ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?   作:ひいちゃ

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 こんにちは、ストーカーです。

 さてさて、いよいよ決勝大会がはじまりました。
 好試合の連続に、会場では熱狂がおさまりません。

 暗殺者に襲われたドモンは、しばしの間、貧民街の老人の家にお世話になります。
 そこで、暗殺者に対抗する術である心眼の開眼に挑むドモンは、その老人、ハンとのやりとりの末、ついに『答え』のきっかけを得ることに成功します!

「そうかもしれん。だが、やらなければ可能性は0じゃよ。それに、やっていることは無駄ではない。どんな小さな、無駄と思えることでも続ければ、必ずそれは花を咲かせることになる。何粒も落ちた雨粒が、やがては岩を砕くようにな」

 そして『答え』のきっかけを得たドモンは、ついに真の明鏡止水に到達! 以前は発動させることができなかった必殺技、『爆熱ゴッドフィンガーを発動させ、勝利を収めたのです!

 さて、今回のカードもまたまた魅力です。東方不敗・マスターアジアの『ヤマトガンダム』に対するは、ネオ・ポルトガル代表、ロマニオ・モニーニのジェスター・ガンダム。

 それではガンダムファイト、Ready Go!!



26th Fight『奥義炸裂! 石破り天驚す拳!!』

 師匠こと、東方不敗マスター・アジアのファイトの日が近づいてきた。

 

 そんなある日、師匠と俺は、あるサーカスを訪れていた。もちろん師匠は変装して。

 

 師匠の相手であるネオ・ポルトガル代表ロマニオ・モニーニはピエロをやっているというので、彼が働いているこのサーカスに偵察に来た、というわけだ。

 

 サーカスは、かなりの人が詰めかけている。よほどの人気なのだろうか。

 

 席につくと、さっそくサーカスがはじまった。まずは空中ブランコ。それで男女が華麗に宙を舞った後は、猛獣を自在に扱う猛獣ショー。どれを見ても、見事なショーだ。これは、人気が出るのもわかるな。

 

 そして最後に、ロマニオらしきピエロが現れた。彼の芸もなかなかのものだ。玉乗りやパントマイムを華麗にこなしていく。

 

 だが! そこで彼は驚くべきことをした!

 

 なんと、激しくパンチを連打したのである。あれは……流派・東方不敗の演武? そして、最後に拳をつき合わせるところまでも完全に再現。

 

 それを皮切りに、彼は次々と流派・東方不敗の技を鮮やかに演舞していく。

 

 そこで俺は気が付いた。師匠の顔色が明らかに変わったことに。不快を通り越して、怒りに差し掛かっているかのような色。

 

 そんな師匠に気が付いているのかいないのか、一通りの演武を終えたロマニオは挑発するように言い放ったのだ!

 

「皆さん! 私は数日後、かの流派・東方不敗の使い手の一人だというシュウジ・クロス(ネオ・マカオ代表としてエントリーするにあたり、この偽名で登録していたのだ)とファイトを行います。しかし、彼の技など私にとっては簡単に模倣できるもの! 見ていてください。私は次のファイトで、彼の技を見事に模倣し、そしてシュウジ・クロスに完勝してみせましょう!」

 

 そこで拍手が沸き上がる。多分、ファンへのリップサービスもあるのだろうが、その話し方にはあきらかな挑発の意思と悪意に満ちていた。こいつは完全に師匠をなめてやがる。

 

 ここにドモンがいなくて本当によかった。あれだけ師匠を慕っている彼のことだ。この現場に居合わせたら、まず間違いなく飛び掛かっていってただろうからな。

 

 そこでふと感じる、横からの気配……いや殺気。殺気を感じるほうを見ていると、師匠が笑顔で、ロマニオのほうをむいている。しかし俺は見逃さなかった。その顔に青筋が浮かんでいるのを。これが漫画なら、背後に炎が浮かんでいそうだ。

 

「し、師匠、怒りはわかりますが、落ち着いてください……」

「何を言う。わしは怒っておらぬぞ。なかなか楽しいショーではないか」

 

 そうすごみのある笑顔を浮かべている師匠の手元から、くるみが砕ける音が聞こえた。

 

* * * * *

 

 そしてファイトの日がやってきた!

