FF14と原神って親和性高そうだよね 作:PNPcon
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・脚注追加。FFXIVプレイヤーのエセ二人称、実際は単一三人称で進むため、原神の固有名詞やシステム等は地の文に説明あり。よってFFXIV関係の単語のみに限定して追加
・軽微な表現変更
Ver0.1; あなたはヒカセン
あなたは冒険者だ。
数多の冒険を乗り越え、世界を救った冒険者だ。
自分の世界だけに飽き足らず、並行世界を救い続けている冒険者だ。
~~♪
マイハウスで1人、音楽を奏でながらいつもの"音"を待つ。
~~♪
今あなたが奏でている音楽は、とある吟遊詩人の仲間から教えてもらった曲だ。
何やら曰く付きらしく、他の人には絶対に聞かせちゃいけないよと、その仲間からは強く釘を刺されている。
確かにここ、エオルゼアでは聞いたことない音楽だな、とあなたは思う。もしかしたら、最後まで聴くと変なデバフが付いてしまうとか、一音でも間違えたらスタンするとか、そんな呪われた音楽なのかもしれない。
~~♪
シャキーン!!
あなたはハッとした顔でギターをしまう。そう、待ち望んでいた"音"はこれだ。あなたと並行世界の冒険者が、世界越しに接続する準備が整った音。
あなたはいそいそと白魔道士の装備に付け替えて、準備を整える。
準備が完了したあなたは、他の並行世界の冒険者を待つ間に考え込み始めた。
今回は
もしかしてヒーラーは供給過多*1なのでは……? まあ火力メンバーは間違いなく過剰供給されてるはずだから、タンクが過疎ってるのかな? 次は暗黒騎士を出そうか。でもなぁ……タンク慣れてないし、第一に他の人からヒールを貰うことに慣れてないんだよなあ。
あなたは根っからのヒーラーだった。もちろん冒険はグリダニアから始め、帝国への強襲しかり、竜詩戦争しかり、解放戦線しかり……幾度の冒険には白魔道士で臨んできたのだ。
他のジョブにも手は出し始めてはいるが、なぜか身が入らない。
ヒーラー、特に白魔道士に固執しすぎて、他のジョブの装備は持っていても、
あっ、1人消えた……
そうして待っていたのだが、1人が辞退。また待つことになった。
あなたは、すぐに集まるだろうと思っていたが、なぜか例の"音"は鳴らない。
そんなこともある。そう思っていたが、待てど暮らせど一向に鳴らない。
そう考えたあなたは一度接続を切ってみた。
そうして再度接続しようとすると、見たことのないダンジョンが解放されていることに気づいた。
…………
幻想世界テイワット攻略
冒険ランク 16以上
制限時間 無し
1人専用コンテンツ
…………
あなたは首を傾げた。
見たことがないダンジョン、誰に依頼されたクエストかも分からない、というかそもそも冒険ランクってなんだ? 時間制限無しっていいのか?
目を細め、顎に指を乗せる。
申請は……出来る。
まぁいっか! 行ったことないなら行ってみよう!
あなたは好奇心は人一倍高く、警戒心は人一倍薄かった。
頭に浮かんだ面白そうな冗談はいつでも言ってきた冒険者だ。平然とヤシュトラママ!! なんて言い放ったあなたが、こんなことに臆するわけがなかった。
いざ申請!
シャキーン!!
あなたはいつも通り世界を渡った。
真っ暗な世界の狭間を渡り、その流れに身を任せ、進んでいった。
────────────
──────
──
7つの元素が絡み合う幻想世界テイワット
遥か昔、人々は神々へ信仰を捧げ、元素を操る力を手に入れた世界
そのテイワット北東部に位置するは、自由の城モンド
そこには、風神バルバトスの祝福と恵みを一身に受ける人々が豊かに暮らしている
──
──────
────────────
いつものムービーを終えたあなたは、無事、幻想世界テイワットに到着したようだ。
周辺は草木に覆われ、左斜め前方には一際大きな、それは大きな樹が見える。
エオルゼア、特にグリダニアでは、あのサイズがゴロゴロ生えてるから感覚が狂うが、あれはあれで十分大きそうだ。
しかしあなたはここで気づく。いったい、どこへ行けばいいのか分からないのだ。
今までなら、ああいう目立つ物が大体ゴールだったりするのだが、それもこれも世界からのガイドや道があるから確信するのであって、ガイドは無い、進路を阻む謎の壁も無い、どう見ても行けないと分かる崖や山も無い。
そんな状態では、どこに向かえばいいのか、見当もつかない。
あなたは少しだけ怒った。
どうして世界に呼ばれて来たのにガイドも道*2もつけてくれないんだ。
どこに行けばいいのかも、何を倒せばいいのかもわからないじゃないか!
