ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?   作:ひいちゃ

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 皆さん、こんにちは。ストーカーです。
 そういえば、『プル似』最終回の正解をまだ発表していませんでしたね。この場を借りて発表させてもらいましょう。
 正解は、ガンダムZZ最終回『戦士、再び……』からです。後、重戦機エルガイムの最終回『ドリーマーズ・アゲン』も含んでおりました。
 見事正解した人はいましたでしょうか?
 
 さて、良ければ皆さんに、ガンダムファイトについて説明させていただきましょう。

 地球から宇宙に出た人類。彼らが築いたコロニー国家。
 その国家間の全面戦争を避けるため、主導権をガンダム同士の格闘大会で決める。
 これがガンダムファイトです。
 スポーツの皮をかぶった戦争、地球を犠牲にして行われる血を伴わない争い。
 人類はなんて戦争システムを作り出したものか。
 それが、これまで12回も続いてきました。

 ですが今回の13回大会は、これまでとも、そして我々が知る13回大会とも、どうも違うようです。

「ミケロ……あなたの、わずかに残っていたガンダムファイターの魂に敬意を表し、この技で応じます!」

 果たして彼女、TS転生者のガンダムファイター、ジャンヌ・エスプレッソが、この大会、この世界にどのような波紋をもたらすのか?

 さて、今回のカードは、ネオ・オランダ代表、ルドガー・バーホーベンの『ネーデルガンダム』。

 それては今回のガンダムファイト、Ready Go!!



2nd Fight『変幻自在の逃走者! 変わり者ファイターに隠された魂!!』

「ここが、オランダのキンデルダイクかー……」

 

 俺……ジャンヌ・エスプレッソは、周囲の絶景を見て、思わず素の口調に戻りながらつぶやいていた。

 今は、最後のデビルガンダム四天王の情報収集をチコに任せ、ガンダムファイトのため、ここオランダを訪れているところだ。俺も一応、ガンダムファイターだからな。

 

 それにしても、本当にこのキンデルダイクに並ぶ風車の群れは絶景だなぁ。本当に癒され、自分がデビルガンダム四天王であることすら忘れてしまう……いやいや忘れていてはダメだろ俺。

 

「ん?」

 

 と、そこで俺は違和感に気づいた。風車のうちの一体が、他の風車とほんの少し違うのだ。普通の人ではまず気づかないほどだが。俺がDG(デビルガンダム)細胞クローンだからこそだろうか。

 

 とはいえ、ずっと見ていても、特に変化はない。違和感は気のせいかな。

 そう思って、俺はきびすを返して、先に進もうとした。

 

 その時!

 

 ガシャガシャガシャ!

 

 なんということだ! その違和感を感じた風車が突然変形して、ガンダムになったじゃないか!

 そういえば……思い出した!

 原作でのネオ・オランダのガンダムはネーデルガンダム。風車に変形して予選をスルーして決勝まで進んだ奴だと。

 そのことを思い出した俺を横目に、ネーデルガンダムはそのビームサーベルを振り下ろしてきた! 俺のガンダムファイターとしての気に反応したのか!? それならば!

 俺はその攻撃をかわし、そして。

 

「来てええええ!! オルタセイバアアアァァァァ!!」

 

 くるりと一回転してガンダムオルタセイバーを呼び出した。

 そして乗り込み、ビームセイバーを抜き放つ。

 

「それじゃ行きます! ガンダムファイト、レディーゴオオオォォォ!!」

 

 そして、俺のガンダムオルタセイバーと、ネオ・オランダのネーデルガンダムとの戦いが始まった! しかし、その決着はあっけなくついた。

 

 ビームセイバーの一撃で、右肩の装甲がはぎとられると……。

 

「なっ!?」

 

 ネーデルガンダムは突然、煙幕を発したのだ。そして煙幕が晴れた時には、目の前には誰もいなかった。戦闘を避けるという、元々の戦略を思い出したのだろうか?

