ちょっと待って。なんで俺、Gガンダム世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?   作:ひいちゃ

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 皆さん、こんにちは、ストーカーです。

 さて……いよいよ、舞台は、原作では大きな転換期となる新宿に移ります。
 原作ではドモンはここで、さる驚くべき人物と再会し、さらに衝撃的な真実を知り、そしてその人物と決別することになりました。
 その末にどうなったかは、原作をご覧になられた皆様には、既にご存じのことでしょう。

 ですが! この話はそれだけには収まりません。

 ここから先の展開は、原作から大きく変わっていくこととなるのです。

「それはわかりません。ですが一つ言えることがあります。それは……露見しない悪事はないということです!!」

 果たしてジャンヌは、この世界での物語を、どのように変えていくことになるのでしょうか?

 今回のカードは、デビルガンダムの手下、ゾンビ兵の群れですが……どうもどこかおかしいようです。はてさて、どうなりますか。

 それでは、ガンダムファイト、Ready Go!!



新宿編
6th Fight『危険な師弟再会! 二人のマスターアジア』


 ネオ・ホンコンのある部屋。

 

 暗闇に包まれたその部屋で、ある男が通信を受けている。

 

「そうですか……わかりました。こちらでも困ったことが起きていましてね……。プランを変更する必要があるようです。はい……はい。了解しました。また連絡いたします」

 

 そして通信が切られる。

 

「まったく、あのお方には困ったものです。当初のプランから外れた行動をとるなど……。やはり、あのジャンヌとやらの娘の色香に惑わされたんでしょうかねぇ……。仕方ありません。ここはあのお方と当初のプランには見切りをつけて、次のプランにうつすとしましょうか……」

 

* * * * *

 

 荒れ果てた町……新宿に、俺……TS転生者ガンダムファイター、ジャンヌ・エスプレッソは立っていた。

 東方師匠こと、東方不敗・マスターアジアに、「相談したいことがある」と言われて、ここに呼び出されたのだ。

 

 しかし……この荒れ果て方はひどい。確かに地球は、人類の過度の営みや、ガンダムファイトで傷ついているとはいえ、これはそれ以上だ。やはり、デスアーミーが暴れているんだろうか?

 だが、デスアーミーを統率していた師匠は、今回は無意味な破壊行為はしないようにしてくれているはずだし、そもそもほとんどのデスアーミーは、デビルガンダムのコアとなっている俺の本体の支配下にあるはずなのだが……。はぐれデスアーミーでもいるんだろうか?

 

 俺がそう思っていると、向こうから誰かがやってきた。あれは……。

 

「師匠!」

 

 そう、俺の協力者で、俺が尊敬する東方師匠その人だった。

 

「おぉ、ジャンヌか。無事に合流できて何よりだ」

「師匠こそ……いえ、師匠には無用な心配でしたね」

「こやつめ、言いおるわ。さて、この新宿は見たか?」

「はい。デスアーミーが暴れているようですが、一体何が……?」

 

 俺がそう聞くと、師匠はうなずいて、真剣な表情を浮かべて口を開いた。

 

「うむ、わしもそのことが気になって、お主が来るまで調査しておったのだ」

「そうですか……それで結果は?」

「うむ、原因はわからぬが、その手掛かりをつかむことができた」

「なんと!?」

 

 俺は思わず驚きの声をあげた。いや、師匠の実力ならそのぐらいできて不思議ではないんだけどさ。

 

「これから手がかりが示す場所に行こうと思う。お主も来るか?」

「はい!」

 

 そして俺は師匠とともに、その場所に向かっていった。

 だが俺は気づかなかった。歩き出す直前、その師匠に、師匠らしからぬ邪悪な笑みを浮かべていたのを……。

 

* * * * *

 

 そして、師匠に導かれてたどり着いたのは、東京地下の地下鉄線路の一角。

 

「師匠、ここに一体何が……?」

「くくく……気づかぬか? この愚か者が」

 

 師匠が邪悪な声色でそう言うと、俺たちの前後からゾンビ兵の群れが! いや、よく見ると、本物のゾンビ兵とは少し違うような。いや、そんなことを考えている場合ではない。

 師匠は巧みな身体さばきで俺から離れると、前方のゾンビ兵の群れの奥に着地したのだ。

 その身体からは邪悪な気配が……この気配はまさか……!?

 

DG(デビルガンダム)細胞により作られた……師匠の偽物!」

「くくく、その通りよ。まんまとだまされおって! 我が主の計画を狂わせる者、ここで果てるがよいわっ!!」

 

 師匠の偽物……偽マスターアジアがそう言うと、同時に偽ゾンビ兵たちが俺に襲い掛かってきた!

