魔道具製作者の受難   作:お給料

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第弐章 英雄の姿

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 フェイ・ハーグ Lv.5

 

 力:H102

 耐久:E422

 器用:D542

 敏捷:F355

 魔力:C680

 

 解析:E

 耐異常:H

 逃亡:F

 

 【魔法】

 

 『術式付与(ギブ・フォーム)

 

 ・魔法を術式にして刻み込める

 

 ・魔法に制限なし

 

 

 『スタック』

 

 ・詠唱式

  “貴方が怖い。だから動きを止めてくれ”

 

 ・相手の動きを一定時間封じる。

 

 ・能力差があればあるほど時間増加

 

 

 【スキル】

 

 『秘密の工房(シークレット・スタジオ)

 

 ・頭の中で作業できる

 

 ・現実に顕現することは不可能

 

 ・発展アビリティ『神秘』『鍛冶』の追加

 

 

 『記憶図書館(メモリー・ライブラリー)

 

 ・記憶力の強化

 

 ・取捨選択を強化

 

 ・捨てたものを思い出すのは不可能

 

 

 『魔道具愛好家(アイテムオタク)

 

 ・魔道具を製作する時、魔力に成長補正

 

 ・発展アビリティ『魔導』の追加

 

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 発展アビリティ『魔導』を得たので、フェイは魔導書を作れるようになった。しかし、いかに優れた製作者であっても、初心者が玄人並みの物は作れない。

 

 『スタック』は、初めて作成した魔導書で得た魔法である。フェイはカッコイイ攻撃魔法を願っていたが、未熟だったために足止めの魔法になった。

 

 『解析』は効果を把握できる発展アビリティ。高まれば高まるほど、色んな情報が手に取る様に分かる。

 

~~~~~~~~~~

 

 横たわっている冒険者を発見し『癒光の十字架』を発動させる。

 

 「もう大丈夫ですよ」

 

 「うぐ…あ、ありがとう」

 

 僕は戦場となっているリヴィラで救助活動に励んでいる。

 

 突然現れたのは【怪物祭】で現れた新種のモンスター。みんなは食人花と呼んでいるから僕もそう呼ぼうと思う。

 

 あの日同様に本来なら僕が真っ先に襲われるのだが、魔法の効果で炎を纏っているアリーゼさんが陽動を担当しているお陰で気を逸らせている。

 

 それだけではない。

 

 近くで奮戦しているヒリュテ姉妹に続きリヴィラに居た冒険者も果敢に立ち向かっている。遠くには戦場を俯瞰して指揮するフィンさんや、リヴェリアさんが弓矢で一体一体正確に狙撃を行っている。

 

 僕はこの好機を逃さない。早く負傷者を治療して、一刻も早くこの戦場から逃げ出したいからだ。まあ、第一級冒険者が数人いるから早々に解決するんじゃないかな?

 

 「そう言えばアイズは?」

 

 彼女の魔法はとても分かりやすいのだが、風が吹いている気配がない。どこか別の場所で戦っているのだろうか?

 

 その時だった。

 

 「じ、地震!?」

 

 地面が大きく揺れた。それと同時に、絶叫に似た雄叫びが十八階層に響き渡る。

 

 「フェイ!」

 

 「アリーゼさん!何が起きたんですか!?」

 

 「分からないわ。ただ、ここに階層主級の新種が突然現れたの!」

 

 「し、新種の階層主…!?」

 

 「今『勇者』を中心に討伐を行っているわ!私も援護に向かうから貴方は引き続きお願いね!」

 

 「わ、分かりました!」

 

 状況が混沌としている。図ったようなタイミングで襲撃。あのすっごく強いアイズが長時間不在しているのは、

 

 「犯人と戦っているから…なのか?」

 

 殺人事件と何かしら繋がっている。僕はアイズの無事を祈りつつ駆け出した。

 

~~~~~~~~

 

 「その風…そうか、お前がアリアか」

 

 「!?」

 

 風を纏いレフィーヤの前に立ち塞がったアイズだったのだが、殺人事件の犯人の一言で動揺する。

 

 (今…なんて?)

 

 「面白い土産が出来た。それと…」

 

 「?」

 

 「フェイ・ハーグはどこにいる?」

 

 敵から出る友人の名前。

 

 「フェイを…どうするつもり?」

 

 「殺せと言われているんだ」

 

 その言葉が開戦の合図。自身の武器を構えた時、

 

 「きゃっ!?」

 

 被害者が冒険者依頼で獲得した水晶が割れ、アイズ目掛けて飛んで行く。幸い、躱すことが出来たが、

 

 「ちっ…!」

 

 食人花にくっついたそれを見て、敵の女が舌打ちをする。みるみるうちに変質していき階層主級である新種の女型モンスターに進化した。

 

 「!? 二人とも走って!」

 

 レフィーヤとルルネの手を引っ張って走り出す。ルルネは被害者から荷物を受け取っていた冒険者。敵の探し物の水晶もこの人が持っていた。

 

 遠くで女型と戦う仲間の姿を確認する。自分の相手は、

 

 「こうなれば仕方ない。フェイ・ハーグの居場所が分からない以上、お前だけでもついて来てもらうぞ」

 

 (魔法を使って互角…!?それどころか、競り負けてる!)

