ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?   作:ひいちゃ

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 こんにちは、ストーカーです。

 さてさて、いよいよ決勝大会がはじまりました。
 好試合の連続に、会場では熱狂がおさまりません。

 ウォンのたくらみにより対決することになってしまった、新生デビルガンダム四天王のチコとカンちゃん。
 ファイトはチコが勝利を収めましたが……。

『滅べ……。必滅、カオシック・フィンガー……!!』

 謎の黒きガンダムの襲撃により、チコも窮地に陥ります。そのピンチは、シャッフル同盟の登場により乗り切ることができたのでした。

 謎が謎を呼ぶ決勝大会。果たして、謎の黒きガンダムの正体は何なのでしょうか?
 
 さて、今回のカードは、ネオ・ジャパン代表、原作主人公のドモン・カッシュ対、ネオ・スウェーデン代表、アレンビー・ピアズリーのノーベルガンダム。

 それではガンダムファイト、Ready Go!!



23th Fight『暗い謀略! 危険なアレンビー!』

「やはり、手がかりはつかめませんでしたか……」

 

 ネオ・ホンコンに片隅にある場末の酒場。そこで俺……ジャンヌ・エスプレッソたち新生デビルガンダム四天王と、ドモンたちシャッフル同盟は、師匠こと東方不敗・マスターアジアから、その後の調査の説明を受けてみた。

 

「うむ。色々探ってみたが、あの黒いガンダムと、ウォンの奴めのつながりを示す手がかりを見つけることはできなかった。あの小物め、こういうところはこざかしい」

 

 師匠はそう忌々しい口調で吐き捨てた。でも俺も同じ気持ちだ。

 もしつながりがわかれば、もっとウォンや黒いガンダムへの対処の選択肢もあっただろうに。

 

「とりあえず今のところは、黒いガンダムに警戒をするしかないということですね。気を付けましょう、チコ、カンちゃん」

 

 俺の言葉に、チコと、乗機であるダークホッパー・ガンダムの中破で決勝リーグから脱落したカンちゃんがうなずく。

 

「あぁ、もちろんだ」

「任セテオケ。シッカリト、目ヲミハラセル」

 

「ドモン、うぬらも気をつけろ。うぬらシャッフル同盟は、ウォンからすれば目障りな存在。黒いガンダムがお前たちに襲い掛からないという保証はないぞ」

「はい」

 

 ドモンはそう力強くうなずくも、何か声のどこかにかすかな弱さを感じた。そしてそれは、師匠も同じようだ。

 

「ドモン。お主、まだ答えを見つけられていないようだな?」

「はい……。情けない話ですが」

 

 ドモンが、まるで叱られた子供のようにそう答えると、師匠は苦笑を浮かべて言った。

 

「それでよい。答えとはそのようなもの。そう簡単に答えを見出すことができれば、誰も苦労などせん。とことんまで悩むのだ。悩み、苦しみ、あがき、そして見出したものこそ、お主にとっては真実で大切なものとなる」

「はい……」

 

 そこで師匠は、ふと再び苦笑をもらした。

 

「ふふ、今や袂を分かちあい敵となったわしが、お主に説教するのもおかしな話だがな」

「そんなことはありません。例え敵味方に別れても、師匠は師匠です」

「ふ……ありがとうよ」

 

 そんなドモンと師匠の様子には、何か敵味方を超えた、いや、親子の絆すらも超えた何かを感じた。

 これが本当の絆という奴かな。とてもうらやましい。そう思った。

 

* * * * *

 

 その次の日、俺はドモンに頼まれて、組手をしていた。

 

 デビルガンダムの側の俺たちと、そのデビルガンダムと敵対する側のドモンたち。その俺たちが協力しあっていいのかと思ったが、

アナザー・デビルガンダムを作り出した黒幕と、謎の黒いガンダムという共通の敵が現れた現在、敵対しあってもいられない、ということだろう。

 今は協力しあうが、雌雄を決する時が来たら、その時はそれまでの縁は抜きにして全力で戦う。それでいいのかもしれない。

 

 さて、俺とドモンは、ひとしきり組手を行ったが、やはり彼の拳にはわずかとは言えないほどの迷いが感じられた。

 

「ドモン、やはり迷いがあるのですね?」

「やっぱり感じたか。あぁ、こればかりはどうにもならん。ゴッドスラッシュでも倒せないような強敵と相まみえる前に、迷いを打ち消し、完全な明鏡止水を会得したいんだが……くそっ」

