ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?   作:ひいちゃ

29 / 42
 こんにちは、ストーカーです。

 さてさて、いよいよ決勝大会がはじまりました。
 好試合の連続に、会場では熱狂がおさまりません。

 さて、緒戦を迎えた東方不敗・マスターアジアの相手は、技の模倣に長けたネオ・ポルトガル代表、ロマニオ・モニーニでした。彼の技の模倣と読心に苦しめられたマスターアジアでしたが……。

「ふふふ……おめでたい奴じゃな」

「そして、心を読んだ相手をさらに技の模倣で追い込み、最後に余裕を失った相手を狩る。じゃがそのような手、このわしには通じぬわ!! 技をまねることができたくらいで、わしに勝とうと思うことが誤り! そしてわしの技はそう簡単に真似ることができるものではないわ!」

 最後には地力に勝るマスターアジアが、奥義、石破天驚拳をもって勝利を得たのでした。

 さて、今回のガンダムファイトですが……なんとここで、物語は大きな転機を迎えます!
 一体何が起こるのか、刮目することにしましょう!

 それではガンダムファイト、Ready Go!!



27th Fight『大会中断!? 襲来アナザー五人衆!』

 ネオ・ホンコンの中心部に存在するスタジアム。今ここには、12体のガンダムたちが並んでいた。

 

 新生デビルガンダム四天王からは俺……ジャンヌ・エスプレッソと師匠こと東方不敗・マスターアジア、そしてホアキン・ムニスと偽名を名乗っているチコ・ロドリゲス。そして、シャッフル同盟からはドモンたち五人全員。後は、ネオ・ギリシア代表、ゼウスガンダムを駆るマーキロット・クロノス、ネオ・スペイン代表、マタドールガンダムのカルロス・アンダルシアなど四人。

 

 いずれも、サバイバルイレブン、そして決勝大会をここまで勝ち抜いてきた猛者たちだ。

 

 その彼らを前に、主催者であるネオ・ホンコン首相のウォンがこれから行われるバトルの説明をはじめる。なお彼はこの場にはおらず、スタジアムに建設されたビルの中から放送をしているようだ。俺たちの攻撃を警戒しているのだろうか?

 

 さて、バトルの内容は、原作とは少し違っているようだった。

 

 ランタオ島の火山の頂上に設営されたリングに、ネオ・ホンコン代表のシード選手、(偽)東方不敗・マスターアジアが待っている。障害やライバルたちを突破し、一番早く彼の元へたどり着き、倒した者が優勝となる。なお、(偽)マスターアジアが、参加者12人全員を叩きのめした場合は、ネオ・ホンコンの優勝となる、とのことだ。

 

 俺たちは(偽)マスター・アジアただ一人を倒せばいいのに対し、向こうは俺たち12人全員を倒さなければいけないなんて、なんか俺たちに有利すぎて、ルールがウォンらしくないな。ここまで好き勝手してきて良心がとがめたのか、それとも(偽)師匠の強さに自信があるのか。

 

 それはともかく、開始の合図を前に、どのガンダムファイターたちも、やる気十分という様子だ。緊張感がスタジアムに満ちているが感じられる。これはもう、開始の合図を出す直前に、誰かフライングしそうだ。

 

 そして、ウォンの声が響く。

 

『それでは、決勝最終バトルロイヤルレースをはじめましょう。用意……』

 

 そして、彼が『スタート!』と言おうとしたまさにその時!

 

 彼のいるであろうビルが爆破されたーーーーーー!?

 

* * * * *

 

 バトルロイヤルレースが幕を開けようとした瞬間、ウォンをはじめとした運営陣がいるであろうビルが爆破された!?

 

 その突然の事態に、観客はもちろん、参加者のファイターたちも戸惑いを隠しきれない。むろん、それは俺も例外ではないが。

 

 そこに、どこかから声がとどろいた!

 

『くっくっくっ、ガンダムファイトか。面白くもない茶番を考え出したものよ』

 

 まず聞こえたのは、(偽)マスターアジアの声。

 

『所詮、ガンダムファイトなど、戦争を競技などという衣にくるんだだけのものぉ!!』

 

 荒々しくも雄々しい声は、チャップマンの声だ。

 

『ヒャーハハハァ!!』

 

 その笑い声を聴いて、俺は衝撃を受けた。これは……ミケロの声じゃないか!

