビルガンダムを倒したものの、結局、師匠とジャンヌの二人の真意を聞けぬまま、彼らと別れることになってしまいました。
かつてのライバルたちとの再会、二人の旧シャッフル同盟との別れ、そして、師匠であるマスター・アジアへの複雑な思い。
果たしてそれらは、彼をどのような道へと導いていくのでしょう?
そして、謎のガンダムファイター、シュバルツ・ブルーダーとそのガンダム、ガンダム・シュピーゲル。
「ならば私たちのすることは、あのアナザーを止めるために、彼らを利用……いや、彼らの、アナザーを脅威と感じ、止めようとしている心を信じ、共に戦い、あれを破壊することではないのか!? どうだドモン!!」
ジャンヌ曰く、『この世界には存在しないはずの』彼の正体とは何か?
そして、ジャンヌはそれらにどのように干渉していき、どのような道を開いていくのか?
今回のカードは、ネオ・アメリカ代表、チボデー・クロケットの『ガンダム・マックスター』対、新生デビルガンダム四天王、カンちゃんの『ダークホッパーガンダム』。
それではガンダムファイト、Ready Go!!
11th Fight『編み出せ! 新必殺技豪熱マシンガンパンチ!!』
いずこかへ飛び立っていく、五機のシャッフル同盟たちのガンダム。
俺……ジャンヌ・エスプレッソと、師匠こと東方不敗マスター・アジアは、それを遠くから眺めていた。
「ドモンたちは、ギアナ高地に飛び立っていきましたか……」
「うむ、かの地は、わしとドモンが過去、修行に励んだ地。奴らにとっても、よい修行になるであろう」
そう、彼らが向かったのはギアナ高地。ジャングルに覆われた秘境の地。彼らはそこで、さらなる力を身に着けるべく修行に挑むのだろう。
……となれば、俺としてもやるべきことがある。彼らを導き、高め、俺の目指す結末を迎えるためにも。
「それでは、私とチコ、カンちゃんも向かうことにします。ギアナ高地へ」
その俺の言葉に、師匠は顔をわずかに曇らせ、前方を向いたまま口を開いた。
「そうか。だが気をつけよ。わしの見立てでは、お主の身体は……」
さすが師匠、感づいていたのか。その眼力に内心恐れ入りながら、俺は苦笑して返した。
「大丈夫ですよ、師匠。少なくとも師匠よりは問題ありません」
「こやつめ、言いおるわ。……無理はするでないぞ」
「はい。私の望む結末を迎えるまでは、倒れる気はありませんから」
そして俺、チコ、カンちゃんの新生デビルガンダム四天王の三人もまた、ギアナ高地へ飛び立っていった。
* * * * *
ギアナ高地、その一角。
「はぁっ! とりゃっ! ぬおあああっ!!」
そこでは、ネオ・アメリカ代表のガンダムファイター、チボデー・クロケットが激しいトレーニングに励んでいた。
彼が拳を振るうたびに、汗が朝露のように弾け、空を切るたびに、空気が切り裂かれる。
だが、そのような激しく鋭い動きを繰り出しても、チボデーに満足は訪れなかった。
――まだだ、まだ足りない!
チボデーは必死に技を繰り出し、トレーニングを続ける。
そこに。
「はい、チボデー。タオルとドリンクよ」
彼のスタッフ、『チボデー・ギャルズ』の一人、キャスが、チボデーにタオルとドリンクを手渡す。
それを受け取ったチボデーは、それでタオルで軽く汗をふくと、荒っぽくドリンクを飲みほした。
「ふぅ、一息ついた。サンキュー」
「チボデー、もっと休憩したら? どう考えてもハードワークすぎるわ」
そのキャスの言葉にうなずきながらも、チボデーはトレーニングを再開する。そして身体を動かしながら言った。
「……勝てないんだ」
「え?」
答えるチボデーの表情には、苦渋がにじみ出ていた。
「アナザー戦で俺は見た。カンちゃんとかいうあのファイターの動きと技を。あいつには、今の俺では絶対に勝てない」
「……」
「どのような思惑であれ、あいつらがデビルガンダムを擁している以上、あいつとも戦う時が来るだろう。だから! 今より強くなって、カンちゃんに負けないようにならなければならないんだ!」
「チボデー……」
どう声をかければいいかわからず、ただ彼の名をつぶやくことしかできないキャス。
そこに!
「オレヲヨンダカ!?」
「!?」
* * * * *
チボデーとキャスが見上げたがけの上、そこには一機のガンダムが仁王立ちしていた。
見間違えるわけがない。カンちゃんのダークホッパーガンダムである。
「お前は……カンちゃん!? なぜここに!?」
「理由ハワカラナイケド、じゃんぬノ頼ミ! オマエ、ブチノメス!!」
そして崖を飛びあがって、チボデーに襲い掛かる!
「キャス、離れていろ! 巻き込まれるぞ!」
「う、うん、チボデー、気を付けてね!」
チボデーはうなずくと、自分のガンダム、ガンダム・マックスターを呼び出す。そして乗り込み……。
「それでは行くぞ! カンガルー野郎! ガンダムファイトッ!」
「レディィィィゴオオォォォォ!!」
そして、チボデーのガンダム・マックスターと、カンちゃんのダークホッパーガンダムのファイトがはじまった!
先手を取ったのはチボデーだ。フック、ジャブ、そしてストレート。様々なパンチを次々に繰り出す。だが、野生の勘なのか、カンちゃんはそのパンチを次々とかわしていく。
そして、チボデーの攻めの間隙を突き、ダークホッパーのリバーブローがマックスターに突き刺さった!