「焦ってもどうにもなりませんよドモン。ここは……」

 

 と、そこで。

 

「一緒にゲーセンで弾けようよ!」

「そうそう、一緒にゲーセンで弾けるのが一番……え!?」

 

 どこかで聞いたような凛々しくも透き通るような声。その声に俺とドモンが振り向くと、そこには、水色の髪をした、ハイティーンとおぼしき少女がいた。もちろん、俺は彼女のことを良く知っている。

 

「えぇと、あんたは……」

「ネオ・スウェーデン代表、アレンビー・ピアズリー!!」

「そうだよ! 良く知ってるね!」

「……よく知ってるな」

 

 ぎくぅっ!!

 ドモンにいぶかし気な視線を送られ、俺は思わず慌ててしまう。

 

「い、いえ、ネオ・ノルウェーとネオ・スウェーデンは隣同士ですし、グリペンも好きですし」

 

 いかん、自分でも何を言ってるかわからなくなってきた。

 

「しかし、ネオ・スウェーデンといえば、俺の次の対戦相手じゃないか。そのお前がなぜここに?」

「うん。だから、その相手がどんな人なのかと気になってさ。こうして来てみたってわけ。あとそれと、本番前の前哨戦も兼ねて……ってね」

「手合わせか……いいだろう」

 

 なんか意気投合したっぽい。ドモンとアレンビーは連れ立って、ゲーセンへと歩いていく。その後に俺も続いた。

 

* * * * *

 

「たああぁぁぁぁぁ!」

「うおおぉぉぉぉ!」

 

 ドモンとアレンビーの叫びとともに、ゲームスクリーン上の二人のキャラが突進する。そして激突!

 

『YOU WIN!!』

 

 画面に表示される結果を表す文字。倒れ伏したのはドモンのキャラだった。

 そしてそれと同時に画面がブラックアウトし、筐体から白煙が噴き出す。二人のあまりの動きに、マシンがオーバーヒートを起こしたのだ。

 

「むぅ……これは……」

「……逃げよっか?」

「……待ちなさい、二人とも」

 

 逃げ出そうとする二人の肩を、俺は『がっしりと』つかんだ。それでいいのか、ネオ・ジャパン代表とネオ・スウェーデン代表。

 

* * * * *

 

「大変な目にあったー」

「自業自得でしょうが。少しは反省してください」

 

 夕方。ゲーセンの店員さんに絞られた俺たちは、公園で休憩していた。(なお、弁償代は、それぞれの国の委員会に頼んで出してもらった)

 そこで俺にたしなめられたアレンビーが、バツが悪そうに笑う。

 

「えへへ……でも、こんなに遊んだのは久しぶりだよ! 本当にありがとうね!」

「いや、こっちもいい気晴らしになった」

「右に同じくです」

「いやいや、礼を言わなきゃいけないのは私のほうだよ! 二人のおかげで、明日ははじめて、心から楽しんでファイトを楽しめると思う」

 

 その彼女からは、出会った時に感じられた、やさぐれていた感じはなくなっていた。

 そういえばそうだった。彼女は幼いころから軍の施設に引き取られ、ファイターとしての英才教育を受けていたのだった。しかし、軍の栄光のための道具として扱われているのが嫌で、そのせいでやさぐれていたんだった。でも、原作と同じように俺たちとの触れ合いでそれが解消できてよかった。

 

「それならよかった。明日はお互い、悔いが残らないように頑張ろう」

「うん!」

 

 そしてがっちり握手を交わして俺たちは別れた。

 

 そして試合の日がやってくる!

 

* * * * *

 

 そしてその翌日。ネオ・ジャパン代表ドモン・カッシュと、ネオ・スウェーデン代表アレンビー・ピアズリーのファイトの日。

 

 リングの上で、ドモンのゴッド・ガンダムと、アレンビーのノーベル・ガンダムは向かい合っていた。

 

『それじゃ行くよ、ドモン! 今日は正々堂々ファイトしようね!』

『おう、もちろんだ! ガンダムファイトッッ!』

『『レデイィィィィ・ゴオオオォォォォ!!』』

 

 かくして二人のファイトがはじまった!

 

 先手をとったのはドモン! ノーベルガンダムに対して、怒涛の突きの連打を放つ! しかし、アレンビーはそれを華麗でしなやかな攻撃でかわし続ける!