 

 リングには既に、師匠のヤマトガンダム(に偽装したマスターガンダム)と、ロマニオのジェスター・ガンダムが対峙している。

 

 師匠があたかも闘志どころか殺気満々なのに対し、ロマニオは余裕があるかのように、茶化すような態度をとっている。

 

「話は聞いたぞ。わしの使う流派・東方不敗をコケにしてくれたそうじゃな」

「コケにしたわけではありませんよ。本当のことです」

「ほう……」

 

 それからさらににらみ合う。いや、にらみつけているのはむしろ、師匠のほうだが。

 

「おや? 今、『こやつ、五体バラバラにしても飽き足らぬ』と思いませんでしたかな?」

「なっ……!」

 

 驚きの声をあげたのは師匠ではなく俺だ。まさかこいつ、相手の心を読むことができるのか!?

 これはもしかしたら難敵かもしれない……。

 

 だが師匠はそれを面白いと思ったのか、その殺気がいくらか和らいだ感じがした。

 

「ほう、こやつ……」

「『面白い。どれだけ芸を見せてくれるか』」

「見せてもらうとしようぞ」

 

 そしてまた沈黙。

 

「くくくくく……」

「ふふふ……」

 

にらみあったまま、笑みを浮かべる師匠とロマニオ。怖い、怖すぎるよ。

 

 それから数秒後。レフェリーが試合の開始を宣言する。

 二人が一歩を踏み出すのはまったく同時だった。

 

「ガンダムファイトォォ!」

「レディ~ゴ~!」

 

* * * * *

 

 先手を取ったのは師匠のほうだ。鋭い拳や蹴りを連続で次々と放つ。

 だが、ジェスター・ガンダムはそれを見事にかわしていく。師匠の技を模倣できるだけあって、拳筋も熟知してるのか。

 

 そして師匠の蹴りを後方にとんでかわすと。さっそく師匠の技を繰り出してきた!

 

「まずはこれからでございます。十二王方牌大車併~!」

 

 ジェスター・ガンダムから12体の、エネルギーでできた小さなジェスターが放たれて、師匠のヤマトガンダムに襲い掛かった!

 さすが師匠、それらを巧みに防ぎ、はねのけていくが、それでもそのうちの一体が師匠に蹴りを直撃させた!

 

「うおっ……!」

 

 それで師匠が体勢を崩したところで、残り11体も蹴りを命中させ、ヤマトガンダムは吹き飛ばされた!

 

「うおぉ~!」

「そ~れ、帰山笑紅塵~!」

 

 しかも、ご丁寧に帰山笑紅塵まで使ってきた。もしかしたらこいつの模倣の腕はすごいのかもしれない。

 吹き飛ばされた師匠はなんとか着地したが、ロマニオの攻めは止まらない!

 

「次は酔舞・再現江湖 デッドリーウェイブでござ~い!」

「うぬっ……!」

「どうなさいました? もしかしたら、『こいつ、必ず地獄の底に落としてくれるわ!』と思っているのですか?」

「……」

 

 そう言いながら、デッドリーウェイブの連打を放つロマニオ。そして、一気に突き抜けた。

 

「爆発でございます!」

「うおお!!」

 

 爆発に吹き飛ばされる師匠。こいつ……かなり強い!? だが。

 

「いかがですかな? 所詮、流派・東方不敗などこの程度のもの……」

「ふふふ……おめでたい奴じゃな」

「なんですと……? ……っ」

 

 師匠の言葉とともに、ジェスター・ガンダムの頭部の一部が砕けた!

 

* * * * *

 

 ダメージを受けて、少しよろめくロマニオに、師匠は堂々に直立したまま言い放つ。

 

「お主は今、『こいつ、必ず地獄の底に落としてくれるわ』とわしの心を読んだようなことをほざいたな。それは間違いよ。わしは今、喜び、充実しておるのだ。このような奴と戦い、打ち負かすことができる喜びにな! お主の読心術などその程度よ」

「な、なんですと……?」

「お主はあくまで、相手を煽り、読みやすい状況下に持ち込むことで、『この状況なら相手はこう考えているはず』と、相手が考えることを予想しているにすぎぬ。そのようなこと、そのへんの小童でもできるわ」

「わ……」

「『私の読心術を、模倣の術を馬鹿にするのですか?』か?」

「なっ……!」

 

 今度は師匠がお返しとばかりに、ロマニオの考えを読み返した。それと同時に、それまでの立場が逆転した。余裕綽綽の師匠に対し、逆にロマニオが余裕をなくしつつあるように見える。