 だが、逃げられたのなら仕方ない。俺はビームセイバーをしまい、オルタセイバーから降りた。

 

* * * * *

 

 対戦相手のネーデルガンダムに逃げられてしまった俺は、仕方ないので、ネーデルを探しながら、オランダ観光を続行することにした。

 

 ガンダムファイトや人類の所業による汚染で荒れ果てている地球ではあるが、このオランダ地域は、それほど汚染されてはいないようだ。川を流れる水もとてもきれいだし、空気もとても清々しいし、緑も豊かだ。

 東方師匠がいたら、この美しさに感激していたかもしれない。もしかしたら、ネオ・オランダの代表が必死にファイトを避けているか、その影響だろうか。

 

 そんなことを考えながら歩いていたら、夕方になってしまった。どこか宿を探さないと。

 そして町に戻って歩いていると、ある宿屋が目に入った。それほど大きくないが、小ぎれいなのはもちろん、なぜか気になるものがあったのだ。

 

 そして入ってみると、カウンターには一人の男が。ぱっとしない、大人しそうな男性だが、俺にはわかった。筋骨たくましく、その気配は一流の格闘家だと感じさせる。

 もしや……?と思ったが、その疑問をとりあえず心の奥に押し込んで、部屋を取ることにした。微笑みを浮かべてカウンターへ向かう。

 

「いらっしゃい、お嬢さん。お泊りかい?」

「はい。どれくらいいるのかわかりませんけど、とりあえず一週間ほど」

 

 そう言って、ネオ・ノルウェーのガンダムファイト委員会からもらった資金の一部を出す。

 

「ありがとうございました。それでは、13番の部屋へどうぞ……っ」

 

 と、その時だ。突然その男が、右肩を押さえてうめいたではないか!

 

「どうかしましたか?」

「い、いえ、大丈夫です。仕事で痛めてしまったんですかね、ははは……」

 

 そう言って男は部屋の鍵を、俺に渡してきた。俺はそれを受け取って、あてがわれた部屋に上って行ったが、その中である疑問を深めていた。

 

 もしや彼が、ネオ・オランダのガンダムファイター……?

 

……

………

…………

 

 そして、真夜中。俺はある音で目が覚めた。ガンダムファイターである俺にはわかる。パンチやキックなどの演武をしている音だ。

 その音が気になって、窓を開けると……。

 

 いた。

 

 あの宿屋の主が、上半身裸で、パンチやキックを繰り出していた。やはり彼が、ネオ・オランダのファイターで間違いないようだ。

 その様子からは、燃える闘志を抱いているが、何かの理由で、それを抑え込んでいるみたいだ。何か事情があるのだろうか?

 

 やがて、宿屋のほうから一人の女性がやってきて、男に何かを会話する。男は不本意そうにうなずくと、服を着て宿屋に戻っていった。

 

 色々二人の関係や、ファイトを避ける理由について疑問は尽きないが、二人の様子から、それを聞くのは野暮だろう。俺は、そっと窓を閉じて、眠りについた。

 

* * * * *

 

 そして一週間が過ぎた。だが、ネーデルガンダムはあれから一度も姿を現さなかった。やはり、戦わずに予選をやり過ごす戦略なのか……?

 なら仕方ない。ここでのファイトは諦めよう。俺は旅の準備を整え、部屋を出ていった。

 

 降りるとカウンターには、あの男と、昨日のあの女性がいた。旦那と同じくらいに大人しいものの、どこか鋭さを感じさせる女性だ。年のころは、男より少し若いぐらい……20台後半だろうか?

 

「あぁ、お嬢ちゃん、チェックアウトかい? もうそんなに経ったか」

「はい、お世話になりました。オランダを出て、次の地域に行く予定です」

「そうか……」

 

 そこで男は何かを言おうとしたが、そこで女性が腕をつかんで引き留めようとする。そこで彼は、何かを飲み込むような表情を浮かべ、そして言った。

 

「いや……なんでもない。良い旅をしてくれよ」

「……ありがとうございます。それでは、次に会う時まで、お元気で」

 

 そして俺は、宿屋を出ていった。

 

 ……

 ………

 …………

 

 俺は再び、キンデルダイクの風車通りの前を通っていた。この町を出る前に、この景色をもう一度見たいと思ったからだ。いやー……本当に癒される。

 

 それにしても、四天王探しをしているチコからの連絡はまだ来ないな。まぁ、そう簡単に見つかるものでもないからな。実力者で、ガンダムファイトや今の社会に疑問を持っている者、という条件があるから。

 

 まぁ、気長にやるしかないな。最悪、師匠、俺、チコの三人で計画を進めるしかないかもしれないが。

 ……と、そう思っていると。

 

 殺気、いや闘志を感じた!

 俺が飛びずさると、そこにビームサーベルが振り下ろされる!