あなたは、今までに何度も理不尽な目を受けたことがある。一体どうすれば解決するのか、見当もつかなかったときだってあった。
しかしどんなときでも、とりあえず何をすればいいのか、目先の目標は常に分かっていたのだ。今回の冒険にはまるでそれが無い。となれば困ってしまうのも当たり前の話である。
──いや、待てよ。
あなたは閃いた。
時間無制限、つまりそれすらも探すダンジョンということでは……?
そして、この見渡す限りの大地を、好きなだけ冒険できる……?
あなたは悪だくみな表情をした。
──ちょっとくらい、一人旅してもいいよね……?
あなたは決めた。この世界を、冒険するまで帰らない。
この世界に呼ばれたってことは、世界が、テイワットが危機を迎えているはずだ! 間違いない!
そう確信したあなたは意気揚々と大樹へ歩き始める。
そう、冒険とは、まずエーテライト*3探しから始まる。場所はあなたには分かっていた。あの大樹の下だ。
さぁ! かむおん! 私のチョコボ!
冒険がわたしを待っている!
もちろん、チョコボを呼ぶときにはちゃんと止まってから呼んだ。
──
止むことのないそよ風が、この野原を撫でている。かつての英雄が残した巨木が微かにざわめく
──
あなたはなんのトラブルもなく、大樹の元にたどり着いた。
道中、見たことのない丸形生物が居たが、エーテライトと交感することが先である、と考えたあなたは、どんな敵対モンスターも無視して駆け抜けてきた。
時間にして数分もない。意外と早かったものである。
しかしまたここで問題が発生する。
駆け寄る間にも気づいていたが……エーテライトが無いのだ。いや、正確には、あなたの知る形の、エーテライトが無いのだ。
台座に乗った石像。どうやらそれがこの世界のエーテライトの形らしい。
台座まで含めたら高さ4メートルと少し……もしかしたら5メートル弱くらいだろうか。あなたは、元々同性間では身長が高くない種族である上に、同種族同性の中でも低い方なため、正確には分からなかった。
自分の3倍以上はあるかな、という予想である。
普通のエーテライトといえば大きさはずっと離れていても見えるくらい大きいし、質感もキラキラしていて、いかにも「私! エーテライトです!」みたいな見た目をしているものだ。
街によって多少の違いはあれど「エーテライト感」というものはどれも持っていた。
しかしこれはどうだ。
ただの石像にしか見えない。しかもなんだかヒビも多く、今にも崩れそうな見た目である。
あなたは、本当にこれで大丈夫なのか……? と訝しんだ。以前経験した、テレポによるエーテル酔いが起こるのだけは勘弁である。
あなたは警戒心を高めた。
しかしそれもつかの間。あなたは2秒で考えることを放棄し、石像に手を伸ばす。
まあどうにかなるよね。
あなたは今までもそんな気持ちで、本当にどうにかしてきてしまったのだ。今回もどうにかなると確信(過信とも言う)しつつ、交感*4を行った。
気持ちの良い風。さわさわと風が葉を撫でる音。
あなたの考えの通り、何の異常もなく交感できた。しかし、この風を感じたまま、もうすこし目を閉じていたいと思った。
あなたは初めての冒険を思い出す。
そう、初めて冒険者4人で行った、あの洞窟だ。
もはやよく覚えていないが、サンゴの色がどうとかあった気がする。黄色い四足モンスターを倒して、やたら逃げ回る海賊を叩きのめして、最後には
あなたは考え込む。そんなとき、声が響く。幼い声だ。
だが、考え込むあなたには聞こえない。
そういえば風のうわさで、平行世界の冒険者と協力しなくても良くなったとか聞いたな。ああいうまるで知らない、言葉もまともに通じない初心者マーク4人*5でウロウロするのも面白いと思うんだけどなあ……。