 

 

「そして、心を読んだ相手をさらに技の模倣で追い込み、最後に余裕を失った相手を狩る。じゃがそのような手、このわしには通じぬわ!! 技をまねることができたくらいで、わしに勝とうと思うことが誤り! そしてわしの技はそう簡単に真似ることができるものではないわ!」

「だ、黙りなさい!」

「まだわからぬようじゃな。ならば、お主がどれだけわしの技をまねることができるか、見せてもらうとしようぞ」

 

 そして再びファイトがはじまった! 同じ流派の技の応酬。技の持ち主である師匠に対し、ロマニオも負けじと流派・東方不敗の技の模倣で対抗する。

 それはまさに、師匠とドモンの組手を見ているかのようだ。こいつがここまで同じ技、しかも模倣で師匠に食いつけるとはさすがだ。意外でもある。

 

 しかし、それは突然終わりを告げた! 突然、ジェスター・ガンダムが崩れ落ちたのだ!

 

「う、うぐ……こ、これは……?」

「言ったであろう。わしの技は、そう簡単に真似られるものではないと。流派・東方不敗の技はいずれも、流派の基礎を学び、技を放つことのできる身体を築いて、初めて使いこなせるもの。それをせずいきなり模倣に走れば、そうなるは必定よ」

 

 まさに師匠の言う通り。とある漫画に出てきた剣術と同じように、流派・東方不敗の技は、ちゃんと基礎を築いてはじめて使いこなすことができるもの。そう簡単に使いこなせるものではないのだ。DG(デビルガンダム)細胞の身体を持つ俺でさえ、使うたびに少しずつ寿命を削っている有様なのだから。

 

* * * * *

 

「ドモン!」

「は、はい!?」

 

 と、そこで突然、師匠がドモンに声をかけた。

 

「お前がネオ・ジャパンに戻ったあの日、わしは時間不足で、お主に奥義を授けることができなんだ。今、ここでその奥義を見せてやろう。しっかと刮目して見るがよい!」

「は、はいっ!」

 

 奥義……? もしかしてあれか!?

 

「ぬおおぉぉ……!」

 

 うなりを上げて気を練る師匠。その機体が金色に輝く。これは……やはりあれだ!

 

「しかと見よ! 流派東方不敗が最終奥義っっ!!」

 

 石を破り……。

 

「さぁいくぞ、ロマニオとやら。覚悟はいいか?」

「あ、あわ……」

 

 天をも驚かすと言われる拳……!

 

「石破天驚けええぇぇぇぇんんっっ!!」

 

 師匠の叫びとともに放たれた拳から、巨大な光の塊が放たれた!! それは弾……いや砲弾に等しい!

 原作では、生身でもMF(モビルファイター)に乗っていても撃てるなど、その原理は不明だったが、どうやらこの世界においては、ジェネレーターにより気から変換されたエネルギーが周囲の荷電粒子を励起させて巨大なビームの弾丸を生成させるらしい。いや、そんな原理はどうでもいい!

 

 これで燃えないGガンダムファンなどいるはずがない! そんな細かいことは関係なく、師匠が天驚拳を撃つのを垣間見れるだけで十分ではないのか。

 

 そしてその気の砲弾はそのままロマニオのジェスター・ガンダムに飛んでいき、そして爆発!!

 

 その爆炎がやんだあと、ジェスター・ガンダムはただのガラクタと化していた。

 

「本当ならば機体ごと消滅させてやってもよかったが……。そこまでしたら会場も灰になってしまうからの。運がよかったな、ロマニオとやら」

 

 そう言い放つ、師匠のヤマトガンダムは、とても雄大に見えた。あぁ、やはりこの世界に転生してきてよかったかもしれない!

 




ファンアートと感想、そして、テテテUCを書いてくださる方、募集してます!

* 次回予告 *

皆さんお待ちかねぇ!

大会は進み、いよいよ、上位の者たちによる決勝バトルロイヤルが始まろうとしています!
しかしそこでなんと! 緊急事態が発生してしまいます! 果たして、第13回ガンダムファイト決勝大会はどうなってしまうのでしょうか!?

次回、『ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』

第27話『決勝大会中断!? 襲撃アナザー五人衆!』

にReady Go!!

それではみなさん。7/22 12:00に、またお会いいたしましょう!
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