魔道具製作者の受難 作:お給料
~前回のあらすじ~
フェイが作った魔道具が暴発して、全員が入れ替わった!?
フェイ(リリ)「フェイ様の身体にリリが…ゴクリ」
カレン(ザルド)「脆弱な身体だな…深層に行って鍛えてくる」
リリ(アルフィア)「全員しゃがめ。首が痛い」
ザルド(カレン)「ザルドさんやめてくれませんか!?こんな筋肉ゴリラになりたくないです!」
アルフィア(フェイ)「うおおおおおおお!!力が漲って来る!名実とともに最強の英雄になったんだ!」
混沌と極めし【星の玩具店】
「バベルが崩れたぞぉぉぉぉ!?」
「モンスターだぁぁぁぁ!?」
そこに降りかかる災い。
五人の愛と絆が今、試される―…!!
「な~んて、ね☆」
どうも!現実逃避に努めていた英雄(笑)フェイ・ハーグです!我らが団長、アリーゼ・ローヴェルさんに引っ張られて辿り着いた十八階層で、殺人事件が起きたそうです。
「殺された冒険者は、Lv.4だよ」
「被害者と一緒にいたのは女性だって!目撃者がそう言ってたよ!」
「加えて荒らされた形跡もあった」
「被害者の状態は…」
「それは言わなくていいです。だいたい把握しましたから」
最後のは聞きたくない。聞いたら夢に出そうだから。ほら、後ろのレフィーヤさんだっけ?顔が青ざめてるもん!絶対グロイやつじゃん!なんで君ら平然としてるの?サイコパスなの?(失礼)
「ふっふーん!どう?私のフェイはもう分かったらしいわよ!」
「フェイは流石だね。じゃあ殺害した後の犯人の行動を教えてくれるかい?」
分かってませんよ。ええ、何にも分かってませんよ僕は。だから僕ならどうするかを教えてあげよう!
「集団に混ざります」
下手に身を隠すより、こっちの方が効果的なのだ。それも僕ほどの特徴ない凡夫なら尚更だ。
「同感だ。今表が騒がしいだろう?君と同じで僕もあの中にいると踏んでいるんだ」
あ~、だからザワザワ聞こえてるのか。
「それは分かったから、犯人を教えろ!」
「ボールス…。少なく見積もってLv.5ある無名の冒険者を特定できるわけないだろう」
リヴェリアさんがボールスさんを呆れたように注意する。表にはLv.5以上ある犯人が紛れてるんだって。控えめに言って死んじゃう。
僕ならどうするかpart2
「男性を中心に探ってみるといいかも」
「ほう?それはどうして?」
僕なら変装用魔道具で女性になる。何故かカレンにバレちゃったが。
「目撃者がいるからですよ。女性の姿のままでうろつくわけないじゃないですか」
「なるほど…」
リヴェリアさんが僕の推理(?)に納得した。頭がいい人に同意されると天才になった気分になるよね。
「フェイを信じよう。ボールス、頼めるかい?」
「しゃーねえな。英雄様の顎で使われてやるよ。お前ら!男の冒険者を隈なく検査しろ!」
彼の仲間に指示を出す。「なんで男なんだ!?」「うるせえ!文句があるなら『製作王様』と『勇者』に言え!」「なんだ、ボールスじゃなくてあの二人の指示か。なら仕方ないな!」「「「だな!」」」「てめえらはっ倒すぞ!?」そんな愉快なやり取りとともに表に消えていった。
「リヴェリア達も行ってくれ。彼らだけだと心配だ」
「了解だ。行くぞお前達」
「それなら私も行くわ!」
女性陣も後に着いて行く。残されたのは僕とフィンさんの二人だけ。
「どうかしました?フィンさん」
真剣な顔つきのフィンさんに尋ねる。
「ん?ああ、なんだか嫌な予感がしてね。親指が疼くんだ」
いいよなぁ、僕もその能力が欲しいよー-!!
「大丈夫ですよきっと。ここにはフィンさんやアリーゼさん達といった、僕なんかよりずっと強い第一級冒険者がいるからすぐ解決しますよ」
僕の言葉に一瞬だけ目を見開いたが、フィンさんはフフッと静かに笑った。
「僕はその逆さ」
「逆?」
「君がいるから大丈夫なんだ」
「………ん?」
「僕は、いや僕達は君に期待してるってことだ」
何言ってんの?この勇者様は。
混乱する僕に背を見せて、フィンさんは立ち去った。
「…何もないといいけどなぁ」
僕達を照らす水晶が埋め込まれている十八階層の天井を見て呟いた。
神々の言うフラグが立った瞬間である。表から轟音と絶叫が響き渡った。
「フェイ!一緒に負傷した冒険者を避難させるわよ!」
「あ、はい。了解です」
…勘弁してよ。
忙しいのでここで切ります。第弐章はあの食糧庫を匂わせて終わらせよう。