「おーい! 聞いてるのかー?」
あなたは聞こえている。
「おいっ! 聞こえてるだろ!!」
あなたは耳を塞いで首を振る。
「聞こえてるんじゃないか!!」
あなたが後ろを振り向けば、そこには女の子と……モーグリ?*6が居た。
しかし流暢に話すモーグリだとあなたは思った。モーグリが話す言語は、あなたが知るものではない。だが、ここのモーグリは語尾にクポクポつけるわけではないことは分かった。
一方、女の子の方については、あなたと
さて、PCにはまずは挨拶だと相場は決まっている。あなたは最近使っていなかったマクロ「初ID挨拶」*7を呼び出した。
まずはお辞儀をして──
「【初めまして。】【こんにちは。】 【ここに来るのは初めてです。】」
「おう! オイラはパイモンだ! そしてこいつは旅人! お前は何て言うんだ?」
なるほど分からない。あなたは首を傾げた。
仕方がない。定型文辞書*8で話しかけているのに、相手が使ってくれないことはままあることだ。
「パイモン、待って、この人……」
「なんだ? 旅人」
どうやら相手の女の子、旅人はあなたが言葉に不自由なことに気づいたようだ。
「この飛んでる生き物の名前、分かった?」
「おい旅人! オイラを生き物なんて言うな! オイラはパイモンだ!」
あなたにはモーグリが女の子に怒っている様子しか分からない。
もちろん女の子に言われていることは分からないし、なぜ怒っているのかも分からない。
こんな時に言うことは決まっている。
「【答えたいけど表現がわかりません。】」
「あ、やっぱり」
「ん? なんだお前、もしかして、話せるのに言葉が分からないのか?」
あなたは、言葉が通じないことを知ってもらえたことに安堵する。
これで定型文辞書を使ってくれればいいのだけど……と淡い期待を抱くあなただが。
旅人は自分とパイモンを交互に指さして言う。
「***、パイモン、***、パイモン」
あなたは相手の名前が***とpaimonであると分かった。
伊達に今まで非母国語話者を相手してきた訳ではない。定型文辞書を使わないパワースタイル系冒険者を相手にしても、どうにかしてきた実績があなたにはあるのだ。
「***、paimon 【よろしくお願いします!】」
「おう! 何か変な呼び方だけどよろしくな! それで? お前は何ていうんだ?」
「パイモン、それじゃ分からないんじゃない?」
あなたは何かを聞かれているのは分かった。あなたの過去の経験からして、ここは名前を聞かれているはずだ! と考えた。
しかし、どう答えようかとあなたは悩む。あなたの名前をそのまま言っても、おそらく読みにくいし、長すぎる。ファーストネーム、ラストネームの文化が無さそうだ。
代わりに思いついた、光の戦士。しかし、ずっとそう呼ばれるのはあなたの性に合わないし、なにより名前らしくない。もちろん意味すら伝わらないだろう。
さてあなたが考え始めた途端に、旅人はどうやって伝えようか、悩み始める。
しかし旅人が動き始める前に、あなたはここでの名前を決めた。
胸に2回、右手をあててアピール。あなたは口を開く。
「hikasen 【よろしくお願いします!】」
なおヒカセンと蛍ちゃんのユーザーネームはこの話以降二度と使うことはないです。
その他脚注
1. ヒカセン: 光の戦士のこと。FFXIVではプレイヤーは光の戦士と呼ばれるため、ユーザーからは親しみを込めてヒカセンと呼ばれるが、実はヤミセンの時代もあった
2. ユーザーネーム: FFXIVではユーザーネームは半角英文字。ユニークなファーストネームとラストネームを設定する。原神におけるUIDのような扱い
3. つづく: FFXIVで本編終了スタッフロールの後に表示される文字。ユーザーは次のアプデ(パッチ)を待つことになる