 

 そして最後に響いたのは、あの黒ガンダムのファイターの声。

 

『戦いたければ、ガンダムファイトなどという戯言ではなく、行えばいいのだ。互いに血を流しあい、奪い奪われる本当の戦い、争いをな……。その場は、我々が作り出してやろう』

 

 そしてスタジアムに降り立った五機のガンダムたち。

 

『ひゃーはははっ! 天剣絶刀・ガンダムヘブンズソードォ!!』

 

 猛禽類をほうふつとさせるような、大きな翼をもったガンダム、ガンダムヘブンズソード。

 

『獅王争覇ぁ! グランドガンダムウゥゥゥ!!』

 

 フェイク・ロンドンタウンで遭遇した、ベヒーモスのような巨獣を思わせる巨大で獰猛なガンダム、グランドガンダム。

 

『ヘルマスターガンダムとは、わしのことぞっ!』

 

 偽マスターアジアが乗る、マスターガンダム……いや、それより鋭利で邪悪な姿をもったヘルマスターガンダム。

 

『……漆黒覇魔、デモンガンダム』

 

 チコを襲い、チャップマンを化け物に変えた黒きガンダム。デモンガンダムというらしい。

 

『そして、笑倣江湖ウォルターガンダム!』

 

 そしてウォルターガンダムも現れた。その声はボイスチェンジャーで変えられているようだが、男性の声っぽい。どうやら、乗っているのはアレンビーではないようだ。

 

 そしてデモンガンダムのファイターが宣告する。

 

『ガンダムファイトなどという茶番は終わりだ。そんな舞台など叩き壊し、本当の戦いの場をこの世界に現出させてやる。我々、『アナザー五人衆』がな……!』

 

 そして、アナザー五人衆と名乗った五機のガンダムたちは、デモンガンダムの宣告と同時に暴れ始め、コロシアムのことごとくを破壊していく。罪もない人々が逃げまどい、がれきの餌食となっていく。

 

* * * * *

 

 アナザー五人衆と名乗る奴らによって、たちまちコロシアムは修羅場と化した。いや、彼らの破壊活動はコロシアムだけでなくネオ・ホンコンの市街地にまで及び、今やネオ・ホンコンは戦火に包まれた地獄と化した。

 

 しかし……どういうことだ? 彼らがウォンのいたビルを破壊したということは、黒いガンダム……いやデモンガンダムは、ウォンと関係ないのか? 偽マスターアジアも、実はウォンに操られていたわけではないのか?

 謎は深まるが、今はそれどころではないな。

 

 そう考えなおした俺に、ドモンからの通信が入る。

 

『ジャンヌ、ネオ・ジャパンのカラト委員長から通信があった。彼や五大国の委員会が中心となって、観客や人々を、このネオ・ホンコンから避難させるそうだ。その手助けと奴らの迎撃のため、お前たち新生デビルガンダム四天王の力を借りたい』

 

 答えは決まっている。

 

「わかりました。今や、デビルガンダムをどうこうするって問題ではなくなっていますからね。今はこれまでの立場を忘れ、協力することにしましょう。師匠たちもいいですか?」

「無論よ。人々を苦しめるはわしの本意にあらず。喜んで力を貸そう」

「了解した」

「マカセトケ、ダークホッパーハタタカエナイガ、避難誘導スルグライハデキル」

 

 本当に頼りになる四天王たちだ。とてもありがたい。

 

「よし、それでは二手に分けよう。わしとジャンヌ、ドモン、チボデー、ジョルジュは五人衆とやらを迎撃するぞ」

 

 師匠の提案にドモンが返す。

 

「わかりました。それでは、チコとカンちゃん、アルゴ、サイ・サイシーは避難誘導を支援ですね」

「うむ。それではかかれぇ!」

 

* * * * *

 

 破壊活動を続けるアナザー五人衆たちのガンダムに、俺たちは飛び掛かった!

 

 まず真っ先に攻撃を仕掛けたのはドモンだ。その右手を真っ赤にして、五人衆たちに突撃していく!

 

「それ以上の狼藉は許さん! 爆熱! ゴオオオォォォッド・フィンガアアァァァァ!!」

 

 そして放たれる、ドモンのゴッド・フィンガー。それを、黒のガンダム、デモンガンダムが同じく拳で受け止める。ウォルターとヘブンズソードは、この場はデモンガンダムたちに任せる、ということなのか、市街地のほうに飛び去って行った。

 

 ドモンのゴッド・フィンガーと、デモンのカオシック・フィンガー。二つの技のエネルギーがぶつかりあう!