 

『はあっ!!』

『たぁーっ!』

 

 そして、最後の強烈な突きを、ノーベルガンダムは華麗に跳躍してかわし……

 

『えいっ!』

 

 フラフープのようなビームリングを放った!

 

『そのような見え透いた攻撃に当たると……ぐあっ!!』

 

 ゴッド・ガンダムはそれを簡単にかわすが、背後から戻ってきたビームリングに気づくのが遅れ、直撃を受けてしまう! それで態勢が崩れたゴッド・ガンダムに追撃しようと、アレンビーが突進するが……。

 

『甘いぞっ!』

『きゃっ!』

 

 態勢を崩した中で放ったゴッドのキックが、ノーベル・ガンダムに直撃! 吹き飛ばされてしまう。

 

 そして両者、態勢を立て直して仕切り直し。再び激突をはじめる。

 

 猛攻撃を仕掛けるドモンに対して、『蝶のように舞い、蜂のように刺す』という例えのように、華麗にかわしながら反撃をかわすアレンビー。二人の実力はまさに伯仲していた。

 

 そして二人の拳が激突! そのパワーの反動に二体のガンダムが大きくよろめく。だが、そのよろめきはノーベルのほうが大きく、損傷も彼女の機体のほうが大きいようだ。

 

 それでも、アレンビーは心底楽しそうに微笑んでドモンに言葉を投げかける。

 

『楽しいね、ドモン!』

『あぁ!』

 

 楽しそうな二人の雰囲気。だが、それを快く思わないものがいた。ほかならぬ、ネオ・スウェーデンの上層部である。

 

* * * * *

 

「やはり男と女……。このままではアレンビーの負けは確実だ! アレを発動しろ!」

 

 ネオ・スウェーデンのホルベイン少将は、試合の内容を見て、危機感からくる焦りから、部下のベルイマン博士にそう命じた。だが、ベルイマンはそれが何かわかっているからか、すぐさま反論する。

 

「いけません、少将! バーサーカーシステムは、ファイターへの負担が……」

 

 だが、ホルベインは聞く耳持たず、銃を抜いて、ベルイマンに突き付けた。

 

「いいからやれ。それとも、ここで死ぬか?」

 

 そう脅されては反抗することもできず、博士はついにそのシステム……バーサーカーシステムのスイッチをいれた……!

 

* * * * *

 

 そのとたん、アレンビーの動きが豹変した!

 

 それまでの優雅な動きはどこへやら。まるで野獣のような動きでもって、ドモンのゴッド・ガンダムに襲い掛かる!

 その豹変ぶりに、ドモンも戸惑いを隠せない。

 

「ど、どうしてしまったんだ、アレンビー!? うおっ!?」

 

 アレンビーの強力なパンチがゴッド・ガンダムを襲う! なんとかドモンはそれをかわすが、そこからの後ろ蹴りを受けて、吹き飛ばされてしまう!

 

「本当にどうしてしまったんだ……? あれはまるで野獣だ……!」

 

 戸惑いながらも、ドモンは未完成の明鏡止水を発動し、アレンビーの攻撃をなんとか防ぎ続ける。だが、その攻撃の激しさに、明鏡止水を発動していても、攻撃の隙を見出すことはできそうになかった。

 

「ドモオオォォォォンッッ!」

「ぐあっ!!」

 

 そこに、再び、アレンビーの蹴りが炸裂! ゴッド・ガンダムの機体が大きくよろめいた。

 

* * * * *

 

 一方、ネオ・スウェーデンのスタッフルーム。バーサーカーシステムをもってしても、いまだ倒すことのできないこの戦況に、ホルベインは博士に再び命じた。

 

「おのれ……バーサーカーシステムの出力をあげろ!」

「し、しかし、これ以上の出力アップは……」

「いいからやれ! その脳天に鉛の弾を……」

 

 そう言って、博士の頭に銃を突きつけるホルベイン。そこに。

 

「いいえ、鉛の弾を受けるのはあなたのほうです」

「なんだと!?」

 

 さすがはネオ・スウェーデンの軍人。声がすると同時に、声がしたほう……ドアに向けて銃を発射する。だが、そこには誰もいない。

 そしてその次の瞬間には、博士を気絶させた謎の人影が、少将の背後にとりつき、彼を羽交い絞めにしていた。

 

「バーサーカーシステム、そんな非道なシステムを使うなんて、見過ごすことはできませんね」

「わ、私を殺す気か……。頼む、助けてくれ……」

「その言葉、博士とアレンビーに言うんでしたね。おさらばです」

 