 

 後ろを振り向くと、そこにはあのネーデルガンダムが! そこから聞こえるのは聞き覚えのある声。

 

『やはり、君がガンダムファイターだったのだな。君がここを出る前に、一度ファイトを望みたい!』

「いいでしょう。私も、ファイトをすることなく出るところだったので、もやもやしていたところです!」

 

 そして、オルタセイバーを呼び出し、対峙する。

 だが、ファイトが始まろうとした、その時!

 

「待って! ルドガー! ルドガー・バーホーベン!!」

 

 あの女性が駆け付けてきたではないか!

 

「戦いをやめて、ルドガー! ネオ・オランダの委員会からの指示は、ファイトのスルーだったはずよ!」

『止めるな! 例え、君が委員会から派遣された監視役でも、このファイトの邪魔だけは……』

 

 しかし、その男……ルドガーの言葉に対し、女性は首を振った。

 

「違うの! 私はあなたに死んでほしくないのよ! あなたは、一年前のデビルガンダムとの戦いで、ファイトをするたびに寿命を削るような大けがを……」

「!!」

 

 それを聞いた俺は衝撃を受けた。まさか彼が、ルドガーがデビルガンダムの戦いの犠牲者だったとは。その時、俺は四天王ではなかったとはいえ、申し訳なさすぎる。どうしたら彼への償いになるのか……?

 その俺をよそに、二人の会話は続く。

 

『わかっていた……。俺も君の愛に気づいていた。君が俺の身を案じていたことも。だから今まで、闘志を押し殺して、極力ファイトしないように心がけてきた。だが、この熱く燃える思いを封じ込めることはできなかったのだ!』

「ルドガー……」

『許してくれ、アマリア……。闘志を抑えきれず、再びファイトに身を置き、戦いに身を置くこの俺を……!』

 

 そしてルドガーは、ビームサーベルを俺へと向ける。

 

『お嬢さん! 改めて君にファイトを申し込みたい! 受けてくれないか。この俺の闘志のために!』

 

 その申し込みを受けて、俺は少し迷う。受けて、寿命を縮ませるファイトをしていいものかどうか。

 ……いや、愚問だな。俺がガンダムファイターで、目の前に何を犠牲にしてでも、ファイトを望む者がいるなら、俺ができる償いは一つだ。

 

「わかりました、受けましょう。ただし、一つだけ条件があります」

『なんだ……?』

「この一戦で、その闘志を終わりにしてください。もちろん、あなたを満足させるだけのファイトができるように頑張ります。だから、これでもうガンダムファイトから手を引いてください。アマリアさんのためにも……」

『……』

 

 そして数秒の沈黙。

 

『わかった、恩に着る。ガンダムファイト!』

「レディー……ゴオオオォォォォ!!」

 

 かくして、俺とルドガーの、ルドガーにとって最後のガンダムファイトが始まった!

 

* * * * *

 

 ネーデルガンダムがビームサーベルを振り下ろす。それをガンダムオルタセイバーはひらりとかわし、ビームセイバーで切りかかる。ネーデルはそれを受け止めるも、オルタセイバーが左手で抜いたサブのビームセイバーで、そのビームサーベルを弾き飛ばされてしまう!

 

「はあっ!!」

 

 オルタセイバーは右手のビームセイバーで斬撃を放つも、なんとネーデルガンダムは胸の風車を取り外し、それでビームセイバーを受け止めた!

 

「行くぞ! ローテレンデ・リング!!」

 

 さらにその風車を回転され、逆にビームセイバーを弾き飛ばす! そして横なぎにその回転する風車をふるってきた!

 

「くっ!」

 

 それをまともに受ければ、機体を真っ二つにされかねない! オルタセイバーは後ろに飛びずさり、それをなんとかかわした。だが完全にかわしきることはできずに、腹部に傷を作ってしまう。

 

「なかなかやりますね……」

「君もな……。だが、これで終わりではないだろう? 俺の闘志は、まだまだ燃え尽きてはいないぞ!」

「もちろんです!」

 

 そこでジャンヌ、ルドガーの二人とも笑みを浮かべたのは、なんの偶然か? それとも、ガンダムファイターだからこそ、か。

 そして、ネーデルガンダムは風車を胸に戻した。そして再び構える。

 

「これを受け止めてみてもらおう! 必殺! ネーデルタイフーン!!」

 

 すると、その風車が高速回転をはじめ、大きな竜巻を生み出したではないか! その竜巻は、巨大な恐るべき風の竜と化し、ジャンヌのオルタセイバーに襲い掛かる!