 

 「くっ…!」

 

 「便利な風だな、アリア」

 

 攻防一体の風を纏うアイズに、怯まず攻撃を仕掛ける敵の女。気になるのは、風を打ち破る力だけではない。

 

 「その名前をどこで!?」

 

 「…さぁな?」

 

 「はあ!!」

 

 「…人形のような顔をしていると思ったが」

 

 「くっ!?」

 

 一撃を喰らい、背後の水晶を壊し壁に激突する。もう身体を動かせる余力がない。

 

 「終わりだ」

 

 (うご…いて。動いて…!)

 

 剣を振り下ろす。絶体絶命のピンチを救ったのは、

 

 「アイズ!」

 

 幼少期に初めて出来た友人だった。

 

~~~~~~~~~

 

 「なに!?」

 

 攻撃が弾かれたことに相手が驚いた。僕もこの状況に驚いている。

 

 「大丈夫!?アイズ!」

 

 「フェイ、なの…?」

 

 「うん。君の友人のフェイ・ハーグなら僕だよ」

 

 頭から血を流してんじゃん。痛そうなんだけど。

 

 アイズの治療をしたいのだが、今にも自分を殺そうとしている敵から目を離せない。

 

 「お前がフェイ・ハーグか?」

 

 「…僕を知ってるんですか?」

 

 オラリオの都市内外に住む人なら誰でも知ってる。英雄なのだから当たり前だ。基本自己評価が低いのでそんなことに気付かない。

 

 「お前を殺せと言われていてな?諦めていたんだが…どうやら目的を達成できそうだな」

 

 「マジか」

 

 僕、恨まれるようなことしたかな!?たとえ相手が綺麗な女性でも殺されたくない!

 

 敵が高速で移動する。アイズは目で追えていたのだが、フェイには消えたようにしか見えない。突然目の前に現れた女に目を見開いた。

 

 「くそ!どうなってる…!」

 

 初撃同様に弾かれた。見えない壁に阻まれる感覚に襲われ悪態をつく。めげずに三撃、四撃、五撃と叩きこむが届かない。

 

 僕はニヤッと、口元を緩ませる。

 

 「攻撃が当たらないことが不思議ですか?」

 

 「ああ。無効化がお前の魔法か?そうだとしても限界があるはずだ」

 

 「それはどうでしょうね?」

 

 「連続で攻撃してみれば分かる事だ」

 

 斬る。殴る。蹴る。それらを無効化していく。だが、そろそろ行動しなければ不味い。残弾数が残り少ない。

 

 ポーチにはアルフィアさんを拘束した鎖があるし、ゴライアスを追い詰めた魔剣もある。切り札と言っても過言ではないとっておきの魔道具もある。反射させる指輪はメンテナンス中で手持ちにない。

 

 僕は勝とうと思ってない。時間稼ぎが僕の役目だ。

 

 「これを使おうか」

 

 「ぐうっ!?」

 

 取り出した物をゼロ距離でぶつけてみた。狙い通り顔面に当たり、敵が苦痛の表情に変わる。投げた物は刺激物を凝縮して入れたボール。

 

 ランクアップを経験すると五感も一緒に強化される。

 

 敵はアイズを圧倒する実力者。効かないはずがない。隙は作ったよ。

 

 「今だアイズ!」

 

 「吹き荒れろ(テンペスト)!」

 

 「ぐはぁっ!?」

 

 ただ攻撃を受けていたわけじゃない。アイズには回復用の魔道具を渡している。この一撃のための時間稼ぎだ。

 

 敵をアイズの全力の風で吹き飛ばした。いくつかの水晶に突っ込んで飛ばされたのでダメージを与えられただろう。

 

 「傷は大丈夫?」

 

 「うん。これのお陰で」

 

 「そっか」

 

 一先ず安堵した…のだが、

 

 「…やってくれたな。アリア、フェイ・ハーグ」

 

 「おいおい、あれを喰らってピンピンしてんのかよ…」

 

 「嘘…!」

 

 完全に化け物じゃん。耐久だけならザルドさんとタメは…張れないか。あの人の方が凄いわ。

 

 「アイズ、僕の後ろに。いや、全力で逃げて」

 

 「…え?」

 

 残り何回受けられるのかは把握できていない。あれだけ攻撃を喰らったのだ。もう駄目かもしれない。

 

 アイズならフィンさん一人だけ連れてこれる。この人相手なら充分過ぎる援軍だ。

 

 「まるで姫を守る英雄だな」

 

 「こんな格好悪い英雄は、きっと僕一人だけだろうね」

 

 「違いない」

 

 否定しろや!いや事実なんだけどさ。あの人達なら否定してくれる…よね?

 

 アルフィアさんの場合。

 

 “身の程を知れ。お前はカッコイイとは程遠い存在だ”

 

 カレンの場合。

 

 “仕事してくださいよ。カッコイイ英雄様(呆れ)”

 

 リリの場合。

 

 “姫を守る?守られるの間違いでは(笑)?”

 

 ザルドさんの場合。

 

 “…鍛えてやろうか?”

 

 ???の場合。

 

 “(無言のジト目)”

 

 うん。知ってた。

 

 「終わりだ」

 

 無慈悲の攻撃が僕に襲い掛かった。

 




文章が難しいのですが。小説が欲しい。

 次で第弐章を終わらせます。???はまだ登場しないかな。
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