「がはっ……!」
そこから形勢逆転! カンちゃんがチボデーに様々なパンチを浴びせる。リバーブローが効いているのか、それともカンちゃんの強さか、チボデーはそれらを防ぐのが精いっぱいだ。しかも、ガードしきれず、数発ほどもらってしまう。
「くっ……調子に乗るなぁ!!」
チボデーも負けてはいない。飛んできたストレートをかわし、クロスカウンターで反撃! それでダークホッパーが後ろずさったのを合図に、チボデーが逆襲に出る! パンチの連打を繰り出し、カンちゃんはそれをよけていく。
「くらえぇ!!」
マックスターが強烈なフックを放った! しかし、ダークホッパーはそれをしゃがんでかわすと、後ろ向きになり……。
「なに……? うわあっ!!」
チボデーは、カンちゃんの強烈なカンガルーキックで吹き飛ばされた!
* * * * *
ファイトは、カンちゃん有利に進んでいた。
カンちゃんの、蹴りを交えた怒涛の攻めに、チボデーは徐々に防戦一方に追い込まれていく。
蹴りも使うカンちゃんは、ボクサーであるチボデーにとって強敵であった。
こちらの攻撃の間隙をぬい蹴り攻撃の一発。
パンチの連打に紛れ込んでの蹴り。
こちらの攻撃をかわしてのカウンターキック。
まさに変幻自在というべきカンちゃんの攻撃に、チボデーは翻弄されていた。
そもそも、パンチのみというボクシングのステージで戦ってきた彼だ。ガンダムファイトでいくらか他の技にも慣れてきたとはいえ、やはり蹴り技も使う敵との相性は悪いと言わざるを得ない。
そして、再びカンちゃんの蹴りが、チボデーに炸裂! マックスターは再び吹き飛ばされた。
「ちぼでー、マダマダ! ソロソロ、トドメ!」
気合と勝つ気十分のカンちゃんとは違い、一方のチボデーは、相性の悪い相手と、それよりなによりも、カンちゃんの天賦の才の前に、弱音が湧き出ることを禁じ得なかった。
「やはりだめなのか……? 俺ではこいつに勝てないのか……?」
彼の心がくじけかけたその時!
「チボデー、頑張って!」
「あなたはチャンプよ! 負けるはずがないわ! 自信をもって!」
「立って、チボデー!」
「チボデー、勝ってー!!」
チボデーギャルズの応援だ。それを耳にしたチボデーは、身体と心に力が満ちてくるのを感じた。そして思う。
(そうだ! 俺には彼女たちがいる! 彼女たちの声援が、気持ちが、俺に力を与えてくれる! 彼女たちがいてくれる限りは、俺は無敵のチャンプでいられるんだ!)
「ちぼでー、クタバレ! ダークホッパー・ヘルクラ……」
「うおおおおお! 喰らえ、必殺! 豪熱・マシンガンパアアアアンチッ!!」
「カンッ!?」
飛び掛かったダークホッパーに、チボデーの新必殺技・豪熱マシンガンパンチが襲い掛かる! 一発一発に炎をまとったそのパンチは、無数放たれ、ダークホッパーガンダムに襲い掛かる!
その威力の前に、ダークホッパーのガードは意味をなさず、次々とそのボディにヒットしていく。今や、追い詰められるのはカンちゃんのほうになった。
そして。
「吹き飛べぇ! フィニーッシュ!!」
「ピョーンッッ!!」
炎に包まれたアッパーでフィニッシュ! ダークホッパーは自分が立っていた崖の上へと吹き飛ばされていった。
しばしの沈黙。だが今やチボデーの身体は、新たなる力、新必殺技を身に着けた喜びと、難敵であったカンちゃんを倒した歓喜に包まれていた。
そして彼は、拳を振り上げて叫ぶ。
「アイ・アム・チャンピオーンッッ!!」
* * * * *
カンちゃんが吹き飛ばされた崖の上。
俺と、中破したダークホッパーから降りてきたカンちゃんは、そこから、歓喜に沸くチボデーチームを見下ろしていた。
その様子を見て、思わず微笑みが浮かんでしまう。
「アネキ、ヒドイメニアッタ……」
「ふふ、お疲れ様でした、カンちゃん。こんな役をやらせてごめんなさいね」
「キニスルナ、アネキ。アネキノ役ニタテタラ、カンチャン、ウレシイ。カンチャン、ヤクニタテタカ?」
そのカンちゃんの質問に、俺は微笑んだまま振り向いて答えた。
「えぇ。これでチボデーはさらに強くなりました。十分役に立てましたよ」
「ソレハヨカッタ。カンチャンモ、ツヨクナッタアイツトタタカウノ、タノシミ」
そう、これが俺がギアナ高地に赴いた狙い。彼らに干渉して、さらに強くして力を身に着けてもらう。
彼らの影響を受けて、ドモンがさらに力と心を磨き上げれば、きっと師匠と俺の考えを理解してくれるはず。そうなれば、きっと師弟和解の道も開けるだろう。
その一歩を築くことができたのは本当によかった。
そう思いながら、俺はチボデーギャルズに抱き着かれるチボデーを見守っていた。
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それと、テテテの続編『テテテ
* 次回予告 *
皆さん、お待ちかねぇ!
フェイクデビルガンダム細胞に取り付かれたせいで、デビルガンダムへの恐怖に囚われたジョルジュ!
そんな彼を立ち直らせようと、彼の執事のレイモンドはあの手この手で頑張ります。
ですがその時! 新生デビルガンダム四天王の一人、チコ・ロドリゲスが、さらなる恐怖を携えて襲い掛かるのです!
次回、『ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』
第12話『恐怖から抜け出せ! 勇気のローゼスハリケーン!!』
にReady Go!!
それではみなさん! 6/7 12:00にまたお会いいたしましょう!