ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!? 作:ひいちゃ
さてさて、大変なことになってしまいました。
『アナザー五人衆』と名乗るガンダムたちの襲撃で、ガンダムファイト第13回大会は中断! 世界はたちまち不穏な空気に包まれてしまいました。
この先、世界はどうなるのでしょうか? もしや、またカオス戦争がはじまってしまうのでしょうか?
新宿に向かったゴルビー一行は、偽マスター・アジアの罠にはまってしまいます。
あわや同士討ちの危機に見舞われた彼らですが、シュバルツの助けと、東方不敗マスター・アジアの力により、それを切り抜けることができたのです。
しかし、切り抜けたのもつかの間! デモンガンダムのファイターの顔(の一部)がドモンに酷似していることが明らかになります!
果たしてデモンガンダムのファイターの正体は!? 謎が謎を呼び、ドモンたちの戦いはまだ続きます。
さて、今回のカードは、ミケロ・チャリオットの天剣絶刀・ガンダムヘブンズソード。
それでは、ガンダムファイト、Ready Go!!
ネオ・ジャパンコロニーの一室。室温が氷点下に設定されたこの部屋で、兵士数人とある男が、何者かが封印されたカプセルの前に立っている。
男はカラト。ネオ・ジャパンの軍総司令官であり、政府副首相、そして、ネオ・ジャパンのガンダムファイト委員会委員長である。
そのカラト委員長がカプセルのテンキーを操作すると、ぷしゅーと音を出して、カプセルの蓋が開いていった。中から白い冷気があふれ出る。
そして封印されていた男が、ゆっくりと目を開いた。
「私は……カラト委員長……」
「おぉ、目が覚めたか、カッシュ博士。告発により、あなたの冤罪が明らかとなった。あなたと、そしてあなたの息子たちに苦しい思いをさせてきて済まなかった。お詫びを申し上げる」
そう謝罪するカラト委員長に、カッシュ博士と呼ばれた男……ドモン・カッシュの父親、ライゾウ・カッシュ博士が首を振って、穏やかに言葉を紡ぐ。
「謝ることはありません。私も、そしてあなた方ネオ・ジャパン政府も、あの男に踊らされていただけなのですから。それより、例の事件があれからどうなったのかを教えていただけませんか? 時と場合によっては、収束のため、私自ら地球に降りなくてはなりません」
「もちろんだ。今、地球では大変なことになっていてな……」
* * * * *
そのころ、俺……ジャンヌ・エスプレッソたちを乗せたゴルビーは一路、オールド・ウクライナを目指していた。
ヘブンズソードも、そのオールド・ウクライナを目指して飛行しているという観測結果を得たからだ。しかも、奴一機だけではなく、数十機のデスアーミーオルタを引き連れているという。
オールド・ウクライナには一大穀倉地帯がある。これを焼き払うのが狙いだろう、とナスターシャ女史が推測した。師匠こと東方不敗・マスターアジアも、その推測に同意しておられた。
これを許せば、世界は食料不足に襲われ、その少なくなった食料を巡って世界がさらに混迷してしまうのは避けられないだろう。
それを防ぐため、俺たちはオールド・ウクライナを目指しているのだ。
そして、いよいよオールド・ウクライナに到着!
「皆、間もなくオールド・ウクライナだ。降下準備をはじめてくれ」
「はい!」
だが師匠はなぜか、腕を組んだまま動かない。
「師匠?」
「すまぬが、わしはここで一時離脱させてもらう」
「な、なぜですか!?」
ドモンがそう問いただすと、師匠は彼のほうに真摯なまなざしを向けて口を開いた。
「お前に、拳を通して託したいものがあるのだ。そのために、身体を癒し、準備を整えておきたい」
「師匠……」
「だが、そこで奴らの襲撃を受けたら……」
師匠の言葉に、チボデーが懸念を述べた。それは俺も考えていたことだ。俺たちとは別行動になったところで、五人衆の襲撃を受けて、やられたり、最悪、奴らに洗脳されたら洒落にならない。いつもの師匠なら大丈夫だと思うが、ゲホゲホ言ってたからな……。万が一の可能性はある。
誰か護衛に着けるべきだが……。
と、そこで。
「心配はいらん。話は聞かせてもらった」
「!?」
俺たちがいる会議室に、どこかで聞いたような声が聞こえた。
周囲を見回していると……いた。物陰に腕を組んで立っているシュバルツが。お前は山〇んか。
「私に団体行動は難しいからな。責任をもって、マスター・アジアを護衛させてもらう」
確かにシュバルツがいれば、問題はないだろうな。彼なら裏切ることもないだろうし。
「わかりました、それではお任せします。いいですよね、ドモン?」
「あぁ、シュバルツがついていてくれるなら心配ない。よろしく頼んだ」
「あぁ、任せてもらおう。それでは!」
そしてシュバルツは、またしても風に紛れてこの場から消えた。……師匠もろとも。
* * * * *
そして、俺たちはゴルビーからパラシュート降下した。そして、それから時を経ずして敵影が視界に入ってくる。
観測通り、ガンダムヘブンズソードと、彼の指揮下の数十機のデスアーミーオルタたちだ。
奴らも俺たちに気が付いたらしい。まず、デスアーミーオルタたちが背中の翼を切り離し、パラシュート降下してくる。
『やっこさん、来やがったぜ!』
「えぇ。師匠がいなくて不安ではありますが、頑張りましょう!」
『おう!』
そして戦いが始まった! 奴らに一機たりとも、ここを突破させるわけにはいかない!
