魔道具製作者の受難   作:お給料

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原作キャラを登場させます!

 一人称だったり、三人称だったりとコロコロ変わってますね。


第弐章 遠征帰りの彼ら

 

 「やっと地上に帰れましたね…」

 

 「だいたい二週間か?早く拠点に帰って寝よう」

 

 「…はぁい」

 

 他愛ない話をするのは、黒い漆黒の鎧を着込む大柄の男と、対照的に低い背をした小人族の少女。持ち物は身の丈以上の大型のバッグ。

 

 彼らのリーダーの指示で、【ロキ・ファミリア】の遠征に参加していたのだ。担当は前衛とサポーターである。

 

 少女の方はぐったりした表情から一転、怒気に変換する。

 

 「帰ったらあの無茶振り優男をぶん殴ってやります!」

 

 「やめとけ。いつものように流されるのがオチだ」

 

 「ぐぬぬ…」

 

 【ロキ・ファミリア】を離れた二人は、恐れられるような周りの視線を浴びつつ歩き出す。

 

 「フェイは元気だろうか」

 

 「元気ですよ。あの人はいつも」

 

 帰る場所は【星の玩具店】

 

 自分たちのリーダーは『製作王様』フェイ・ハーグ。

 

 悪態つくが最も信頼を寄せる人物である。

 

~~~~~~~~~~~~

 

 「スピー…スピー…」

 

 信頼を寄せる男は机に突っ伏して爆睡中。今日は何故か客が大勢やって来て一日中対応に追われたのだ。

 

 商品が売り切れたので、早めに店を閉めて現在四時になる。

 

 「昔はキリッとしてたのに、今や間抜け顔だな」

 

 「出会った時からこの顔でしたから少し残念な気がします」

 

 黒髪を優しく撫でつつ失礼な発言をするアルフィア。本人は時折くすぐったそうにしているが、爆睡しているので気付いてない。

 

 そんな時、

 

 「ただいま戻りました!」

 

 「帰ったぞ、リーダー」

 

 「起きてるよ、僕は!?」

 

 勢いよく開けられた扉の音に反応し、フェイは跳び起きる。アルフィアとカレンは無理がある言い訳に呆れている。

 

 「お帰りなさいザルドさん、リリさん」

 

 「存外、早く帰って来たな」

 

 「ザルド様に焚き付けられた高位の冒険者様が本気出した結果です」

 

 最強のお手本みたいなのがここにいる。あのファミリアには向上心が高い連中が多くいるから良い刺激になったのだろう。

 

 リリの本名はリリルカ・アーデ。こちらに牙を剥いた派閥連合から引き抜いたのだ。何故彼女なのか?

 

 当時はまともに冒険者活動をしていたフェイにサポーターとして自分を売り込んだのが彼女だった。リリはフェイの魔道具に、フェイはリリの優秀さに目を付けた。

 

 そして数日後に起きたあの戦い。無事にリリはフェイの魔の手に落ちた。

 

 リリがフェイに近寄る。にじり寄るという言い方が正しい。

 

 「へ~、そうですかそうですか」

 

 「ど、どうしたの…?」

 

 「私が何度も死ぬ思いをしたのに、貴方は呑気にお昼寝ですか」

 

 「い、今は夕方…」

 

 「シャラップ!だいたい貴方は…」

 

 クドクドとお説教を始める。気付けば二人だけになっているので離れたのだろう。

 

 「聞いてますか!」

 

 「は、はい!」

 

 一時間近く掛かりましたとさ。

 

~~~~~~~~~~

 

 次の日の朝。

 

 フェイとカレンは来客の対応をしている。

 

 アルフィアは甥っ子が入団したと聞いて、その派閥の主神とOHANASHIに、ザルドとリリは遠征の疲れから自室で眠っている。今日の朝食はザルドが眠たそうに作っていたが。

 

 フェイ達の目の前に居るのは【ロキ・ファミリア】の団長。小人族特有の小柄な体格だが、佇まいから彼を侮ることが出来ない。

 

 報告書の提出だけでいいのだが、報酬を渡すついでらしい。律儀だなぁ、とフェイは思った。

 

 「以上で遠征の報告を終えるよ」

 

 彼から聞かされた内容は、信じられないことばかりだった。それは、

 

 「ザルドさんが見たこともない新種ですか」

 

 「ああ。【ゼウス・ファミリア】で活躍していたザルドでさえも知らないモンスターだ。新種とみて間違いないだろう」

 

 「ふむ…」

 

 なぜこのタイミングで現れた?疑問が尽きないが、

 

 「取り敢えず遠征ご苦労様でした」

 

 「突然だね。素直に受け取っておくが」

 

 「分からないことを考えても仕方ないですし」

 

 「そうだね。それとあの二人を同行させてくれた報酬だよ」

 

 「あれ?多くないですか?」

 

 フェイとカレンの目が見開いた。指定額よりあからさまに多いのだ。

 

 「あの二人には、新種が攻めてきた際に助けられたんだ。特にリリルカ・アーデの援護には助かったと、リヴェリアが言ってたよ」

 

 たしかにリリは判断力があるし、ずば抜けた状況判断能力も兼ね備えている。ライラさんと良い勝負だ。

 

 「じゃあ、あの二人の取り分は多くしておきます」

 

 「そうしてくれ。それと、今日の晩に宴を開くから君達もどうだい?」

 

 「ザルドさんとリリだけでなく?」

 

 「この店に所属している全員だよ。特に、君が参加してくれたらアイズが喜ぶんだ」

 

 「アイズが?まあ、数少ない友達だから僕も嬉しいが…」

 

 「【豊穣の女主人】でするから、気が向いたら顔を出してくれ」

 

 「了解です」

 

 「失礼するよ」

 

 「「お気を付けて」」

 

 玄関まで見送ったフェイとカレンはフィンを見送った。

 




解説
 リリルカ・アーデ フェイに目を付けられた憐れな被害者。この少女もアルフィアから指導を受けている。ダンジョンに潜るザルドのサポーターを担当し、毎回深層まで潜っている。ザルドの大剣を振り回した時は、フェイは内心ドン引きしていた。Lv.3。二つ名まだ未定。
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