 

『待っていたぞ、ドモン・カッシュ。お前と戦うこの時をな』

『なんだと!? お前は一体何者だ!?』

『お前に答えてやる義理はない。うおおぉぉぉぉ!!』

 

 デモンの拳の黒い光がさらに輝きを増す!

 しかし、ドモンも負けてはいない!

 

『ならば腕ずくでも聞き出すのみ! うおおぉぉぉぉ!!』

 

 ゴッド・ガンダムの拳も輝きを増していく。

 

 そして一方では、師匠のヤマトガンダム(に偽装したマスターガンダム)と、偽師匠のヘルマスターガンダムが激しいバトルを繰り広げている。

 

『ほぉ、この前とはさらに強さを増しておる。また新たなデータを組み入れたらしいな』

『むろんよ! わしには、決勝大会開始時点での、貴様のデータが反映されている! 今度こそ、貴様を倒し、わしが本物の東方不敗・マスターアジアになってくれるわっ!』

『ふ……面白い。だが、そう簡単に成り代われると思うな、たわけがっ!』

 

 そして一方の俺は、チボデー、ジョルジュとグランド・ガンダムと戦っていた。

 

「スプラッシュ・ソードッ!」

『ローゼス・ハリケーン!!』

『マシンガン・パーンチッッ!!』

 

 三人の技が同時に、グランド・ガンダムに炸裂! 奴に少なくはないダメージを与えたようだが、それでもその進撃は止まらない。獅王争覇の名は伊達ではないということか。

 

『くそ、なんてタフな奴だ!』

『ですが、ここで止めなければ大変なことになりますよ!』

「そうですね。奴がとまるまで攻撃しましょう!」

 

 戦いはまだ終わらない。

 

* * * * *

 

 一方、ネオ・ホンコンの市街地では、サイ・サイシーのガンダム・ダブルドラゴン、アルゴのガンダム・ボルトクラッシュ、そしてチコのガンダム・ヘルトライデントとカンちゃんのダークホッパー・ガンダムが、人々の避難誘導を行っていた。

 

『ほらほら、気を付けて避難するんだぜ!』

『うん、ありがとう、サイ・サイシー! 頑張ってね!』

 

 避難中の子供に声をかけられ、思わず鼻の下をこするサイ・サイシー。その一方では、ガレキに潰されそうになっていた老女を、アルゴがボルトクラッシュでかばって助けていた。

 

「あ、ありがとうございます……」

『……気を付けて避難しろよ。……ふ、海賊の俺が、人助けをするとはな。悪くはない』

 

 また別の場所では、応急処置されたダークホッパーに乗ったカンちゃんが、小さい子供たちを守りながら避難誘導していた。

 

 そこに!

 

『あ、あれは……!』

『ウォルターガンダムと、ガンダム・ヘブンズソード!』

 

 声をあげるチコとサイ・サイシー。そう、スタジアムのほうから、ウォルターとヘブンズソードの二機が襲来してきたのだ!

 

 ヘブンズソードがその翼でビルを両断し、そのガレキが人々に襲い掛かる! 逃げ惑う人々を、ボルトクラッシュが身を挺してかばった。

 

『奴ら……罪もない人々を巻き添えにする気か!』

『サイ・サイシー、カンちゃん。奴らは俺とチコが防ぐ。お前たちは、そのまま避難誘導を続けてくれ』

『わかった! 二人とも、気を付けてくれよな!』

『オレノダークホッパーハマダタタカエナイ。スマン。ソノブン、避難誘導ヲガンバル。マカセロ!』

 

 二人の声を受けて、チコのガンダム・ヘルトライデント、アルゴのガンダム・ボルトクラッシュが、ウォルターとヘブンズソードに相対する!

 

『ヒャーハハハァ!!』

『くっ……!』

 

 しかし、飛行能力を持つ二機の前に、チコとアルゴは苦戦を強いられる。

 ウォルター・ガンダムとガンダム・ヘブンズソードは空中を自在に舞い、急降下して襲い掛かり、それから急上昇して攻撃をかわしていく。

 空中の相手では、こちらのハンマーや槍は届かず、固定武装であるマシンキャノンでは威力不足である。

 

 そうしているうちに。

 

『しまった!』

 

 隙を突き、ヘブンズソードが、サイ・サイシーとカンちゃんが避難誘導をしているほうに飛んでいった!