『超級! 覇王! 電影弾ーーーー!!』
ドモンが超級覇王電影弾で、多数の敵を薙ぎ払っていく。
『サイクロン・パーンチ! バーニング・パーンチ!! うりゃうりゃうりゃ!!』
チボデーのガンダムマックスリボルバーがサイクロンパンチやバーニングパンチを連発し、デスアーミーオルタたちを吹き飛ばしていく。
『うりゃあ!!』
サイ・サイシーのガンダムダブルドラゴンは極・流星胡蝶剣で絨毯爆撃を行って撃滅していく。
他、アルゴ、ジョルジュ、チコもおのおのの技で、デスアーミーオルタたちを倒していった。
もちろん俺も。
「いきますよ! リントーネード・ブラストオオォォォ!!」
ガンダムオルタセイバーを稲妻の竜巻と化して、デスアーミーオルタたちに突撃! 多くを薙ぎ払っていった。
そこに。
『ヒャーハハハァッ!!』
戦っている俺たちの上空をヘブンズソードが通り過ぎた! いけない、この防衛線を突破させるわけには!
俺はオルタセイバーを大きく跳躍させ、奴に追撃し、後方からマシンキャノンを浴びせた!
『ジャンヌウウゥゥゥゥ!!』
今の攻撃で、まずは俺を仕留めるべきと判断したのだろう。奴は上空から、着地した俺に襲い掛かった!
俺はビームセイバーを抜き、奴を迎え撃とうとした、ところで……!
「!! くぅ……!」
突然、胸を鋭い痛みが襲った! さっきのリントーネード・ブラストの反動か!? あまりの痛みに応戦することはおろか、立ち止まることもかなわない。
その俺に、ヘブンズソードが襲い掛かる。その時!
* * * * *
『リントーネード・ブラスト』を放った反動による苦痛で動けない俺に、ヘブンズソードがとどめを刺そうと上空から襲い掛かったその時!
数本の矢がどこからか飛来して、ガンダムヘブンズソードを襲った!
『イイトコロヲオオオォォォォ!!』
そう叫び、ヘブンズソードは矢を回避して、一時上空へと退避した。光の矢はそのまま、俺の周囲に突き刺さって消え去る。
「……?」
俺が涙で視界がにじむ中、矢が飛んできたほうを見ると、そこにはネオ・ジャパンのマーキングがされたシャトルと、そのシャトルを護衛するように滞空している、シャイニングに似たガンダムが。
あれは……もしかしてライジング?
シャトルとガンダムはさらに降下してくる。やはり思った通りだ。降りてきたのはまさにライジングガンダム。
シャイニングガンダムの試作機として開発されたガンダムで、対デビルガンダム用に開発された機体とのこと。武装はビームナギナタとビームボウのみと、そこらへんのガンダムと変わりないが、デビルガンダム用と称するからには特別な機能がついているのだろうか?