 

「くっ……!」

 

 ジャンヌは必死にその風圧に耐えるが、ガンダムオルタセイバーは少しずつ、風の勢いに押され、後退していく。

 

 一方のルドガーも無事ではない。

 

「ぐはっ……! まだだ……俺は……まだやれるぞ……!」

 

 血を吐きながら、さらにネーデルタイフーンを放ち続ける。

 そのルドガーの生み出す竜巻に、ジャンヌは必死に耐えるが、それも限界が近づいてきた……。

 

「このままでは……何か打開策を……」

 

 と、そこで、ジャンヌは一つの、流派東方不敗の技を思い出した。

 

「あの技を応用すれば……でもできるの……? 失敗すれば、私はこの竜巻に飲み込まれる……」

 

 だが、そこで瞳に闘志をさらに宿らせる。

 

「ううん、結果がどうでもやらなければ! そうしないと、彼の闘志は満足しない!!」

 

 そして構えて、気合をこめる。その気合に合わせて、闘気が立ち上り、それはやがてガンダムオルタセイバーを取り巻く渦となる。

 

「いきます!」

 

 そして突進! ジャンヌの右回りの渦と、ルドガーが放つネーデルタイフーンの左回りの渦がぶつかりあう!!

 その渦同士は打ち消しあい、四散した。そこをジャンヌは見逃さない! そのままネーデルガンダムに突進する!!

 

「必殺! 絶対勝利・エクスカリバーン!!」

 

 そして一閃! ネーデルガンダムの頭部を斬り飛ばした!

 

* * * * *

 

 そして、例の宿屋の前。

 

「負けたよ、お嬢さん。まさか俺渾身のネーデル・タイフーンを打ち破るとはな」

「いえ、一か八かでした。あれが失敗していたら、私の負けでしたでしょうね」

 

 そう苦笑しながら、松葉づえをつくルドガーに言う俺。

 そう、本当に一か八かだった。もしあの技……ぷち超級覇王電影弾に失敗していれば、やられていたのは俺のほうだったろう。それに、もし成功していても、ルドガーのネーデル・タイフーンに打ち勝てなければ、やはり俺の負けだった。本当に賭けだったのだ。

 

 だが、その賭けに勝った代償はちょっときついものがある。その反動で、身体が悲鳴をあげているのだ。はっきり言ってすごい痛い。もしこの体がDG細胞で作られていなければ、良くて寝たきり、悪ければ命を落としていただろう。

 

 だけど、こんな代償が大きい賭けに挑もうと思えたのは、やはりルドガーの闘志のおかげかもしれない。

 

「ゆっくり養生して、身体を治してくださいね」

「あぁ、わかった。アマリアもいるしな。そして一つ決心したよ」

「?」

 

俺が首をかしげると、彼は晴れやかな笑みを浮かべて言った。

 

「身体を治して、そしてガンダムファイトのコーチになる。そして俺より、いや誰よりも強いガンダムファイターを育て上げてみせる。必ず、彼をガンダムファイトに優勝させてみせるよ」

「そうですか。素敵ですね」

 

 そう俺は複雑な笑みを浮かべて応えた。ガンダムファイトが地球に及ぼす影響を知る俺としては、複雑な心境だが、ガンダムファイトは地球上でしなければいけないということもあるまい。地球に影響が出ない形でやるのなら全然OKだ。それに、聞いていて、とても素敵な目標だと素直に思った。

 

「楽しみにしていますね。あなたの育てたガンダムファイターが大会に出る時を」

「あぁ」

 

 そして握手をかわし、俺はネオ・オランダを去って行った。

 その空は、ルドガーの心のように、青く晴れ渡っていた……。

 




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* 次回予告 *

皆さんお待ちかねぇ!

アフリカの地を行くジャンヌは、そこであるファイターの襲撃を受けます。
そして、彼と和解したのもつかの間、そこで彼女は、ケニアエリアの自然を巡る陰謀に、彼とともに巻き込まれてしまうのです!

次回、『ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』

第3話『誇りを取り戻せ! 自然のために魂を売った(ガンダム)ファイター!』

にReady Go!!
次の更新は、5/11 12:00の予定です! お楽しみに!
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