 

『このままでは犠牲者が……!』

『そうだ、アルゴ。ボルトクラッシュのパワーで、俺のヘルトライデントを放り投げてくれ』

『なんだと!?』

『ヘルトライデントの推力と、ボルトクラッシュのパワーなら、奴に追いつけるはずだ。頼む!』

 

 同じファイター同士。それ以上は余計な言葉はいらない。少しの間見つめあい、視線で会話する二人。

 

『……わかった!』

『よし、いくぞ!』

 

 ヘルトライデントがボルトクラッシュの手の上に飛び乗った。それと同時に、ボルトクラッシュのボディが金色に光輝く。ボルトクラッシュのゴールデン・パイレーツ・モードの発動だ!

 

『いくぞ、チコ・ロドリゲス!』

『おう、やってくれ!』

『うおおおおおお!!』

 

 ボルトクラッシュが砲丸投げの要領で、ヘルトライデントを放り投げる! ゴールデン・パイレーツ・モードの超パワーで吹き飛んでいったヘル・トライデントは、さらにバーニアのフルパワーでさらに加速し、今にも人々に襲い掛かろうとしているヘブンズソードに突撃していった。

 

『くらえ、空中ガトリング・デススピアー!!』

『うおおおおお!!』

 

 その無数の突きを喰らったヘブンズソードは中破し、暴走したかのように明後日の方向に飛び去って行った。

 それを見て、ウォルターのパイロットが独り言を言う。

 

『今回はここまでですか。我々五人衆のいいパフォーマンスにはなりましたかね……引き上げましょう』

 

 そしてウォルターから、音にならない口笛が放たれた。

 

* * * * *

 

 引き上げの合図でも出たのだろうか。奴らは撤退をはじめた。ヘルマスターはファイトを切り上げると、まるで軽業師のようにガレキやビルの上を飛び移りながら逃げ出し、グランドガンダムも地面に潜って撤退した。

 

 そして黒いガンダム、デモンガンダム。

 

『いいところだというのに、奴め……。命拾いしたな、ドモン・カッシュ』

『ま、待て!』

 

 ドモンが止めるのも聞かず、デモンガンダムは翼のような装甲を閉じ、光の矢となって離脱していった。

 

「なんとか撃退できましたね……いえ、逃げてくれたといったほうがいいのでしょうか……?」

 

 そうつぶやく俺に、師匠が自嘲するように笑っていわく。

 

『そうじゃな。だがこれで、さらに凶状が増えてしまったか。これで一生、『マスターアジア』の名は名乗れぬな』

「いいじゃないですか。名前を変えれば。いっそ、ハイパーアジアとかグレートアジアとか」

 

 そこに、ドモンからも声がかけられた。

 

『それに、師匠がやったわけではありません。何より、俺にとって師匠は師匠です』

『だいたい、名前が他人がつけるものだぜ。それにとやかく言ったってはじまらないだろ?』

『ははは……こやつらめ』

 

 しかし……運営陣はこの襲撃で、ほとんど死んでしまったし、スタジアムも廃墟になってしまったし、ガンダムファイトはこれからどうなるのだろうか……?

 

 だがこの後、世界は大きな混沌の渦に飲み込まれることを、俺たちは知らされることになるのだった!

 

 それを告げる予兆のように、空は赤く染まっていた。

 




ファンアートと感想を募集中! そして、テテテUCを書いてくださる方も募集しています!

* 次回予告 *

皆さんお待ちかねぇ!

アナザー五人衆の出現により、世界はまさに、カオス戦争再発の一歩手前の緊張感!
新生デビルガンダム四天王とシャッフル同盟の連合軍は、五人衆の暗躍を粉砕し、カオス戦争勃発を防ぐため、行動を開始します。

そのさなか、中破させられたヘブンズソードはイタリアの町に墜落。
その影響で記憶を失ったミケロ・チャリオット。彼はフェイクDG細胞による破壊衝動と、記憶に残るかつての子分たちの記憶で揺れ動きます! 果たしてどうなるミケロ!?

次回、『ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』

第28話『絆無情に! 襲撃ヘブンズソード』

にReady Go!!

それではみなさん! 7/25 12:00にまたお会いいたしましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。