だけど、あれには誰が乗ってるんだ? 原作でのファイターだったレインは今、ゴルビーに乗っているんだが。
そんな俺の疑問をよそに、ライジングは次々と、デスアーミーオルタをビーム・ボウで撃ち抜きながら降下してくる。
そしてライジングは、着陸すると名乗りを上げた。
『待たせたな、若者たち! おっさん仮面、ただいま参上したぞ!』
……。
あのー、その声で俺とドモンには正体もろばれなのですが、おっさん仮面さん。
それはともかく、おっさん仮面のライジングの加勢で、俺たちはさらに勢いを盛り返し敵に猛攻を加えていく。もちろんそのころには俺もだいぶ回復し、戦列に参加。デスアーミーオルタを切り払い、ヘブンズソードにマシンキャノンを浴びせていく。
やがて、デスアーミーオルタもあと数機となり、形勢が不利と判断したヘブンズソードは、それ以上の戦いを断念し、残ったデスアーミーオルタとともに引き上げていくのだった。
と、そこでライジングが膝をついた。
もしかして、どこか怪我をしたのか!? ……と思ったら。
『いたた……やはり病み上がりで無茶したのがいけなかったのか、くたくただし身体中が痛いな。やはり、おっさん仮面でも、無理はダメだな』
……。
* * * * *
さて、シャトルも無事着陸し、中の人たちとおっさん仮面(仮)たちも、俺たちと合流した。
シャトルの乗員のトップは、なんと! ネオ・ジャパンのガンダムファイト委員長、カラト委員長だった。そしてその横に立っているのは……。
「……」
入院用のパジャマを着て、白衣を羽織った仮面をつけた胡散臭いおっさん……おっさん仮面。
「あの、カラト委員長たちがこちらにきた理由はともかく、なんでそんな仮面をつけているのですか、ライゾウ・カッシュ博士」
「何を言ってるんだ? 私はおっさん仮面だよ。はっはっはっ」
「いや、素直に正体を明かしてくれ父さん。その声で丸わかりなんだから」
実の息子にそう言われて、おっさん仮面は観念したように、仮面に手をかけた。
「むぅ……。もう少し謎の男でいたかったのだが」
「いや、その声でばれてるんですって。特にドモンには」
思わずそうツッこんでしまう。
何はともあれ、おっさん仮面は渋々、仮面を外した。そこから現れた顔は……やはり、ドモンの父親、ライゾウ・カッシュ博士だった。
「やっぱり父さんじゃないか。でも、冷凍刑が解かれたんだな? よかった……」
「あぁ。ミカムラ博士からの告発メールで、私の冤罪が明らかになってね」
「お父様が!?」
レインが驚きの声をあげる。
カッシュ博士が語ってくれたところによると、ミカムラ博士の端末から、カラト委員長のもとにメールが届き、アルティメットガンダム強奪は、ウルベとミカムラ博士が仕組んだこと、ウルベがデビルガンダムを何かの目的のために悪用しようとしていることが明かされたという。
当然、それを聞いてレインは衝撃を受ける。
「そんな……お父様が……」
そう言ってくずおれるレイン。ここはフォローしてやらないとな。最終形態のコアになられたら大変だし、何より知人が悲しむところはあまり見たくない。
「そうふさぎこまないで。お父様は命をかけて、全てを明かして、カッシュ博士の無実を証明してくれたんです。それで彼の罪は許されたと思います。そして、それをあなたが気に掛けすぎることもないと思います」
「ジャンヌ……ありがとう……」
そこでドモンが口を開いた。
「それで、ウルベとミカムラのおじさんの行方はわからないのか?」
「うむ。地球に降りたところまではわかっているのだが、そこから消息がぱったりと途絶えてしまったのだ」
それを聞いたアルゴが、俺に顔を向ける。
「もしそれが本当だとしたら、奴がアナザーと接触するのはもちろん、本物のデビルガンダムと接触したら大変なことになる。ジャンヌ、お前のほうで、デビルガンダムの現在位置は把握できないのか?」
申し訳ないのだが……。俺は首を振ってこたえた。
「ごめんなさい……。さすがにそこまでは把握できません……」
確かに、『ジャンヌ・エスプレッソ』の
それに、俺としても気にかかることがある。そのリンクも最近、不安定になってきているのだ。俺からのリンクを、本体が拒絶して、閉じこもっていることが時々あるような……。
「ですが、アルゴが言う通り、ウルベとデビルガンダムの接触は阻止しなければなりません。一刻も早く、二人を見つけなければ」
「わかった。では、ネオ・ジャパンの軍と情報部とで、二人を探すことにしよう。お願いできますかな、カラト委員長」
「了解した。さっそく指示を出しておこう。さて、わしらが地球に降りてきたのは、実はもう一つ理由があるのだ。それについて、君たちの助力を頼みたい」
「なにか?」
ナスターシャ女史がそう尋ねると、カラト委員長は重大なことを口にした!
「近々、オールド・イングランドのロンドンで、コロニー国家の代表団が集まり、コロニー国家平和会議が行われることになった。君たちには、ロンドンまでのわしらの護衛と、ロンドンの防衛をお願いしたいのだ」
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それと、テテテUCを書いてくださる方、大募集中!
* 次回予告 *
皆さん、お待ちかねぇ!
『コロニー国家平和会議』を守るため、オールド・イングランドのロンドンに向かった一行!
ですがそこに、案の定、グランドガンダムが進撃してきたではありませんか!
果たしてロンドンの運命は!? そしてチャップマンは狂気のまま、ロンドンを蹂躙し、イギリス女王を殺してしまうのでしょうか!?
次回、『ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』
第32話、『危うしロンドン! 獅王争覇、女王を潰すか!?』
にReady Go!!
それではみなさん、8/6 12:00に、またお会いいたしましょう!