 ……。

 

 そして、少将を暗殺した人影……俺ことジャンヌは、あの博士の記憶を書き換えるため、DG(デビルガンダム)細胞を植え付けた後、バーサーカーシステムのスイッチを切ると、さらにそのコンソールに手を突いた。そして数秒。

 

「……これでよし」

 

 コンソールには、『ERROR! SYSTEM IS EMERGENCY STOP』の文字が映し出されている。DG細胞をシステムに感染させ、その力でシステムを書き換え、二度とシステムを発動できないようにしたのだ。これでアレンビーも、システムの呪縛から解放されるだろう。

 

 さて、それではとんずらするとしましょうか。

 

* * * * *

 

 ノーベル・ガンダムが一瞬動きを止めた。そして、元の可憐に舞うスタイルの構えに戻った。

 アレンビーが元に戻ったということは、ドモンの目にも明らかにわかった。

 

『はぁはぁ……。心配かけてごめんね。もう元に戻ったから』

『心配などしてはいない。無理やり戦わされているお前に勝っても、嬉しくないだけだ』

『えへへ……ありがとう。それじゃ、続きをやろう!』

『おう!』

 

 そして再び、ドモンのゴッド・ガンダムと、アレンビーのノーベル・ガンダムのファイトが始まった。

 ドモンの激しい攻めに対して、アレンビーはそれを可憐にかわしながら反撃を返す。一見激しい戦いだが、先ほどまでと違い、どちらも戦いを心から楽しんでいるように見えた。

 

 そして、ビームリボンを構えたノーベル・ガンダムと、ビームソードを構えたゴッド・ガンダムが激突! そしてすれ違う。両者とも膝をついた。

 

『なかなかやるな。だが、まだまだだ!』

『そうだね。……でもごめん、私、もう限界……』

 

 アレンビーがそう言うと、ノーベル・ガンダムは、両手をついて崩れ落ちた。

 

『お、おい、アレンビー……?』

『もっと戦っていたかったけど、さっきのシステムのせいで、もう体が悲鳴をあげてて、これ以上は無理なの……。ドモンとこれ以上ファイトできないのは悔しいけど……』

 

 ノーベル・ガンダムから降参シグナルが発信され、レフェリーがアレンビーの敗北を宣言して、ファイトは終わった。

 

* * * * *

 

 そして戦いの後。

 

 ドモンとレインは、担架に乗せられたアレンビーを見守っていた。

 

「具合はどうだった?」

「うん。途中で何等かの原因でシステムがとまったおかげもあって、再起不能の一歩手前で助かったみたい……。数日ゆっくり休めば、またファイトに戻れるって」

「そうか……それはよかった」

 

 そこでアレンビーは拳を突き出した。

 

「待っててね、ドモン。必ず体を治して、またファイトに戻ってくるから。そしたらまた、一緒にファイトしようね」

「あぁ、約束だ」

 

 そして、突き出された拳に、拳をつき合わせる。そしてアレンビーは救急車に運ばれていった。

 

「アレンビーさん、元気になるといいわね……」

「……」

「ドモン?」

「……」

 

 そこでレインがドモンのほっぺたを引っ張った。

 

「な、なにをするんだレイン!?」

「なんでもない。ドモンの馬鹿!」

 

 そしてふくれて去っていくレインを、ドモンはちょっと情けなく追いかけるのであった。

 




感想、ファンアート募集中です! それと、テテテUCを書いてくださる人も募集してます!

* 次回予告 *

皆さんお待ちかねぇ!

さぁ、ジョルジュの戦いの時が近づいてきました! しかし、本来の相手とは別に、ジョルジュ打倒を志すファイターが一人!
それは、元ネオ・イングランド代表、ジョンブルガンダムのチャップマンでした。

彼はジョルジュの相手を闇討ちし、ジョルジュの主君たるマリアルイゼ姫を誘拐してまで、ジョルジュにファイトを迫るのです!
果たして、ジョルジュは、優勝したこともあるこの最強の紳士を倒すことができるのでしょうか? そして、汚い手を使ってまで、ジョルジュとのファイトを求めるチャップマンの真意とは?

次回、『ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』

第24話『騎士対紳士! チャップマン最後の挑戦!』

にReady Go!!

それではみなさん。7/13 12:00に、またお会いいたしましょう!
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