 

「このぐらいのゾンビ兵で私の命を狙うとは……。私の命の見積もりとしては甘すぎるということを見せなければいけませんね」

 

 俺はそう言い放つと、偽ゾンビ兵との戦いに突入した!

 

 そう不敵なことを言ったものの、戦い始めると、かなりきつい。やはり数が多いうえに、前後から挟み撃ちにしてくるのだ。

 こちらにとってかなり不利なのは言うまでもない。

 

「はあっ!!」

 

 剣で目前の偽ゾンビ兵を斬り捨てるが、その俺の後ろから……。

 

 ズバッ!!

 

「きゃあっ!!」

 

 別のゾンビ兵に背中を斬りつけられた! 痛みをこらえながら、その偽ゾンビ兵を一刀両断する。すると、向こうのほうから偽ゾンビ兵がマシンガンを乱射してきた!

 

「くっ……!」

 

 俺はそれを縦横無尽な動きでかわし続けるが、やはり長時間の連戦で消耗してきたせいか、交わしきれずに銃弾の一発を脚に受けてしまった!

 

「うぐっ!!」

 

 そして地面に転落してしまう。それを見て、にやっと邪悪な笑みを浮かべる偽マスターアジア。

 ここまでか……だが俺がやられても、また別のDG細胞クローンを生み出せば済むこと。そう俺が覚悟を決めていると……。

 

* * * * *

 

「行くぞ! 仮にもわしに技を教わった者なら、わしの弟子なら、見事よけてみせいっ!!」

「!?」

「!?」

 

 偽物がいる方向とは別方向から聞こえてくる、聞き覚えがある声。俺はその声に従い、力を振り絞り、激痛をこらえながら大きく跳躍した。

 そしてその次の瞬間!

 

「超級! 覇王! 電影ダアアァァァァァァンッッ!!」

 

 なんと、通路の奥から、師匠こと東方不敗・マスターアジアが超級覇王電影弾で突っ込んできた! ジャンプした俺と、とっさに身をかわした偽マスターアジアはなんとか逃れることができたが、他の偽ゾンビ兵は、その超級覇王電影弾に飲み込まれていく。そして。

 

「爆発!」

 

 師匠……本物の師匠がそう叫ぶと同時に、電影弾を受けた偽ゾンビ兵たちは、大爆発を起こして消滅していく。そして、この線路に展開していた偽ゾンビ兵は一体もいなくなっていた。

 その様子を見た偽マスターアジアは、師匠を見て憎々し気な表情を浮かべて憎しみの声をあげた。

 

「東方不敗……マスターアジアアアァァァァァ!!」

 

 だがその憎しみの声にも、師匠は動じずに、会心の笑みを浮かべるのみ。

 

「ふん。DG細胞の気配を感じたから来てみたが……まさかここで、わしの偽物が悪だくみをしていたとはな。まぁよい。かかってくるがよい。偽物の実力がどれほどのものか、見定めてやろう」

「オオオォォォォ!!」

 

 構えをとった師匠に襲い掛かる偽物。かくして、本物と偽物のバトルがはじまった。

 偽物はパンチや蹴りといった基本的な技はもちろん、流派東方不敗の技も駆使して師匠を攻めたてるが、師匠はそのことごとくを、涼しい顔をしてかわしていく。

 その実力は、本物の師匠に迫るものがあるが、それでも『迫る』というだけ。本物の実力には半歩、一歩どころか五歩ほど及ばないように見えた。その実力では、師匠を捉えるのは不可能だろう。その証拠に、師匠は不敵な笑みを浮かべたままだ。

 

「わしの物真似としてはなかなかやるようだが……技に魂がのっておらぬ! そんな技では、わしにかすり傷一つ負わせることもできぬわっ!!」

「グハアアアアァァァァッ!!」

 

 師匠の掌底が偽物をとらえ、奴は大きく吹き飛ばされた。師匠本人としては本気ではないようだが、それでも偽物に大ダメージを与えるには十分だったようだ。やはり偽物は偽物ということか。いや、師匠がすごすぎるのか。

 

「さて、偽物と遊ぶのも飽きてきたところだ。そろそろ、とどめを刺してやるとしようか」

 

 そう言って一歩を踏み出した師匠の右手が暗い光を放ち始める。それを見た偽マスターアジアは、恐怖にかられ、師匠に背を向けて逃げ出していった。むろん、それを逃す師匠ではない。

 

「相手に背を向けて逃げ出すとは! それでもわしの偽物かあああぁぁぁぁ!!」

 

 大きく地面をけって、逃走する偽物を追撃する東方不敗・マスターアジア。そして。

 

「必殺! ダークネス・フィンガアアアアア!!」

 

 師匠の必殺のダークネス・フィンガーが偽物の頭をわしづかみにした。そのエネルギーが偽物の身体を焼き尽くし、消滅させていく。

 

「ア、アアアアァァァァァ!!」

「消え去れい、この偽物……痴れ者がああぁぁぁぁ!!」

 

 そして哀れ、偽物は消滅して果てた。

 

* * * * *

 

 新宿の街の片隅に俺と本物の師匠は座り込んでいた。俺は今、背中と脚の傷を、師匠に手当してもらっているところだ。

 DG細胞の身体を持つ俺は、放っておいても自然に傷は治るが、やはり手当をしてもらったほうが回復が早いのは普通の人間と同じである。

 しかし、師匠本人に手当をしてもらえるとは……ファン冥利に尽きすぎるな。

 

「よし、これでいいであろう。後は、お主自身の自己再生能力でなんとかなろう」

「はい、ありがとうございます……」

 

 そして二人で、荒れ果てた新宿の街並みを見下ろす。

 

「まさか、わしの偽物がここで、悪事を働いておったとはな」

「そうですね……。もしかして師匠、あの偽物は……」

 

 俺がそう聞くと、師匠は苦々しい表情を浮かべて応えた。

 

「うむ。おそらく、ネオ・ホンコン首相、ウォン・ユンファの仕業であろう。あの小物め、お主との出会いをきっかけに、わしが自分の思い通りに動かなくなったのを見て、わしに見切りをつけ、偽物を生み出してそれを使って野望を果たす気になったと見える」

 

 ……やはりそうか。

 ウォン・ユンファ。師匠が今言った通り、ネオ・ホンコンの首相だ。そして、Gガンダムの物語の黒幕(の一人)でもある。

 原作では師匠と組んで、デビルガンダムの力を手に入れ、その力で世界を支配しようと企んだ。結局それは、師匠の暴走と、ドモンたちの奮闘によってくじかれたわけだが、本人はそれでもあきらめず、ウォルターガンダムに乗り込み、最後まであがく程の執念を見せた。

 まぁ、それでも最後はドモンのゴッドガンダムが騎乗していた風雲再起の蹴りを受けて果てたのだが。

 

 その彼はここでも同じことをしているらしい。

 

 ん、待てよ、ドモン?

 

「師匠、もしかしてウォンはドモンにも……」

「あり得るな、デビルガンダムを追うドモンは、あの小物にとっては自分の野望の邪魔もの。わしの偽物を使って抹殺しようとする可能性はあるだろう」

「急ぎましょう、ドモンがウォンの毒牙にかかる前に」

「そうじゃな、じゃがお主、傷のほうは大丈夫か?」

 

 そう気遣って聞く師匠に、俺はなんとか立ち上がりながら言った。

 

「はい。傷はかなり治りました。それにこうしている間にも、ドモンに毒牙が迫りつつあるんです」

「よし、それではさっそく出発するとしよう!」

「はい!」

 

* * * * *

 

 一方そのころ、時すでに遅く、ドモン・カッシュは師匠である東方不敗・マスターアジア……の偽物と接触していた。

 

 例の流派・東方不敗の演武を演じ終えた彼は、偽物の手を握り泣き崩れる。

 実はこの時、数度ほど演武の息が合わなかったのだが、師匠との再会に感激していたドモンは、それを気にもしていなかった。

 

「師匠……お会いしとうございましたあああああ!!」

「どうした、男子たる者、何を泣くことがある」

 

 そうして弟子……偽物のマスターアジアからしたら狩るべき相手……を見つめる偽マスターアジア。

 その表情に、一瞬邪悪な笑みが浮かんだのを、やはりドモンは知る由もなかった……。

 




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* 次回予告 *

皆さん、お待ちかねぇ!

偽物と知らず、偽マスターアジアと行動を共にするドモン!

そこで彼は、DG細胞に汚染された、ジョルジュ・ド・サンドと、アルゴ・ガルスキーの二人の襲撃を受けます。
窮地に陥った彼を救ったのは、意外な二人の姿でした。

その一方、地下の恐るべき工場を目撃したレインは、これまた意外な人物に命を救われます。

そしてそして! ドモンが衝撃の真実を知ったその時!

ここ新宿の街に、本物と偽物、二人のマスターアジアが並び立つのです!

次回、『ちょっと待って。なんで俺、Gガン世界にTS転生して、東方師匠と拳交えてるの!?』

第7話『ドモン対二大ガンダム! 新生シャッフル同盟見参!!』

に、Ready Go!!
それでは、5/23 12:00に、またお目にかかりましょう!
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